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ヴァカンスのあとで
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著者: |
堀井 和子 |
出版社: |
徳間書店 |
評価: |
B |
カテゴリ: |
料理本
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コメント: |
西日本の生まれで東北と言えば、豪雪と漬け物、それからなまはげとねぶた祭りの暗く民芸調なイメージしかもってなかった。ところが堀井さんは仙台とか秋田への旅行をヴァカンスと呼ぶのである。光原社という宮沢賢治の本の出版社が仙台にあって、大変すてきらしいのである。秋田にはグリーンの小さないちじくがあって大変おいしいらしいのである。きりたんぽの写真がすごくおしゃれに見えるのである。未知の東北だけにイメージをかき立てられるには十分な、小さな写真と文章、簡単なレシピで構成されたプティな本。 |
関連本棚: |
veri
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広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由―フェルミのパラドックス
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著者: |
スティーヴン ウェッブ |
出版社: |
青土社 |
評価: |
B |
カテゴリ: |
科学
宇宙
数学
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コメント: |
エンリコ・フェルミというノーベル賞物理学者が1950年に発した「みんなどこにいるんだろうね」という問題(フェルミ・パラドックス)について、実際の研究成果や論考を50の解にまとめて「実は来ている」「存在するがまだ連絡がない」「存在しない」の3つの立場の主張を紹介する科学啓蒙書である。すべての解が証明済みというわけではないので、SFのアイデア集的にも楽しめる。また、フェルミ推定とかデルタt論法とか、理系の人にはおなじみなのかもしれないが、初めて知る考え方がいろいろと分かりやすく解説してあって、文系の人も読めば世界が広がる本だと思う。
ちなみに「解10 こちらまでくるだけの時間がまだ経っていない 」、「解43 生命の誕生がめったにない」と「解44 原核生物から新核生物への移行がめったにない」あたりは、“彼らはいる”と思っているわたしはダメージをくらった。「解1 彼らはもう来ていて、ハンガリー人だと名乗っている」はハンガリー人の特異性について書かれた別の文章も読んだところだったので、謎が深まった。 |
関連本棚: |
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日本一怖いブック・オブ・ザ・イヤー2005
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錬金術の世界
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著者: |
ヨハンネス ファブリキウス |
出版社: |
青土社 |
評価: |
B |
カテゴリ: |
ユング心理学
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コメント: |
ソルウェ・エト・コアグラ(溶解して凝固せよ) |
関連本棚: |
veri
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運命・幽情記 (講談社文芸文庫)
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著者: |
幸田 露伴 |
出版社: |
講談社 |
評価: |
AA |
カテゴリ: |
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コメント: |
運命はあるのかないのか。<br>
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露伴先生「測り難きの数を畏れて、巫覡卜相の徒の前に首を俯せんよりは、知る可きの道に従ひて、古聖前賢の教の下に心を安くせんには如かじ」<br>
<br>
ドン・ファン「わしにとっては、心のある道を旅することだけしかない、どんな道にせよ心のある道だ。そこをわしは旅する、そしてその端までたどりつくのが唯一価値あることなのだ。その道を目をみはって、目を見はって、息もせずに旅して行くのだ」<br>
<br>
コニー・ウィリス「しかしカオス系では、猫一匹や荷車一台はもちろん、風邪のひとつさえ重要な意味を持ちうるし、あらゆるポイントが分岐点になりうる。 —中略— しかしカオス系には、フィードフォワード・ループも干渉パターンも平衡力もあり、個人の行動の圧倒的大多数はたがいに打ち消しあう」 |
関連本棚: |
veri
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銀色のフィレンツェ―メディチ家殺人事件 (朝日文芸文庫)
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著者: |
塩野 七生 |
出版社: |
朝日新聞 |
評価: |
A |
カテゴリ: |
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コメント: |
コメントを書こうと思って読み返してみたら、最後に読んだのはイタリアに行く前だったみたいだ。<a href="http://www.santa-maria-novella.co.jp/">サンタ・マリア・ノヴェッラ</a>の香水のことはこの本で知った。だからたくさん種類がある中で、もちろんイリスの香水を買った。久しぶりに読んでみたら、フィレンツェのことがいろいろ思い出されてまた行きたくてたまらない。これから旅行するならぜひ。藤本ひとみの『逆光のメディチ』も必読です。 |
関連本棚: |
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中学生はこれを読め!
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辰巳芳子の旬を味わう―いのちを養う家庭料理
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著者: |
辰巳 芳子 |
出版社: |
日本放送出版協会 |
評価: |
A |
カテゴリ: |
料理本
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コメント: |
料理は難しい。なぜなら、実際には素材の産地ごとの特性を知り、素材の性質を適正に化学反応させることを反復のなかから学び、論理的に手順を組み立て、季節や風土の要求に応え、食べさせる人の心理を読んで完成する、自然科学と人文学が複雑に入り交じった高度な技術であるからだ。しかも家庭料理においてはそれは呼吸のように自然になされるもので、決して闘いであってはならない。
そんな著者の料理哲学の真髄に触れることができる本。朝日新聞の連載記事をまとめたものです。辰巳芳子さんは上級の魔女だと思います。 |
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チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷
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著者: |
塩野 七生 |
出版社: |
新潮社 |
評価: |
A |
カテゴリ: |
ない
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コメント: |
『ボルジア家の黄金の血』というサガンの本もあって、久しぶりに2冊併せて読み比べたいと本棚を調べたがない。確か友達に借りて返して自分でも… んーわたしのほうは買っていなかったようだ。わたしはチェーザレより断然ロレンツォ派で。チェーザレの剃刀で切り裂くような清々しいほどの判断力は十分魅力的だけれども、ロレンツォの教養とポエジーと豪胆さを横に並べたらチェーザレの内面はとても貧相に見える。しかしチェーザレの物語において重要なのは個人その人ではなく個人を通して顕現する“歴史”なのだろう。数時間ページをめくるだけで、その事実に畏怖することができるのは歴史家の綿密な仕事のおかげである。 |
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神秘の薔薇
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著者: |
W.B.イェイツ |
出版社: |
国書刊行会 |
評価: |
A |
カテゴリ: |
海外文学
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コメント: |
「階段を昇り降りして、わたしの「粗野な言葉」をしまってある金めっきをしたムーア式の化粧箱の傍を通る時、わたしは、もう一度それらの言葉と取り組もうか、どうしようかと迷うのである。何故なら、オデッセウスに語りかけるように、だが狂った人々のように、今も尚語りかけてくるあの声に、わたしは戸惑っているからだ。それとも、今やわたしも些か年を取りかけてきたので、老婆の信心のような何か素朴な信心を始めた方がよいのだろうか。」 |
関連本棚: |
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