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病室のシャボン玉ホリデー―ハナ肇、最期の29日間
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著者: |
なべ おさみ |
出版社: |
文藝春秋 |
評価: |
☆☆☆☆☆ |
カテゴリ: |
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コメント: |
シャボン玉ホリデーのリーダー格だったハナ肇が、肝臓がんで倒れ、入院。その闘病生活を支え続けた、付け人であり弟子であったなべおさみ。ひたすら、おやじさん(師匠であるハナ肇のこと)をさすり続け、支え続けた29日間の日誌風ノンフィクション。そっと病室で見守り続けるザ・ピーナッツの二人。ある日、おやじさんを励まそうと、突然病室が、シャボン玉ホリーでの場になる。定番のメロディーを唄い続けるザ・ピーナッツ。それに反応するおやじさん。
死とどう向き合うのか、意識がないと思われる病人にもはっきり外界を認識していること、何が病人の支えとなるのか、病人と言えども、プライドと意思をもった人間であること。
感動のドキュメンリーである。 |
関連本棚: |
Mike
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白洲正子自伝 (新潮文庫)
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著者: |
白洲 正子 |
出版社: |
新潮社 |
評価: |
☆☆☆☆☆ |
カテゴリ: |
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コメント: |
およそ、自伝らしくない自伝である。白洲正子本人が、アルバムを残したり、記録を取ったりするのが好きではないからである。
これは白洲正子が自分にまつわることを書いたエッセイである。
白洲正子が何を思い、どう考えていたのかが良く分かる。
白洲次郎のことはあまり登場しない。これも良い。
美術評論家としては一流とは言えない。素人である。これも、実に良い。
一言で言うと、白洲正子の生き様を描いた、小気味良い本である。 |
関連本棚: |
kiyomi
11
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新潮文庫の100冊 2008
軒先つばめ
Mike
牧野
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アーキテクチャの生態系――情報環境はいかに設計されてきたか
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著者: |
濱野 智史 |
出版社: |
エヌティティ出版 |
評価: |
☆☆☆☆☆ |
カテゴリ: |
IT評論
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コメント: |
ローレンツ・レッシグがCODEで論じている通り、人の行動や社会秩序を制御するものとして、規範(モラル)、法律、市場と並んでアーキテクチャがある。本書は、このアーキテクチャによって、インターネットなどの情報環境がどのようにコントロールされているかを具体例に沿って示している。たとえば、ソーシャルウェアの進化として。ウェブ→グーグル→ブログを例としてあげている。また、米国におけるブログの性質(実名性、個人主義、信頼感)と日本における2チャンネルの性質(匿名性、集団主義、安心感)とを対比して描いている。あるいは、オープンなフェイスブックと招待制でやや閉鎖的なmixiという対称的なSNSの違い。あるいは、P2Pやウィニーなどの、社会的アーキテクチャーとしてみたときの成立基盤。あるいは、ツィッターのもつ選択同期的性格と、ニコニコ動画のもつ擬似同期性などの時間の問題も扱っている。これらに対して、セカンドライフは真性同期を求めるが故に流行らなかったとの分析も行なっている。また、同じ消費者参加と言っても、単に動画を公開するだけのYouTubeに対して、利用者同士がコラボしあう初音ミク。最後に、携帯小説「恋空」の分析など、ネットワークを取り巻く社会環境が、いかなるアーキテクチャーにより規定されてきたかを、巧みに分析する。
文化を含めた、インターネット社会を知る上で書かせない本である。非常に分かりやすいし、読みやすい。 |
関連本棚: |
岸リトル
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利絵論つん読・読書中
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各駅
高橋哲夫
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rage1515
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登山の誕生―人はなぜ山に登るようになったのか (中公新書)
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著者: |
小泉 武栄 |
出版社: |
中央公論新社 |
評価: |
☆☆☆☆☆ |
カテゴリ: |
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コメント: |
1943年アフリカのイギリス捕虜収容所にいた3人のイタリア兵は脱走を図る。目的は、ケニア山に登るため。6ヶ月掛けて密かに準備を行い、結局脱走に成功し、ケニア山第3のピーク(4988m)の初登頂に成功した。これがこの本の書き出しである。中世から近代にかけてのヨーロッパでの登山、および、縄文時代から始まる我が国の登山の歴史を丹念に記述した本。面白い。 |
関連本棚: |
新書マン
Mike
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おひとりさまの老後
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著者: |
上野 千鶴子 |
出版社: |
法研 |
評価: |
☆☆☆☆ |
カテゴリ: |
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コメント: |
社会学者として名を馳せた上野千鶴子さんが、「向老学」というものを唱えていることを知り、本書を手にしてみた。これから、老年期に向かう、主として女性のシングル向けの、人生の指南書。家族やパートナー無しで、独りで生きるのも悪くはないが、友達を確保することが必須と説く。住まい、お金、介護に、最後は、終末の迎え方までを、当事者の立場で書いている。特に、従来は介護する立場からのものがほとんどだったのに対して、介護される立場の視点は新しい。
