「フェルマーの最終定理」のサイモン・シンが、今度は宇宙論について書いてます。
私は物性物理をやってたので専門ではありませんが、さすがに理学部物理学科卒なので、ここに出てくるぐらいのビッグバン理論とその根拠ぐらいは一通り知ってます。ただ、だからといってこの本が退屈かというとさにあらず。天動説と地動説、あるいはビッグバン宇宙と定常宇宙の対立の時代的な背景やそれに関わる人々の人生は、物理の教科書には出てこないですからね。そういう部分を丁寧に書いてくれるところが、サイモン・シンの魅力です。
ただ、やっぱりこの分野にあんまり詳しくない人の方が楽しめるかなという気はします。「フェルマーの最終定理」の方が、研究の意義を含めて全然わからなかったのでそっちの方が私は面白かったです
あと、90年代から2000年にかけての進展があまり記述されていないことが気になりました。あまりに専門的になりすぎるから避けたのか、サイモン・シンから見て記述するほどの進展はないということなのか・・・。まあ、ビッグバンモデルを終着にもってくるとこうなっちゃうのかな?でも、最新の状況を知りたいなという気持ちもあります。
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