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(73/77)冊
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ウイルス、伝染(うつ)るんです―あなたのパソコンが狙われている
ウイルス、伝染(うつ)るんです―あなたのパソコンが狙われている
著者: 中村 正三郎
出版社: 廣済堂出版
評価: yhvpl bihe
カテゴリ: yhvpl bihe
コメント: Hola hola.
関連本棚: k-miya Uramocha tokurunn nyarl
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ユーザーイリュージョン―意識という幻想
ユーザーイリュージョン―意識という幻想
著者: トール ノーレットランダーシュ
出版社: 紀伊國屋書店
評価: spdlbjg nyga
カテゴリ: spdlbjg nyga
コメント: piyljef tnvcihrwo hlunqp pbucfvlj usmhker ywopzvjb gjklyo <A href="http://www.mujkrw.fjywv.com">waxg nircsmpy</A>
関連本棚: 13号 �? tss deleted000 chihosh 増井 Fomal Haut ぱ� ynakajimaはまだこんな本を読んでいない Psychs 6期生 ok stonechild kw+hg kojima noriyo kenmor 221b 野澤真一 ogijun go.tekuteku
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遅刻の誕生―近代日本における時間意識の形成
遅刻の誕生―近代日本における時間意識の形成
著者: 橋本 毅彦, 栗山 茂久
出版社: 三元社
評価: gay twinks youngest
カテゴリ: gay twinks youngest
コメント: GOOD SITE. THANKX.N
関連本棚: やんま 竹田茂 GRA suchi K-To
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そば往生
そば往生
著者: 石川 文康
出版社: 筑摩書房
評価: bdmtpwshj zubexdsac
カテゴリ: http://teensex.googletop.info
コメント: Hello, hot porno movie, free download here.
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アメリカ新上流階級 ボボズ―ニューリッチたちの優雅な生き方
アメリカ新上流階級 ボボズ―ニューリッチたちの優雅な生き方
著者: デイビッド ブルックス
出版社: 光文社
評価:
カテゴリ: アメリカ 文化
コメント:  一言,もの凄く不愉快な本。途中で何度も読むのをやめて放り投げようかと思ったが,読み終えてウェブとかに悪口を書きたい書いてやる口を極めて罵ってやるというその一心で我慢して読んだ。<BR>  「ボボズ」とは著者によれば「Bourgeois Bohemians」の略,簡単に言えば高学歴かつ高収入のアメリカの知的エリートたちのこと。著者のブルックスは自らをその一人として,前世紀(と書くと恐竜が出てきそうな気がするがオレの産まれた20世紀のことだ)前半,アメリカ社会の支配層であったブルジョアの価値観と60年代,それに異議を唱えたカウンター・カルチャー系のボヘミアン文化を融合して新たな時代の担い手となる人々であると位置づける。<BR>  オレのようにひねた読者でなければ(例えばこの本の翻訳者であるセビル楓さんのようなヒトであれば),気取らず親切で洗練された彼等の生き方に共感したり憧れたりできるだろう。酒よりコーヒー,美食より健康,ヤッピーの俗物性を嫌い,サバティカルを取ってボランティア活動に精を出す……。が,こう言っちゃなんだがそれらはマリー・アントワネットの洗練であり白木葉子の慈善ではないのか。