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アウトサイダー・アート (光文社新書)
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著者: |
服部 正 |
出版社: |
光文社 |
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アウトサイダー・アートとは、正規の美術教育を受けていない作者による作品の総称で、精神病患者や知的障害者、幻視家などによる作品を指すことが多い。正規の美術教育を受けていないというのは、技法を学ぶ過程も含めて既成の美術の枠組みに組み入れられない手法を取っているということであり、いわゆる我流の日曜画家のような存在とは根本的に異なることを示す。<br>
この本は、現在最も書店で入手しやすく、なおかつ一般読者向けに書かれたアウトサイダー・アート入門書といえる。ともすれば誤解や好奇の目で見られがちなアウトサイダー・アートを、豊富な事例を通じて幅広く解説している。<br>
カラー図版が少ないのが残念。美術手帖2003年2月号(美術出版社)の巻頭特集などを参照すると良いかもしれない。 |
関連本棚: |
Leiko
コロボックル
takanofumio_hatena
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調律師の恋
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著者: |
ダニエル=フィリップ・メイソン |
出版社: |
角川書店 |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
19世紀のロンドンから戦禍のビルマヘと旅立ったピアノ調律師の物語。<br>
私は楽器に疎い。音楽をやっている友人知人は星の数ほどいるのに、私自身は驚くほど何にもできない。だから、ピアノのこともよく分からないのだけれど、とあるきっかけで知り合った調律師さんのおかげで、ピアノという楽器自体の美しさを知った。あらためて考えてみると、ピアノという楽器は、実に複雑で繊細で美しい。無駄のない、完璧な、それでいて狂いやすい危うさを持つその美しさは、例えばからくり時計の機構を見たときの印象に、少し似ている。楽器であるという以前に、ピアノはあくまでもピアノとして美しい、そんな気がする。<br>
この本は、ピアノという楽器でなければ成立し得ない物語だと思う。特に、その狂いやすい危うさが持つ美しさが、戦渦の迫るシャン地方に残るゆったりとした空気、そこにピアノを運ばせた軍医、知的で少しコケティッシュな一面もある神秘的な女性、そしてそれらが織り成す運命に巻き込まれてゆく主人公の調律師ドレークの内面、全てをまとめあげる役割を果たしている。<br>
ところで、調律師である主人公のドレークは、先述の私の知人の調律師に、驚く程よく似ている。調律師というものはすべからくこのような性格ではなかろうか、と錯覚してしまいそうなほどに。そのせいで、鮮やかすぎる感情移入をしてしまった。あらゆる凄まじい局面をくぐり抜けてきたピアノを前にしても、全くたじろがず、ただ調律という作業に没頭するドレーク。私の知人だって、きっとそうするだろうと思わせる。ピアノそのものを愛する様も、そっくりだ。それが彼ら調律師の流儀なのだろうか、性分なのだろうか。いずれにせよ、ドレークという人物の印象が、読後に強く残った。<br>
<br>
余談。<br>
この本を読み終えて、一息ついて、そのへんに積んであった本の山から、何気なく『雲遊天下』33号を手に取った。適当にページを開けると……ビルマ・シャン州紀行(by.森下ヒバリ)が。……シ、シンクロニティ!? |
関連本棚: |
Leiko
桶
m-use
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幕の内弁当の美学―日本的発想の原点 (朝日文庫)
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著者: |
栄久庵 憲司 |
出版社: |
朝日新聞社 |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
納得するところもあるし、ちょっと強引じゃないかと思うところもある。デザインの見方の切り口としては非常に面白い。<br>
そういえば以前、栄久庵憲司がテレビに出ていた時、たしか学生か誰かの作品を見て「うん、幕の内弁当だよ〜」と一人で納得していたのが妙に印象深い。 |
関連本棚: |
Leiko
おまさ
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幻獣辞典
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著者: |
ホルヘ・ルイス・ボルヘス, マルガリータ・ゲレロ |
出版社: |
晶文社 |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
ともすればただのファンタジー設定集になってしまいそうなタイトルですが、何せボルヘスですのでただでは終わりません。 |
関連本棚: |
Leiko
null
nyarl
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季刊劇の宇宙 (No.12(2003春号〈復刊号〉))
