これは、とにかく面白く読んだ。中国は懐の深い国で、桁外れの才能が出現する点はとくに日本人に及びもつかない。
最も興味津々だったのは、唐の王玄策という人が遠くインドまで行って連戦連勝したという話と、前漢の陳湯という人がクラッススのローマ軍兵と戦ったという東西交流のあたりの話かな。とにかく、大陸というだけあって、西へ向かえばヨーロッパだし、北へ向かえばシベリア、南へ向かえばインドシナを越えてインド、ということで様々な世界に通じている。
上の二人は両方共に序章に載った人だけど、これ以外にもとにかく人材が豊富な中国。同じく序章によれば、この本はつまるところ、中国の歴史の中から武将について田中芳樹が100 人選んでなんか書こう、という主旨らしい。限られた紙面で100 人なので個々の物語は簡略化されてしまうのだが、様々な毛色の個性豊かな武将たちにはそんなこと関係なく、魅力をいかんなく発揮してもらえる。とにかく面白く読める。
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