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三丁目の夕日 (小学館文庫)
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著者: |
山本 甲士 |
出版社: |
小学館 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
現代小説
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コメント: |
漫画(映画)のノベライズということでさして期待もしていなかった。が、良い意味で非常にツボを押さえた短編ばかりで、読み終えると「良い小説を読んだ」という気持ちになる。さすが山本甲士。うまいなー。うまいと言えば、最後の一章。唸るほど良い終わり方です。<br>
07/9/27追記:この本に触発されてようやっと映画を見ました。小説とは違う意味で良かった。しかしこの小説が、映画とは似て非なる「三丁目の夕日」パラレルワールドであることが改めてわかりました。山本甲士恐るべし! |
関連本棚: |
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二代目平蔵
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赤坂ナイトクラブの光と影―「ニューラテンクォーター」物語
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著者: |
諸岡 寛司 |
出版社: |
講談社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
戦後日本を彩った伝説のナイトクラブ「ニューラテンクォーター」。<br>
その在りし日の姿が当事者の視点から生き生きと語られる、ノンフィクションの秀作である。<br>
何より良いのは一人称の語り口。慇懃とも思えるほど丁寧な語り口からは、ニューラテンクォーターの店の格というものが十二分に感じられる。この文体こそ、このノンフィクションの成功の一因と言えるだろう。 |
関連本棚: |
二代目平蔵
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青い鳥
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著者: |
重松 清 |
出版社: |
新潮社 |
評価: |
★★★ |
カテゴリ: |
現代小説
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コメント: |
吃音の国語教師が、学校で小さな奇跡を起こす連作集。<br>
それぞれの中学生が抱える悩みというのが、いじめ、虐待、と結構どぎつくて(重松清なのでやっぱり…という気もしたが)、正直読むのがしんどかった。<br>
こんなに深刻な題材にしなくても、ドラマは生まれると思う。
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関連本棚: |
二代目平蔵
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ヨシアキは戦争で生まれ戦争で死んだ
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著者: |
面高 直子 |
出版社: |
講談社 |
評価: |
★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
サンダースホームについて、以前から興味があったので手に取った。<br>
アメリカに養子に行った孤児のその後という、テーマとしては非常に興味深いもの。<br>
しかし、おそらく取材したリソースの少なさによるのだとは思うのだが、残念なことに「ヨシアキ」という人物が立体的に浮かび上がってこない。<br>
養子先の家族・幼なじみ以外の人たちにインタビューするなり、当時の新聞をもっと読み込むなり、といった、作者側からのアプローチがあれば、と惜しまれる。<br>
着想は悪くないだけに残念な出来のノンフィクションである。<br>
この本を読んで、沢田美喜さんの歩んだ道がますます気になった。 |
関連本棚: |
二代目平蔵
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街角のオジギビト
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著者: |
とり みき |
出版社: |
筑摩書房 |
評価: |
★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
いやあ、いいですね。こういう肩肘はらない本、大好きです。<br>
工事の看板って何気なく見ているけど、絵柄にいろんなバリエーションがあるんですねえ。
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関連本棚: |
二代目平蔵
tui
ザ区
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赤ちゃんがいっぱい (創元推理文庫)
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著者: |
青井 夏海 |
出版社: |
東京創元社 |
評価: |
★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
<a href="/%E4%BA%8C%E4%BB%A3%E7%9B%AE%E5%B9%B3%E8%94%B5/448843102X">赤ちゃんをさがせ (創元推理文庫)</a>の続編。<br>
前作よりも面白かったかも…。 |
関連本棚: |
二代目平蔵
みづき
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千年樹
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著者: |
荻原 浩 |
出版社: |
集英社 |
評価: |
★★★ |
カテゴリ: |
現代小説
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コメント: |
遠い過去から現代まで、大樹のある町で過ごした人々の生活を、ポートレート風につづった連作集。<br>
間引きや女郎など、ちょっと過去の話が類型的すぎるか。<br>
無理に昔の物語を悲惨にしなくても良いのではないかと思う。 |
関連本棚: |
二代目平蔵
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哀歌〈下〉
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著者: |
曽野 綾子 |
出版社: |
毎日新聞社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
現代小説
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コメント: |
民族浄化の嵐が吹き荒れる国で、個人の無力さに叩きのめされる日本人シスター・鳥飼春菜。<br>
心身ともに傷を負い日本に戻った春菜を、更に過酷な運命が待ち受ける。<br>
帰国後の主人公の行動や、最後の結末など、いささか消化不良気味ではあるが、この小説の流れとしては妥当な気もする。<br>
女性が先天的に持つ弱さには、胸が痛くなるような哀切を感じる。<br>
どうでもいいことだが、地の文の活字が大きくて驚いた。<br>
