バックアップ
[
{
"title" : "志学数学―研究の諸段階・発表の工夫 (シュプリンガー数学クラブ)",
"isbn" : "4431711406",
"date" : "2013-01-19T00:16:08.000Z",
"publisher" : "シュプリンガーフェアラーク東京",
"authors" : "伊原 康隆",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "学問を志す若者への案内書。勉強の仕方、講演のし方、論文の書き方(書く前によく考える。書いたものを注意深く読む。)引用:「かのセール先生は若い頃、序文は20通り(!)ぐらい書いて読み比べてから決めたそうです」(p.122) 「しかし、数学者(生)にとって、時間とは、ソバ屋の水くらい大量に必要とするもので」(p.149)"
},
{
"title" : "中井久夫コレクション 「伝える」ことと「伝わる」こと (ちくま学芸文庫)",
"isbn" : "4480093648",
"date" : "2013-01-27T17:55:05.000Z",
"publisher" : "筑摩書房",
"authors" : "中井 久夫",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "「私の日本語作法」p.336: 接続を考える。パラグラフ単位。最初のパラグラフは短く。ほんとうに言いたいことは繰り返し書く。紙片(パラグラフ)をためる。並べる。線で結ぶ。思いつくまま書き加える。1次元(文章)にする。容赦なく切り捨てる。主題パラグラフは長く、副次的パラグラフは短く。"
},
{
"title" : "多面体と宇宙の謎に迫った幾何学者",
"isbn" : "4822283828",
"date" : "2013-01-07T06:34:17.000Z",
"publisher" : "日経BP社",
"authors" : "シュボーン・ロバーツ",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "子供の時は作曲。決して幸福でない子供時代。p. 64『ドナルドは、多くの子供達が夢想するものの、実際には行わないことを実行した。アメライビア語という独自の言語を作ったのである。彼のノートには126ページにもわたって、その言語と、言語が使われている想像の世界が記されていた。』 p.171『コクセターの論文は美しさで注目を浴びた。その美しさは、数学的な美だけでなく、論文の様式の美でもあった。・・・ある論点から次の論点への滑らかな移行に工夫を凝らし、議論全体を通じて全体的なシンメトリーを注意深く構築し・・・』p. 174『たいていの人は、明確な個人的スタイルを堅持できるほど意志が強くありません。』 ジオメターズ・スケッチパッドというソフトは面白そう。ダグラス・ホフスタッターによるまえがきも面白い。"
},
{
"title" : "キリンのまだら―自然界の統計現象をめぐるエッセイ (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)",
"isbn" : "4150502870",
"date" : "2013-01-08T04:49:42.000Z",
"publisher" : "早川書房",
"authors" : "平田 森三",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "『物理の散歩道』と同類の楽しみ。p.113「鯨に銛を打つ」が面白い。水面での反跳を避けるためには銛の先は平らな方がいい、という話。p.272 「病院に見えた寺田先生」これだけ弟子に敬愛された寺田寅彦はやはり偉い人だったに違いない。 p.289 「静寂」原爆被爆体験についての静かで短い記述。"
},
{
"title" : "ともに暮らせなかった息子へ―ある女性科学者の遍歴",
"isbn" : "4886223419",
"date" : "2013-01-10T03:30:37.000Z",
"publisher" : "どうぶつ社",
"authors" : "服部 ゆう子",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "女性科学者の自伝。家族と学問、ひどい親と冷たい世間。早世する兄と道を踏み外す妹。逆境の中、子育てをしながら「自爆」覚悟で研究に邁進し、果たして体を壊す。【引用 p.122】“息子が一人歩きを始め片言を話し始めた頃・・・楽しそうに人差し指で色々なものを差して名前を尋ねる遊びを始めた。・・・最後に自分の鼻にふれ、それから私を指差した。一瞬私は動揺した。・・・息子が「お母さん」という言葉を待っているのは明らかだった。が、私はどうしても言えなかった。” "
},
{
"title" : "日本語の将来 (NHKブックス)",
"isbn" : "4140910011",
"date" : "2013-01-13T05:25:15.000Z",
"publisher" : "NHK出版",
