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木曜組曲 (徳間文庫)
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恩田 陸
徳間書店
ISBN: 4198917590
紀伊國屋,
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評 価 |
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コメント |
素光 :
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耽美小説の大御所であった重松時子の死を悼んで毎年彼女の家に集まり宴を開く、文壇・出版界周辺に身を置き彼女に縁が深い女性達5人。しかしこの年の宴は今までと違い、正体不明の主から届けられた花束に添えられた告発メッセージに触発されたかのように、1人1人が今まで秘めてきた思い・疑問・そして告白を口々に並べ、今まで突発的な自殺とされていた時子の死の真相が明らかにされていく。
恩田陸の作品にしては珍しく、超常的な要素が欠片も存在しない作品。代わりに明晰な知能を持った女性達の濃密な心理が詰まっており、恩田陸ではない他の女流作家の作品を読んでいるかと見紛う雰囲気である。ある意味告白大会である女性達の宴は、「ネバーランド」で寮暮らしの男子高校生達が罰ゲーム代わりに行う告白大会を彷彿とさせるが、「ネバーランド」の告白大会が個々の抱える苦悩の昇華作業であったのに対し、「木曜組曲」のそれは重松時子という1人の女性へ向ける様々な思いの昇華作業である。
引き出された告白によって、その時見える真相と思しきものが羅生門の如く二転三転する構成が、深みがあり最後まで引き込まれて読んだ。また、文壇・出版界周辺にそれぞれ身を置く女性達がそれぞれの視点で語る「物書き」観は、個々の女性達を立たせると同時に物語に端を添え、またそれらのどれもが恩田陸という作家から出ている主張かと思うと大変興味深かった。映画化もされたらしいので、今度ビデオ屋で見つけたら是非観てみようと思う。
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kitashi :
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2010/12/05実家から借りてきた。翌日読了。
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亜紀 :
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映画も観たけど、小説に忠実だったと思う。
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最終更新 : 2004-08-15 00:39:42 +0900
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