曽野文学は今や若者には敷居が高いのか…。
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関連本棚: |
二代目平蔵
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哀歌〈上〉
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著者: |
曽野 綾子 |
出版社: |
毎日新聞社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
現代小説
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コメント: |
アフリカ某国の修道院で奉仕する日本人シスター・鳥飼春菜。<br>
しかしその国では、民族紛争の芽が静かに育っていた。<br>
援助を通してアフリカに関わり続けてきた曽野綾子さんの、リアリスティックな視点がそこかしこに投影された小説。<br>
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関連本棚: |
二代目平蔵
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ビネツ
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著者: |
永井 するみ |
出版社: |
小学館 |
評価: |
★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
女性心理の描写は巧みだが、ミステリとしてはちょっと冗長。<br>
エステ界に興味がある方は楽しめるのでは。 |
関連本棚: |
二代目平蔵
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感傷コンパス
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著者: |
多島 斗志之 |
出版社: |
角川書店 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
現代小説
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コメント: |
多島斗志之ファンを自認する私なので、最新作が発表されただけでもう五つ星をつけたくなる(寡作なんだもん…)。<br>
舞台は昭和30年代、伊賀の山里の分校。この渋さ、さすが多島斗志之である。<br>
主人公の新任女性教師、それぞれ違った家庭環境の子どもたち、そして、風変わりな営林署勤務の男性。<br>
それぞれの交流を淡くつづる、愛しさに満ちた小説である。 |
関連本棚: |
二代目平蔵
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恋する組長
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著者: |
笹本 稜平 |
出版社: |
光文社 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
現代小説
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コメント: |
今回の主人公は暴力団の御用達として生計をたてる私立探偵。<br>
下手をしたらかなりえげつない話になりそうだが、さすが笹本稜平、さわやかな読後感である。<br>
それからこの作家さん、肩肘張らずに面白い文章が書く天性のユーモアがありますね。<br>
受け狙いでこけそうな文章を書く作家が多い中、非常に希少なタレントと言えましょうか。
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関連本棚: |
森乃屋龍之介
二代目平蔵
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愛すべき名歌たち (岩波新書)
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著者: |
阿久 悠 |
出版社: |
岩波書店 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
先ごろ亡くなられた阿久悠の歌謡曲エッセイ。特に、ご本人が歌謡曲制作に関わるようになって以降の部分が面白い。個人的には小坂明子の「あなた」の詞の解釈と、西田敏行の「もしもピアノがひけたなら」にこめられた愛すべき男の姿が興味深かった。流行歌をつむぎ続けた作詞家の死を悼む。合掌。 |
関連本棚: |
2007年に亡くなった人
二代目平蔵
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在日義勇兵帰還せず―朝鮮戦争秘史
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著者: |
金 賛汀 |
出版社: |
岩波書店 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
祖国韓国がなくなるかもしれない。そんな危機感に突き動かされ、朝鮮戦争に参加すべく海峡を渡った在日の青年たちがいた。<br>
恥ずかしながら、この本を読むまで、在日義勇兵のことは全く知らなかった。目の開かれるような思いである。<br>
それにしても、親米反日の李承晩政権が、在日韓国人に対して全く理解がなく、義勇兵に対しても韓国人と同等の扱いを行っていなかったというのは哀しい。愛国の思いが報われなかった人々の辛さはいかばかりか。<br>
日本の独立(1951年)時、旧植民地出身者に国籍選択権が与えられなかったことは頭にあった(国際的な慣例上ありえない)が、そのことが義勇兵の運命にも大きく作用するとは、思いもしなかった。 |
関連本棚: |
二代目平蔵
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俯いていたつもりはない
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著者: |
永井 するみ |
出版社: |
光文社 |
評価: |
★★★ |
カテゴリ: |
現代小説
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コメント: |
プレスクールを経営する女性主人公、共同経営者であるシングルマザーの道を選んだ母親、そして、プレスクールに通う子どもの父親である、かつての恋人。<br>
各パーツはそれぞれに魅力があるのに、全体としてはイマイチな印象。一番最後に明らかになるある事実も、無用な付け足しのように思えてしまう。もう少し本筋に絡めることができれば、面白かったと思うのだが。 |
関連本棚: |
☆きのこ☆
二代目平蔵
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「聖地」荒れて
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著者: |
落合 信彦 |
出版社: |
小学館 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
現代パレスチナに至る歴史がコンパクトにまとめられている。<br>
アラブ同情論的観点から論じられた中東関連本(新聞含め)が多い中、
イスラエル・アラブ双方にアプローチしている点は評価できる。 |
関連本棚: |
二代目平蔵
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