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このマンガを読め! (2005)
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著者: |
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出版社: |
フリースタイル |
評価: |
2 |
カテゴリ: |
マンガ
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コメント: |
このミスのマンガ版であるが、面白いマンガが何かないかと思って買ってみた。
いくつか読んでみたいと思うようなマンガもあったし、夏目房之介氏らが書いた2004年トピックスや、2004年回顧座談会もなかなか面白かった。
しかし「2004年10大ニュース」を読んで、この本の評価を大いに下げてしまった。
私自身はマンガの熱心な読者ではないし、「このニュースが入っていないじゃないか」とか「これが10大ニュースに入っているのはおかしい」とか言うつもりはありません。これが10大ニュースだと言われれば、まぁそうなんだろうな、と思う程度です。
しかし、取り上げられたニュースについて、事実誤認や書き方はおかしいのではないかというのが3つありました。
まず1つ目は「2時間ドラマが「家裁の人」を無断引用」です。
何度も書いていますが、「引用」なら無断で行って何等問題ありません。
このニュースはむしろ「盗用」だとか「盗作」とすべきでしょう。
まぁ、それでもこの程度でしたらまだ許容範囲かもしれません。
次に「まんだらけ、原画流出の波紋」です。
漫画原稿を流出させたのはさくら出版。この見出しだとまんだらけ流出させたように読めてしまいます。
他にもこの解説は事実誤認が多い。
2003年秋、マンガ専門店のまんだらけでマンガ家の知らない間に原画が販売され、問題になった、いわゆるマンガ原画流出事件は、その後、弘兼憲史を代表とする約20人のマンガ家で結成された「漫画原稿を守る会」がまんだらけを訴訟する問題へと発展した。結局、まんだらけが原画をマンガ家に無償返却することで和解。
まず「漫画原稿を守る会」は訴訟を起こしていません。
訴訟を起こしたのは、弘兼憲史氏と渡辺やよい氏。
そして、まんだらけと和解したのは弘兼氏で、渡辺氏の訴訟は一審でまんだらけに賠償命令が出ましたが、まんだらけ側が控訴しており、まだ結審していません。
さらに言うと「漫画原稿を守る会」は5月に閉会しています。
この事件・訴訟についてはまとめサイトなどもあるので、ちょっと調べれば分かることなのに、これだけ事実誤認が多いと、著者が全然調べていないのではないかと疑いたくなる。
最後に私にとって一番許せないのは「マンガの貸与権で首相に陳情」
書籍・雑誌への貸与権の適用を含む著作権法改正案は第159回国会で成立しています。マンガ界にとっては、貸与権が成立したことよりも、主張に陳情したことの方が重要なんでしょうか?
3月30日、藤子不二雄A、さいとう・たかお、里中満智子、ちばてつや、弘兼憲史といった当代売れっ子マンガ家が小泉純一郎首相を訪れ、マンガにも音楽や映画と同様に著作権料を徴収できる「貸与権」を認めよ、と陳情した。
これも何度も書いているが、「貸与権」は報酬請求権ではありません。著作権料を徴収することもできるが、貸与を一切認めない、禁止することのできる、強力な権利です。
作家の権利は大切だが、著作権法が改正されるとこの業界が打撃を被ることは必至。
前述の通り、著作権法は改正され、1月1日から施行されます。さらに、貸与権料の徴収方法について、マンガ家・出版社側とレンタルコミック側との協議は決裂してます。
抵抗勢力がどう出るか、経過を見守りたい。
一番問題なのは「抵抗勢力」という書き方。何故レンタルコミック業者が「抵抗勢力」と呼ばれなければならないのだろうか。このようなレッテル貼りを行って、レンタルコミック業者を貶めることは、私には許せない。
このように10大ニュースのうち、3つのニュースには、事実誤認や問題のある記述がなされている。この部分を執筆したのは、ライターの木全公彦氏。木全氏はこの原稿を書く際にどれだけ下調べをしたのだろうか。正直言って、いいかげんなことを書いて欲しくないと思った。 |
関連本棚: |
copyright
本の本
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コンテンツ消滅 音楽・ゲーム・アニメ ペーパーバックス
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著者: |
小林 雅一 |
出版社: |
光文社 |
評価: |
2 |
カテゴリ: |
著作権
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コメント: |
著者のスタンスはコンテンツ産業擁護派のようなので、私とはスタンスがだいぶ違う。著者の主張にいろいろとつっこんでいきたいのだけど、その前に文章自体に思いっきりツッコミを入れたくなってしまった。
というのも、普通の文章にいきなり英語が入ってくるからだ。しかも、日本語で書いたことを英語でもう一度言い換えているのだ。
例えば、「これが消費者の言い分pretensionである。」(14ページ)とか「別に違法行為illegal activityを勧めるわけではないが、」(27ページ)、「迷いhesitationは全くなかった」(36ページ)など。
