もつくん2_deleted000_deleted000 :
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1972年に刊行された早川書房の<世界ミステリ全集>、このシリーズの最終巻(18巻目)がアンソロジー『37の短編』だった。『天外消失』はこのとき収録された37篇のうち、現在では様々な理由によって目にすることができない14篇を選んで構成されている。
唸らされた作品は、表題となった「天外消失」(クレイトン・ロースン)。刑事に常時監視されている電話ボックスに入った判事がそこから忽然と消え、ぶら下がった受話器から当の検事の声が聞こえてくる。謎を解くのはマジックのネタを考案したり売ったりする奇術商で、このトリックというのがまぁよくできているのだ。
どの作品も邦訳されたのが40~50年ぐらい前だから、訳文が古めかしい点は否めない。しかし、その点を割り引いても本書を一読する価値はある。個人的にはSFのホーカシリーズで有名?なポール・アンダースンの作品があって嬉しくなった。
「女か虎」(フランク・R・ストックトン)の内容に触れたブルーバックスを読んだ記憶がある。さて、どの本だったか、今は思い出せない。
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