hondana.org
本を探す

 


Scrapbox
書籍追加 | 本棚情報変更 | 名前変更/本棚削除 | ヘルプ | ランダム

(70/181)冊
Fms
ハイペリオンの没落〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)
ハイペリオンの没落〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)
著者: ダン シモンズ
出版社: 早川書房
評価:
カテゴリ:
コメント: さて、「ハイペリオン」を読み終わり、ドック(仮名)からは「没落はまだか」と矢の催促です。うるさいな・・・。というわけで読み終わりました。 「ハイペリオン」は登場人物が各々の背景を語るオムニバス形式だったんですが、今度はそれがどう織り合わさっていくかが見物。それにしてもこの集まった面々、目的地は決まっているけどそこで何をしたらいいのかよくわからない人達なので(笑)、物語は新たな主人公を得て、その視点で進んでいきます。そこで展開されるのは、人類から自立し恐るべき陰謀を巡らすAI達<コア>の物語。その陰謀から人類は逃れることが出来るのかが、ストーリーの焦点になります。結末はサイバーパンクSFとして、かなり面白いです。そして、「ハイペリオン」で物語の軸となったシュライクとの戦いは、タイムパラドクスものとして一応の結末を見ます。 ・・・で、それはそれとして、いろいろ放り出されてるものがあると思うんですが(笑)
関連本棚: Breathe おせの本棚 syrinx asir YOROKOBI bit78 Tambourine られれ jinc LARGO KZh Buko taizo kana SF必読書 ystt 綾塚 hide-t hhayakaw lookwest 秘密
Fms
ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書)
ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書)
著者: 東 浩紀
出版社: 講談社
評価:
カテゴリ:
コメント: 東浩紀による「動物化するポストモダン」の続編です。「動物化するポストモダン」では、ポストモダンを「大きな物語が失われた時代」として、大きな物語を信じられなくなった現代人の指向の先端がオタクの消費行動に現れていて、それは「データベース消費」と呼ばれる、意味を細分化して記号にまで分解し、データベース化したものを「動物的に」消費する姿だと分析し、この「データベース消費モデル」はオタク評論の世界では一般的に受け入れられ、例えば伊藤剛の「テヅカ・イズ・デッド」などでは、議論の下敷きにされてます。 続編であるこの本では、そのような時代分析に基づいた上で、このポストモダンの時代に物語を語ることはどういうことなのか、それを、「オタクの文学」であるライトノベルを軸に紐解いていきます。 さて、それではライトノベルとは何なのか?よく2ちゃんで、「いい年してラノベ読んでて恥ずかしくないのか」とか「ラノベ読みが趣味は読書ですっていうな」とかの罵詈雑言と共に、ライトノベルの定義が語られます。 「角川スニーカーとか、富士見ファンタジアから出てればラノベ」「子供向けの小説はみんなラノベ」「表紙がアニメ絵ならラノベ」・・・どれも我々が漠然と感じている「ラノベ的なもの」の正体を突いてはいない気がします。著者は、前著の「データベース消費モデル」を根拠にこう定義します。 キャラクターのデータベースを環境として書かれる小説 ここでキャラクターのデータベースと言っているのは、例えば、「ツンデレ」であったり「幼なじみキャラ」であったりする、物語から自律して類型化されたキャラの集合のことです。著者はここで「涼宮ハルヒの憂鬱」の長門有希、朝比奈みくるの登場シーンを引用して、それぞれが「神秘的な無表情系」「魔女っ娘」と描写されてることを示し、作者の谷川流が 直接に登場人物を描写するだけではなく、描写とキャラクターのデータベースのあいだで仮想的な対話を行い、その結果そのものを文章の中に入れて描写を完結させている と述べています。それが成立するには、読者もこの「キャラクターのデータベース」に親しんでないとなんのこっちゃわからないことになります。これがラノベ読者はオタクに依ってたつ所だと言うことなんですね。これを著者は「萌えのリテラシー」と呼んでます。 つまるところ、私の理解で平たくいうと「ツンデレ」と「お色気キャラ」と「無表情娘」をピックアップして、それを前提に小説を書く・・・というようなことをすればラノベだと。これ、割と私のラノベ観と合ってます。なるほど。 そして、ラノベっていうのはそういう定義のものだから、ジャンルではないわけです。キャラがまずあるわけで、そのキャラでやればSFも推理モノも全部ラノベになります。