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モリッシーの書く詞は、凡百のミュージシャンとは一線どころか、ものすごく深く広いクレバスで分断されている。
毒にも薬にもならない歌詞なんてひとつもなく、実直で、核心を付いていて、強く大きいものたちに挑んでいく。
世の中に右翼と呼ばれ、左翼とも呼ばれ、レイシストとまで呼ばれてもソリッドなペンの切っ先を収めない。
労働者階級、低所得のアンダークラス、弱い者たちのそばに立ちながらも、英国を愛している矛盾。
単純な反体制ではなく、弱いものを蹂躙しようとする時代時代の強者達に戦いを挑み続けていったからこそ、モリッシーの歌詞には時代を象徴する何かがあり、別の視点からの社会を写す鏡のような役割があるのかもしれないと思った。
ディランに対抗できる唯一の作詞家はモリッシーなのだと思う。 |