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日英蘭 奇跡の出会い―海に眠る父を求めて

鶴亀 彰
学習研究社
ISBN: 4054034101  紀伊國屋, Amazon, WebCat
カテゴリ 図書館
評  価 4.2
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もつくん2_deleted000_deleted000 :  第2次大戦中の日英蘭、3国の潜水艦にまつわる話。著者の父、鶴亀鶴一氏が機関長として乗り組んでいた伊号潜水艦は、オランダの潜水艦を撃沈し、そしてイギリスの潜水艦に撃沈されて、鶴一氏と共にマラッカ海峡に沈む。その父の最期を知ろうと、商売を投げ出してまで、東奔西走する鶴亀彰夫妻。
 点が線になり、線が面になるとはこういうことかと思わざるを得ない展開に、そんなに世界は狭いのかね、と首を傾げたくならないでもない(でも、まったくの面識のない2人でも、間に5、6人だかの仲介があれば結びつくという研究があたったと思う)が、とにもかくにも、オランダ潜の遺族や、生存してた英国潜の艦長にたどり着き、伊号の遺族まで探し出して、慰霊祭まで執り行った著者夫妻の行動力には心底感服する。
 また、単に、殺してしまった者に謝罪する、あるいは殺されたことに謝罪を求めるという旅ではなく、出会いを通してあの戦争は何だったのか、そして残されたものはどう生きるべきなのかが問いかけられているのが興味深い。
 何十年か後に、イラクやアフガニスタンで敵味方に分かれて戦っている兵士(特に米軍の)やその遺族が憎しみはひとまず脇に置いておいて、手を握り合うことができるのだろうかと考えてみると、それはまずあり得そうにない気がする。戦争に質というものがあれば、随分と変わってしまったものだ。
 マラッカ海峡に眠る伊166の沈没地点が確定される日が、1日でも早いように心から祈る。
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最終更新 : 2007-09-30 17:50:08 +0900
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