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素粒子から宇宙へ―自然の深さを求めて
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著者: |
早川 幸男 |
出版社: |
名古屋大学出版会 |
評価: |
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気を引き締めるためにときどき読み返す本。ユーリーは50歳を過ぎて新しい分野に挑戦した。“助手の助け無しに独りで実験室を説明して歩くのにまず驚いた”(p.8) ファインマンの話。“一夏のつき合いで天才とはどういうものかが分かった。・・・普通の物理屋がする試行錯誤の繰り返しであった。ただ繰り返しの頻度が大きく、錯誤を速くつぶすのが違っていた。”(p.83) “しかし、雑用がなくなったら、その人はもっと困るであろう。研究は依然としてできない上、雑用がなくて手持ちぶさたになるし、いいわけのたねもなくなるから” (p.125) “アイディアは往々にして天のひらめきのように生まれるといわれているが、多くの場合、一系の研究の一段の飛躍として生まれる。” (p.136) 50歳までに学問の芯を作っておかなければいけない:“学問の権威であった先生の中には五十歳の線を越えようとしている方がある・・・そのうち私自身もこの実験台に上がらねばならぬ時期が来る。そうなって初めて自分の学問がどれくらい芯のあるものかが分かるのであろう。” (p.9) |
関連本棚: |
陰山
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百万分の一の歯車!―世界一の超極小部品をつくる樹研工業の技と哲学
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著者: |
松浦 元男 |
出版社: |
中経出版 |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
痛快な本。“生き残れるのは最高の技術を持ったものだけだ”(p.80) 採用は先着順(p.96)。最新鋭の設備を整えるが、2, 3回使っただけでホコリをかぶっても文句を言わない(p.129)。教養が大事(p.188)。 |
関連本棚: |
ラワジフ
陰山
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πとeの話―数の不思議
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著者: |
Y.E.O.エイドリアン |
出版社: |
青土社 |
評価: |
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カテゴリ: |
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綺麗な級数を集めた本。有名なものやその変種など。(2*2)/(1*3)*(4*4)/(3*5)*(6*6)/(5*7)... = pi/2 (p.62)など、見ているだけで楽しい。 |
関連本棚: |
陰山
岸リトル
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北極圏へ―オーロラと地球温暖化に挑む
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著者: |
赤祖父 俊一 |
出版社: |
白日社 |
評価: |
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著名なオーロラ研究者の素晴らしい自伝。研究と研究者、メンターやリーダーシップなど。 |
関連本棚: |
陰山
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スリープ・ウォッチャー
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著者: |
W.C. デメント |
出版社: |
みすず書房 |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
睡眠研究の話。睡眠の重要性。研究資金獲得のつらさの話も。助成申請後の厳しい査察の後、著者はストレス胃炎になる。 “現地査察管達が私を試験し、厳しく尋問し、拷問している間に、私は文字通り出血のため死にかけていたのだった”(p.193) 著者が一般向けの講演に母親を招待した時の話。1時間半の講演の半ばで、最前列に座った94歳の母親がトイレに立ち上がる。だがドアが開かない。“私は、自分の母が外に出ようとして講堂のドアをがたがた鳴らしているときに、しゃべり続けなければならないという、ぞっとするような体験をしていた。私にはこれが永遠に続くように思われたが・・・私は聴衆を見回して、「皆さん、私は自分が話している間に出て行く人がいるだろうと計算はしていましたが、それが私自身の母親であろうとは夢にも思いませんでした」”(p.200) |
関連本棚: |
Laggnugg
陰山
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新しい国語表記ハンドブック
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著者: |
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出版社: |
三省堂 |
評価: |
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筆順や書き間違いやすい漢字など、こういったことにはあまりこだわりたくないが、必要な場合はこれが便利。 |
関連本棚: |
kazama
陰山
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多面体木工(増補版)
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著者: |
佐藤 郁郎, 中川 宏 |
出版社: |
特定非営利活動法人 科学協力学際センター |