でも、これらはまだおとなしい方で、「様々な業界から賛否両論arguments for and againstが聞かれる。」(56ページ)とか「産業としての栄枯盛衰ups and downs、文化・社会的な毀誉褒貶praise and censureを一通り経験してしまった」(81ページ)などは、もう一体何をやりたいのか私には理解できない。
本書は光文社ペーパーバックスという叢書の1冊なのだが、この英語交じりはこの叢書の方針のようだ。
「About Koubunsha Paperbaks」で、光文社ペーパーバックスの特徴として次のように書かれている。
「4.英語(あるいは他の外国語)混じりの「4重表記」
これまで日本語は世界でも類を見ない「3重表記」(ひらがな、カタカナ、漢字)の言葉でした。この特性を生かして、本書は、英語(あるいは他の外国語)をそのまま取り入れた「4重表記」で書かれています。これは、いわば日本語表記の未来型です。」
わたしは現在型の日本語表記の方が良いです。 |
関連本棚: |
copyright
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著作権法逐条講義
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著者: |
加戸 守行 |
出版社: |
著作権情報センター |
評価: |
3 |
カテゴリ: |
著作権
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コメント: |
著作権法の各条項について解説している。
著作権について語る上では手元に置いて、参照したい本。
高くて厚いが、それだけの価値はあると思う。
持っていると、とにかく役に立つ機会が多い。
ただし、あくまで文化庁側からみた解釈であることには注意したい。 |
関連本棚: |
copyright
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ず・ぼん―図書館とメディアの本 (8)
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著者: |
ず・ぼん編集委員会 |
出版社: |
ポット出版 |
評価: |
4 |
カテゴリ: |
図書館
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コメント: |
一部の作家で図書館を批判する人達は多いが、図書館を批判する前に本書の巻頭座談会を読んでからにして欲しい。
作家達の図書館批判の大半について、この座談会で既に論破されている。
本書を買わなくても、WEBで全文を読むことができる。、
http://www.pot.co.jp/zu-bon/zu-08/index.html
作家達がこの座談会の内容をふまえた上での図書館批判を行わないかぎり、建設的な議論は行えないと思う。 |
関連本棚: |
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知財戦争 (新潮新書)
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著者: |
三宅 伸吾 |
出版社: |
新潮社 |
評価: |
2 |
カテゴリ: |
知的財産権
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コメント: |
基本的に「知財立国バンザイ」のスタンスで書かれている。
著者は日経の記者なので、まぁ、そうなってしなうのも仕方ないかもしれない。
取り上げている事例の解説は、あっさりしすぎているし、権利強化の主張の紹介に過ぎず、正直物足りない。
新書なのでこの程度になってしまうのは仕方ないかもしれないが、ほとんど参考にならない。
ただ、エンタメロイヤーや知財族議員を取り上げている所などは、さすが新聞記者だとは思う。 |
関連本棚: |
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入門 著作権の教室 (平凡社新書)
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著者: |
尾崎 哲夫 |
出版社: |
平凡社 |
評価: |
2 |
カテゴリ: |
著作権
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コメント: |
著作権法の入門書としては、標準的なもの。
新書版と言うことで、手に取りやすく、著作権について勉強したいという人に薦めたいのだが、この本には大きな欠陥がある。
それは、平成16年度著作権法改正に対応していないことだ。
67ページに「実はこの貸与権、当分の間は書籍または雑誌のレンタル店(貸本業、附則四条の二)には適用されないことになっているからです。」と書かれているが、平成16年度の法改正でこの附則は廃止され、平成17年1月1日からは書籍・雑誌にも貸与権が適用されることになっている。
施行まで1ヵ月を切った時点で出版された著作権法の入門書としては、当然この法改正を押さえる必要があると思う。
これを押さえていない為、出版から1ヵ月もたたないうちに本書は古びてしまうのだ。
このため、本書は入門書としては薦めることができない。
入門書であるからこそ、きちんとして欲しいと思う。
とても残念だ。 |
関連本棚: |
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