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ラグビー・ロマン―岡仁詩とリベラル水脈 (岩波新書)
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著者: |
後藤 正治 |
出版社: |
岩波書店 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
同志社ラグビー部の名指導者・岡仁詩と、同志社ラグビー部の歩みをたどった極上のノンフィクション。後藤正治さんのノンフィクションのファンなので、素材は何でも面白く読んでしまうのだが、これは一入、後藤さんの思い入れが感じられた作品であった。同志社のラグビーを観戦してしまいたくなる一冊。 |
関連本棚: |
Gyaiiin
dmky
二代目平蔵
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雲の上の青い空
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著者: |
青井 夏海 |
出版社: |
PHP研究所 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
これまで青井夏海作品を読むたびに、あともう一味足りないと思い続けてきた(と言いつつ今まで刊行された本は全部読んでいるが)。<br>
しかし、今回は申し分ない!主人公が運送屋のお兄ちゃんで元探偵、なおかつ小市民という設定も良いし、何より狙いすぎていないコミカルな語り口が絶妙。次回作にも大いに期待。 |
関連本棚: |
二代目平蔵
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在日義勇兵帰還せず―朝鮮戦争秘史
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著者: |
金 賛汀 |
出版社: |
岩波書店 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
祖国韓国がなくなるかもしれない。そんな危機感に突き動かされ、朝鮮戦争に参加すべく海峡を渡った在日の青年たちがいた。<br>
恥ずかしながら、この本を読むまで、在日義勇兵のことは全く知らなかった。目の開かれるような思いである。<br>
それにしても、親米反日の李承晩政権が、在日韓国人に対して全く理解がなく、義勇兵に対しても韓国人と同等の扱いを行っていなかったというのは哀しい。愛国の思いが報われなかった人々の辛さはいかばかりか。<br>
日本の独立(1951年)時、旧植民地出身者に国籍選択権が与えられなかったことは頭にあった(国際的な慣例上ありえない)が、そのことが義勇兵の運命にも大きく作用するとは、思いもしなかった。 |
関連本棚: |
二代目平蔵
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恋戦恋勝
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著者: |
梓澤 要 |
出版社: |
光文社 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
馬琴とその嫁・路を軸とした連作集。最初は馬琴と路、次は女中と、視点がずらされていくのが楽しい。馬琴が路に字を教えて『南総里見八犬伝』を口述筆記させたことについて、馬琴の熱意を賞賛する記述が多いが、考えてみれば、当て字だらけの読本の筆記なんて、多少読み書きができたところで対応できるわけがないのである。路も偉かったというべきであろう。そういう指摘もしっかりと小説の中に織り込まれていて、物語に奥行きを出している。 |
関連本棚: |
二代目平蔵
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滝山コミューン一九七四
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著者: |
原 武史 |
出版社: |
講談社 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
筆者が子ども時代に経験した、「民主的」な小学校作りを回顧したもの。<br>
私は筆者よりも15年程下の年代なので、逆に、一回り上の人たちがこんな明からさまな全体主義教育の中で学んでいたことに、強い衝撃を受けた。<br>
私の小学校時代も左派的な思想の先生はいたが、「ボロ班」を設定して競争心をあおるなどということはなかった。<br>
何より恐怖を覚えるのは、成熟した判断力を持っていない児童主体の「民主主義」である。この本の時代ほど盛んではなかったが、その潮流は私の小学校時代にも存在した。<br>
小学校においては、児童主体の「民主的」な組織の決定が、教師の作為によって操作される危険性が高い。また、そのような教師の作為に違和感を持った児童が存在したとしても、小学校6年程度では、理路整然と教師を説得できる者は皆無であろう。そのような児童が、社会不適応者の烙印を押されてしまった例もあるのではないかと疑う。<br>
この点はもっと議論されて良いだろう。<br>
それにしても、戦後の児童合唱曲としては名曲(私見)である「わんぱくマーチ」が、この筆者には忌まわしい全体主義教育の記憶とともに刻印されているのは、いかにも悲しい。 |
関連本棚: |
二代目平蔵
yatagarasu
benisuzu
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恋する組長
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著者: |
笹本 稜平 |
出版社: |
光文社 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
現代小説
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コメント: |
今回の主人公は暴力団の御用達として生計をたてる私立探偵。<br>
下手をしたらかなりえげつない話になりそうだが、さすが笹本稜平、さわやかな読後感である。<br>
それからこの作家さん、肩肘張らずに面白い文章が書く天性のユーモアがありますね。<br>
受け狙いでこけそうな文章を書く作家が多い中、非常に希少なタレントと言えましょうか。
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関連本棚: |
森乃屋龍之介
二代目平蔵
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駐在刑事
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著者: |
笹本 稜平 |
出版社: |
講談社 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
山岳小説と警察小説を融合させた味のあるミステリ。主人公の勤務地が奥多摩というのが渋い!嫌味がない、読後感が爽やか、というのが、笹本稜平さんの小説の良いところ。更にこの小説では、後半に進むほど、それぞれのキャラクターの立ち位置が固まり、安定感が出てくるように感じた。<br>
個性豊かなキャラクターはいろいろいるけど、今回の助演賞はプールで決まり。 |
