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メディア時代の広告と音楽―変容するCMと音楽化社会
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著者: |
小川 博司, 粟谷 佳司, 葉口 英子, 小田原 敏, 小泉 恭子, 増田 聡 |
出版社: |
新曜社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
CM音楽をめぐる日本のメディア概論の良書。映像メディアにおける音楽の著作権については、非常にコンパクトにまとめられていて勉強になる。日本の音楽メディアの圧力が潜在化しているという指摘など、随所にはっとさせられる記述がある。 |
関連本棚: |
spi
二代目平蔵
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アジア定住―11ヵ国18人の日本人
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著者: |
野村 進, 井上 和博 |
出版社: |
めこん |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
アジアに居を定めた在外日本人18人に取材したノンフィクション。それぞれにアジアに移住した経緯は異なるが、底流に流れるものを感じずにはいられない。戦前には大陸浪人と呼ばれ、内地を飛び出した日本人がいた。戦後生まれの日本人は、そのような戦前の大陸浪人とは断絶していると思い込んでいたが、実は「日本人」という一点で抜き差しならぬほど連続しているのだということを思い知った。
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関連本棚: |
二代目平蔵
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「聖地」荒れて
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著者: |
落合 信彦 |
出版社: |
小学館 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
現代パレスチナに至る歴史がコンパクトにまとめられている。<br>
アラブ同情論的観点から論じられた中東関連本(新聞含め)が多い中、
イスラエル・アラブ双方にアプローチしている点は評価できる。 |
関連本棚: |
二代目平蔵
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氷結の森
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著者: |
熊谷 達也 |
出版社: |
集英社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
現代小説
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コメント: |
ちょっと御都合主義かな、という気もするが、冒険小説としてはまずまずの出来。<br>
尼港事件に興味のある人は一読の価値有り。<br> |
関連本棚: |
森乃屋龍之介
二代目平蔵
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関東学院大学・春口廣 強いだけじゃ勝てない (光文社新書)
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著者: |
松瀬 学 |
出版社: |
光文社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
弱小だった関東学院大学ラグビー部を、関東屈指の強豪校にまで押し上げた春口監督の足跡をたどった本。ラグビーファンなら読んで損はないでしょう。<br>
筆者の春口に対する熱意もわかるし、構成も悪くないのだが、主語や前後の説明を端折りすぎていて、読んでいて不明瞭なところが多かった。これはノンフィクションとしては大きな瑕。<br>
ラグビー用語の説明もほとんどなく、私のような熱心なラグビーファンでない者には、ちょっとしんどい。<br>
同じ筆者の<a href="/%E4%BA%8C%E4%BB%A3%E7%9B%AE%E5%B9%B3%E8%94%B5/4163517308">汚れた金メダル―中国ドーピング疑惑を追う</a>は面白かったのになあ…。
ラグビーものなら<a href="/%E4%BA%8C%E4%BB%A3%E7%9B%AE%E5%B9%B3%E8%94%B5/4004310377">ラグビー・ロマン―岡仁詩とリベラル水脈 (岩波新書)</a>の方が断然良い。 |
関連本棚: |
二代目平蔵
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駅伝がマラソンをダメにした (光文社新書)
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著者: |
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出版社: |
光文社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
長年の箱根駅伝ファンとして、お正月の余韻冷めやらぬうちに読みたいと思っていた本。衝撃的なタイトルであるが、筆者はマラソンも駅伝も分け隔てなく愛する陸上ファンであった。<br>
後半でタイトル通りの主張が展開されるが、前半は箱根出場校の分析に費やされており、むしろ箱根駅伝を楽しむためのガイドとして利用できる。<br>
違和感を覚えるのは、マラソン=国際競技、駅伝=ドメスティック、と安易に位置づけ、国際競技マラソンの発展なくして日本国内の陸上界の発展はありえない、という意見。例えば、箱根駅伝のような1区間20km前後の駅伝が国際競技として成立する可能性はないのか、といった仮定がすっぽり抜けている。反証もある。国際競技としての土俵があり、海外に選手流出が続いている野球など、これからも日本で発展していくと言い切れるのであろうか。<br>
むしろ、箱根駅伝のためのリクルートが激化する中で、高校の中距離の選手層が極端に貧弱になっていることの方がよっぽど問題のような気がする。 |
関連本棚: |
二段階右折
ken-1
新書マン
二代目平蔵
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カカオ80%の夏 (ミステリーYA!)
