木城ゆきとの出世作『銃夢』からスピンアウトした中篇。
『銃夢』でみせた絵へのこだわりをさらに加速させ、本作では中間色を抑えて白と黒だけで大胆に画面を構成し、スタイリッシュで独特の魅力を出している。強い日差しを思わせるその強烈な明暗は、生と死の境界線上をひた走る空ろな主人公の心にある闇と、その中で一瞬だけ見えた光を浮き彫りにする。
絵と物語が見事に合わさった傑作。