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歌うネアンデルタール―音楽と言語から見るヒトの進化
スティーヴン ミズン
早川書房
ISBN: 4152087390
紀伊國屋
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K内 :
言語の起源は、この分野の多くの人が興味を持っている気がするのですが、 この本では、言語に加えて音楽の起源を探究しようと試みています。
ネアンデルタールは、Hmmmmm(Holistic:全体的 multi-modal:多様式的 manipulative:操作的 musical:音楽的 mimetic:ミメシス的)という、言語と音楽の両方の前駆体的なコミュニケーション手段を持っていた、と主張しています。
全体的というのは、一声で一つの意味をなして単語に分かれていないというような意味、
多様式的というのは、犬のほえ声がワンパターン(←駄洒落(>∀<))であるより、もっと多様なパターンの発声、というような意味、
操作的というのは、聴き手を操作するというような意味(あっちいけ!とか)、
音楽的というのは、音程の上下やリズムがあって、また、ある音節が特定の事物を意味してはいない、というような意味、
ミメシス的というのは、模倣的というような意味、
みたいです。 ハミングとかけたネーミングもおもしろいです。
Hmmmmmを前駆として、現代人は新しく、事物を具体的に指し示す単語を持ち、単語の組合せルールの文法(統語?)を持つ、言語を獲得したと。 言語は効率的な情報伝達手段として発達していきましたと。 一方で、音楽の中には今もHmmmmmのなごりがあって、感情の表出やIDL(Infant Directed Language)の際に有用な役割を果たしていると。
言語以上に論証が難しそうな、音楽の起源に挑戦するということで、根拠として集めた事例も、脳科学(失語や失音楽といった脳損傷の事例や、神経科学etc)、ヒトの行動学(育児の話、個人的な音楽体験etc)、現生霊長類の行動(チンパンジー、ベルベットモンキーetc)、化石人類の骨格、人口遺物、など非常に多岐にわたっていて、読みごたえがあります。(参考文献の数が約500!)
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13号
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K内
最終
更新
: 2006-07-04 23:53:14 +0900
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