<BR>  世界の5%にも満たない人口で世界の半分のエネルギーを消費するアメリカという国で,その政策(今この国でタケナカが真似しようとしている政策だが)ゆえに拡大した貧富の差の上澄みの部分にいるニューリッチどもが,週末に郊外のラテ・タウン(彼等が住む街をこう呼ぶのだ,バーよりコーヒーハウスが多いから)のカフェで熱帯雨林の大切さについて静かな口調で語り合って,ボクらは自然を大切にしている偉いでしょ,というのである。京都議定書の批准を拒否するジョージ・W・ブッシュを「ボボズ」代表として支持しながらだ,バカぢゃなければ偽善だろ? これ。<BR>  本書がアメリカで上梓されたのは2000年,つまりあの9.11以前なわけだが,この翻訳なった2002年の段階で訳者のセビル楓さん,解説を書いておられる明治大学の越智道雄センセともに,この本に書かれた彼等が9.11に続くアメリカのアフガン攻撃やユニラテラリズムへの世界からの批判についてどう考えているのかに言及していない。彼等の中でもグレードが高いのは外交政策に関わる仕事と書いてあるにも関わらずだ。てめぇらナルシストのためにアフガンやイラクで子供が死ぬんだよかったな,け,と燃え尽きた矢吹丈に代ってワタシが言わせていただきたい。
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¥999 BOOK PLUS
¥999 BOOK PLUS
著者: フレデリック ベグベデ, Fr´ed´eric Beigbeder, 中村 佳子
出版社: 角川書店
評価: ★★★☆
カテゴリ: 青春 ユーモア 小説
コメント:  ヘンな題名だが,本国フランスで発売されたときの題名が「99F」つまり「99フラン」で,本の値段そのままだった。もちろん今はユーロになったので「14.99e(ユーロ記号のつもり)」に改められている,らしい。そして日本でも「¥999」というのが書名であり,また値段なのだ。税別999円で売っているわけである。
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ねじとねじ回し-この千年で最高の発明をめぐる物語
ねじとねじ回し-この千年で最高の発明をめぐる物語
著者: ヴィトルト・リプチンスキ
出版社: 早川書房
評価: ★★★☆
カテゴリ: 文化論 技術
コメント:  ペンシルバニア大学で建築学の教鞭をとる著者に,ニューヨーク・タイムズからミレニアムを記念するショート・エッセイの依頼が来る。テーマは「この千年で発明された最高の道具」は何か。彼は早速自らの道具箱を引っくり返して最高の道具を選ぼうとするが……。<BR>  前半は「この千年で最高の道具」探しを通して候補にあがった道具達の歴史が綴られる。これかあれかといろいろな道具について来歴を調べるのだが,ほとんどがこの千年どころか前の千年以前の発明であることに驚かされる(著者も,読者もだ)。で,結局それは「ねじ回し」であるということになり,後半,ねじ回しとそしてねじそのものの起源を遡る旅が始まる。<BR>  ……と,いうわけでなかなか興味深い本なんだが,惜しむらくは読んでいるこっちの基礎知識が足りな過ぎてナニを言ってるのか分からないトコロも少なくない。例えば「☆という道具の仕組みは◎と●の組み合わせ」などと書かれていても,オレには●がどんなものなのかさっぱり見当がつかないのね。そんな日が来るかどうかは分からないが,もし歳とって日曜大工でも始めたらもう一度読もうかね。
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呪いの研究-拡張する意識と霊性
呪いの研究-拡張する意識と霊性
著者: 中村 雅彦
出版社: トランスビュー
評価: ★★★☆
カテゴリ: 心理学 民俗 宗教
