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鹿の王 (下) ‐‐還って行く者‐‐

上橋 菜穂子
KADOKAWA/角川書店
ISBN: 4041018897  紀伊國屋, Amazon, WebCat
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コメント
yap : ファンタジーを読んでいる感じよりも、科学の本を読んでいる感じだ。
reiko510の2015 : 上巻では別々に展開が進んでいった2人の主人公がようやく顔を合わせてからも、様々な登場人物とその思惑がからみあい、駆け足で読むと見落としミス。 日本医療小説大賞を本屋大賞の前に受賞しているように、ウィルスや病気、さらには細胞の集合体の体と命の関係など(「生物と無生物の間」を連想)を、現代医療の前提を知らないファンタジーの世界で本質的なことばで語らせるところ、さすがの力量です。 受賞作だからということだけでは、ファンタジー世界がそもそも無理、ファンタジー好きなのにイメージ違う、読み解きが難しい、と色々なハードルがあるのでは、と余計な心配。
トンクル : 国と形容されるヒトの身体と、侵略され吸収される国々や民族。全てが渾然一体となって語られ、結びついていく様が心地よい。上橋氏の作品は、真面目で寡黙な人物が多い印象があったが、ホッサルのような奇人には意表を衝かれた。1つの作品=身体に宿る無数の命は、氏が積み上げてきた研究と参考にした文献、監修した研究仲間や家族がによって形作られたのだなぁと、あとがきを読んでしみじみ感じたのだった。(2015年8月16日読了)
他の本棚 yap, reiko510の2015, トンクル

最終更新 : 2015-03-15 00:39:04 +0900
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