評価: |
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カテゴリ: |
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様々な多面体を木工で作る方法が記されている。多面体の数学の本としても楽しめるし、写真を見るだけでも楽しい。プロの研究者でない人が、数学の研究を楽しんでいる様子が伝わってくる。 |
関連本棚: |
陰山
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中井久夫コレクション 「伝える」ことと「伝わる」こと (ちくま学芸文庫)
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著者: |
中井 久夫 |
出版社: |
筑摩書房 |
評価: |
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コメント: |
「私の日本語作法」p.336: 接続を考える。パラグラフ単位。最初のパラグラフは短く。ほんとうに言いたいことは繰り返し書く。紙片(パラグラフ)をためる。並べる。線で結ぶ。思いつくまま書き加える。1次元(文章)にする。容赦なく切り捨てる。主題パラグラフは長く、副次的パラグラフは短く。 |
関連本棚: |
陰山
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Geons, Black Holes, and Quantum Foam: A Life in Physics
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著者: |
John Archibald Wheeler, Kenneth W. Ford |
出版社: |
W W Norton & Co Inc |
評価: |
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コメント: |
物理学者ホイーラーの自伝。自由な精神と創造性にあふれている。彼は大学での時間を教育、研究、業務に分け、それぞれどれだけかけているかを常に測っていた(p.155)。大学院生新入生のファインマン(ホイーラーは彼の指導教官)が研究室にきてTAの打ち合わせをしたとき、いつものようにホイーラーは時計をテーブルに置いた。普通の学生だったら大変なプレッシャーを感じるところだろう。だがファインマンは違った。次のミーティングの時にファインマンがどうしたかは有名な話。どんなに忙しいときでも “I have never been too busy to dream... Later, inspired by Enrico Fermi's example... I started keeping my thoughts in bound notebooks.”(p.182)彼がブラックホールの名付け親であること知っていたが、ステラレーター(核融合プラズマ閉じ込め装置の一つ)の名付け親でもあったとは知らなかった(p.218)。 “Keeping my own physics alive during the Los Alamos-Matterhorn period was not easy, but I tried to think and write a little almost every day.”(p.223) “I set the alarm for 3:00 A.M., and used a few quiet hours to think about matters other than thermonuclear burning and computer codes.”(p.224) |
関連本棚: |
陰山
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スヌーピーと生きる―チャールズ・M.シュルツ伝 (朝日文庫)
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著者: |
リタ・グリムズリー ジョンスン |
出版社: |
朝日新聞社 |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
几帳面で真面目で謙虚な人柄。 “彼は『ピーナッツ』を、日曜版は・・・締めきりの十週間前に、平日用のものは六週間前に仕上げてしまう” (p.109)“ 「決して人をばかにしてはならないという、責任感のようなものを感じているんだ」”(p.111)心臓病の手術のために入院した病院の壁に “自分と同じ心臓病の疑いを受けた患者たちを励まそうと、シュルツが壁に描いた絵があるのだ。肺を綺麗にするための吸入器と取っ組んでいるスヌーピー・・・”(p.410) |
関連本棚: |
陰山
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クラゲに学ぶ―ノーベル賞への道
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著者: |
下村 脩 |
出版社: |
長崎文献社 |
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引用: “学会出席についての考えを述べておきたい・・・学会出席は私の研究面では全く役に立たず・・・重要な研究に熱中しているときに親睦のために数日の時間を費やすことは私にはできない・・・”(p.152) “しかし常識的に考えて、その研究室で一番能力があるのは教授自身であるのに、教授が直接研究にたずさわらないのでは最高の結果は望めない。・・・若者の教育は大事であるが、私にとって研究は命である。”(p.152) “この4人に共通しているのは独創性や創造性のみならず、長い期間の倦まずたゆまぬ努力であろう。”(p.234) |
関連本棚: |
陰山
増井
QP11
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志学数学―研究の諸段階・発表の工夫 (シュプリンガー数学クラブ)
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著者: |