"authors" : "梅棹 忠夫",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "漢字を使わずローマ字で日本語は書くべきだという主張。説得力がある。ただ、ひらがなのわかち書きでいいのでいいのではという気もする。原稿を頭の中で書いていたというのは驚き。【引用 p.54】“わたしはむかしから原稿を書くのも、数学の暗算と同じ要領なんです。宙でやっているんです。” "
},
{
"title" : "ケンブリッジの卵―回る卵はなぜ立ち上がりジャンプするのか",
"isbn" : "4766413342",
"date" : "2013-01-16T06:14:52.000Z",
"publisher" : "慶應義塾大学出版会",
"authors" : "下村 裕",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "共同研究の醍醐味。古典的な剛体力学でこれほど面白い研究ができるとは。【引用 p.255】“「不思議に気づくこと」、「力を合わせること」、「自分に誠実であること」、そして「分かりやすく説明すること」”"
},
{
"title" : "渡り鳥―パイエルスの物理学と家族の遍歴",
"isbn" : "4842703210",
"date" : "2013-01-17T04:35:46.000Z",
"publisher" : "吉岡書店",
"authors" : "ルドルフ パイエルス",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "物理学者パイエルスの自伝。自己顕示欲がまったく感じられないのが好ましい。興味深い事件、面白いエピソードが多数。「ものごとをうまく要約する能力」(p.303)のたまもの。いくつか引用: “パウリの典型的な発言はこうだった。「ええ、貴方は物理学の話でなければ大変明瞭に話されるのですね。」”(p.70) “コッククロフトほど、ざまざまなことを同時にやってのけた人物に私は会ったことがない。・・・些細なことに対する決断も速かった。・・・コッククロフトがそこで何かの図面を書いていた・・・顔も上げずに、ためらわず「茶色」と言ってそのまま仕事を続けた”(p.184) “ときどきダイソンは自分の物理学の想像力はもう枯渇してしまって、これ以上の独創的な考えはもう思いつけないと悲観することがあった。そんなときは、職業を変えて、これからは医学を学びたいと真剣に話した” (p.355)"
},
{
"title" : "著作権の考え方 (岩波新書)",
"isbn" : "4004308690",
"date" : "2013-01-18T01:34:09.000Z",
"publisher" : "岩波書店",
"authors" : "岡本 薫",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "引用: “異質な人々と建設的な話し合いをしていくことができない人は、思想や利害を異にする人と出会うと、まず「なぜ私の素晴らしい考えに賛同できないのだろう?」と「驚き」、どうしていいか分からず「戸惑い」、最後にはこれが「怒り」に変わっていくようだ。相手を「悪」と呼ぶかわりに自分を安易に「弱者」と呼ぶ人も同様だが・・・” (p.126)"
},
{
"title" : "アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!】",
"isbn" : "4863912803",
"date" : "2013-01-27T17:14:31.000Z",
"publisher" : "晋遊舎",
"authors" : "アトゥール ガワンデ",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "面白い。ひどいのは日本語の書名だけ。リストは必要最小限に。二種類(間違いを防ぐリストと、予想外の事態に対処するためのリスト)。リストはチームワークのためでもある。"
},
{
"title" : "クラゲに学ぶ―ノーベル賞への道",
"isbn" : "4888511578",
"date" : "2013-01-22T04:14:46.000Z",
"publisher" : "長崎文献社",
"authors" : "下村 脩",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "引用: “学会出席についての考えを述べておきたい・・・学会出席は私の研究面では全く役に立たず・・・重要な研究に熱中しているときに親睦のために数日の時間を費やすことは私にはできない・・・”(p.152) “しかし常識的に考えて、その研究室で一番能力があるのは教授自身であるのに、教授が直接研究にたずさわらないのでは最高の結果は望めない。・・・若者の教育は大事であるが、私にとって研究は命である。”(p.152) “この4人に共通しているのは独創性や創造性のみならず、長い期間の倦まずたゆまぬ努力であろう。”(p.234)"
},
{
"title" : "スヌーピーと生きる―チャールズ・M.シュルツ伝 (朝日文庫)",
