人類学の最新の動向を新聞記者さんがまとめてます。中で出てくる話も2000年を過ぎてからの研究の進展を中心にまとめてあり、私が子供の頃に学校で習った話はもうかなり古いんだということを思い知ります。
そもそもタイトルから・・・皆さん、最古の人類の名前、わかります?アウストラロピテクス。はい、学生時代よく勉強してましたね。アウストラロピテクスが生きていたのは?覚えてませんか?500万年前ぐらいです。
そう。つまり、最新の研究ではアウストラロピテクスは最古の人類ではありません。それ以前の人類として3種があがっていて、一番古いのはタイトルの通り、700万年前のサヘラントロプスです。報告されたのは2002年。そりゃ、知らないのも無理はありません。
そんな話がごろごろ出てきます。人類学が今まさに凄い勢いで発展していることが、この本を読めばわかるし、その進展の内容も、そして、今何故次々に新しい発見がなされているかも、読めばわかります。さくさくと読めます。我々はどこからきたのか。現代人の教養として、ぜひ読むべし。
そして、専門家ではなくジャーナリストが最新の研究をきちんとまとめてくれていることに感謝です。私たちはこういう仕事をもっと評価しなければならないと思います。新書でエッセイを書くバカ共の本を喜んで買うバカ共が多い中、うれしくなる一冊でした。
バカになるのは簡単です。皆さん、教養のジョギングを怠らないようにしましょうね。
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