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59番目のプロポーズ キャリアとオタクの恋
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著者: |
アルテイシア |
出版社: |
美術出版社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
etc
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コメント: |
想像したよりはかなり面白かった。この著者は、子宮より頭で考えるタチみたいだ。文章が男っぽく、けっこう分析的な思考過程なのでわかりやすかった。というか、女性のウェブログでおれが読む気になれるのは、こういう傾向の文体ばかりだが。
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おたく男の「ピュア」が、キャリア女の奥底に眠っていた「ピュア」を、呼び水のごとく引き出していく様がいいね。おたくは基本的に、対象に真正面から向き合うからなぁ。新鮮だったろうなぁ。
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でも、これを「おたくとキャリアの恋」と言ってしまうのはどう考えても間違いで、「純粋培養おたく男と、キャリアの皮をかぶったおたく女の出会い」だと、正しく表現しないと危ない。これを読んで勘違いしたおたくとキャリアがお互いを求め始めたら、不幸な出会いがたくさん生まれちゃうぞ〜。
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あと、Amazonの書評なんかでは『電車男』と比較して云々というのをよく見かけるが、両者を「恋愛本」として同じ土俵で比較するのは間違ってる。『電車男』は「人を応援することのすばらしさ」を表現した本であって、「恋愛本」ではない。わかってねぇヤツ多いよな、そのへん。
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関連本棚: |
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4000億の星の群れ (ハヤカワ文庫SF)
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著者: |
ポール・J. マコーリイ |
出版社: |
早川書房 |
評価: |
★★★ |
カテゴリ: |
SF
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コメント: |
いかにもB級スペオペっぽい表紙だったのでイヤな予感がしたけど、読むものがないのだからしょうがない……と買ってみたら、中身はけっこうハードで本格的なSFだった。もうちょっと雰囲気に合った表紙にしてくんないかなぁ、ハヤカワさん。
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本格SFには違いないが、かなり地味。おまけに表紙と違って貧乳の主人公がかなり抑制の効いた……というか抑圧的な性格なので、なかなか感情移入もできない。中盤、シェイクスピアのプリントアウトを手渡されるシーンでは、「おまえ、そこは泣くところだろ!」と思わず主人公にツッコミを入れてしまったほどである。
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じゃあストーリーに没入できるかというと、項を追うごとに謎が解き明かされるわけでもなく、深まるわけでもなく(結末の数10ページで一気に解決するタイプ)。けっきょく面白いのは、異星の大地をひたすら歩く、サバイバルのところ。冒険小説として読めばなかなか面白い……かも。
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ヒューマン -人類- (ハヤカワ文庫 SF (1520))
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著者: |
ロバート・J・ソウヤー |
出版社: |
早川書房 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
SF
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コメント: |
三部作の二作目。偶発的なファーストコンタクトだった前作に対し、今作は少し計画的になり、ますますコンタクトSFの様相を呈してくる。まぁ、そのつもりで読めばいいのだが。
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ベトナム戦没者記念碑前のシーンはなかなか感動的だし、それに続く議論は、迫力もあり納得もいく。ネアンデルタールの世界観は、理性的で論理的。おれの趣味に合うなぁ。あっちの世界に住みたいかと聞かれれば、ちょっと躊躇するけど。樹の家には住んでみたいが。
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次作に続く謎(というか大問題)や、波乱の予感を含ませて終わるので、できれば次作が出てから読みたかったところ。早く出ないかな〜。
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関連本棚: |
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轟きは夢をのせて―喜・怒・哀・楽の宇宙日記 3
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著者: |
的川 泰宣 |
出版社: |
共立出版 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
etc
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コメント: |
メルマガに連載しているエッセイをまとめたものとのことなので、肩の凝らない話ばかりだろうとちょっと油断していたんだけど、実際は涙腺を刺激しまくってくれて困った。別にお涙頂戴話が並んでいるわけではないのだが、的川さんの熱いハートがビンビン伝わってきて、感動させられてしまうのである。なんてヤバい本だ。
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例えば最初の方の話にこんなことが書いてある。M-Vロケットの打ち上げが単純なミスで延期になった時の話である:
<blockquote>機械がこんなに頑張るのですから、せめて人間が気をつければ防げるケアレスミスだけは、ロケットの打上げにはあってはならないことなのです。</blockquote>
