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クライマーズ・ハイ (文春文庫)
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著者: |
横山 秀夫 |
出版社: |
文藝春秋 |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
<p>以前、「半落ち」を読んだときに、新聞記者の章が特に素晴らしいなと感じたんですが、その章だけで1冊の長編小説にしてしまったような本。面白くないハズがないです。今年になって読んだ本の中でもピカイチですね。</p>
<p>日航機墜落事故の発生により大騒ぎになる群馬の地方新聞社の人間模様が書かれるのですが、解説によれば、その当時、作者は本当に群馬で新聞記者をしていたんだそうです。つまり、この本は作者の「伝家の宝刀」なわけで、これだけの筆力の作家の「伝家の宝刀」ともなれば、ここまでの威力かと、驚かされてしまいます。</p>
<p>世の中には「伝家の宝刀」じゃないと水準に達しないので、ずーっと同じモノを書き続ける人もいますからねえ。</p>
<p>思えば、あのジャンボ機が落ちた日は、私が親父の転勤で住み慣れた倉敷から水戸へと引っ越した日でした。夜、まだダンボールだらけの居間で、店屋物を家族で囲みながら、なんとか荷物の中からひっぱりだしたテレビに、「ジャンボ機消息不明」のニュース速報が踊ったことをはっきりと覚えています。次の日から荷ほどきを手伝いながら、部屋の隅でずーっとテレビがジャンボ墜落のニュースをがなり立てていた、暑い夏でした。</p>
<p>そうやって見つめていたメディアの裏側の話なんですが、やっぱりメインは男の野心、連帯、嫉妬、裏切り・・・で、サラリーマンものって感じです。冷え切った家族や、変質した上司とのつながり、微妙な同期との関係などを抱えながらそれでも男は生きていくのだという、非常に男臭い話。しかし、なんというか、ウチの会社が外資だからなのか、名古屋というローカルにいるからなのか、そもそも私が根が薄情に出来ているからなのか、サラリーマンをもう5年以上やっているのに、そういうドロドロとした話の上澄みすら接したことがないですな。そういうのを、体が無意識に避けてしまうタイプなので、それはそれでいいんですけど、この話のまるごとをまるでスパイものを読むかのように受け取ってしまう私にも、なんか問題を感じたりする今日この頃でした。あふぅ</p> |
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激走 福岡国際マラソン―42.195キロの謎 (小学館ミステリー21)
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著者: |
鳥飼 否宇 |
出版社: |
小学館 |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
<p>タイトルからは想像出来ないけど、ミステリーです(笑)</p>
<p>それもかなり正統派の。最後のどんでん返しに向けての伏線はすべて正々堂々と仕掛けられていて、緊張感の維持した展開のなかで人間関係の絡み合いがあって、そして、最後に謎がすべて明かされる快感。これは、まさにミステリーの読了感。</p>
<p>それが、すべて42.195km走る間に行われます。すごい構成力です。</p>
<p>ここのところ、正統派ミステリーに飢えてたから、かなり楽しめたし、気持ちよかった。</p>
<p>それにしても、このタイトルはかなり損してる気がするなあ。</p>
<a href="http://tambourine.cocolog-nifty.com/dengon/2006/03/__42195___9b78.html">ここにはいないボクへの伝言</a> |
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“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)
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著者: |
野村 美月 |
出版社: |
エンターブレイン |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
<p>方々で評判のいい"文学少女"シリーズ。気になっていたので、第1巻を読んでみました。</p>
<p>本好きで、気に入った本をそのままびりびりと破いて食べてしまう(タダのヘンタイなのか、人外なのかはこの本では不明)ハラペコのトラブルメーカー、天野遠子と、元天才美少女作家で何らかのトラウマを追っている少年でツッコミ役、井上心葉の二人きりの文学部へ、ある日、事件が持ち込まれる・・・というフォーマットです。</p>
<p>ところが、この巻では遠子が本を食べるという設定も、心葉の過去もあんまりストーリーに生きてきません。ゆっくりと設定を解決するつもりのようです。投稿作では出来ない真似だ(笑)。実は、いきなり初巻でこれなんですけど、持ち込まれる物語と、全体を貫く太宰治の「人間失格」が絡むモチーフが面白すぎて主人公たちのそのアタリの設定がどーでもよくなっちゃってます。最初は、心葉にラブレターの代筆をお願いしたいという依頼から始まるんですが、それが二転三転、本格ミステリー顔負けの展開を遂げます。読ませ方というか、ミスリーディングが巧い。評判に違わぬおもしろさ!</p>
<p>この巻だけ読むと、美羽とミウの関係がわからんとか、あからさまなツンデレ娘が放置とか、こいつホントに男じゃないんじゃないかとか、ヌードシーンの意味がわからないとか、いろいろと気になるところはあるんですが、そこはそれ、続編でどんどんとこなしていってくれればいいところ。1巻から全力振り回してないところも、これはこれでよしとしましょう。えーっと、どこまで既刊なんだっけ?4巻までか・・・すぐ読んじゃいそうだわ。</p> |
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宇宙へのパスポート(3)
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著者: |
笹本 祐一, 松浦 晋也 |
出版社: |
朝日ソノラマ |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
<p>やっぱり最後のはやぶさの部分が秀逸。これをもっと伝えなきゃいかん!</p>
<p>他の部分は男二人の珍道中日記として十分に面白いんだけど、でも、ただ目の前で打ち上げられるロケットをただ見に行くだけというのと、実際の中の人と関わりが持てる取材とは雲泥の差だよなあ。</p>
<p>でも、松浦さんの解説や、再三言及されるアメリカの飯のまずさや、いろいろ読むところがあります。私は1、2を読んでないので、全編楽しかったです。1も2もこんな感じだったとすると、ずっと読んでる人はちょっと飽きるかも知れないというのはあるね</p> |
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翻訳夜話2 サリンジャー戦記 (文春新書)
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著者: |
村上 春樹, 柴田 元幸 |
出版社: |
文藝春秋 |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
<p>
「翻訳夜話」に続き、今度は村上春樹が訳した「キャッチャー・イン・ザ・ライ(ライ麦畑でつかまえて)」について、村上・柴田コンビが語りまくり。</p>
<p>前作の「翻訳夜話」はかなり、翻訳とはなにかという面に力点を置いた対談だったんですが、今度はサリンジャーとホールデンについて、文学批評的な側面が増えてます。相変わらず示唆に富んでますが、「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を読んでないとよくわからないかもしれません。</p>
<p>ちなみに私は、村上春樹訳の「キャッチャー・イン・ザ・ライ」、持ってます。読んでません。いや、途中で挫折しちゃって・・・。私、嫌いな小説として、ヘッセの「車輪の下」ってのがあるんですが、あれと同じような苦手さを感じます。要するに、うじうじすんなーと(笑)</p>
<p>まあ、でも、読みますよ・・・そのうち(笑)</p>
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