もつくん2_deleted000_deleted000 :
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序論に「本書は、人類が一五〇年間も慣れ親しんだ『適者生存・自然淘汰・突然変異による進化』をまったくの誤解として排するものである」と書かれている。さて、著者がどのようにそれを示してくれるのかが楽しみ。
「生物はなぜ進化したか―現代進化論の盲点をつく (ブルーバックス 374)」は、図書館の蔵書検索で引っかからなかった。(2006/11/22 16:28:03)
将棋の第一手で「王手」と言ってるのに等しい内容。サメの陸揚げ実験によりそれまでえら呼吸していたものが肺呼吸をするようになったと主張するのもいい、サメは陸上では長生きできないから、アホロートルの陸揚げに成功した(単に両棲類が変態しただけだとは思わないのが不思議)とする写真を載せるのも構わない、しかしそれらは個体に生じた変化であって、その変化が遺伝することを「変形に後追いして生殖細胞に起こる突然変異で遺伝子が変化する」からという1行で片付けてはいけないだろう。
イルカやクジラの鼻腔が現在の位置にあるのは、彼らが水中を進む(著者はこれを「頭進」と表現している)と「慣性」によって後方に取り残されたからだという。また、腸がねじれるのは頭進に加えて地球の自転が影響(コリオリの力のことか?)しているからだともいう。専門学的な用語をそこここにまぶしながらの珍説、奇説が展開されている。恐らく、用語の間違った解釈や使い方も多いと思われる。
著者は育児本も書いていて、それに沿った育児を実践している親たちも多いらしい。「おしゃぶりを使わないで育てると、口が開きっぱなしになり、バカザメのように脳が退行して話ができなくなってしまう」(ホンマかいな)等と脅かされると、親は確かに不安になるのだろう。鼻呼吸をさせるために、乳児の口をバンソウコウか何かで開かないようにしている親がいそうでちょっと怖い。この著者の話はほどほどに聴くのがよろしいということ。
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