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蝉しぐれ (文春文庫)

藤沢 周平
文藝春秋
ISBN: 416719225X  紀伊國屋, Amazon, WebCat
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コメント
whitebug : 藤沢周平の「蝉しぐれ」は青春小説だと思った。恋という感情や言葉などまだ知らなかった頃の淡い想い。後になって人はそれを初恋と気付く。そして気付いた時には、たいてい全ては時間の積み重ねの中に過ぎ去ってしまい、もう二度とは元に戻ることが出来ない。 夏、私も蝉しぐれを聞いていると唐突に二度と戻らぬ過去の記憶が鮮やかに戻ってきて、甘酸っぱい想いに切なくなることがある。文四郎とふくの最後のシーンは現実だったのだろうか。それとも文四郎が降るような蝉しぐれの中で視た幻だったのだろうか。
風山五十郎 : ドラマにもなり、映画にもなった名作。でもやはり小説が一番良いです。 藤沢周平氏の小説の中では今のところベスト。
平蔵 : 恋愛小説として読むのではなく、牧文四郎という一人の武士−江戸時代の平均的な下級武士−の成長を描いた物語として読みたい。 節目節目に劇的な展開があるのだが、結末は決して大どんでん返しが待っているわけではない。 それだけに、この小説の終着点はしみじみと心にしみるし、説得力がある。十代にこの小説を読んでいたとして、この小説の結末に納得できていただろうか。この小説の真価はわからなかったのではないだろうか。
利絵論 : 藤沢周平の作品の中で一番好き。
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最終更新 : 2005-07-15 23:17:36 +0900
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