始まりが割と古めの本格物みたいなはじまり方です。ここ最近、変化球のミステリーばかり読んでいたため、「そろそろ、古くさくてもいいから名探偵が『犯人はお前だ!』って叫ぶようなのも読んでみたい〜」とか思っていたため、自ずから期待感が高まったわけですが・・・違いましたね(笑)
プロットの組立は見事なんですが、犯人の視点で物語が語られ、早いウチにからくりが明らかにされちゃうので、そこからはこの犯罪がうまくいくのかという単なる冒険活劇になっちゃうんですよね。それはそれで面白かったんですが、やっぱこれも変化球かなと。また、最後の種明かしが、「いや、もうそんなことどうでもいい」ってことなんで、それもガッカリ。
あと、今から20年前の設定で、パソコンとネットワークを使ったトリックというのも、そりゃ当時の人はだまされるかも知れないけど、今の読者がどう思うかというのはなんともはや・・・。どちらかというの、往年のパソコン通信を知ってる人の方が楽しく読めるというようなシロモノかも。
というわけで、小説としては85点。ミステリーとしては50点というところですかな
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