関連本棚: |
森乃屋龍之介
二代目平蔵
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よもつひらさか往還
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著者: |
倉橋 由美子 |
出版社: |
講談社 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
現代小説
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コメント: |
→<a href="/%E5%B9%B3%E8%94%B5">平蔵の本棚</a> |
関連本棚: |
二代目平蔵
平蔵
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黄金の王 白銀の王
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著者: |
沢村 凜 |
出版社: |
幻冬舎 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
面白いですよ、これ。小中学生向けではなく、高校生以上推奨の大人のファンタジーと言えましょうか。というより、小中学生は手に取ってはいけません。勿体無いです。<br>
賛否両論あるでしょうが、表紙がラノベ風なのは個人的に惜しまれますね。この表紙で30歳以上の男性は手に取りにくいでしょうから。<br>
でも登場人物の名前は難しいですな。私、最後まで内表紙裏の「主な登場人物一覧(振り仮名付)」が離せませんでした。 |
関連本棚: |
二代目平蔵
まーも
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藩校早春賦 (集英社文庫)
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著者: |
宮本 昌孝 |
出版社: |
集英社 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
東海の小藩に生きる武家の少年、太郎左、新吾、仙太郎。彼らの友情と成長、人との出会いを爽やかに描く青春時代小説。主人公三人はもちろん、脇を固める人々の造形が良い。特に、新吾の二人の兄(堅物な長兄・精一郎、不真面目な次兄・助次郎)が素敵。<br>
新吾と幼なじみの志保ちゃんとの淡い恋の行方も気にかかる。続編を早く読もう…。 |
関連本棚: |
二代目平蔵
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枝豆そら豆〈下〉
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著者: |
梓沢 要 |
出版社: |
講談社 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
国許の権力争いに決着をつけるべく、東海道を下向するお菜津改めお夏の方一行。<br>
旅の描写が丁寧で、読み手も一緒に旅をしているような気持ちになる。<br>
箱根駅伝ファンとしては、馴染みの地名が多いのが嬉しい。<br>
新聞小説しか小説を読む機会がない人たちがいる、そのことに言及したあとがきも心に残った。
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関連本棚: |
二代目平蔵
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芥子の花 (金春屋ゴメス)
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著者: |
西條 奈加 |
出版社: |
新潮社 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
現代小説
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コメント: |
ますます絶好調の金春屋ゴメス第二弾!新しくレギュラー入りした朱緒様(思わず様付け)もなかなか良い味を出してます。それにしても金春屋ゴメス…まだまだ先が続きそう。楽しみ。 |
関連本棚: |
二代目平蔵
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わらの人
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著者: |
山本 甲士 |
出版社: |
文藝春秋 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
現代小説
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コメント: |
ふらりと立ち寄った理髪店。女理容師に「おまかせ」すると、とんでもない髪型に!しかしその髪型で、本人すら気づかなかった新たな一面が開花する!<br>
もうファンタジーと言ってもいいでしょう。とにかく人格を変える理髪店の発想にざぶとん10枚。「花の巻」にほっこりしました。
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関連本棚: |
二代目平蔵
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夜にそびえる不安の塔
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著者: |
井形 慶子 |
出版社: |
講談社 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
とある縁から占い師に潜入取材することになった筆者。本物の占い師とのやりとり、そしてそこから派生する出来事は、へたなホラーより背筋が寒くなる。本当にあたる占いというのはこういうものだろうなあ、と思う。 |
関連本棚: |
二代目平蔵
かもしか
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丑三つ時から夜明けまで
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著者: |
大倉 崇裕 |
出版社: |
光文社 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
職場の同僚(Y嬢、ありがとう!)がこの作家さんの小説を推薦してくれたので、とりあえず読んでみた。お、面白いじゃないですか!<br>
まず、幽霊が犯す殺人を、警察庁だけが掴んでいるという設定が良い。幽霊退治のための特別部隊が何故か静岡県警で試験的に編成されたという、無理やりな設定もよろしい。でも一番ツボだったのは、謎多き特別部隊の長・七種警部補。クールで傍若無人なので、てっきり隙のない探偵役かと思っていたら、肝心要のところでものすごいポカをしてくれる憎めない人でした。<br>
それにしてもこのシリーズ、この1冊で終わりなんでしょうね。着想が良いだけにもったいない。
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関連本棚: |
二代目平蔵
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