コメント:  愛媛大学で社会心理学を教えている著者は,同時にちゃんと資格を取った神主(神職というのが正確らしいが)でもあり,主に「呪術的実践と神道的世界観の心理学的研究」というのを行っている……そうな。<BR>  映画「死国」にも出て来たが,四国には伝統的に市井のシャーマン「拝み屋」が多数在住し,占い,まじない,加持祈祷などを行っている。彼らの役割,社会的位置などを文化人類学の観点から構造主義的に分析した研究は多い。が,それらの研究の多くは,基本的に彼らの行為の真偽や効果についての言及は避けてきた。本書はそれらの研究とは逆に,呪術や託宣,霊視や念力などの効果を現実のものとして認め,それが機能する心理的世界の模式を提起しようと試みたものである。<BR>  多少牽強付会的な印象もあるが,ユング呼ぶところの「ヌミノーシティ(霊性体験)」を,多くの場合その励起要因となる宗教性から切り離し,逆に全ての宗教がこの「霊性」の顕現に他ならないとする論理展開は興味深く,世界観としても面白い。また,この現象(というかチカラというか)を悪用しての呪詛やオウムのような人心収攬の危険性についてもキチンと言及しており,所謂「トンデモ本」ではない……いやトンデモ本を楽しもうと思って読んでも十分楽しいけどね(笑)。<BR>
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食べるアメリカ人
食べるアメリカ人
著者: 加藤 裕子
出版社: 大修館書店
評価: ★★★☆
カテゴリ: 健康 アメリカ
コメント:  オビにある,「アメリカ人は,なぜあんなにマズい食事で平気なのか?」という宣伝惹句にノセられて買ってしまった235ページ。この設問への答えとしてあげられているのはピューリタン的禁欲指向,開拓時代に培われた味より便利さへの渇望,そしてそれが行き着いた果ての,「オフクロの味は缶詰スープ」という現実など,目からウロコが落ちるような話ではない。まぁCIAやNSAの陰謀でメシがまずいわけもないが。<BR>  面白かったのはアメリカ人のどっかおかしい健康オタクぶりや,傍若無人なスシの食い方など,オレも常々思っていたあれこれが取り上げられていること。思わずそうそう,そうなんだよね,と同意首肯させられる。普通の日本人なら3食分はゆうにありそうな量のメシをコーラの1リットル瓶で腹に流し込みながら「日本食はローカロリー,ローファットだというから食ってるんだがちっとも痩せない」と愚痴るおばさんを見たことがあって,オレも「そんだけ食うなら何食っても一緒ぢゃないのか」と思ったもんな。<BR>  その他,アメリカで美味しいものを食うには郊外のエスニックを狙えだとか,結婚祝いの贈り物として定番のクックブックの話だとか,ベジタリアンの種類だとか,スラスラ読めるだけでなく史料的な価値もありそうだ。ここ数年,毎年行っている,バークリーのレストラン「シェ・パニーズ」の創業者アリス・ウォーターズの開店直後の苦労話なども興味深い。
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蕎麦屋のしきたり (生活人新書)
蕎麦屋のしきたり (生活人新書)
著者: 藤村 和夫
出版社: 日本放送出版協会
評価: ★★★★☆
カテゴリ:
コメント:  「有楽町・更級」の4代目藤村和夫氏による,蕎麦うちのコツから出しの引き方,通し言葉や符丁から,もりと種もの,「おやど」と出前の汁の違いまで。いやぁ実に面白く読ませていただきました。<BR>  ただちょっとだけ気になったのは,本屋で見かけたポップやオビなどこの本の広告にやたら「粋だ粋だ」と書いてあること。オレ的常識ではそういうのは「粋がる」って言って,これ以上ないくらい「粋ぢゃあねぇふるまい」だったはずだと思うんだがなぁ,NHKとかのヒトはどうお考えですか。<BR>  さすがに著者の藤村氏はその辺をわきまえてらして,ある広告では「私たち蕎麦を召し上がっていただく人間からすれば,粋だの,粋でないだのと生意気は言えない」とコメントなさってた。そうですよね,普通は。まぁその上で,それが「粋かどうかは知りませんが」と断りつつ,蕎麦屋にとって嬉しいお客というのを次のように紹介してらっしゃるので引用しようか,その客というのは,<BR>  まず酒を一本取り,お品書きを吟味しながらおもむろに飲みはじめ,しかるべき時に手の掛りそうな「つまみ」を注文し,できてきたらお代わりの酒を注文,食べているうちに「蒸籠,一枚」。水を切りながらつまみつつ,「もう一本」。「板わさでもおくれヨ」。酒がなくなる頃,「蒸籠,もう一枚」。これをゆっくり食べて,湯桶を入れて,残りの汁を全部飲んでしまってから「お勘定」。どうです蕎麦屋が喜ぶ客になれそうですか?