"isbn" : "4022613904",
"date" : "2013-01-23T03:44:42.000Z",
"publisher" : "朝日新聞社",
"authors" : "リタ・グリムズリー ジョンスン",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "几帳面で真面目で謙虚な人柄。 “彼は『ピーナッツ』を、日曜版は・・・締めきりの十週間前に、平日用のものは六週間前に仕上げてしまう” (p.109)“ 「決して人をばかにしてはならないという、責任感のようなものを感じているんだ」”(p.111)心臓病の手術のために入院した病院の壁に “自分と同じ心臓病の疑いを受けた患者たちを励まそうと、シュルツが壁に描いた絵があるのだ。肺を綺麗にするための吸入器と取っ組んでいるスヌーピー・・・”(p.410) "
},
{
"title" : "Geons, Black Holes, and Quantum Foam: A Life in Physics",
"isbn" : "0393319911",
"date" : "2013-01-26T13:28:16.000Z",
"publisher" : "W W Norton \u0026 Co Inc",
"authors" : "John Archibald Wheeler, Kenneth W. Ford",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "物理学者ホイーラーの自伝。自由な精神と創造性にあふれている。彼は大学での時間を教育、研究、業務に分け、それぞれどれだけかけているかを常に測っていた(p.155)。大学院生新入生のファインマン(ホイーラーは彼の指導教官)が研究室にきてTAの打ち合わせをしたとき、いつものようにホイーラーは時計をテーブルに置いた。普通の学生だったら大変なプレッシャーを感じるところだろう。だがファインマンは違った。次のミーティングの時にファインマンがどうしたかは有名な話。どんなに忙しいときでも “I have never been too busy to dream... Later, inspired by Enrico Fermi's example... I started keeping my thoughts in bound notebooks.”(p.182)彼がブラックホールの名付け親であること知っていたが、ステラレーター(核融合プラズマ閉じ込め装置の一つ)の名付け親でもあったとは知らなかった(p.218)。 “Keeping my own physics alive during the Los Alamos-Matterhorn period was not easy, but I tried to think and write a little almost every day.”(p.223) “I set the alarm for 3:00 A.M., and used a few quiet hours to think about matters other than thermonuclear burning and computer codes.”(p.224) "
},
{
"title" : "The Life and Legacy of G. I. Taylor",
"isbn" : "0521002311",
"date" : "2014-03-26T17:44:16.000Z",
"publisher" : "Cambridge University Press",
"authors" : "G. K. Batchelor",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "Batchelorが書いたG.I. Taylorの伝記。というだけで流体力学を学ぶ学生であれば読みたくなるであろう。だがTaylorの業績を全く知らない人にとってはあまり面白くないかもしれない。それほど平穏で幸福な人生だから。表紙の温和な写真の表情がそれを語る。最終章でBatchelorはTaylorの独創性と生産性の鍵は何であったかを分析している。G.I. Taylorが(ブール代数の)ジョージ・ブールの孫であるとは知らなかった。Taylorの叔母は4次元多胞体の3次元断面について研究していた(p.18)。"
},
{
"title" : "多面体木工(増補版)",
"isbn" : "4990588002",
"date" : "2013-01-31T02:50:53.000Z",
"publisher" : "特定非営利活動法人 科学協力学際センター",
"authors" : "佐藤 郁郎, 中川 宏",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "様々な多面体を木工で作る方法が記されている。多面体の数学の本としても楽しめるし、写真を見るだけでも楽しい。プロの研究者でない人が、数学の研究を楽しんでいる様子が伝わってくる。"
},
{
"title" : "新しい国語表記ハンドブック",
"isbn" : "4385211361",
