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日本軍事史

高橋 典幸 保谷 徹 山田 邦明 一ノ瀬 俊也
吉川弘文館
ISBN: 464207953X  紀伊國屋, Amazon, WebCat
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コメント
もつくん2_deleted000_deleted000 :  面白すぎて一気読み。
 古代・中世、戦国、近世、近代と四区分して、それぞれほぼ同じだけページを割いている(この試みが面白い。普通なら時代が下がるほど章立てが分厚くなると思う)。したがって、武器・武装、個人に重きをおいていた記述が、部隊編成・陣立て・兵站へと重心を移し、最後には軍政、国家へと変化していく。これは、戦さが「個人」対「個人」から「国家」対「国家」(そこには「個人」というものは存在しない)へと移り変わっていく歴史でもある。
 興味深かったのは、戦国時代。知行に応じて何名の兵を連れて参陣するかを事細かに大名が指示を出していただけではなく、いかに自軍を奇麗に見せるために、旗指物や鎧、槍、馬具の装飾にまで口を出していたという事実である。さらに、司馬遼太郎が「坂の上の雲」で書いていた(奉天の会戦あたり)ように「古来日本の戦さとは敵の芝を多く踏んだ方が勝ち」ではなく、敵の拠点なり城郭を攻め落として、初めて勝負がついたということである。
 幕末、幕府や長州・薩摩藩の軍事改革(西洋式軍隊の導入)の部分も大変面白い。費用をどう捻出したとか、○○流といったやや乱立気味の砲術をどう統一したとか。
 喧嘩は嫌なものだが、それせも「個」があるうちはまだ救いがある。「個」を否定した喧嘩は人間の尊厳をないがしろにしていると痛感した。
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最終更新 : 2006-07-11 15:52:52 +0900
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