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幼い娼婦だった私へ
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著者: |
ソマリー マム |
出版社: |
文藝春秋 |
評価: |
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コメント: |
カンボジアの女性、ソマリー・マム著。<br>
著者、カンボジアの山間部の村で生まれ、売られ、12歳で強姦され、買春宿に売られ、拷問、暴行され、フランス人と結婚してフランスに渡り人間的な生活を取り戻し、カンボジアに戻り、性的略取を受ける少女を助ける施設(AFESIP)を設立した人で、欧米から認められ、スペインの皇太子賞を受け、トリノオリンピックの開会式で聖火点灯したりした人です。<br><br>
カンボジアには、10歳未満で買春宿に売られる少女がいくらでもいて、薬物を投与されたり、もっと非人間的な扱いを受けたり、エイズに罹患して死んだり、しているようなのです。<br>
そしてそれはカンボジアだけの話でなくて、東南アジアに多く行われているようです。
<br><br>
東南アジア行って女の子とチョメチョメするとかためらいなく言ってる人や、国内でそれに似た事をする人や、児童ポルノ見て喜んでる人は、この本を読むか、この本に書かれているような事実を頭の隅に置くといいのではないか、と思いました。<br><br>
ショックでした。 |
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怖い絵2
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著者: |
中野 京子 |
出版社: |
朝日出版社 |
評価: |
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コメント: |
<a href="http://blog.livedoor.jp/tqlvdk/archives/51797834.html">前作</a>の続編。<br>
今回も、西洋の絵画20点の解説。著者本人があとがきで言っているように、「専門がドイツ文学と西洋文化なので、こんな鑑賞のしかたをするのか、それはそれで面白いものだな」という感じです。<br>
第二弾が早くも出たのですが、すこーし、息切れ感があったように感じました。
無理やり「怖さ」をひねり出してるような。別に「怖い」に拘らなくても、「痛い」でも「気持ちいい」でも「新しい」でも何でも良さそうな。
<br><br>
<a href="http://images.google.co.jp/images?q=%E3%83%94%E3%82%AB%E3%82%BD%E3%80%80%E6%B3%A3%E3%81%8F%E5%A5%B3&hl=ja&rlz=1B3GGGL_ja__177JP235&um=1&ie=UTF-8&sa=N&tab=wi">ピカソの泣く女</a>の女がどうして泣いているか。
絶倫ピカソは当時複数の女性と関係を持ってて、その女性同士で喧嘩して泣いたんだとか。
それを面白がって(?)、「泣きっぷりに惚れ惚れして絵にする、芸術家魂がすごい、と。<br>
<a href="http://images.google.co.jp/images?q=%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AD%E3%82%AA%E3%80%80%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%81%AE%E6%B4%97%E7%A4%BC&sourceid=navclient-ff&ie=UTF-8&rlz=1B3GGGL_ja__177JP235&um=1&sa=N&tab=wi">ヴェロッキオという人の「キリストの洗礼」</a>のエピソードが興味深かったです。
ヴェロッキオは当時売れっ子で、大きな工房でたくさんの職人を雇ってた。で、受注した絵は職人と手分けして描いてた。(知らなかったー)
この絵の左端の天使だけが、他と不釣合いに上手くできている。これを描いたのは当時入門したての16才くらいのダヴィンチ。
この若い才能に愕然として、ヴェロッキオはその後絵を描くのを辞めたそう。 |
関連本棚: |
K内
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鴨川ホルモー
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著者: |
万城目 学 |
出版社: |
産業編集センター |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
最近、テレビドラマで『鹿男あをによし』ってやってるみたいですが、それの原作者が、この本の作者。<br><br>
京都が舞台な点、ダメ学生が主役な点、作者が京大卒な点、作風がファンタジーチック(?)な点など、森見登美彦と比較しちゃいます。
私は万城目氏の方を好きです。語彙が自然に豊富で、ところどころにあるクスグリも、こっちのほうがツボです。<br><br>
ストーリーは、「ホルモー」という非現実的な競技(京都産業大、立命館、龍谷、京大が対戦)に、学生たちがふとした拍子に携わることになり、だんだんと打ち込んでいく。それだけといえばそれだけ。<br>
なんですが、何のために日々生きてくのか疑問に感じたり、それでも何かに打ち込んでみることがあったり、淡い恋があったり、そんなことを友人と話し合ってみたり、どこの若者にもありそうな風景が描かれます。<br>
懐かしさを覚えるのは、学生時代に京都にいた人だけでないはずだと思います。<br><br>
主人公の友人(入学まもない1回生)いわく
「僕たちがこの長い学生生活でこれから戦い続けなければならないものは、間違いなく虚無だ。いや、それは大学だけではなく、社会に出てからも、絶えず僕たちを苛むはずだ」(p.88)<br>
それでも彼らは、ホルモーや恋などのいろいろな経験をしていく。—それは必ずしも意図してやったことでなく、目的に疑問を持ってやってたり、ただ偶然やってることだったりする—<br>