自分たちが作ったものへの強い自信と愛情、きわめて高いプロ意識、そして(自分を含めた)チームへの厳しい姿勢がなければ、こんな書き方できないよ。TVなどのメディアでは温和なおじさんにしか見えない的川さんだが、こんな厳しい一面があることがわかって、日本の宇宙開発の現場にこの人がいて本当によかったと思った。 |
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紅い十月
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ハッカー (偕成社ミステリークラブ)
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著者: |
マロリー ブラックマン |
出版社: |
偕成社 |
評価: |
★★★ |
カテゴリ: |
etc
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コメント: |
どっかの書評を読んで面白そうだと思ったので取り寄せてみた。……んだけど、ジュブナイルとは書いてなかったぞ!(たぶん) まぁ、けっこう楽しかったのでよかったけど。
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子供にも理解できそうなギリギリのところまでコンピュータの説明を単純化して、眉をひそめるような描写は極力排除してある。もっとも、これを読んで銀行に侵入したくなる子供が出ないとは限らないが……。大人が読めば途中で犯人が割れてしまうけど、子供相手なら大丈夫かな? とりあえずハッカー予備軍の読書としてはアリか。 |
関連本棚: |
sho
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星空の二人 (ハヤカワ文庫JA)
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著者: |
谷 甲州 |
出版社: |
早川書房 |
評価: |
★ |
カテゴリ: |
SF
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コメント: |
谷甲州らしくない表紙なので不安があったが、的中した感じ。どうにも、80年代に粗製乱造された悪しき日本SFの
においがプンプンする。
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ワンアイデアのストーリーに、無理やりお手軽でくさい結末をつけただけの「谷甲州もどき」やら、バカになりき
れていないバカSFもどきやら、どうにも楽しめない話ばかり。読者が谷甲州に期待している重厚感は、かけらもな
い。世紀の変わり目にこんなレベルの短編書いてたらあかんだろー。 |
関連本棚: |
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シャッチ
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反対進化 (創元SF文庫)
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著者: |
エドモンド・ハミルトン |
出版社: |
東京創元社 |
評価: |
★★★ |
カテゴリ: |
SF
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コメント: |
ここまで古い話なら、どんなに荒唐無稽なことが書かれていても笑って許せるだろう……と思って読んでみたが、そうでもなかった。というか、冒頭の「アンタレスの星のもとに」があまりにアレなので、かなり根性入れないと読み進められなかった。
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やっぱ古臭すぎるよなぁ。さすがにこれらを楽しむには、よほど広い心の待ち主(もしくはよほどのマニア)じゃないとダメじゃないの。なお、あまり古さを感じさせない「異境の大地」や「プロ」は楽しめた。SF小説に、時代を超える普遍性を持たせるのは難しいやね。 |
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秘密
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ホミニッド-原人 (ハヤカワ文庫SF)
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著者: |
ロバート・J. ソウヤー |
出版社: |
早川書房 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
SF
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コメント: |
どう考えてもイロモノとしか思えない設定とあらすじだから、あんまり期待してなかったんだけど、なんだよ、面
白いじゃねーの。ソウヤーはうまいなぁ。
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並行宇宙ものは、通信しかできないとか、一方通行だとか、いろいろ制限がついて、その制限が面白さのポイント
になることが多いんだけど、本作品ではいっさい制限なし。その代わり、世界のこっちと向こうでの文化の違いが
非常に大きい……ってつまり、並行世界ものじゃなくてファーストコンタクトものとして読めばいいってことか。
なんだ、そうか。
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なんにせよ、続編に期待。 |
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ソフトウェアの匠
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著者: |
まつもと ゆきひろ, 萩原 正義, 八田 真行, 高林 哲, 羽生田 栄一 |
出版社: |
日経BP社 |
評価: |
★★ |
カテゴリ: |
Computer
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コメント: |
こんなタイトルの本を作るなら「本の匠」に登場願いたいところだが、そうはいかなかったようだ。コンテンツは悪くないのに、本の作りがどうしようもない。
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なんと言ってもタイトルが悪い。「ソフトウェアの匠」という語から連想するのは、ずばり「ハッカー」だろう。でも、確実にハッカーと呼べそうなのは、まつもとさんと高林さん、あとはBIOSの人くらい? オープンソースや特許の話から「匠」というイメージは抱けない。キーボードの話なんて完璧に「ハードウェアの匠」やんけ!
