もつくん2_deleted000_deleted000 :
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1/10のスケールだから実寸10mm程度のものまで再現しなければならないということ、これは本書を読むまで思いもしなかったことであり、また、詳細図が残っていないので、いろいろと資料探しに苦労したというのも予想外であった。
木甲板のきれいにそろったラインに、主砲のライフルリングに、さらには展示されてしまうと見えなくなってしまう部分の配管やはしご等の細部の再現に、かつての海軍工廠としての呉の造船関係者の意地やこだわりが見え隠れする。
迫りくる納期に突貫作業で対抗し、考証間違いからのやり直し作業がどれだけ大変だったか想像に難くないが、しかし、戦艦大和誕生〈上〉西島技術大佐の未公開記録 (講談社プラスアルファ文庫)のような緊迫感がないのは、やはり戦争という背景があるかないかの違いなのだろう。確かに「男の船」だ。
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