伊原 康隆 |
出版社: |
シュプリンガーフェアラーク東京 |
評価: |
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学問を志す若者への案内書。勉強の仕方、講演のし方、論文の書き方(書く前によく考える。書いたものを注意深く読む。)引用:「かのセール先生は若い頃、序文は20通り(!)ぐらい書いて読み比べてから決めたそうです」(p.122) 「しかし、数学者(生)にとって、時間とは、ソバ屋の水くらい大量に必要とするもので」(p.149) |
関連本棚: |
日台
陰山
ogijun
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渡り鳥―パイエルスの物理学と家族の遍歴
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著者: |
ルドルフ パイエルス |
出版社: |
吉岡書店 |
評価: |
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コメント: |
物理学者パイエルスの自伝。自己顕示欲がまったく感じられないのが好ましい。興味深い事件、面白いエピソードが多数。「ものごとをうまく要約する能力」(p.303)のたまもの。いくつか引用: “パウリの典型的な発言はこうだった。「ええ、貴方は物理学の話でなければ大変明瞭に話されるのですね。」”(p.70) “コッククロフトほど、ざまざまなことを同時にやってのけた人物に私は会ったことがない。・・・些細なことに対する決断も速かった。・・・コッククロフトがそこで何かの図面を書いていた・・・顔も上げずに、ためらわず「茶色」と言ってそのまま仕事を続けた”(p.184) “ときどきダイソンは自分の物理学の想像力はもう枯渇してしまって、これ以上の独創的な考えはもう思いつけないと悲観することがあった。そんなときは、職業を変えて、これからは医学を学びたいと真剣に話した” (p.355) |
関連本棚: |
陰山
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ケンブリッジの卵―回る卵はなぜ立ち上がりジャンプするのか
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著者: |
下村 裕 |
出版社: |
慶應義塾大学出版会 |
評価: |
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共同研究の醍醐味。古典的な剛体力学でこれほど面白い研究ができるとは。【引用 p.255】“「不思議に気づくこと」、「力を合わせること」、「自分に誠実であること」、そして「分かりやすく説明すること」” |
関連本棚: |
増井
陰山
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日本語の将来 (NHKブックス)
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著者: |
梅棹 忠夫 |
出版社: |
NHK出版 |
評価: |
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漢字を使わずローマ字で日本語は書くべきだという主張。説得力がある。ただ、ひらがなのわかち書きでいいのでいいのではという気もする。原稿を頭の中で書いていたというのは驚き。【引用 p.54】“わたしはむかしから原稿を書くのも、数学の暗算と同じ要領なんです。宙でやっているんです。” |
関連本棚: |
matznaga
NHKブックス
陰山
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ともに暮らせなかった息子へ―ある女性科学者の遍歴
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著者: |
服部 ゆう子 |
出版社: |
どうぶつ社 |
評価: |
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コメント: |
女性科学者の自伝。家族と学問、ひどい親と冷たい世間。早世する兄と道を踏み外す妹。逆境の中、子育てをしながら「自爆」覚悟で研究に邁進し、果たして体を壊す。【引用 p.122】“息子が一人歩きを始め片言を話し始めた頃・・・楽しそうに人差し指で色々なものを差して名前を尋ねる遊びを始めた。・・・最後に自分の鼻にふれ、それから私を指差した。一瞬私は動揺した。・・・息子が「お母さん」という言葉を待っているのは明らかだった。が、私はどうしても言えなかった。” |
関連本棚: |
陰山
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多面体と宇宙の謎に迫った幾何学者
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著者: |
シュボーン・ロバーツ |
出版社: |
日経BP社 |
評価: |
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コメント: |
子供の時は作曲。決して幸福でない子供時代。p. 64『ドナルドは、多くの子供達が夢想するものの、実際には行わないことを実行した。アメライビア語という独自の言語を作ったのである。彼のノートには126ページにもわたって、その言語と、言語が使われている想像の世界が記されていた。』 p.171『コクセターの論文は美しさで注目を浴びた。その美しさは、数学的な美だけでなく、論文の様式の美でもあった。・・・ある論点から次の論点への滑らかな移行に工夫を凝らし、議論全体を通じて全体的なシンメトリーを注意深く構築し・・・』p. 174『たいていの人は、明確な個人的スタイルを堅持できるほど意志が強くありません。』 ジオメターズ・スケッチパッドというソフトは面白そう。ダグラス・ホフスタッターによるまえがきも面白い。 |
関連本棚: |
岸リトル
陰山
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