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ウェブログの心理学

山下 清美 川上 善郎 川浦 康至 三浦 麻子
NTT出版
ISBN: 475710149X  紀伊國屋, Amazon, WebCat
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評  価
コメント
muziyoshiz : 良く書けている入門書。だけど、ブログ関係の話題をそれなりに追っている人だと、本書を読んでもあまり得るところはなさそう。
sho :

いまだ出版ラッシュの続くウェブログ関連書籍だが、1年後に読み返してみても価値を保っているだろうと思われるものはほとんどない(『ウェブログハンドブック』くらい?)。ハウツー本はもちろんだが、その他の書籍も、せいぜい著者の身辺のごく狭いコミュニティでの経験を基にしているだけなので、視野が狭くてとても一般化できるシロモノではないのだ。しかし、WWWの黎明期から研究を続け、しっかりとしたフィールドワークまでこなした本書の著者たちは、経験の厚さ、視野の広さ、どれをとっても文句のつけようがない。

特に「歴史」を扱った第2章は重要だ。10年に渡るウェブログの歴史の中で、昨今のブームはたかだか1、2年のことである。そこにだけ着目した議論がなんと底の浅いことであるか。現在問題になっていることのほとんどが過去に登場済みであることがわかるだろう。「本質」に目を向けるいいきっかけになる章である。

そして、1997年の調査を元にした第3章。「Web日記」を「blog」に置き換えてもなんの違和感もないこと、また第4章と読み比べて、今と当時との違いはせいぜい「カネの匂い」の有無くらいである(カネの匂いはけっこう重要な軸ではある。が、あまり踏み込まなかったのは本書の立ち位置のせい?)。いまだに「Web日記とblogは違う」とか、自分の感覚だけで言ってる二元論者は、こういう事実を知るべきである。ウェブログは二値で分けられるものではなく、二次元スペクトルのどこかに位置づけられる、境界のあいまいなものなのだ、ということがよくわかる。

あと個人的には、第4章の「おわりに」が、ちょっと感動的な締め方だったのがよかった。そうそう、続けることが重要なんですよ。

他の本棚 巡回時間風景, honda, ジョセフ, ヴェネ, takuji, muziyoshiz, ynakajimaはまだこんな本を読んでいない, Haruka, daichi, sho, stonechild-2

最終更新 : 2005-11-22 00:50:48 +0900
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