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ぼくらはみんな生きている―18歳ですべての記憶を失くした青年の手記

坪倉 優介
幻冬舎
ISBN: 4344000889  紀伊國屋, Amazon, WebCat
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omi : 18歳の時に事故で記憶喪失になった坪倉さんの手記。驚いたのは記憶喪失とはこんなにも全ての記憶を失ってしまうのかと言うこと。人の名前や場所などを忘れてしまうばかりか、食べること、しゃべること、など基本的に生きていくのに必要なことまでも忘れてしまうのです。それはまるで 「これなに?」と質問攻めをし始める幼い子どもに似ていました。やがて 少しずつ社会復帰をされますが 周りの人々になじんで行くには 人には理解し得ないような苦労や努力があったのだと思います。人って言うのはそれぞれいろんな事情を抱えながら生きているものだと改めて感じました。 やがて彼は草木染家としてデビューします。その作品をテレビで見たことがあるのですが それは微妙な色あいで自然の恵みをしみじみと感じるものでした。特に梅の染め物は 梅が咲く直前の木でなければ淡いピンク色には染まらないのだそうです。そんな数々のエピソードには感動しました。とは言っても私が目にした作品はテレビの画面を通して...。できれば この目で直接その色を確かめたいです。人はどんな人生を積み重ねてきたかも大事ですが それ以上にこれからどのように生きていくか、どれだけ実のある生き方が出来るかと言うことがもっと大事なのでしょう。坪倉さんのこれからの作品がとても楽しみです。
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最終更新 : 2016-03-01 08:33:17 +0900
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