"date" : "2013-01-31T03:55:57.000Z",
"publisher" : "三省堂",
"authors" : "",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "筆順や書き間違いやすい漢字など、こういったことにはあまりこだわりたくないが、必要な場合はこれが便利。"
},
{
"title" : "百万分の一の歯車!―世界一の超極小部品をつくる樹研工業の技と哲学",
"isbn" : "4806118419",
"date" : "2013-02-05T03:38:43.000Z",
"publisher" : "中経出版",
"authors" : "松浦 元男",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "痛快な本。“生き残れるのは最高の技術を持ったものだけだ”(p.80) 採用は先着順(p.96)。最新鋭の設備を整えるが、2, 3回使っただけでホコリをかぶっても文句を言わない(p.129)。教養が大事(p.188)。"
},
{
"title" : "スリープ・ウォッチャー",
"isbn" : "4622039508",
"date" : "2013-02-01T17:20:39.000Z",
"publisher" : "みすず書房",
"authors" : "W.C. デメント",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "睡眠研究の話。睡眠の重要性。研究資金獲得のつらさの話も。助成申請後の厳しい査察の後、著者はストレス胃炎になる。 “現地査察管達が私を試験し、厳しく尋問し、拷問している間に、私は文字通り出血のため死にかけていたのだった”(p.193) 著者が一般向けの講演に母親を招待した時の話。1時間半の講演の半ばで、最前列に座った94歳の母親がトイレに立ち上がる。だがドアが開かない。“私は、自分の母が外に出ようとして講堂のドアをがたがた鳴らしているときに、しゃべり続けなければならないという、ぞっとするような体験をしていた。私にはこれが永遠に続くように思われたが・・・私は聴衆を見回して、「皆さん、私は自分が話している間に出て行く人がいるだろうと計算はしていましたが、それが私自身の母親であろうとは夢にも思いませんでした」”(p.200)"
},
{
"title" : "北極圏へ―オーロラと地球温暖化に挑む",
"isbn" : "4891731168",
"date" : "2013-02-02T02:09:01.000Z",
"publisher" : "白日社",
"authors" : "赤祖父 俊一",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "著名なオーロラ研究者の素晴らしい自伝。研究と研究者、メンターやリーダーシップなど。"
},
{
"title" : "πとeの話―数の不思議",
"isbn" : "4791764390",
"date" : "2013-02-03T00:17:11.000Z",
"publisher" : "青土社",
"authors" : "Y.E.O.エイドリアン",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "綺麗な級数を集めた本。有名なものやその変種など。(2*2)/(1*3)*(4*4)/(3*5)*(6*6)/(5*7)... = pi/2 (p.62)など、見ているだけで楽しい。"
},
{
"title" : "素粒子から宇宙へ―自然の深さを求めて",
"isbn" : "481580222X",
"date" : "2013-02-06T03:23:46.000Z",
"publisher" : "名古屋大学出版会",
"authors" : "早川 幸男",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "気を引き締めるためにときどき読み返す本。ユーリーは50歳を過ぎて新しい分野に挑戦した。“助手の助け無しに独りで実験室を説明して歩くのにまず驚いた”(p.8) ファインマンの話。“一夏のつき合いで天才とはどういうものかが分かった。・・・普通の物理屋がする試行錯誤の繰り返しであった。ただ繰り返しの頻度が大きく、錯誤を速くつぶすのが違っていた。”(p.83) “しかし、雑用がなくなったら、その人はもっと困るであろう。研究は依然としてできない上、雑用がなくて手持ちぶさたになるし、いいわけのたねもなくなるから” (p.125) “アイディアは往々にして天のひらめきのように生まれるといわれているが、多くの場合、一系の研究の一段の飛躍として生まれる。” (p.136) 50歳までに学問の芯を作っておかなければいけない:“学問の権威であった先生の中には五十歳の線を越えようとしている方がある・・・そのうち私自身もこの実験台に上がらねばならぬ時期が来る。そうなって初めて自分の学問がどれくらい芯のあるものかが分かるのであろう。” (p.9)"
},
{
