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アーキテクチャの生態系――情報環境はいかに設計されてきたか
アーキテクチャの生態系――情報環境はいかに設計されてきたか
著者: 濱野 智史
出版社: エヌティティ出版
評価: ☆☆☆☆☆
カテゴリ: IT評論
コメント: ローレンツ・レッシグがCODEで論じている通り、人の行動や社会秩序を制御するものとして、規範(モラル)、法律、市場と並んでアーキテクチャがある。本書は、このアーキテクチャによって、インターネットなどの情報環境がどのようにコントロールされているかを具体例に沿って示している。たとえば、ソーシャルウェアの進化として。ウェブ→グーグル→ブログを例としてあげている。また、米国におけるブログの性質(実名性、個人主義、信頼感)と日本における2チャンネルの性質(匿名性、集団主義、安心感)とを対比して描いている。あるいは、オープンなフェイスブックと招待制でやや閉鎖的なmixiという対称的なSNSの違い。あるいは、P2Pやウィニーなどの、社会的アーキテクチャーとしてみたときの成立基盤。あるいは、ツィッターのもつ選択同期的性格と、ニコニコ動画のもつ擬似同期性などの時間の問題も扱っている。これらに対して、セカンドライフは真性同期を求めるが故に流行らなかったとの分析も行なっている。また、同じ消費者参加と言っても、単に動画を公開するだけのYouTubeに対して、利用者同士がコラボしあう初音ミク。最後に、携帯小説「恋空」の分析など、ネットワークを取り巻く社会環境が、いかなるアーキテクチャーにより規定されてきたかを、巧みに分析する。  文化を含めた、インターネット社会を知る上で書かせない本である。非常に分かりやすいし、読みやすい。
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