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アコーディオンの罪 (ACCORDION CRIMES)
E・アニー・プルー
集英社
ISBN: 4087733300
紀伊國屋
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評 価
コメント
べ_deleted000 :
時間はかかったけどこの本を読むのは愉しかった。なんてのかな,「ストーリーを追うヨロコビ」ではなくて,もっと純粋な「文章を読むヨロコビ」を感じさせてくれる本,映画よりも音楽に近いタイプの本である。たまにはこういう本を読むのもいい。仕事で切れ切れではなくてまとまった休暇とかを取っていっぺんに読めると最高なんだがな。
ストーリーを紹介するのは難しい。簡単に言えば,約100年前,イタリア移民のアコーディオン職人が持っていた「小さな緑色のボタン式アコーディオン」が,約100年後にミネソタからミシシッピへ向かうハイウエイ沿いで破壊され,その場にいた貧しい人たちにちょっとした人生の転機をもたらすまでの,なんつうか「アコーディオン・オデッセイ」である。もちろんアコーディオンに手足が生えて……なんて文福茶釜みたいな話ではないので,次々と替わるその持ち主たちがその場その場での「主人公」になる。
モノが楽器なので当然ながら音楽がからむ。イタリア系に始まってドイツ系,メキシコ系,フランス系,アフリカ系,ポーランド系,アイルランド系,ノルウエー系と移民達の手を渡り歩きながらそれぞれの音楽を奏でたり奏でてもらえなかったりする。…そだな,1999年だったか,「ラン・ローラ・ラン」ってドイツの映画があったではないか。あの中で主人公のローラとすれ違う人々のその後の人生がラッシュで垣間見られるところがあったでしょ。この本はあのローラのポジションにアコーディオンを置いた,ある意味アメリカの年代記とでも呼ぶべきもんなのだ。誰にでも薦められるわけぢゃないが,オレは面白く読みました。
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stonechild
最終
更新
: 2009-08-15 21:19:15 +0900
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