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著作権の考え方 (岩波新書)
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岡本 薫
岩波書店
ISBN: 4004308690
紀伊國屋,
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増井 :
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日本の著作権関連立法や処理を扱っているらしい文化庁の役人が書いたものであり
手前ミソな部分(著作権法のインターネット対応とかJASRACの効用とか)を除くと、
わかりやすく広い視野から書いてあるように思われる。
- (p169)
日本では著者が出版社と契約しないが、そういういい加減なやり方は世界では通用しない。
放送番組の二次利用(過去番組の再利用など)がすすまないのは契約をちゃんとしてないからだ。
日本人同志のプロの間では常識が通用してたから契約書がなかったのだろうが、そんな時代は終わっている。
- 権利は絶対ではない。他の法律や公序良俗とぶつかる場合もある。
- 著作権法はいくつもの国際条約にもとづいており、日本で
基本部分を勝手に変えることはできない。
それでも変えるというなら国際団体から脱退する覚悟がいる。
- 著作権は天与のものではなく、右側通行みたいなルールである
- 本質的に著作権は著作権保持者と利用者の利害が
対立する性格のものだから、国民全体で議論のうえでうまいルールを決める必要がある
- 傲慢な業界が多く辟く辟易している。
自分の業界が重要だから保護しろというのは通らない。
- コピーされて困るから著作権法を強化しろというのは、
鍵をかけずに外出した人が、法律を厳しくしろと言っている
ようなものである。鍵をかけるのは自分の責任。
- 業界は自助努力すべし。
ビジネスマインド、契約マインドが必要。
- プログラムが著作権になっているのはアメリカのせいである
- 簡単に契約ができるように契約書のテンプレートを作りたい。
(不動産屋はいちいち法律を参照しているわけではなく、
テンプレートがある。保険屋は図解などでわかりやすく説明をしている)
- JASRACのような著作権の集中管理は、以前は法律で制限されていたが、
現在は規制がゆるくなっており、管理団体も複数存在する。
JASRACを使うと音楽著作権が一本化されているからユーザが悩む必要はなくて便利だというが、
権利が集中しているからロクな評判がたたないのであろう。
文化庁からの天下りが多く、ヒマな職員が多ければ、
あちこちに無用のクレームを行なうといった無駄な行動をしがちだろうし。
p139では「輸入権」について書いてある。
海外で安価に製造されたものの輸入を制限することができる輸入権については
何度も検討されてきたが、各国の反対にあって成立していなかったらしい。
ところが、近頃これが成立しそうになっており、
アジアで売られているCDを日本に輸入したりすることができなくなってしまうかもしれないらしい。
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陰山 :
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引用: “異質な人々と建設的な話し合いをしていくことができない人は、思想や利害を異にする人と出会うと、まず「なぜ私の素晴らしい考えに賛同できないのだろう?」と「驚き」、どうしていいか分からず「戸惑い」、最後にはこれが「怒り」に変わっていくようだ。相手を「悪」と呼ぶかわりに自分を安易に「弱者」と呼ぶ人も同様だが・・・” (p.126)
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最終更新 : 2005-01-29 01:38:14 +0900
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