"title" : "オリヴァー・ヘヴィサイド: ヴィクトリア朝における電気の天才――その時代と業績と生涯",
"isbn" : "4875252889",
"date" : "2013-02-07T03:56:10.000Z",
"publisher" : "海鳴社",
"authors" : "ポール・J. ナーイン",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "ヘヴィサイドの伝記。独学の人。数学の達人にして愛すべき変人。“英国人は変人が好きだ”(p.1、序文) 同軸ケーブルの発明者であり、演算子法の考案者であり、電離層に名を残す。電磁気学でベクトル解析を使うのが便利だというのは今では当たり前のことだが、十九世紀末には四元数の方が便利だと主張する人(テート)がいて大論争になっていたという。その詳細が9章にある。ヘヴィサイドとギッブスがベクトル解析派。とにかく論争ばかりしている。"
},
{
"title" : "Feynman's Tips on Physics: Reflections, Advice, Insights, Practice",
"isbn" : "0465027970",
"date" : "2013-02-09T00:48:32.000Z",
"publisher" : "Basic Books",
"authors" : "Richard P. Feynman, Michael A. Gottlieb",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "Feynman Lectures on Physicsに含まれていない講義、比較的易しい題材を集めたもの。この第二版ではファインマンのインタビューなどが追加されている。Lecturesをしていた頃、他の研究や教育はやめてこれだけに集中したのではと聞かれてファインマンはこう答えている。\"I did, in fact. I can hardly believe it, but my wife tells me that I was working essentially day and night, sixteen hours a day, all the time.\"(p.16)。1章の講義において、ファインマンは良い成績がとれない学生、自信を失いかけている若者達に優しく語りかける。カルテクが優秀な学生を選抜するためにいかに努力しているかを説明し、\"But...we've found a very serious problem...when they get here something happens: it always turns out that approximately half of them are below average!\" (p.37) 序文によれば、\"Lectures\"が全部LaTeXで書き直されたのだそうだ。\r\n"
},
{
"title" : "ミミズに魅せられて半世紀",
"isbn" : "4406028366",
"date" : "2013-02-10T03:49:48.000Z",
"publisher" : "新日本出版社",
"authors" : "中村 方子",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "学生時代、奨学金で購入した専門書の扉に著者は、「私の学問・研究がいつか多くの人々と共有できる知として発展できるように励みたい」と記す(p.46)。だが、その後の研究環境はたいへんな逆境になる。週に44時間もの雑用(p.61)の中身もひどいが、上司のK先生というのがあきれるほどひどい人物である。それ以外にも女性研究者として受けた理不尽な差別と偏見の中、それでも研究を続けてきた著者には本当に頭が下がる。著者は自分が勤務する大学の女子学生のための奨学金を設置して定年まで毎年180万円を寄付した。ポーランドで念願のミミズ研究に没頭する11章が特に楽しい。"
},
{
"title" : "素人のように考え、玄人として実行する―問題解決のメタ技術",
"isbn" : "456962457X",
"date" : "2013-02-12T03:48:25.000Z",
"publisher" : "PHP研究所",
"authors" : "金出 武雄",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "元気が出る本。素人発想、玄人実行。“大学院のころには、74時間ぶっとおしに考え続けたこともある”(p.66)"
},
{
"title" : "数理つれづれ",
"isbn" : "4000055240",
"date" : "2013-02-13T03:36:39.000Z",
"publisher" : "岩波書店",
"authors" : "森口 繁一",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "面白い話がたくさん。コップの水をかき回すと境界層のために底にあるお茶の葉が中心に集まる。これを逆に中心から離すためにはどうするか(p.109)。2章に対数方眼紙の使い方が書いてあり、これを読むと、いろいろなものをプロットしてみたくなる。巻末に対数方眼紙つき。"