関連本棚: KT 権太の既読 ak2 hirschkalb
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メディア・リテラシーの方法
メディア・リテラシーの方法
著者: アート シルバーブラット
出版社: リベルタ出版
評価: ★★★★☆
カテゴリ:
コメント:  監訳者あとがきを引用すれば,「メディアは構成されたものであるという前提のもとに,イデオロギー,自分史,非言語的表現,神話分析の視点からメディアを読み解こう」とし,そうした「メディア製作のさまざまな方法や技法を明らかに」することを目標に書かれた一種の「教科書」である(各章末にレジュメというか復習ドリルみたいのもついてるし)。<BR>  例えばこんな話だ。「となりのサインフェルド」のようなコメディは,主要な登場人物が直面するささいな問題,人間関係の苦労などを扱う。ここには,「成功とは純粋に個人的満足によって測られるものだ」というメッセージが込められている。彼等の社会的活動はそうした個人的欲求の充足と人間関係の構築(あるいは修復)に限定された形でオーディエンスに提示され,しかもその解決方法としてたいていはスポンサーの意に沿った「消費主義的行動」が採用される。映画を観に行くとか,ショッピングをするとか,そうした行為により彼等の「今週の問題」は解決あるいは先送りされるわけだ。<BR>  この本が出色なのは,上のようなメディア作品の構造分析に加えて,それを構成する諸要素,例えば登場人物の表情や動作,容姿や服装から,音声コミュニケーションの諸要素にわたる詳細な考察がなされていることだ。例えば会話における声の大きさは権威や信念の表れとなりうるし,逆に小ささは不安感,服従,曖昧さなどを表現する。<BR>  いやはや,全てのメディアがこの本に研究されていることがらを全て応用してその出力(だんだん作品とは呼びたくなくなってくる)を製作しているワケはない,と思うものの,そんなコトまでと空恐ろしくなるような部分もある。対象をとらえるカメラ・アングルに意味があり,上から撮れば対象を弱く無力に,下から撮れば強さと権威を感じさせるくらいは知っていたが,その水平な移動方向にも意味があり,カメラが文字を読む方向(欧米では…このページもそうだけど左から右)に動く映像は安定を,逆は不安を醸しだすなんて知ってましたか?<BR>  まったく,誰かに読んでもらいたい,というより,ある種の連中にはあんまり読んでいただきたくないような本である。そう思ったのはオレだけぢゃないらしく,地味な学術書にも関わらずオビの文句もこう書かれている。「どなたさまのご用心! 政治家までこんなことお勉強しているんだって……」。確かにそれはヤバいかも。
関連本棚: 柴田邦臣
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イヴの七人の娘たち
イヴの七人の娘たち
著者: ブライアン サイクス
出版社: ソニーマガジンズ
評価: ★★★★☆
カテゴリ: 生物学
コメント:  かなり前のニュースだが,覚えているヒトもいると思う,ミトコンドリアDNAの分析から,現代人全ての「母」にあたる女性が15万年前のアフリカにいたことが判明し,彼女は当然ながら「イヴ」と名付けられた,という話だ。この本はあの研究を行った,オックスフォード大学人類遺伝学教授ブライサン・サイクスそのヒトが,その研究内容を一般向けに噛み砕いて解説したノン・フィクションである。<BR>  この研究のよすがである「ミトコンドリアDNA」とは,細胞質にあって人間の活動エネルギーを生み出す働きをしている器官である。このミトコンドリアのDNAには,他の遺伝子と違って母方からしか受け継がれないという便利な特徴がある。昔バラの育成シミュレーション・ソフトを書いた時に出て来た植物における「細胞質遺伝」というのと同じようなものだナ。おまけにこのミトコンドリアDNAは,約2万年に一度の割合で突然変異を固定することが分かっている。なので例えばこれを読んでいるアナタとオレのミトコンドリアDNAを比べて,その違いの数を数えれば二人の共通の先祖 (母系) までどのくらい遡れば到達するのか,だいたい万年単位でわかる,という寸法なんですね。