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ネバーランド (集英社文庫)
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恩田 陸
集英社
ISBN: 4087475778
紀伊國屋,
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評 価 |
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コメント |
素光 :
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これまた恩田陸の学園物だが、ハードカバー刊行が2000年のようなのでそれほど古い作品ではないのかもしれない。著者あとがきによれば、「トーマの心臓」(萩尾望都)を書こうとしたそうであるが、さて。
年末年始の休みを学生寮に居残って過ごす事にした、九州にある名門男子校の同学年生徒3人組と、乱入を決め込んだ自宅組の1人。気心知れた3人組に無邪気な1人が加わった事や、また周囲に誰もいない事で従来の「役割・関係」が取り払われる事での微妙な関係の変化、そして食事後酒を飲み交わしながらのゲーム大会と「告白」罰ゲームによって、彼等がそれぞれ抱える秘密が少しずつ曝け出されていく。ぶっちゃけ、ありがちなトラウマをかき集めてきたなー、登場人物達の性別を逆にして男主人公を無理矢理はめ込んだらまるでエロゲかギャルゲだなーとは思うが、少年達の気の置けない会話や行動の微笑ましさ・リアルさと、期間限定ではあるが彼等だけのお城で彼等が行う「告白」と「浄化」の清らかさが、今まで読んだ恩田陸の学園物に通じる切ない雰囲気で良かった。ただ1点だけどうしようもなく気になったのは、「岩槻のエピソードが活かされてないのでは、というか不要なのでは」という点。彼のエピソードはガールフレンド但馬嬢のエピソードで充分補えそう。「トーマの心臓」が頭にあっただけに削れなかったんだろうか、と余計なお世話を焼いてみる。
この作品は人数も少ない事だし、既に映像化されてやしないだろうかと思って調べてみたら、やっぱり映像化されていた(→「NEVER LAND」)ので、キャストとストーリーをチェックしてみた。登場人物の年齢的にジャニーズアイドルが配役されるのはまあしょうがない(別に嫌いな訳でもないし)として、エピソードを整理したり膨らませて話を「わかりやすく」書きかえたり、それに伴って元々は少なかった登場人物を水増ししたり、何より舞台が閉塞的で厳しい冬から開放的な夏に変わっていたり等、原作の持ち味は失われていそうな感じだが、連続モノのドラマとしてはそれほど悪くもなさそうだった。原作を読んで充分満たされている以上、ビデオを探し出して観ようと思うまでの興味はないけれど。
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はりねずみ :
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「舞台は、伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みを迎え多くが帰省していく中、事情を抱えた4人の少年が居残りを決めた。ひとけのない古い寮で、4人だけの自由で孤独な休暇がはじまる。そしてイブの晩の「告白」ゲームをきっかけに起きる事件。日を追うごとに深まる「謎」。やがて、それぞれが隠していた「秘密」が明らかになってゆく。驚きと感動に満ちた7日間を描く青春グラフィティ。(「BOOK」データベースより) 」
なんとなく高校時代に寮にいた頃のことを思い出した。
「ネバーランド」とまではいかなかったけどね。
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さかなほ :
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かなり良かった。
面白いというより、この本の雰囲気がとても良い。引き込まれる。
高校生の青臭さと、ミステリ的な感じがとても良い。
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最終更新 : 2005-12-05 11:19:48 +0900
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