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How Google Works (ハウ・グーグル・ワークス) ―私たちの働き方とマネジメント
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著者: |
エリック・シュミット, ジョナサン・ローゼンバーグ, アラン・イーグル |
出版社: |
日本経済新聞出版社 |
評価: |
4 |
カテゴリ: |
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コメント: |
googleがもっとも成功した未来の大学の姿ではないかと思ってしまう。イノベーションを途切れることなく、クリエーティブを最高の効率で回している。
P353 (ガスパロスがIBMのディープブルーに負けたことを受けて)(それは、)「新時代の幕開けとなった。新たなチャンピオンはコンピュータではなく、コンピュータと協業することで自らのスキルを一段と高めた人間だ。」
P349 自動運転者を巡っては必ず事故は起こるだろう。(中略)そうなったとき政府は19世紀のイギリスの赤旗法のような自動運転者という新技術に対して人間が運転する一般車よりはるかに厳しい安全基準を設けたいという欲求を抑えなければならない。 |
関連本棚: |
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増井
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新・ワイン学入門 (知のトレッキング叢書)
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著者: |
福田 育弘 |
出版社: |
集英社インターナショナル |
評価: |
5 |
カテゴリ: |
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コメント: |
学者の書いた本らしく様々な文献にあたりながら、ワインの歴史を紐解いていく。そこには、これまでと違ったワインの見方が現れてくる。
そもそも「テロワール」という言葉自体、単なる土壌や気候だけではなく、様々な事情により土地の改良や品種の選択などを行ってきた醸造家の努力も含めた風土と言えるものであることに驚かされる。ボルドーがイギリス領だった故に「ボルドー特権」と言われる税制優遇などを有し、今のようなワインを生み出していったこと、ブルゴーニュも同様に別の国だったために、特権を持ち、発展していったこと。ワインの複雑な歴史が面白い。合わせて日本酒が米という主食から作られるからこそ、ワインとは違い、ご飯か酒の排他的な飲み方がされること。また、神への捧げものだからこそ酩酊することが求められ、文化的に酩酊に寛容であること、など酒に関するうんちくに事欠かない。
最後のメッセージはその中で日本のワインを文化としていかに育てるかである。すなわち、様々な多品種少量料理を楽しむための邪魔にならないワインである。
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関連本棚: |
sshinji
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/sshinji/4062199432
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著者: |
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出版社: |
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評価: |
3 |
カテゴリ: |
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コメント: |
人類学者のママ友観察記とでも言おうか。日本でもありそうな教育熱心なママ達の日々戦いの記録である。「狭い地域での過剰な教育競争が歪みをもたらしている」といった言葉があった気がする。 |
関連本棚: |
sshinji
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金ではなく鉄として
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著者: |
中坊 公平, 武居 克明 |
出版社: |
岩波書店 |
評価: |
4 |
カテゴリ: |
学生推薦図書
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コメント: |
弱いものの味方、中坊弁護士の実は劣等感の塊、ひ弱な内面が赤裸々に語られる。ひ弱で劣等感に溢れ、弱いからこそ、本気になったときは強いのだ。自分の痛みを知っているからこそ、人の痛みがわかるのだ。
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関連本棚: |
なお。
sshinji
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フロー体験 喜びの現象学 (SEKAISHISO SEMINAR)
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著者: |
M. チクセントミハイ |
出版社: |
世界思想社 |
評価: |
5 |
カテゴリ: |
心理学
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コメント: |
人間の幸福とは何かを考えた時、外部的にそれを定義しようという試みは、いくつかあるが、筆者はそれを人間の心の状態、意識の秩序が複雑で高い状態にあること(これをフロー状態と呼ぶ)と定義する。それを科学的に実証して見せる。そこから、教育、社会のあり方、仕事のあり方、文化まで解きほぐして見せる。
人間が一心不乱に何かを達成しようとすることをフロー体験と呼ぶ。これは、人間が幸福になる秘訣である。心理学者がそれを科学的に、徹底的に分析する。
仕事でフローを得ることにより、仕事はしなければいけないことから、楽しみに変わる。あえて、休息や娯楽を楽しまなくても、仕事そのものが楽しみに変わることによって働き方そのものが変わる。
また、教育面では、意識を統合化し、複雑に構成することのできる能力を高めることが重要である。
それが、生きる知恵である。
このようなフローを楽しむことを根本に持つ社会や文化は幸福である。
人間の幸福に対して、心理学者が少し冷めた目線で、しかし、力強くメッセージを送っている。 |
関連本棚: |
ds
羽尻
KEG
anne
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TED講演者が推薦する意識が高い読書リスト
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/sshinji/4120047776
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著者: |
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出版社: |
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評価: |
3 |
カテゴリ: |
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コメント: |
西武百貨店、パルコ、無印良品、昭和の消費文化を作ってきた堤清二氏の自伝が御厨貴、橋本寿朗、鷲田清一のインタビューによって掘り起こされる。
日本で作り出したのは民主的テーラー主義、トヨタの改善に代表される従業員参加型の生産改善方式である。
三島由紀夫の楯の会の制服を作る、池袋西武百貨店の地となる巣鴨拘置所に絡んで児玉誉士夫との親交など、昭和後半の歴史との接点が面白い。 |
関連本棚: |
sshinji
