●98/02/23
自分の記憶は、どこまで信じられますか?
催眠術などで、思い出せない過去の出来事や、子供のころの記憶、はたまた生まれた時や前世の記憶が思い出せると言われている。その記憶は本物なのだろうか。本物の記憶とはなにか。われわれが今思い出せる過去の聞くとは、どんな意味をもっているのか。
記憶は、後からの情報や誘導で変化する。そして変化したということはなかなか認識できない。なぜなら、今はそう記憶していて、変わる前の記憶は、すでに記憶にないから。
また、いつもすることの「スクリプト」が基準となり、それと違うことが記憶されるのではないかと書いている。いつもしていることは記憶に残らず、初めてしたことやいつもと違うこと、そして最後に行ったことが記憶されやすい。
本書は、著者の父との記憶やエピソードを織り交ぜ、判りやすく展開している。著者とぼけてきた父との話は、泣ける。
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