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著者: |
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出版社: |
大阪都市協会 |
評価: |
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カテゴリ: |
雑誌やムックみたいなもの
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コメント: |
<a href="http://pitecan.com/Bookshelf/Leiko/4938598582.html">時限刊行だった「劇の宇宙」</a>が、大阪現代演劇祭の開始とともに復刊されたもの。<br>
書店で注文するときは「ビレッジプレス発売の劇の宇宙」と頼むべし。 |
関連本棚: |
Leiko
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「正しい戦争」は本当にあるのか
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著者: |
藤原 帰一 |
出版社: |
ロッキング・オン |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
ラヴ&ピースだけじゃだめなんてことは、もうみんな薄々気がついていて「じゃあ何言っても無駄なのかい、じゃあどうしたらいいのさ、じゃあもうどうでもいいや」ってな思考回路に陥って、どこそこの戦闘で何人死んだなんていう報道もどうでもよくなっちゃってる人、けっこう多いんじゃないかな。この本は、そんな思考停止状態の人に、もう一度世界を冷静に考え直す糸口をくれる本だ。<br>
藤原帰一は、冷静でシニカルなリアリストだけれども、道理に合わないことには理論的に怒ることのできる、とてもオトナな人である。そして、あの渋谷陽一に「ラヴ&ピースだけじゃだめ」と言わせた凄い人である。語り口は平易・言っている内容もシンプルであるがこそ、この人はめちゃめちゃ頭のいい人なんだと思わせられる。一時期、イラク問題でテレビに出ずっぱりだったが、どんな論客を相手にしても、偏らない視点を貫き通す姿勢がとてつもなく格好良かった。<br>
この本は、対談形式で綴られるため、非常に軽快で読みやすい。現代史に疎くても、国際政治学を知らなくても、安心して藤原氏についてゆけば良い。また、優れた対談の常として、インタビュアーも素晴らしい。読者の疑問を全て代弁して、藤原氏からどんどん言葉を引き出していく渋谷陽一。国際政治を本格的に学んだ経験があり、藤原氏と対当に会話し、深く掘り下げた本質に迫っていく鈴木あかね。この二人がインタビュアーであるということが、この本の重要な特徴の一つだと思う。<br>
ところで、この本の帯にも写真が入っているとおり、藤原氏はとってもハンサムなお方である。先日、藤原氏の新刊『平和のリアリズム』の広告が新聞に掲載されていたが、狭いスペースなのにやはり写真入りだった。これって、テレビで有名だからじゃなくて、フォトジェニックだからじゃなかろうかと勘ぐってしまうのだが、さて真実は如何に。 |
関連本棚: |
Leiko
鼻リーダー
がこび5/人文科学
がこびJ/その他
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霧のむこうのふしぎな町 (講談社文庫 か 13-1)
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著者: |
柏葉 幸子 |
出版社: |
講談社 |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
ラジオで知ったのだが、滋賀県伊香郡にある「つるや」というパン屋さんに、たくわんのマヨネーズ和えをコッペパンにサンドした「サラダパン」という商品があるらしい。わォ、それって本屋のナータの昼食じゃないの!<br>
※サラダパンはこの本が由来の商品ではありません。 |
関連本棚: |
Leiko
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メイクの基本―なりたい顔に今すぐなれる! (オレンジページムック)
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著者: |
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出版社: |
オレンジページ |
評価: |
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カテゴリ: |
雑誌やムックみたいなもの
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コメント: |
まぁアタシだってそれなりにオンナノコというわけで。<br>
ポイントメイクに関するテクニックが充実している。悩みや理想に基づいた構成なので、非常に分かりやすい。ただ、ポイント主体なので「化粧知識ゼロ、まず何から塗ればいいの!?」なんていう人にはおすすめしない。化粧はする時より落とす時の方が重要なはずだが、クレンジングの話がほとんど書かれていないのもマイナス。<br>
2002年の本だが、流行一直線というわけではないので、テクニック的にはまだ使える本。しかし紹介されているアイテムには廃番になっているものが多いので、商品紹介としてはほとんど使えない。化粧品の商品サイクルってやっぱり早いよねぇ。FSPなんかブランドごとなくなっちゃったもんな〜。 |