そんな、一見無駄にしかみえない生活が、これはこれで学生生活謳歌してるかも的な、充足感をもたらしたりして。結局無駄なのかもしれないのですが。。
あーくすぐったい。青春小説。 |
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臈たしアナベル・リイ総毛立ちつ身まかりつ
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著者: |
大江 健三郎 |
出版社: |
新潮社 |
評価: |
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コメント: |
タイトルはポーの詩から来ています。
本文中にも引用が多い。ディレッタント(意味あってるか?)っぽさが強い。。
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30年前、映画を撮ろうとした。18世紀のドイツの叛乱を題材に。けどぽしゃった。という昔話。
それから30年経って、映画のヒロインになるはずだった女優(サクラ・オギ・マガーシャック)やプロデューサーや脚本書いた私はじいさんばあさん。
けれどまたチャレンジしようという話になる。
<br><br>
参考→
<a href="http://blogs.yahoo.co.jp/azurite_2727/39383200.html">http://blogs.yahoo.co.jp/azurite_2727/39383200.html</a> |
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K内
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日本人はなぜシュートを打たないのか? (アスキー新書 018)
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著者: |
湯浅 健二 |
出版社: |
アスキー |
評価: |
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コメント: |
タイトルについては、数ページ、しかも哲学者との対談の中で触れられるだけです。
(結論は、日本人は「無限責任=無責任」な体質だから、ということっぽい)
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他は、ふっつうにサッカーの戦術の話です。
サッカーに興味が無かったら、まーーーったくつまらないでしょう。<br>
恋愛においてシュートを打てない自分を改善するすべを知りたい、とか思ってこの本読んでも(そんなやついないか。俺だけか。)、実りはないと思われます。 |
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K内
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ゼロの焦点 (新潮文庫)
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著者: |
松本 清張 |
出版社: |
新潮社 |
評価: |
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コメント: |
新婚早々失踪した夫を探して東京⇔金沢を行き来する妻の視点で、事件を追う。<br>
約1ヶ月間で全容が明らかになるまでに、いろいろな人の過去や現在の生活が明るみに出る。過去を描出するときも、あくまでも現在の妻の視点に立っているため、自然に人間らしい文章の流れになっている。年末の日本海側の寒さを背景としたそのリアリティが、上手いのだろうと思う。<br>
逆に、巻末の解説に、このあらすじを時間軸に沿って説明してあるのですが、こっちは全く読めた代物でない。これとの対比に、改めて、松本清張の説得力をすごいと思った。<br>
<br>
本編とは無関係なんですが、新潮文庫のカバー裏の解説は、良し悪しです。。
そこまで書いちゃうかよ。と。<br>
他の新潮文庫でも、たとえば、『<a href="http://www.amazon.co.jp/%E7%95%B0%E9%82%A6%E4%BA%BA-%E3%82%AB%E3%83%9F%E3%83%A5/dp/4102114017/ref=sr_1_3?ie=UTF8&s=books&qid=1199022794&sr=1-3">異邦人</a>』(カミュ)のカバー裏。明らかに書きすぎ。 |
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怖い絵
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著者: |
中野 京子 |
出版社: |
朝日出版社 |
評価: |
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表紙が、以前展覧会で見たラトゥールの『<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:Georges_de_La_Tour_025.jpg">いかさま師</a>』でした。
中世を中心とした、西洋の絵画20展、それらの怖さについての解説。<br>
ゴヤの『<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:Goya-Saturnus.png">わが子を食うサトゥルヌス</a>』のように、一見して怖い絵もあれば、
ドガ『<a href="http://www.salvastyle.com/menu_impressionism/degas_danseuse.html">エトワール、又は舞台の踊り子</a>』のように、綺麗な絵だけど、それにまつわる当時の風俗の怖さが解説される絵もあります。
<br>
『いかさま師』は、、
絵の正面の女性の横目が怖い。
また、ばくちでいかさまをされる場面が、そして同様の仕打ちが自分にもなされるかも分からないという不安が、「怖い」と。
いわく、「一番恐ろしいのは天変地異でも幽霊でもなく、生きた人間だ」と。 |
