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マクベス (岩波文庫)
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著者: |
シェイクスピア |
出版社: |
岩波書店 |
評価: |
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カテゴリ: |
おすすめ
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コメント: |
シェイクスピア四大悲劇の一つ。自分はこれが最高傑作だと思う。<br>
運命にそそのかされ、簒奪者となり親友を殺し逃亡者の家族を皆殺しにしたものの、幻覚に苦しむマクベス、逃げ腰の夫をふるいいたたせ悪の道への手助けをするも、自らも狂気に陥り自死するマクベス夫人。「バーナムの森がダンシネインに押し寄せてくるまでは……、女の腹から産み落とされたものでなければ……」確実に思えた魔女たちの約束は次々に破られていく。だが、それでも戦うことをやめない、決して「待て、参った」と言おうとしないマクベスの姿はあまりにも感動的。現代においても全く一般性を失っていないように思える。<br>
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翻訳に関しては、岩波版・木下順二の「美しい」としかいいようのない訳がこの悲劇性に一番合っていると思う。また、巻末の演劇論も読んで損はない。<br>
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「おれは太陽がいやになった。この世の秩序などくずれるがいい。鐘を鳴らせ!風よ吹け!破滅よ来たれ!鎧だけは体に着けて死んでやるぞ」 |
関連本棚: |
うにのとげ
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軒先つばめ
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A Wizard of Earthsea (Fantastic Audio)
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著者: |
Ursula K. Le Guin |
出版社: |
Audio Literature |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
本というか朗読 CD だけど。英語の勉強用。読み上げてくれるのは著者のル・グィンと何故かハーラン・エリスン!!。でも、けっこう高い割にCDが5枚入っているだけでリーフレットもなにも付いてこないのが残念だったかも。<br>
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<a href="http://joesaisan.tdiary.net/20041030.html#p01">ゲド戦記朗読 CD 感想メモ</a> |
関連本棚: |
joesaisan
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Schild's Ladder: A Novel
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著者: |
Greg Egan |
出版社: |
Eos |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
一章はもうひとりのコーティ・キャス?2004 年にでた B5 版。前半すこし読んだだけで、万物理論と Diaspora が手に入ってしまった。今回の物理ネタは量子グラフ理論。<a href="http://jp.arxiv.org/abs/gr-qc/9905087">その元ネタの論文</a>。 |
関連本棚: |
joesaisan
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Distress
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著者: |
Greg Egan |
出版社: |
Gollancz |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
原書も読むつもり。「主観的宇宙論サイクル」三作め |
関連本棚: |
joesaisan
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Diaspora
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著者: |
Greg Egan |
出版社: |
Gollancz |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
読み中。<a href="http://gregegan.customer.netspace.net.au/DIASPORA/01/Orphanogenesis.html">一章は作者サイトで読める</a>。これの元ネタはダニエル・C・デネット「解明される意識」だそう。面白い。しかし、二章から幾何位相の講義が始まってしまってなかなか読み進められない。巻末に用語集が付いてくるのだけれど、リーマン空間とか多様体とか平気であるからね……。 |
関連本棚: |
joesaisan
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Teranesia
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著者: |
Greg Egan |
出版社: |
Eos |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
これはイーガンの小説でもかなり大人しいものだったみたい。バイオホラーもの。もちろん難解な物理がからんでくるけれど(進化を自分で「選択」するサンパウロ遺伝子はかなり怖い)。けっこうドロドロしてた。主人公はゲイで、元障害者の人とのホモセックスシーンがあったり、おばちゃんとの濡れ場(未遂)があったり。そして、妹!(なんと、妹に自立されてしまった主人公は風呂場で……)。「万物理論」では攻殻機動隊みたいなシーンもあったけど、こういうのもイーガンは内包しているのかも。最初の少年時代の幻想的な南の島の描写はすごくよかった。 |
関連本棚: |
joesaisan
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Quarantine
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著者: |
Greg Egan |
出版社: |
Eos |
評価: |
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カテゴリ: |
おすすめ
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コメント: |
Orwellian Double Think. 「宇宙消失」の原書。邦訳も読んだが布教活動として他人にあげてしまった。英語はとっても簡単。偏執的にダイスを振るシーンがたまりません。「主観的宇宙論サイクル」一作め。 |
関連本棚: |
joesaisan
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20世紀SF〈3〉1960年代・砂の檻 (河出文庫)
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著者: |
アーサー・C. クラーク, ロジャー ゼラズニイ, ハーラン エリスン, サミュエル・R. ディレイニー, J.G. バラード |
出版社: |
河出書房新社 |
評価: |
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カテゴリ: |
おすすめ
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コメント: |
SF がもっとも爛熟していた時代。ディレイニー「コロナ」は<a href="http://www.wombat.zaq.ne.jp/propara/diary/200409.html">若島正氏の言うように</a>まったく素晴らしい。<a href="http://www.scifi.com/scifiction/classics/classics_archive/delany/delany1.html">コロナの原文</a>。<br>
<a href="http://www.yamdas.org/bmm/books/bf2003b.html#20sf60">YAMDAS Project の yomoyomo 氏による書評</a> |