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それから紙質。こんなに厚くて質の悪い紙を使ったら、厚くてめくりづらい本ができるのはあたりまえじゃないか。ページを繰るたびにげんなりするようじゃ、どんなに内容がよくてもダメだよ。アスキーの256倍シリーズより安っぽいのに2500円は高すぎる。
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というわけで、中身の話にたどり着けないので割愛(ってをい)。冒頭の二人の話はネットでしょっちゅう読んでいるので、復習程度。中ほどでシステムやらアーキテクチャを語っている二人は、巻末で対談もしているが、書
いてることと言ってることが違うと思った。対談では「土俵を変えて勝負しないと」とか言っていながら、書いてることは現在の主要技術の全面肯定もいいところで、これじゃ「普通のやつらの上を行」くのは無理だよな。BIOS、キーボード、検索の話は面白かったし、特許の話も知らないことがかなりあった。ほら、内容はいいんだよ、内容はね(少なくとも半分くらいは)。 |
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ウェブログの心理学
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著者: |
山下 清美, 川上 善郎, 川浦 康至, 三浦 麻子 |
出版社: |
NTT出版 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
Computer
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コメント: |
<p>いまだ出版ラッシュの続くウェブログ関連書籍だが、1年後に読み返してみても価値を保っているだろうと思われるものはほとんどない(『ウェブログハンドブック』くらい?)。ハウツー本はもちろんだが、その他の書籍も、せいぜい著者の身辺のごく狭いコミュニティでの経験を基にしているだけなので、視野が狭くてとても一般化できるシロモノではないのだ。しかし、WWWの黎明期から研究を続け、しっかりとしたフィールドワークまでこなした本書の著者たちは、経験の厚さ、視野の広さ、どれをとっても文句のつけようがない。</p>
<p>特に「歴史」を扱った第2章は重要だ。10年に渡るウェブログの歴史の中で、昨今のブームはたかだか1、2年のことである。そこにだけ着目した議論がなんと底の浅いことであるか。現在問題になっていることのほとんどが過去に登場済みであることがわかるだろう。「本質」に目を向けるいいきっかけになる章である。</p>
<p>そして、1997年の調査を元にした第3章。「Web日記」を「blog」に置き換えてもなんの違和感もないこと、また第4章と読み比べて、今と当時との違いはせいぜい「カネの匂い」の有無くらいである(カネの匂いはけっこう重要な軸ではある。が、あまり踏み込まなかったのは本書の立ち位置のせい?)。いまだに「Web日記とblogは違う」とか、自分の感覚だけで言ってる二元論者は、こういう事実を知るべきである。ウェブログは二値で分けられるものではなく、二次元スペクトルのどこかに位置づけられる、境界のあいまいなものなのだ、ということがよくわかる。</p>
<p>あと個人的には、第4章の「おわりに」が、ちょっと感動的な締め方だったのがよかった。そうそう、続けることが重要なんですよ。</p>
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麦撃機の飛ぶ空
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著者: |
神林長平 |
出版社: |
ヒヨコ舎 |
評価: |
★★★ |
カテゴリ: |
SF
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コメント: |
神林長平の小説というのは、一種の「冗長さ」が楽しいわけで、それがショートショートになってしまうと楽しさ半減というか。やっぱ、ちょっと不足感が否めないわな。挿絵がまた、妙に星新一作品を髣髴とさせてしまうタッチなのもいけないかも。ショートショートの第一人者がいた国に育ってしまったというのは、ある意味不幸だったりして。<br>
もちろん、いい作品もある。テンポのいい『エデン』は皮肉がきいていてGood。『麦撃』も神林らしい味がある。
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時間のかかる彫刻 (創元SF文庫)
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著者: |
シオドア・スタージョン |
出版社: |
東京創元社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
SF
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コメント: |
おれがもっともSFを読みまくっていたのは、スタージョンはもちろんサンリオSFも健在なりし頃なので、とうぜん本書を読む機会があったはず。実際は通り過ぎてしまったわけだが、それで良かったかも。当時のおれにこれを与えても、あんまりありがたがりそうにない。<br>
そんな、大人の小説。歳を食ってから読んだ方が、味がわかる。
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