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toshiharu
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キノベス!2007
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錯視完全図解―脳はなぜだまされるのか? (Newton別冊)
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著者: |
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出版社: |
ニュートンプレス |
評価: |
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動く錯視(例→<a href="http://www.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/">北岡明佳の錯視のページ</a>)とか、
古典的な2パターンに見える<a href="http://www.geocities.jp/meto178/illusionline_necker_cube_clear.html">ネッカーの立方体</a>とか、
ステレオグラム(<a href="http://iyi.yi.org/junoi/grafix/stereograms/index-j.html">例</a>)とか、
同じ長さなのに違って見える<a href="http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/ML1889F.html">ミュラー・リヤー錯視</a>などなど。
最後にちょっと脳の話も。
すげー。気持ち悪くなるぜーー |
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m2
K内
らいさん
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個人的な体験 (新潮文庫 お 9-10)
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著者: |
大江 健三郎 |
出版社: |
新潮社 |
評価: |
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コメント: |
27歳4ヶ月(奇しくも今の私と正確に一致)の主人公の鳥(バード。あだ名)が、障害を持って生まれた赤ん坊から、狡猾に、自己欺瞞を押し隠して、逃げようとし、最終的には、「ぼくが逃げまわりつづける男であることを止めるために」受け入れることを選択するに至る物語。<br>
その間の鳥(バード)とその周りの人物のできごと、感情、行動が、ものすごく濃厚なんです。<br>
障害を持つ赤ん坊、それを取り巻く人々、二日酔状態で予備校で講義して嘔吐、ア○ルセックス、外交官の出奔、過去の縊死、これから起こすかもしれない、人の手を借りた殺人。。。
それぞれが、季節が夏なこともあってか、非常に濃密な感じでかかれます。げっぷしそうな感じ。<br>
人物、感情を表す比喩に動物を多用してたりするあたりも、なんだか得体の知れなさを加速してる気がしました。
たとえば、「病んだイタチのように狡猾」「恐怖のメガネザル」「個人的な不幸のサナギ」「こそこそと穴ぼこへ逃げたがっているドブ鼠」とか、「眠りのイソギンチャクの触手」、「棘だらけで赤黒い欲望と不安のウニ」だったり。<br>
ほとんど最後、赤ん坊を育てていくことを決意した鳥(バード)に対して情人である火見子が言うはなむけのせりふ
「あなたはいろいろなことを忍耐しなければならなくなるわ」
が僕には印象的でした。 |
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新釈 走れメロス 他四篇
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著者: |
森見 登美彦 |
出版社: |
祥伝社 |
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表題の『走れメロス』(太宰治)の他、『山月記』(中島敦)、『藪の中』(芥川龍之介)『桜の森の満開の下』(坂口安吾)、『百物語』(森鴎外)の、現代版劣化コピー。
「劣化」は言い方悪いですが、劣化のさせ方が著者らしくて面白いです。<br>
『山月記』は、原作が大好きなのもあってか、楽しめました。
原作のダメ人間ぶりが、著者のよく書くダメ人間によくマッチしていて。
にしても、原作:虎→新釈:唾って。。<br>
『桜の森の満開の下』は、原作:山に住んでた鬼が都に移住→新釈:京都に住んでた著作家目指す学生が東京に移住。
これは普通に現代的な恋愛小説として楽しめました。<br>
どれも、原作は<a href="http://www.aozora.gr.jp/">青空文庫</a>あたりで無料で読めちゃいます。短編だしすぐ読めます。
もともと原作を知ってると面白さが倍になると思われます。 |
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日本橋バビロン
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著者: |
小林 信彦 |
出版社: |
文藝春秋 |
評価: |
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今でいう東日本橋を中心に、両国、柳橋、人形町、浜町あたりの、ここ100年間くらいの栄枯盛衰。
大正時代くらいまでは日本の中心と言っても過言でなかった日本橋が、関東大震災、空襲で跡形もなくなっていく様子。
東京の「下町」(文化?)も、同時に失われてく様子。
それが、著者の家族の栄枯盛衰を縦軸に書かれてます。
著者の家族のことは別にぜんぜん興味ないですが、町の移り変わりは、まさに我が家の周りだから興味深かった。
逆に、このあたりの土地に興味なければ、まったく面白くないと思う。 |
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