女性のシングルだけではなく、男性のシングルにもある程度、当てはまる内容である。ただ、男性に対する見方は相変わらず厳しい。
筆者の素直な気持ちが表れていて、好感がもてる。 |
関連本棚: |
AtoZ
arrowcopter/ほしい本
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キノベス!2007
利絵論
Mike
増井
nobuo_o
FP310T
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老後がこわい (講談社現代新書)
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著者: |
香山 リカ |
出版社: |
講談社 |
評価: |
☆☆☆☆ |
カテゴリ: |
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コメント: |
独り暮らしの女性が老後に向かうにあたっての心構えを、精神分析者でもある一人の女性が書いたもの。おひとりさまの老後(上野千鶴子)と併せて読むと良い。同音異曲だが、敢えて違いをいうと、すでに中高年に入りかけている人(上野)とこれから中高年になろうとする人(香山)との微妙な意識の差が面白い。高齢化社会に向かって、男性よりも長寿である女性が独り暮らしになる確率は高いわけで、これからの時代を知るのに格好の書である。もちろん、男性にも大いに参考になる。 |
関連本棚: |
さとほ
ぷによ
柴田邦臣
三代目平蔵
Mike
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天地人〈上〉
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著者: |
火坂 雅志 |
出版社: |
日本放送出版協会 |
評価: |
☆☆☆ |
カテゴリ: |
時代小説
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コメント: |
大河ドラマの方は、あまり見ていませんが、原作の方が気になったので、ようやく上巻のみ読みました。
ご存知、直江兼続を主人公にした歴史小説です。
作者は、あまり文章を書かない人なのか、それぞれの記述がやや短すぎるきらいがあります。もっともっと、人物描写は状況描写などをして欲しい。
かっこいい直江兼続や上杉謙信を書きたかったのか、ややきれいすぎる感があります。
もう少し、どろどろした人間関係などを描けば、もっともっと面白くなると思います。
でも、直江兼続は、石田三成とか、秀吉などの側から語られることが多かったので、上杉側からの視点は新しいと思います。 |
関連本棚: |
Mike
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禅語入門
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著者: |
久須本 文雄 |
出版社: |
大法輪閣 |
評価: |
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カテゴリ: |
宗教
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コメント: |
禅の考え方を平易に説明した本。 |
関連本棚: |
Mike
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ほっとする禅語70
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著者: |
石飛 博光 |
出版社: |
二玄社 |
評価: |
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カテゴリ: |
宗教
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コメント: |
禅語の真髄を分かりやすく解説した本。非常に読みやすいし、
現代風なので理解もしやすい。石飛博光氏の書も格調があって
なかなか良い。 |
関連本棚: |
Mike
ma
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「ひきこもり」救出マニュアル
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著者: |
斎藤 環 |
出版社: |
PHP研究所 |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
精神科医斉藤環(たまき)が、5人を相手に行なった対談などをまとめたもの。「ひきこもり」問題を通して、現代日本の精神的風土、社会的状況が極めて明晰に浮かび上がってくる。日本独特といわれる「ひきこもり」をどう解釈し、どう対応すべきかのヒントが数多く散りばめられている。「去勢」(自分が万能で無いことの受け入れ)否認の問題から、おたく、コギャル、ストリート系などとの比較も語られている。 |
関連本棚: |
γアンテナ
Mike
nue
服部
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鉄道ひとつばなし (講談社現代新書)
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著者: |
原 武史 |
出版社: |
講談社 |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
講談社のPR雑誌「本」に連載していた同題のエッセイ集を本にしたもの。著者ならでは、含蓄の深い逸話が並んでいる。
たとえば、西日本よりも東日本の方が早く鉄道が広まっていったこと、鉄道の普及と太陽暦に基づく正確な時間の普及が連動していること、東京駅はずっと後になって大正3年(1914年)に開業したこと、しかも天皇の利用のために作られたこと、東急を作った五島慶太と阪急を作った小林一三との対比、戦時下でも動き続けた鉄道、などなど。鉄道ファンでなくても、読んでいて楽しい話が満載である。 |
関連本棚: |
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増井
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