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著者: |
永井 するみ |
出版社: |
理論社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
現代小説
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コメント: |
ジャンル的にはヤングアダルト、もしくはジュブナイル(古い?)とのことだが、いい歳した大人でも充分楽しめる青春ミステリ。主人公は、ちょっとニヒルな女子高生・三浦凪。群れることが嫌い、親からも精神的に自立している彼女が、ひょんなことから失踪したクラスメートの行方を追いかけることに。黒幕はすぐに予想がつくものの、凪ちゃんの成長物語なので、あまり気にしてはいけません。最後のシーンにぐっときました。 |
関連本棚: |
二代目平蔵
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天使などいない
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著者: |
永井 するみ |
出版社: |
光文社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
現代小説
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コメント: |
最近筆力がめきめきあがった永井するみの短編集。<br>
最初の「別れてほしい」を読んで、女性の意地悪さが見え隠れする短編が多いのかなと思っていたら、意外に大団円ものも多かった。「別れてほしい」「レター」、短編としては十分及第点。 |
関連本棚: |
二代目平蔵
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吹替映画大事典
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著者: |
とり みき, 吹替愛好会 |
出版社: |
三一書房 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
エッセイ
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コメント: |
いかんせん、私が物心ついた頃には、既に吹替映画衰亡期であった。なので、ここで紹介されている声優さんたちの声が具体的にイメージできなかったりする。どんな声かわかれば、読んでいて面白かっただろうになあ。<br>
少林サッカーは吹替の方が出来が良い、というレビューを見て、「まさかそんなことあるわけないでしょ」と思ってしまった私は、字幕幻想世代と言うべきか(実際には吹替の方が本当に出来がよかった)。字幕は情報量が格段に少なくなること、力量のある声優さんが声をあてれば、原作以上の面白さになること。見る側もしっかり自覚しなくちゃダメですね。 |
関連本棚: |
のらねこ兵☆
二代目平蔵
ザ区
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ピョートル大帝の妃―洗濯女から女帝エカチェリーナ一世へ
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著者: |
河島 みどり |
出版社: |
草思社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
ロシア初の女帝エカチェリーナ1世の生涯を追った歴史小説。
18世紀ロシアは女帝の時代というイメージがあるが、実はエカチェリーナ1世が出現するまで、女性に王位継承権が認められていなかったんですね。知らなかった!<br>
皇帝が死んだあと、王位継承の有無によって、文字通り王族の生死がわかれてしまう伝統にも驚く。ヨーロッパというより、トルコに近い感覚だろうか。これを読んで、ロシアが遅れてきた大国と言われる所以が何となくわかったような気がする。 |
関連本棚: |
二代目平蔵
三代目平蔵
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愛すべき名歌たち (岩波新書)
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著者: |
阿久 悠 |
出版社: |
岩波書店 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
先ごろ亡くなられた阿久悠の歌謡曲エッセイ。特に、ご本人が歌謡曲制作に関わるようになって以降の部分が面白い。個人的には小坂明子の「あなた」の詞の解釈と、西田敏行の「もしもピアノがひけたなら」にこめられた愛すべき男の姿が興味深かった。流行歌をつむぎ続けた作詞家の死を悼む。合掌。 |
関連本棚: |
2007年に亡くなった人
二代目平蔵
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貝と羊の中国人 (新潮新書)
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著者: |
加藤 徹 |
出版社: |
新潮社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
「貝」と「羊」の偏を持つ漢字から、中国の「本音」と「建前」を読み解く中国文化論。もっとも、貝と羊の話は一章が割かれているだけだったが、それ以外にも楽しい切り口が目白押しで読者を飽きさせない。<br>
個人的には第四章「人口から見た中国史」が面白かった。日本の人口推移は何となく知っていたため、古代で既に中国の人口がピークに達していたことには衝撃を受けた。<br>
中国の地方紙から、指導教官が第二次天安門事件が失敗すると看破したエピソードは、この方の本では何度かお目にかかっているが、何度読んでも鮮やかな印象を残す逸話である。 |
関連本棚: |
yasufumic
unnonouno
KarukuIppai
二代目平蔵
stonechild
hiro_y
増井
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赤朽葉家の伝説
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著者: |
桜庭 一樹 |
出版社: |
東京創元社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
現代小説
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コメント: |
鳥取の旧家の女三代記。鳥取は著者の出身地だそうで、郷土に対する思い入れと畏敬の念が感じられた。こういう土着系の物語の舞台は、程よい田舎が似つかわしい。<br>
祖母の幼少期から物語がスタートするのだが、それが戦後だったのでびっくりした。今は女性三代記でも戦前には遡らないのね。<br>
千里眼の祖母・万葉、その娘で売れっ子漫画家となった元暴走族・毛鞠、と、登場人物もそれぞれに魅力的。物語も充分に面白いのだが、何となくもう一味足りない気がした。<br>
万葉よりも、万葉の姑にあたるタツの人生の方が気になってしまうのは、私だけではないはずだ。 |
関連本棚: |
2008年・しんじ
sisan_nasi
Sui
rose
ぐちお
二代目平蔵
【ひろ】
nozz -2007
ヌマシタ
姉
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アメリカの歌をもとめて―「1992年アメリカ」への旅
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著者: |
石川 好 |
出版社: |
中央公論社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
エッセイ
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コメント: |
“「1992年アメリカ」への旅”とサブタイトルにあるので、てっきり2000年くらいの著作かと思ったら、何とスタートは1989年でした。<br>
今から20年近く前の著作だが、2007年現在、アメリカで深刻化している問題(ホワイトカラー層の二分化、マイノリティーによる逆差別など)を既にこの時点で指摘している点は驚きである。<br>
ジャーナリストの目の鋭さを思い知る。 |
関連本棚: |
二代目平蔵
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家族は孤独でできている
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著者: |
石川 結貴 |
出版社: |
毎日新聞社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
仲良し家族の幻影と限界、拝金主義に傾く家族を描いたノンフィクション。衝撃だったのは子どもの食卓についてレポートした一章。極端な例かもしれないが、子どもの食について、大人がもっと敏感になるべきではないだろうか。 |
関連本棚: |
二代目平蔵
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(新装版) 天璋院篤姫 (下)
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著者: |
宮尾 登美子 |
出版社: |
講談社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
病弱であった夫・家定は死に、列強の圧力、尊皇攘夷、公武合体と、政情は益々混迷を深めていく。<br>
ここで描かれる一橋慶喜の人物像が新しい。実際にこういう狡賢い面もあったのではないかと思う。 |
関連本棚: |
二代目平蔵
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