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ラクエンのサダメ―ストレイト・ジャケット〈6〉 (富士見ファンタジア文庫)
榊 一郎
富士見書房
ISBN: 4829115955
紀伊國屋
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カテゴリ
小説
評 価
コメント
素光 :
シリーズ第6巻。最近著者は萌え小説ばかり書いていた様子なので、もうこちらの世界(ラノベではあるけれど陰鬱で救いの少ない世界)に戻ってこなかったらどうしよう、とちょっぴり危惧していたが、杞憂に終わったようで安心した。
「楽園」成就の為に繰り返される研究と、それが様々な人々にもたらすひそやかにして大きな波。今作は話の大半が孤島の内で進み、警察や魔法管理局のお馴染みの面子が出てこない半面、既刊では影をちらつかせるだけだった源流魔法使について触れられたり、「絶望しきれない」レイオットと「透明な無表情」のカペル2人の心情が本人達の口からある程度語られたり、とストーリー展開に加速度がついたように感じられる。レイオットが語る、「罪を犯した自覚を持つ人間が為すべき行為」論が熱かった。綺麗事だし青臭いのだけど、綺麗事を語らず斜に構えっぱなしのラノベは存在意義がないと思うのでこれで良し。
カペルテータの、一見超然として無感動に見える顔や声の「無表情」と、時折見せる幼さ・無邪気さといった「透明さ」は、萌え要素としてなかなかだと思うのだけど、しかしいわゆる「ダウナー系」としてくくられる無表情少女達の1人に過ぎないんだよな、と気付いて何故かがっかりしてみたり。そして、生き生きとした表情で真っ直ぐな生き方そのままの叱咤や励ましをぶつけながら、意外と達観した物の見方が年相応な大人のネリンは、カペルと対照的でこれまたなかなかだと思うのだけど、これまた既存のカテゴリに属する女性像だと悟って再び意味もなくがっかりしてみたり。
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最終
更新
: 2004-08-23 01:08:28 +0900
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