|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
/hecho/4091313019
|
著者: |
|
出版社: |
|
評価: |
60 |
カテゴリ: |
|
コメント: |
あんだけ小夜子の周りで人が死んでいるのに取調べすら受けないってのはいくらなんでも鈍すぎ。<br>
それ以外は好感が持てた。やはり昔の少女漫画家は並々ならぬ教養(特に文学的)があって読み応えが全然違う。時にその教養が思いっきり勘違い入ってて読むに耐えなかったりするわけだが、はまった時の世界観の深まり・広がりはすごい。この作品もその例に漏れない。 |
関連本棚: |
hecho
眼薬。
kana
豆丸の既読漫画
Dreamer
|
|
|
|
|
ファイアボール・ブルース (文春文庫)
|
著者: |
桐野 夏生 |
出版社: |
文藝春秋 |
評価: |
59 |
カテゴリ: |
|
コメント: |
よかった点<br>
・プロレスに惹かれ、プロレスラーを志す女たちの現実と、そこに芽生える誇り。<br>
・主人公、近田の成長劇。尊敬する火渡に落とされ、最後に無我夢中で火渡の敵対派閥のドンに試合で勝ってみせる。こんな素敵な(悪く言えばご都合主義的な)サクセスストーリーが、プロレスという題材だからこそ光り輝いて見える。<br>
・レスラーたちの群像劇。与謝野や近藤、あるいはHIMIKOなど、一くくりにできない個性豊かなレスラーたちの活躍する様に思わずにんまりさせられる。<br>
悪かった点<br>
・肝心の殺人事件がほとんどおまけのような扱いになっている。事件も種明かしも大味すぎ。いっそのこと書かずにただただハードボイルドに徹した方がよかったのでは。<br>
・資金繰りに苦しむフロントのドタバタは、もっと物語の肝に絡めることができたはずだし、そうするはずだった。プロレス界の一番シビアな部分が書けなかったのはもったいない。プロレスラーたちが活き活きと描かれているのに対し、フロントの面々の描写が精彩を欠いているのも残念。 |
関連本棚: |
hecho
tpircs
BOBTAIL
|
|
|
|
|
小説の自由
|
著者: |
保坂 和志 |
出版社: |
新潮社 |
評価: |
90 |
カテゴリ: |
|
コメント: |
2005年夏最大の収穫。現在小説を書くということに対して最も鋭敏かつ意識的な作家である保坂和志が、彼なりの流儀で小説とは何か、散文とは何か徹底的に考察する。
<br>
この「彼なりの流儀」というのが大事だ。保坂にとって、「論じるために小説を読む」という態度は邪道なものにほかならない。彼の卓抜な比喩によれば、評論家は羊の群れを統率する牧羊犬である。彼らにとってみれば、言葉を操る小説家もまた当然牧羊犬的な存在であるはずだ。ところが、小説家自身はむしろ羊の群れの中の一匹でいたいと思っているのだという。言葉と現実のはざまを決定的な指標もないままさまよい、一寸先の闇にこわごわと足を踏み出す行為こそ、保坂の言う「散文」なのである。<br>
この本の保坂の散文は、そのような態度表明に極めて忠実である。様々な小説が引用されるが、それらの読みは「論じられる」ために一定のベクトルに矯められてしまうことなく、様々なテーマが心を掴むのにまかせ、うろうろとさまよう。当初論じられるはずだったテーマはいつの間にか忘れ去られ、新たな関心事が作者の心を占める。しかしそのような彷徨の果てに、著者はいつしか「小説」あるいは「散文」と呼ばれるものの核に確かに行き着いたように僕には思われる。それは確かに明示することのできないものではあるけれども。 |
関連本棚: |
avril
yudemen
ducklib
暇人
かえさん
hecho
spi
敗戦
go.tekuteku
がこび3/日本文学(ノンフィクションも)
|
|
|