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人脈づくりの科学 「人と人との関係」に隠された力を探る

安田 雪
日本経済新聞社
ISBN: 453231156X  紀伊國屋, Amazon, WebCat
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増井 : ツッコミどころ満載の本である。 人脈などのつながり関係を「ネットワーク分析」という手法で解析する方法や 良好なネットワークを構築するための技術について書いており、 テーマそのものは興味深いのだが、 科学書としては議論や数式がいい加減であり、 ビジネス書としてはほとんど実際の役には立たないという特徴がある。 山形浩生氏がAmazon書評で 「支離滅裂で何も説明できていない」とか 「よくこんな人が学者をやっていられるものだ」と書いているが同感である。 出てくる数式はすべていい加減 or 無意味だし、 既存研究についても言及はしているもののちゃんとした説明がない。 たとえば「バートによる空隙理論」として、 「Structural Holes: The Social Structure of Competition」という本に書かれた話が随所に出てくるにもかかわらず 空隙理論とは何なのかの説明がちゃんと書かれていない。 (実際はこういうものらしい。) また p63でグラノヴェッターという人の「弱い紐帯の力」という論文を紹介しておきながら p178で同じ論文を「弱い紐帯の強さ」という名前で再紹介している。 ちゃんとチェックしてくれよ > 著者/編集者。 参考文献にはリストされていないが、この論文の話は転職―ネットワークとキャリアの研究 (MINERVA社会学叢書)という書籍になっているようである。 30年以上前の入手しにくい論文を引用するよりも 一般書籍を引用した方が有用だと思うが。

様々な実験や調査結果が述べられているが(p33, p80, p124, p132, p182)、 無意味とか当然とか思われるものばかりで、 社会学というのはあやしげな実験にもとづいて 根拠に乏しい結果をひねり出すことが多いという印象を受けてしまった。 まぁこれは著者の責任ではないのだが。

とはいうものの 第5章の「実名入り人工知能研究者マップ」は実に面白いし、 昔の研究へのポインタを知ることができたので少しは役にたったかもしれない。

  • 頼人氏の記事
  • 安田氏
  • ぴーたんaさんの書評
    > 興味深いのは、5章で科学者の人脈と研究業績との関連について
    > 論じているところ。ここでは、ウェブマイニングによって作成した
    > 人工知能研究者のネットワーク関係が示されている。これによって、
    > 研究者がネットワークの中心的な位置にいるのかそうでないのかと
    > いった「媒介性」、ネットワーク構成員へのアクセスのしやすさを
    > 示す「近接性」といった指標をつくることができる。
    > さらに、このデータと、論文の被引用度などを比較し、研究者の業績
    > との関連まで考察されている。
    
ちなみに恥ずかしながら「紐帯」という言葉を知らなかった。 「tie」の訳語なのだが、 もう少しわかりやすい表現は無いものか。 あ、「タイ」だから「チュータイ」にしてあるのかな?
yuco : おもしろかった。「密なつながりがありすぎる組織はよくない」「この人を通してしかつながれない相手を多く持っている人は有利だ」など。
Geneve : http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002338.html 参考にする 読んでみたい
他の本棚 웝떤쫼헻, 増井, Psychs, yuco, jk123, [yori], yasunari, Geneve, stonechild-2, , 山形Fan, 増井研, masuilab

最終更新 : 2005-09-25 19:22:52 +0900
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