<BR>  ……とは言え,それを実証するまでミチスジはもちろん平たんなものではなく,波乱万丈ヤマナカシカノスケなノン・フィクションになっている。なかでもワタシの心に残ったのは,かのヘイエルダール (こないだ亡くなった) が,コン・ティキ号で「実証」したポリネシア人の南米起源説がミトコンドリアDNAの研究ではっきりと否定されていたことである。これ,言葉は悪いがもっと宣伝すべきだと思うなぁ。まだまだ堅く信じているヒトが周りにたくさんいそうである。<BR>  結論として現在イヴの子孫には35の系列があることが判明している。このウチ東ユーラシア系はアメリカ系を含めて7系列ある。自分のDNAがどの系列かを知りたいヒトは,オクスフォードの研究所サイトに申し込むことができ,その<a href="http://www.sonymagazines.jp/mmt/200111080710">日本語インストラクション</a>がこの本の出版社,ソニーマガジン社に用意されている。やってみます?<BR>
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かがやく日本語の悪態 (新潮文庫)
かがやく日本語の悪態 (新潮文庫)
著者: 川崎 洋
出版社: 新潮社
評価: ★★★★☆
カテゴリ: 俗語
コメント:  悪態……悪態って分かるよね? 阿呆とか馬鹿とか間抜けとか,ボケ,尻青,たわけ,おたんこなす,デレ助,オカチメンコ,逆ボタル,脳足りん,すっとこどっこい,唐変木,スカタン,田子作,ウスラトンカチ,ウンコたれ,お前の母ちゃんデーベソと……つまりは口げんかで使う罵り言葉である。<br>  この本は詩人にして日本語の研究者でもある著者が,落語や色里言葉,方言など各方面から取材して集めた,実際に使われている(いた)日本語の悪態の集大成である。なるほどこうしてまとめられた古今東西の悪態を並べてみると,巻頭で著者が嘆いておられる通り,最近の流行の悪態は語呂合わせや短縮形が多くてあんまり芸がない。口げんかで互いにストレスを発散できず,内に溜め込んである日ナイフを振り回すって世相はちゃんと言葉にも影響しているのだなぁと。<BR>  ま,正面切って「次世代に語り伝えよう戦争体験」みたいなわけにはいかぬにしても,「宇治むら」なんてオツな作りの隠語は知っていると楽しいし,「酢豆腐」とか「権九郎」みたいに裏に一個の物語を背負った言葉は知ってるだけでそれ日本文化への造詣ということになるわけだしね……。<BR>  ところで一個だけこの本に異論。124ページに出て来る「男はつらいよ〜寅次郎紅の花」のリリー(浅丘ルリ子)の悪態「口ほどにもない臆病者で,つっころばしでぐにゃちんで,とんちきいのオタンコナスだってんだよ」の中の「ぐにゃちん」は「山田洋次監督の造語なのかぐにゃぐにゃしたオタンチンという語感を覚えます」なんてもんぢゃなくて,単なる★◎♪▼♂だと思いますけど(笑)。
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女は結婚すべきではない―選択の時代の新シングル感覚
女は結婚すべきではない―選択の時代の新シングル感覚
著者: シンシア・S. スミス
出版社: 中央公論社
評価: ★★★★☆
カテゴリ: 結婚 女性 社会
コメント:  ヨワイ40を超えてヒトリモノの私がこういうタイトルの本を読んでわかったようなコメントを書いたりすると,おそらく要らぬ憶測とナミカゼを呼ぶだろう予感はある。あるのだが,いや正味のところ,たいへん面白かった。<BR>  アメリカ社会に根強く残る (と言ったら「日本のほうが」だろうが) 「結婚制度への盲目的服従」がいかに人生を,特に女性の人生を苦しくつまらないものしているか,ということを数多くの実例をあげてレポートした本。著者であるスミス氏は,長年連れ添った夫と死別したあと,周囲の人々が「あなたはまだ若いんだから,いい相手を見つけて再婚すべきよ」と勧めるのに憤慨したそうだ。その時の話が面白い。<BR>  なんで女は結婚してないといけないみたいに言われなきゃいけないのか。そう聞き返されて周りの方がたまげてしまい,いろいろな支払いや車の修理など夫たるものの「仕事」を次々とあげつらう。