関連本棚: |
Leiko
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通崎好み
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著者: |
通崎 睦美 |
出版社: |
淡交社 |
評価: |
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カテゴリ: |
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アンティーク着物コレクターとしても有名なマリンバ奏者、通崎さんのエッセイ集。<br>
銘仙の着物に羽織を着て、頭はボブカットに帽子、自転車に乗って街を駆け抜ける、行き先が商店街の映画館だったらもう最高。そんなちょいと大正デモクラシーなスタイルにほんのり憧れていた私。ところがところが、そんな私の憧れがそのまんま立体化されたような人がいることを雑誌で知った。それが通崎睦美さん。<br>
この本は主に、大山崎山荘美術館で開催された彼女の展覧会の話が中心。須田剋太や小磯良平との意外なつながりも取り上げられていて面白い。<br>
書店でなかなか見つけられなかったのでギブアップして店員さんに聞いたら、茶道コーナーを探されてしまった……出版社は淡交社ですが、茶道には関係ございませんのであしからず。お探しの方は女性エッセイコーナーをお覗き下さいませ。 |
関連本棚: |
Leiko
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中原中也詩集 (角川文庫)
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著者: |
中原 中也, 河上 徹太郎 |
出版社: |
角川書店 |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
忘れもしない。それは、とある夏の日のこと。<br>
私は、本屋でもらってきた角川書店の夏のフェアの宣伝冊子(夏の100冊とかいうアレ)を眺めていた。その時の冊子の構成は、本の書き出しの一文が書影の横に添えられているという、なかなか凝ったものであった。その書き出しの文を流し読みしていた私の目に、<b>なんか凄いもの</b>が飛び込んできた。<br>
<b>トタンがセンベイ食べて</b><br>
そりゃぁもう、凄い衝撃だった。もちろん中也の名前は知っていた。汚れつちまった悲しみにくらいなら読んだこともあったと思う。でも、こんなに凄い詩を書く人だなんて思ってもみなかった。だってトタンだよ、センベイだよ、トタンがセンベイ食べるんだよ!? ダダなんて知らなかった(シュールレアリスムならちょっとは知ってた)。何かの比喩かどうかなんてどうでも良かった。でもその衝撃はよく覚えている。<br>
購入して読んで、今度は言葉の美しさに衝撃を受けた。ハイカラなセンスにも陶酔した。気に入った詩は、口に出して何度も読んだ。<br>
当時私は13歳。青春の入り口で中也に出会って、たぶん人生の何かが変わった気がする。<br>
後年、未刊詩篇がより多く収録されている岩波文庫版も入手した。しかし詩の記憶というのは繊細なもので、どんな紙質でどんな書体でどの連でページが変わったかなんていうことまで影響してくる。そういうわけで、私がどうしてもこだわってしまうのは、この河上徹太郎編の角川文庫版なのであった(現在は佐々木幹郎編の二分冊に変わっている)。
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関連本棚: |
Leiko
cotona
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酢ッキリレシピ―さっぱり酢ッキリ健康レシピ100品! (春日お料理BOOK)
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著者: |
Mizuka |
出版社: |
春日出版 |
評価: |
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コメント: |
手違いとか偶然とかが重なって、今、自宅に、腐るほど酢がある(って、酢は腐らないけど)。米酢みたいなやつは、らっきょを漬けるなどすれば大量消費できるのだが、もろみ酢だのフルーツ系だのはどうすればよいのか。<br>
と悩んでいるところに酢レシピの本を見つけてしまったもので、思わず衝動買い。<br>
全体的にちょっとオサレすぎる感じで、すぐに作ろうと思える料理は少なめ。こういうのって、気力があるときでないと作れないよねぇ。<br>
酢を標榜しているわりには、酢メインの料理が少ない(隠し味的な使い方が多い)感じなので、うちにある大量の酢をどうすればよいのかという悩みは結局解決しないのであった。<br>
<br>
#余談だが、夏の酢料理といえば<a href="http://www.mbs.jp/puipui/kitchen/recipe/04_0823.html">これ</a>おすすめ。私はいつもエビを入れずに作る。 |
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Leiko
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