関連本棚: |
J
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佐藤
kana
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エンベディング (未来の文学)
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著者: |
イアン・ワトスン |
出版社: |
国書刊行会 |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
<未来の文学>第二弾。<br>
解説の山形氏によるとイアン・ワトスンは長編では似たような話ばかり書くそうで、これがその処女長編だそう。自分はイアン・ワトスン初体験のせいか、かなり面白く読むことができた。次から次に繰り出されるアイデア満載で中盤から結末直前までどきどきした。隔離された環境で特殊な人工言語を使う子供たち、村が水没の危機にあるなかエキゾチックな儀式に耽る未開の部族、そして宇宙からやってきた、奇妙な妄想を持った異星人。彼らが地球側にオーバーテクノロジーと引き換えに要求するものは……!という感じでSFらしい話になるのだが、ここから急に話が反転する。「最悪の敵にさえ起こってほしくないことは、高度な文明との接触だ」と言ったのは誰だか忘れてしまったが、ミュールキックの論理というものを読んだときは宜なるかなと思った。部族のほうもアレな結果になり、唯一残った子供たちも……。解説を読んでからもう一度読むと、ワトスンはそういう60-70年代SFの、異文化や異星人や超能力を持ってきて相対主義(立場が変われば真実も変わるという考え方)からうんぬんというありがちなSFを否定したかったのかもしれない、という読み方ができるように思えた。<br>
訳の口調に変なのが多かった。とりわけ前半に。同訳者の「暗闇のスキャナー」やシュナイアーものは結構普通に読めたから、たぶんこれは校正の問題なのかな。国書スレでそのあたりのことが書かれていたような記憶がある。<br>
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しかし、山形氏の解説はいつもどおりとりつくしまがないというか。「SFファンというか弱い花は、物語の真の姿や、ガジェットのほんとうの仕組みがこれ以上解明することに耐えられない」のですよ。そういう意味では「わきまえろ山形浩生!」と自嘲できるかも。 |
関連本棚: |
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すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた (ハヤカワ文庫 FT)
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著者: |
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア |
出版社: |
早川書房 |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
また松尾たいこか!表紙と挿絵を担当している。<br>
主人公の”わたし”が語り部たちのキンタナ・ローで体験した不思議な話を聞いていくという形で物語は語られる。カルヴィーノのQfwfq爺さんみたいな感じ。今、あれが epi 文庫で出るぐらいだからこれがFTで出るのも詮ないことなのかも。(ハヤカワはこれからミステリと国内SFを中心にシフトしていくという噂があるが、河出からこれだけ良質の海外SFが出るとそれが本当のような気がしてくる)。<br>
話自体はあんまりたいしたことじゃないのだけれど、圧倒的なティプトリーの語りかたのうまさが味わえた。スペイン語が多用されているが全部日本語に直されているので、わかりやすいが雰囲気は半減なのだろうなとか読んでいてたびたび思った。松尾たいこの挿絵はやっぱり興醒めだった。まあ挿絵というものはほとんど全て興醒めなものなのだけれど。この3編だけを読んでいると、その後のティプトリーの結末を考えなくてすむのがありがたいなあ。 |
関連本棚: |
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ケルベロス第五の首 (未来の文学)
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著者: |
ジーン・ウルフ |
出版社: |
国書刊行会 |
評価: |
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カテゴリ: |
おすすめ
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コメント: |
いろいろなところでお薦めされたので買ってみた。国書刊行会出版。<未来の文学>シリーズ第一弾。面白かった!SF マガジンに載ってる解題を読んでみたらいろいろ気づかなかった謎がたくさんあってびっくり。特に第 1 章の主人公の正体には驚かされた。しかし、自分はけっこう頭が悪いのでミステリー的な謎解きよりも感傷的な文体で語られる物語を読むことに重点をおいた。第 1 章の、兄と女の子とで冒険したり出生の秘密を知ったり幻想的な囚人生活をしたりなんてジュヴナイルとしても面白い。掲示板サイト2ちゃんねるによると<a href="http://book3.2ch.net/test/read.cgi/sf/1018704673/554n">誤訳がある </a>ようで、この文章の迷宮が一回り大きくなっているみたいだ。 |
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小説作法
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著者: |
スティーヴン・キング |
出版社: |
アーティストハウス |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
キングの自伝+小説の書き方。面白い。宗教に対する言及がほとんどなくて「神様は信じているが、特定の宗教に用はない」と言い切ってるのがアメリカの作家にしては意外だった。キング中毒という <a href="/shiro">shiroの本棚</a> さんのページには<a href="http://www.lava.net/~shiro/Private/king/Paul.html">等身大のパウロ</a>というページもあるが、宗教的な宗教よりも生活に根付いたものを持っているということだろう。
しかし、キングの書き方指南は当たり前のことばかりで応用がきかないというか。自分の本がなぜこうも売れるのか、というのはキング自身にもわからないのかもしれない(自分は最近ジーン・ウルフのインタビューを読んで、名前に関係あるのではないかと思い始めた)。博識のあまり自分の言ったアドバイスを、「でも○○という有名作家はやってないけど」といちいち否定するのが面白かった。<br>
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訳にちょっと難あり。「小難しい言い回しは使うな」という本文を訳者は読んでないのだろうか。商品用語には註もないし、文意を補うための接続詞もほとんどない。全体として不親切。<br>
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参考:<a href="http://www.hyuki.com/dig/king.html">結城浩 - スティーブン・キングの『小説作法』</a> |
関連本棚: |
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夜更けのエントロピー (奇想コレクション)
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著者: |
ダン・シモンズ |
出版社: |
河出書房新社 |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
微妙……。面白くないというわけではないが傑作もないような気がする。スティーブン・キングが畏怖するのも当然で、それはダーク・ファンタジーという領域がかぶっているからなんだけど、自分がキングを読んだときにいつも怪奇描写で笑ってしまうのと同じく、「バンコクにて死す」は抱腹絶倒だった。でも、そういう読み方をしてしまうのは作者の意図したところではないと思うから、自分にはあっていない作家なのだと思う。表題作「夜更けのエントロピー」は良かったけどSFじゃないしね。「ドラキュラの子供たち」はあんなオチにしたせいで作品として矮小化したんじゃないだろか。 |
関連本棚: |
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