そんなものは自分でできると彼女が言うと最後に出てきたのが「でもゴミ出しは旦那でしょ? (アメリカでは一般にゴミを出すのは男の仕事とされているそうな) 」と言われた。彼女は答える,ゴミ出しのために再婚する?馬鹿みたい(笑)。<BR>  タイトルはトンがっているが (原題は「Why Women Shouldn't Marry」) ,けしてウィメンズ・リブや過激なフェミニズムの本ではない。つうか,ここに「失敗した結婚の例」としてあがってるいくつかの事例はアメリカと言わず日本の夫たちこそ読むべき,身につまされるトコロがある話ではなかろうかと思う。そのヘン,シングルのオレなればこそ,うけけとヒトゴトとして笑って読めたのかも知れぬがね。
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ポップ1280
ポップ1280
著者: ジム トンプスン
出版社: 扶桑社
評価: ★★★★☆
カテゴリ: ピカレスク アメリカ 小説
コメント:  吉野朔実の「弟の家には本棚がない」で知って取り寄せた1910年代のアメリカの田舎町を舞台にした暗黒小説……。つか,こりゃアメリカ版「村井長庵」(「歌舞伎・勧善懲悪覗機関(かんぜんちょうあくのぞきからくり)の」でもいいんだけど,ここは「筒井康隆の」を思い起こしていただきたいところ)ですな。<BR>  人口1280人の田舎町ポッツヴィル,この町の保安官ニック・コーリーは間抜けの皮をかぶった極悪人である。町の売春宿に巣食うヒモ達を殺して隣の郡の保安官をその犯人に仕立て上げるわ,時期保安官選挙の対立候補を噂を武器にして追い落とすわ,愛人の亭主を銃の暴発事故に見せかけて殺すわ……。そして彼はうそぶくのだ。「オレの意志ぢゃない,オレはみんながオレに期待していることをしているだけさ」。<BR>  同じ暗黒小説と呼ばれても,エルロイや馳星周の主人公たちはもっとギラギラで欲望むき出し,人を殺すときも鼓動バクバクな感じがするんだが,この男は違う。心の底からそんなことはたいしたことぢゃないと思っている,通るのに邪魔な石をどかすような感じ。ね,村井長庵でしょ? <BR>  ……ところで「弟の家には本棚がない」にはこの本をネタにジャン=ベルナール・プイというフランス人作家が「1280の魂」という本を書いた,でも翻訳はされていないという話が出てくるのだが,ワシもそれが読みたい,読みたいぞ。
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知って合点 江戸ことば (文春新書)
知って合点 江戸ことば (文春新書)
著者: 大野 敏明
出版社: 文藝春秋
評価: ★★★★☆
カテゴリ: 歴史 民俗 言語
コメント:  オレはもともとこのテの話が大好きでよく読むんだが,これもまた目からウロコがボロボロと落ちる面白本,最近の流行で言えば「へぇ」連発でありました。以下オレが「ヘぇ」を発したヤツを2つばかし……。<BR>  (1)「男はつらいよ」で寅さんがいう「タコ社長」の「タコ」は江戸弁では「ばか」の上を行く罵倒語なんであり,その由来は「イカ」だったのだ。……これぢゃなんだか分からないか,将軍の家来には旗本と御家人という2種類があった。もちろん旗本の方が上(身分は大名と同格)なんだが,その区別は将軍に謁見できるかどうかであり,それが許されない御家人達を「お目見得以下」と読んだのだそうだ。旗本の子供は御家人の子供を馬鹿にして「以下」と呼ぶ。「イカ」と罵られたら「タコ」と言い返すしかないぢゃないか。なので,「タコ」というのは「目上のニンゲンを罵って言う罵倒語」なのである。寅さんもあれでタコ社長の方が自分より偉いとは思っているのである(ホントか?)。<BR>  (2)「旦那」も元々は上の旗本,御家人の違いから産まれた言葉なのだ。江戸後期,市場経済の発達に伴って昇給のない武士の生活は相対的に苦しくなり,買い物に行く下女なども雇えなくなって「御用聞き」というシステムが発生した。その御用聞き達は旗本の家では主を「殿様」と呼び,御家人の家では差を付けて「旦那様」と呼んだのである。やがて明治維新が起こり,山の手が薩長出の官員(新政府の役人)で溢れた時,江戸の商人達は彼等を御家人と同格と看做して「旦那」という言葉を使い,田舎者の役人はこれを尊敬語だと思って喜んだ,という話なんですよ,旦那。知ってましたか?
