コンピュータの本も広義の SF のつもりで読んでいる。それとも SF の本も広義のコンピュータ本のつもりで読んでいたのかな。
新しい言語や新しいマシンを相手にする時はいつもそうだが,だれかが,「ほらよ,ジャージー,こいつが部品番号のリストで,こいつがその部品を使って組み立てられる自動車の写真だ」といい,最初のうちは,「くそくらえ,いままで使ってた古い部品で車を組み立てるやりかたならちゃんとわかっているんだ」と思うのだが,やがて好奇心が首をもたげて,新しい部品を使いはじめる。新しい部品は妙な形をしているが−なじみのない論理にもとづいてつくられているから,最初のうちは納得できない−やがてなんとか車輪を一個作ることに成功し,それがちゃんと転がると,もっと興味が湧いてきて,その新しい論理を使ってどんなクールなことができるのか理解しはじめ,そのころにはもう頭の切り替えがすんでいる。こういうことに意欲を燃やし,それを自分で何度も遂行できるという事実が,ぼくをハッカーたらしめているのだといってもいい。