},
{
"title" : "A Beautiful Mind: The Life of Mathematical Genius and Nobel Laureate John Nash",
"isbn" : "0743224574",
"date" : "2013-02-16T04:00:03.000Z",
"publisher" : "Simon \u0026 Schuster",
"authors" : "Sylvia Nasar",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "プリンストン大のナッソーホールにヘビースモーカーのPhantomがいた。そのPhantomは数学の天才で夜、教室の黒板に謎めいた文字を書き残す、教師は数学の大学院生に \"He was a better mathematicaian than you'll ever be!\"という。映画ほど単純な話ではないし、beautifulでもない。英語が難しく、辞書を引きながら苦労して読んだ。ナッシュはウィーナーと流体力学の研究をしていた(p.136)。病院でも流体関係の研究をしていた(p.294, p.297)。"
},
{
"title" : "レーザーはこうして生まれた",
"isbn" : "4000061674",
"date" : "2013-02-27T02:38:21.000Z",
"publisher" : "岩波書店",
"authors" : "C.H.タウンズ",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "誘導放射のアイデアを初めて思いついた時の話。公園のベンチに座り、“「どうして解決方法が見つからないのだろうか。基本的にこれを阻んでいるのは何だろう?」と考えた。”(p.80)そして発信器に必要な分子量を(本当に)封筒の裏で計算したという。"
},
{
"title" : "ブラックホールを見つけた男",
"isbn" : "4794217188",
"date" : "2013-02-17T02:13:51.000Z",
"publisher" : "草思社",
"authors" : "アーサー I.ミラー",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "チャンドラセカールの伝記。天才であっても順風満帆な人生が保証されているわけではない。ハードワークの大切さ。インドを訪問したハイゼンベルクを学生のチャンドラセカールが車で案内した(p.66)。チャンドラセカールが、リーとヤン「だけ」を教えた講義の話。“その年の冬、この地方は猛烈な吹雪に見舞われ・・・チャンドラは断固、鉄道と徒歩の旅を敢行してシカゴに入り、その後大学までは長い距離を歩いた。この時の講義に顔を出したのは、あの教授はこっちに向かっている最中だ、とフェルミに教えられたりーとヤンだけだったのである。” (p.329) 最後に、うーむ、そりゃあそうだろうなあ、という箇所を引用する: “その有名な本は1961年に・・・出版された。チャンドラは・・・基本的にはそれほど重要でもないテーマに10年もの歳月を無駄に費やしてしまったとの思いがあった。” (p.396)"
},
{
"title" : "行為と妄想 わたしの履歴書 (中公文庫)",
"isbn" : "412204006X",
"date" : "2013-02-18T03:39:22.000Z",
"publisher" : "中央公論新社",
"authors" : "梅棹 忠夫",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "オリジナリティとは何か。学問とは何か。書物を通じてもこれだけ感化されるのだから、直接会っていたらどれほどであったろうかと思う。博士論文は “数式がふんだんにでてくるので、動物学教室ではとても審査できなきないという・・・それで数学教室の・・・小堀憲、秋月康夫両教授” が審査した(p.137)。 人文研での研究会について: “討論は毎回猛烈をきわめた。自分の目で見たこと、自分の頭でかんがえたこと以外はまったく問題にされず、ひとの説をかりて受け売りなどすれば、一座の冷笑をかった。” (p.165)"
},
{
"title" : "悪魔に仕える牧師",
"isbn" : "4152085657",
"date" : "2013-02-20T02:15:52.000Z",
"publisher" : "早川書房",
"authors" : "リチャード・ドーキンス",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "エッセイ集。ダグラス・アダムズとウィリアム・ハミルトンの追悼文が特に素晴らしい(4章)。一方は悲しみが、もう一方は静かなユーモアがあふれる。ドーキンスの家でのパーティーでの話。書斎から助けを求めるハミルトンの声が聞こえてくる “「ヘルプ」「アー、ヘルプ・・・」” (p.308)"