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DUTY(デューティ)―わが父、そして原爆を落とした男の物語
DUTY(デューティ)―わが父、そして原爆を落とした男の物語
著者: ボブ グリーン
出版社: 光文社
評価: ★★★★☆
カテゴリ: 歴史 ドキュメント
コメント:  「マイケル・ジョーダン物語」で日本でも名前を知られているシカゴ・トリビューン紙のコラムニスト,ボブ・グリーンによるドキュメンタリー。落とされた側の国のヒトとして,また今アメリカがやってる戦争は暴挙だと思っているヒトとして,軽々にこの本を「良かった,感動した」とは言いにくいんだが,良かったし感動してしまった。 <BR>  彼の父親は第二次世界大戦に従軍し,主にヨーロッパで戦った。ドイツが降伏し,次の作戦,日本上陸のため船でインド洋を渡っている時,広島,長崎に原爆が落とされ,日本が降伏,おかげで若きボブ・グリーン・シニアはもう人殺そしてそのことを,原爆を落とし戦争を終わらせたB29「エノラ・ゲイ」の乗員達に感謝していた,というのである。グリーンは,父が遺した回想のテープと,20年間追い続けてようやくインタビューに応じてくれた「エノラ・ゲイ」の機長,ポール・ティベッツの言葉を重ねあわせつつ,「父達の世代」の心情をさぐっていく。 <BR>  本の終わり近く,グリーンはティベッツに「最後に泣いたのはいつですか」と訊く。エノラ・ゲイのパイロットは答える。「いままで一度も感情的になったり,突然泣き出したりしなかったからといって,心のなかでなにも感じていないわけではないのだ」。  
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夢の科学―そのとき脳は何をしているのか? (ブルーバックス)
夢の科学―そのとき脳は何をしているのか? (ブルーバックス)
著者: アラン・ホブソン
出版社: 講談社
評価: ★★★★☆
カテゴリ: 明晰夢
コメント:  …今はムカシ,懐かしい「MacLIFE」に連載を持っていた頃,サヴァン症候群の人たちのことを書いた「なぜかれらは天才的能力を示すのか」( ダロルド・A・トレッファート著)の中に「ハリモグラにはレム睡眠がない」とあるのを読み,コラムで「もしかしたら夢というのはフロイトが言うようなモンではなく,単に脳味噌が記憶をガベージ・コレクトしているのを『意識』がかいま見ちゃってるだけのもんぢゃないのか」と論じたことがある。書いてる方が「こりゃ大発見」とコーフンしたわりには読者からの反応もなく,そのうちすっかり忘れ果てていたのだが,この本を読むとオレの考えはあれで結構いいセンを行っていたんですよ,奥さん。<BR>  筆者によればフロイトの時代に比べて画期的に進歩した脳の基礎研究やさまざまな測定器具の実現により,ヒトが夢をみている時の脳の状態をリアルタイムで見られるようになった結果,夢の研究は長足の進歩を遂げ,いまや「空を飛ぶ夢をみるのは性的欲求不満があるからだ」式のフロイト的夢判断は科学的にほぼ否定されているのだそうな。では脳のどんな活動がヒトに夢をみさせるのか,そもそも夢をみるとはどんな意味があるのか。意図的に明晰夢(自分がいま夢をみていると自覚しながらみる夢)を見る方法とは……などに興味があれば是非ご一読を。今夜から眠るのが楽しみになるかも。
関連本棚: すがる
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マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男
マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男
著者: マイケル・ルイス
出版社: ランダムハウス講談社
評価: ★★★★☆
カテゴリ: 野球 ドキュメント