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実践 行動経済学 健康、富、幸福への聡明な選択
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著者: |
リチャード・セイラー, キャス・サンスティーン |
出版社: |
日経BP社 |
評価: |
4 |
カテゴリ: |
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コメント: |
googleのwork rulesから連れられてきた。第一部はほぼ心理学の話、いかに我々ヒューマンと完璧な経済人エコノは違うか。合理的な行動をしないからこそ助けが必要になる。そのおせっかいがリバタリアンパターナリズムである。
それを具体的な政策の面から応用しようとしたのが、第2部となる。真骨頂は第2部にあるのだろうが、第一部はいわゆるPT (Persuasive Technology)にも通じる話。
ちょうど、一般意志2.0にも応用可能。その時活躍するのが、選択アーキテクチャである。
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関連本棚: |
sshinji
key
rage1515
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ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える
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著者: |
ラズロ・ボック |
出版社: |
東洋経済新報社 |
評価: |
5 |
カテゴリ: |
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コメント: |
グーグルにおける人事のあり方を全てさらけ出した好著。グーグルの人事の基本は徹底したデータ主義と透明性。
人財育成やマネージャーの能力でさえ、ABテストや実験を繰り返し、効果を測定し、改善していく。
フリーフードの始まる様々な社員サービスは、コモンズの実践であり、コモンズの悲劇も起こるが、TGIFなどのオープンな議論で乗り越えていく。最後は相互の思いやりだ。
こうして、最新の技術とイノベーションで出来上がった会社の姿は、かつての日本のようなファミリーで、人を徹底的に大事にするものに驚かされる。
世界最高の人材を徹底したコストをかけて、選別し、確保し、一旦確保するとできるだけ大事に育て上げる。
それが、グーグルの文化である。 |
関連本棚: |
sshinji
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エニグマ アラン・チューリング伝 上
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著者: |
アンドルー ホッジス |
出版社: |
勁草書房 |
評価: |
4 |
カテゴリ: |
コンピュータ
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コメント: |
計算幾何学の巨人、アランチューリングの伝記。エニグマ解読の部分は映画にもなったぐらいエキサイティングだが、天才的なひらめきだけでなく、以外と地道な作業であった。土屋先生ご夫婦による翻訳であった。計算機科学の視点からは少し物足りない部分もある。
上巻はエニグマをめぐるドラマのようなストーリー、後半では戦後のコンピュータ発明史とチューリングが、ソフトウェアの重要性を指摘し、人工知能へと思索を巡らせる様子が語られる。コンピュータが生まれる前から、その可能性について思索を巡らせ、チューリングテストに至る過程、現代の生物物理学を見極めた発生学に関する考察など、この人の洞察の深さに驚かされる。それでもノイマンやいろいろな人たちの相互交流によって爆発的にイノベーションが起こった様子は興味深い。様々な事実と周辺の背景、そした各人物の内面まで踏み込んで洞察するスタイルは時にまだるっこしいが、読み応えがある。 |
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sshinji
増井
チューリング
岸リトル
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限界費用ゼロ社会―<モノのインターネット>と共有型経済の台頭
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著者: |
ジェレミー・リフキン |
出版社: |
NHK出版 |
評価: |
5 |
カテゴリ: |
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コメント: |
IOTのもたらす世界を市場型資本主義から共有型経済(コモンズ)への転換とみる。
インターネットでコミュニケーションが、IOTで残る2分野の限界費用がゼロになっていくことを様々な実証例を挙げて示す。
一方で、MOOCやオープンソース、共有型車など共有型経済の始まりの事例を示す。
コモンズの悲劇は避けられるのかという疑問には、
世界中の共感を呼ぶことで避けられるのではないか。
マインドセットの転換が必要である。
ととく、最後に、「フクシマ」を経て、原発を脱却しようとするドイツと日本は逆の道を歩んでいることの警鐘を鳴らしている。
一般意志2.0とつながり、僕の中では目指す方向となった。 |
関連本棚: |
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go.tekuteku
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一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル (講談社文庫)
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著者: |
東 浩紀 |
出版社: |
講談社 |
評価: |
5 |
カテゴリ: |
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コメント: |
g0vやgoverment 2.0を調べていたら、本書に当たった。
ルソーの一般意志を振り返ることから、新しい政治の模索が始まる。
ビッグデータによりこれまでわからなかった個々の人間の感情の総体というものが、可視化でき、その調整役、代理人として政治や国家が存在する世界。
しかし、描くユートピアは資源が無限にある世界にも見える。資源の調整をシビアーにやるとき、どうなるのだろう。
例えば、市場原理に基づく資本主義や現代の企業は、ある程度の透明性が担保され、市場にさらされているために、極めてこういった存在に近い気がする。
という疑問を抱えながら、「限界費用ゼロ社会」を読んだらその答えはコモンズにあるのだった。 |
関連本棚: |
sshinji
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グレートカンパニー――優れた経営者が数字よりも大切にしている5つの条件
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著者: |
リッチ・カールガード |
出版社: |
ダイヤモンド社 |
評価: |
4 |
カテゴリ: |
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コメント: |
原題の「the Soft Edge」の方が内容にしっくりくる。イノベーションのジレンマに陥らない会社の5つの条件といったところで
信頼
知性ースマートさ
チーム
テイスト
ストーリー
がそれにあたる。様々な実例、メイヨークリニック、モモフク、ネスト、スペシャライズド、シーラスなどに合わせて説明されると説得力がある。 |
関連本棚: |
sshinji
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