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文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)

ジャレド・ダイアモンド
草思社
ISBN: 4794218788  紀伊國屋, Amazon, WebCat
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評  価
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sshinji : 本との出会いって、いろいろな形があって面白い。書評で出会うものもあれば、人から教えられたりすることもある。この本の場合は少しかわっている。そのころ、podcastにはまっていて、よく聞いたのが、AustraliaのABCというサイエンスチャネル。電車の中で聞いた著者の話が面白かったので、本を読んでみようと思った訳。そのときは、「文明崩壊」の話だったかな。 人類史1万3000年の本書の旅は、ニューギニアの政治家ヤリの作者に対する素朴な問いかけから始まる。 「なぜ、白人は発展し、我々はそうではなかったのか?」 今日の世界における格差がなぜ、どのように生じていったのか、ある民族は発展し、他の民族を征服したが、なぜ、その逆でなかったのか。このような人類史における問いかけを歴史や社会や経済といった人文学的に語ろうとすると、宗教や世界観に偏ってしまいがちだ。しかし、本書は、文明の発展と崩壊の謎を生物学者の視点から説いていく。生物学者の視点は生命としての人間の根源的な部分とシステムとしての人類、そこから派生する社会や技術といったものの関係をきわめて、冷静に分析してみせる。ある文明が別の文明を征服するということが、きわめて冷徹に観察されている。 人類史を科学しようとするとき、仮説を立てることができるが、実験を行えない。そこを、様々な民族の発展と征服の歴史の例を取り上げることで、比較してみせる。しかも、その筆致はきわめて饒舌であり、ミステリーのように読む人を飽きさせない。日本人なら業と呼ぶであろう、人類の征服、被征服の歴史を「銃、病原菌、鉄」という3つのキーワードで冷静に説いてみせる。 民族の対立をグローバルな視点でとらえるとき、本書の冷徹な視点が役に立つ。環境問題を考えるとき、人類がその誕生の瞬間から環境を破壊して生きながらえてきたということを実感する。後半では、文字のような技術が、どのように発展し伝わっていくかを分析しており、イノベーションやデザインが模倣され受容され、時には滅びていく文化のプロセスを知ることができる。 よく「日本人が農耕民族だから欧米人の狩猟民族には勝てない。」といわれるが、農耕と狩猟が人類にもたらした効能を考えると、これが、実は逆であることが2章で明らかになる。 気に入った人は、続編である「文明崩壊」も続けて読むことをお勧めする。文明が崩壊する様々な要因について科学的な分析を試みている。有名なモアイ像がイースター島文明の崩壊の原因であるとは、意外だった。
他の本棚 blackbird, 増井, ダイスケ, jkoba0512, ks, sshinji

最終更新 : 2015-07-06 16:35:55 +0900
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