},
{
"title" : "ソフトウェアの法則―コンピュータの利用技術とは (中公新書)",
"isbn" : "4121012704",
"date" : "2013-02-21T03:39:37.000Z",
"publisher" : "中央公論社",
"authors" : "木下 恂",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "「法則」はおまけみたいなもので、エッセーとして文章が楽しめる。大学の教員が書く科学技術計算プログラムは「はっきり言って、かなりひどいプログラムが多かった」(p.144)。言語仕様上問題のある記述があっても、「それを誤っていると認めないのはもちろんのこと、修正することすら認めてくれないのである」(p.145) 気をつけよう。"
},
{
"title" : "Fascinating Mathematical People: Interviews and Memoirs",
"isbn" : "0691148295",
"date" : "2013-02-23T22:05:16.000Z",
"publisher" : "Princeton Univ Pr",
"authors" : "",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "AhlforsやSelbergなど超有名数学者を含む数学者のインタビュー集。それ以外にも興味深い人が多い。例えばLeon Bankoff という歯科医にして数学者という人。インタビュアーに “You're working full-time as a dentist, playing the piano, sculpting, playing chess, taking pictures, and doing mathematics. Do you sleep a negative number of hours per night? ”と聞かれて、“No more than four.” と答えている。最新のエルデシュエピソードは?と聞かれて(彼のエルデシュ数は1)一緒にワイセンベルクのコンサートを聴いている(寝ている)間にエルデシュが数学の問題を一つ解いたという話を紹介する。彫刻家でもある彼がショパンの墓の女神像の指が折れているのを見つけたときの話も面白い。"
},
{
"title" : "1つの爆弾 10の人生",
"isbn" : "4406050213",
"date" : "2013-02-25T03:21:41.000Z",
"publisher" : "新日本出版社",
"authors" : "ステファニア マウリチ",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "マンハッタン計画に関わった9人と被爆した1人(沢田昭二)、合計10名の物理学者に対するインタビュー集。 テッド・ホールは18歳の時、自分の目標をこう書いた:「優越感に依存しないで力を楽しめるようになること」 (p.156) こういった、まじめで、頭の良い、「優秀」な若者達が作りだした原爆。被爆者である沢田昭二(当時13歳)の証言: “母は壊れた家の下敷きになっていて・・・足を挟まれて動けないといいました。私は助けようとしましたが、私の力ではだめでした・・・火の手が迫っていることに気づいて母に言うと、母は「あなたは生きなさい。しっかり勉強して立派な人間になりなさい」と言いました。火は急激に大きくなってきました・・・「もう行きなさい、お母さんのことは心配しないで、早く逃げなさい!」と叱るような命令調で言いました。それで、私はお母さんごめんなさいと謝りながら逃げたのです。これが母と交わした最後の言葉です。” (p.136)"
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"title" : "私の歩んだ道―湯川中間子とともに",
"isbn" : "4486011481",
"date" : "2013-02-28T01:49:32.000Z",
"publisher" : "東海大学出版会",
"authors" : "中村 誠太郎",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "引用: “湯川先生は、「分からないことは何でも聞きに来なさい。知らないことが残っていると研究室全体の能率が落ちる。自分の恥と思わず研究室のためと思って何でも聞くことだ」と言われた。ただし実際に聞きに行くと「まだこんなことも知らんのか」と呆れたような顔をされるのには閉口した。” (p.6) “朝永教授は・・・量子力学の講義では、懇切丁寧で式を一つ一つ追って説明される。ときどき先生自身が途中で分からなくなると「エーッ」と腰に手を当てて沈思黙考三十分にもなり、終わりの鈴が鳴ると「ではこの次に」といわれて帰ってしまわれる。」” (p.11)"
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"title" : "東京大学マグナム望遠鏡物語",