コメント:  オビのアオリをそのまま書き写せば「貧乏球団アスレチックスは,なぜ勝ち続けるのか? 小説ではぜったい書けない男たちの熱いドラマ。」 <BR>  アスレチックスというのはサンフランシスコの対岸,オークランドに本拠地を置くメジャーリーグのチームだ。日本人選手もおらず,「A's」という略称を見てニッポンの阿呆な国会議員が「アメリカはすごいな,エイズにかかったヒトのプロ野球チームがあるのか」と言った(知らないヒトは信じないかもしれないが実話です。次から真面目に選挙に行く気になりましたか?)時以来日本の新聞などでメインの話題になったことはない(と思う)。 <BR>  が,このアスレチックス,ここ数年の成績は抜群。本書に寄れば「ニューヨーク・ヤンキーズの1/3以下の年俸総額の選手達を使って,ニューヨーク・ヤンキーズ並みの成績を上げ続けている」。まさに奇蹟のチームなのである。これは,その「奇蹟」を可能にした元二流メジャーリーガーのジェネラル・マネージャー,ビリー・ビーンの哲学と思想(というほど形而上的なモンでもないが)を追ったドキュメンタリー。「野球」を徹底的に科学し,文字通りの意味での「勝利の方程式」を作り上げた男の物語である。 <BR>  オレの読後感を正直に吐露すると「横浜ベイスターズの関係者はみんなこれを読め,他のチームのヤツはお願いだから読まないでくれ」ということになる。あ,あと一言だけ,1998年我らがベイスターズの優勝監督・権堂さんが「送りバントというのはわざわざ敵にアウトを献上するという世にも馬鹿馬鹿しい作戦だ」と言っていたのはデータ的にも圧倒的に正しかったのだ。まだ遅くない,ダイちゃん,権堂さんの采配を思い出そう!<BR>
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からくり民主主義
からくり民主主義
著者: 高橋 秀実
出版社: 草思社
評価: ★★★★☆
カテゴリ: ドキュメント 社会
コメント:  一読して,ようようこういうことを専門にルポするヒトが出て来たか,と思った。以前,シグマ計画のてん末について「SPA!」の取材を受けた(なんでオレが?とはオレも思ったけどね)時に同じような話をしたのだが,自分の専門分野のことが新聞や雑誌に取り上げられた時に感じる隔靴掻痒感や非現実感みたいなものって,きっとどの業界のヒト,どの事件の当事者にも共通しているコトなのだと思うのだ。<BR>  オレたちは「シグマ計画」について「こいつらあほか」と思ってたし,防衛庁のシステムの開発チームにオウムの子がまぎれこんでいた事件の時には「なんで騒ぐねん,いて普通やんか」と話し合ってた。同じように「報道される米軍基地問題」と地元のヒトの見ている現実は違うものだし,若狭湾原発銀座に住む「事故報道に不安を隠せない」はずのヒトビトの本音は「たまに事故が起って反対派が騒がないと補助金が減る」だったりするんである。<BR>  まぁありがちな表現を使えば「ニッポンの建て前と本音」つうことなんだが,今まで「そういう構造」について書くヒトというのはあんまりいなかった。「ゲンパツは危険ですコレデイーのか?」「諫早湾でムツゴロウが死んでいますコレデイーのか?」「統一教会のマインドコントロールは親から子を奪いますコレデイーのか?」……てなぐあいに,このテの問題に対するアプローチというのはたいてい「個別の問題に対する真正面からの告発」であり,「これがゲンジツです,これでイーのか?」と問うものだったのだ。<BR>  この本の著者・高橋さん(オレと同年なのだ)は,上にあげたような現場に「えらく遅れて」取材に行く。新聞やテレビや週刊誌の取材が帰ってさらに1年も経ったあとで取材に行くのだ(本人はいつも「出遅れる」と書いている)。そして当事者のみなさんと「世間話」をする。するとそこにはもともとそこにあった問題ではなく,それが「報道」というフィルタをどう通って行き,問題自身をどう変質させていったか,が見えてくる。で,その構造が同じなんですね,みんな。そして,そのフィルタの外側,つまり報道を通した結果としてオレタチが見るものは「からくり民主主義」なんである。どっとはらい……というべきか(笑)。
関連本棚: benisuzu morimon 増井 知多武豊 stonechild-2 偽物 suchi 増井の処分予定本
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