"isbn" : "4130637010",
"date" : "2013-03-01T03:22:51.000Z",
"publisher" : "東京大学出版会",
"authors" : "吉井 譲",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "基礎科学の社会への還元。リーダーシップ。チームワーク。出る杭になるということ。「周囲から何も言われなくなるまで叩かれ、鍛えられてこそ、人も仕事も本物になる」 (p.152) 寄付金を集めるために100社以上回ったという(p.146)。紙の質が良く、活字も綺麗。"
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{
"title" : "ほがらかな探究南部陽一郎",
"isbn" : "4938833646",
"date" : "2013-03-09T02:44:38.000Z",
"publisher" : "福井新聞社",
"authors" : "福井新聞社",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "タイトルの通り。今日ちょうど、南部陽一郎が指導教官だったという物理学者についての [[http://www.nytimes.com/2013/03/10/magazine/the-professor-the-bikini-model-and-the-suitcase-full-of-trouble.html\r\n 記事]] を読んだところ。\"astonishingly no ego\"(記事の中の表現) の南部陽一郎の弟子にしてはちょっと情けないというか不思議な話だ。それはともかく、この本は本格的な評伝といったものではなく、本人と周辺の人々のインタビュー集。写真も多い。"
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{
"title" : "なぜ、男は老いに弱いのか? (講談社文庫)",
"isbn" : "4062752220",
"date" : "2013-03-10T01:59:56.000Z",
"publisher" : "講談社",
"authors" : "三好 春樹",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "男は役職と名刺を作りたがり(p.48)、介護もマニュアル化したがる(p.142)\r\n引用:「どうやら男は、働いているか、もう死んでるか、さもなくば家の中に閉じこもっているかのいずれらしいぞ」(p.18) 「将来、体が不自由になって老人施設に入所することになったとしよう。そのとき介護職から嫌われない条件は二つしかない。一つ目は体重が重くないこと・・・二つ目は性格がひねていないこと」「・・・夫が亡くなると、残された奥さんはとたんにイキイキしてくる。中にはお葬式で涙を流した数日後、女友達と祝杯を挙げるなんて恐ろしい話も聞いたことがある。「裏葬式」と言うのだそうだ」(p.201)。\r\n"
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{
"title" : "数学放浪記",
"isbn" : "4794960409",
"date" : "2013-03-12T03:51:36.000Z",
"publisher" : "晶文社",
"authors" : "ピーター フランクル",
"categories" : "",
"score" : "",
"comment" : "ハンガリー生まれの数学者。大道芸人。11カ国語を話すという。40歳前に書かれた自伝だが、普通の人生の10倍くらいの体験を既にしている。エルデシュとロナルド・グラハムについて書かれた章(6章)が私には特に面白かった。"
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{
"title" : "量子の海、ディラックの深淵――天才物理学者の華々しき業績と寡黙なる生涯",
"isbn" : "4152091606",
"date" : "2013-03-18T03:06:59.000Z",
"publisher" : "早川書房",
"authors" : "グレアム・ファーメロ, Graham Farmelo",
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"score" : "",
"comment" : "無口な天才ぶりはいうまでもないが、意外にも人間的な面がたくさんあった。漫画が好きで、映画「2001年宇宙の旅」に夢中になった。晩年、一般向けの講演はうまく、評判も良かった。一部の友人をとても大切にした。エーレンフェストの悲劇的な最後に際して感情を表した手紙をボーアに書いた。いろいろ変わったところもあっただろうし、著者は最後に色々推測しているが、これほどの天才なのだからそんなことどうでもいいじゃないかと思う。\r\n"
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