つまり、ジャンルという平面に対してZ軸として「ラノベ度」がある。そして、その軸の他方がラノベなら、反対側が自然主義的な純文学、つまり私小説である・・・というわけです。そして、「涼宮ハルヒの消失」は、主人公にこの「Z軸の高さ」を選ばせることによって、読者の共感を得ようとする、誠にメタ物語的な構造を持った話だったと。このように、本質的に「脱物語」的構造を含んでいるのがライトノベルであり、ラノベの文学性があるとすれば、そのような構造でしか語れないものに含まれるのではないか・・・というのがこの本の主張です。うーん、頭いい人の話を聞くのは気持ちがいい。 じゃあ、なぜ今ラノベなのかといえば、これまでの純文学のように「現実」を書くことにより読者とコミュニケートするやり方に限界があって、それがつまるところ、「大きな物語の喪失」という意味での「ポストモダン」の時代だと。今、読者が手に取れるリアリズムはアニメ的なリアリズムで、じゃあ、そこを基盤に書いていいじゃないかということなんでしょう。「男は強くなくちゃいかん!」という物語が失われたところで、「現実」たる「社会」を前提に男の悲哀とか書いたって、もうそれをリアリティがあると思わない読者がいっぱいいるよと、そういうこと何ですね。 さて、ラノベをそういうものだと考えて、自然主義的に物語中で描写されているものだけを読むのではなく、構造的、メタ物語的な部分も作品の解釈に含めて読むと、ライトノベルはどのように批評され、そのように評価されるのか・・・というのが、後半の作品論になってきます。ここもすごく面白い。 また、紙媒体だけでなく、ノベルゲーム、いわゆるギャルゲーも、ライトノベルとユーザー層が重なるメディアとして特別に取り上げてあります。元々がエロなので、なかなか一般には知られてないメディア(ぶっちゃけ、私もよくしりません)なんですが、元々がエロなだけにその表現は先鋭化してるとも言え (だって、裸の女の子の絵だけじゃ、死ぬほどある他の作品と差別化が出来ませんから)、10年にわたるその進化の果てとして去年、大いに話題になった「ひぐらしのなく頃に」を取りあえて論じてあります。ここは、読み飛ばしました。だって、「ひぐらし」をFummyから借りっぱなしでまだやってないのに、おもいっきりネタバレしてあるらしいので(笑)。 中で、かなりたくさん、それもいいチョイスで作品にも触れてあるように見えるので、言及されてる作品のリンク集でも作るとよいかもしれない。 しかし、これはかなり分かり易い本に仕上がってます。ここまで体系立ててちゃんと書いてもらえてるとさくさくと読めて楽ちんですな。素晴らしい仕事だと思います。
関連本棚: 高 儁學 くわーてぃ Shunch Tambourine eggman tui kw+hg hidesuke kzk2007 hirschkalb ogijun
Fms
ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)
ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)
著者: ダン シモンズ
出版社: 早川書房
評価:
カテゴリ:
コメント: 大森望氏が「イーガンは残り90年以上を残して、21世紀最高のSF小説作家。ちなみに、20世紀のSF代表はハイペリオン」とどこかで言ってたような気がしますが、そのハイペリオンです。 ドック(仮名)にイーガンの「ディアスポラ」が面白かったぞーと言って、上の大森さんの話もしました。たちまち、ドックは苦戦しながら「ディアスポラ」を読み終え、 「イーガン、どこが面白いのか、さっぱり」 と素敵に言い放ちました。特に最後が辛かったようです。「ディアスポラ」でダメだったら、まあ、他のはダメでしょうなあ・・・。 で、続けざまに今度は「ハイペリオン」に取りかかってしまいました。「ハイペリオン」「ハイペリオンの没落」「エンディミオン」「エンディミオンの覚醒」と4部作、全8巻を瞬く間に読んでしまいました。いたくお気に入りのご様子で、「お前もさっさと読め」とうるさいのです。くそう、SFでこの扱いは屈辱だッ! ま、それはさておき、この「ハイペリオン」ですが、各々に事情を抱える7人が正体不明の死神が待つある惑星へ旅し、その途中で何故自分がその死神の元に行かなきゃいけないかを順に語るという、オムニバス形式になってまして、その中にいろーんなSFのガジェット、お約束、プロットはもちろん、その他の小説(例えば主人公の一人は探偵で、その探偵の独白部分は、ハードボイルドのスタイルになっている)もごちゃ混ぜになってます。それをごった煮にしてるんですが味は濁らず、なるほど「20世紀SFの集大成」ってのも頷けます。例えていうなら岡星のつくる贅沢鍋焼きうどんのように、めちゃめちゃ贅沢な具を入れまくって、それでも味が濁らないというような感じ(えーっと、元ネタは「美味しんぼ」です^^;;;) で、その逸話だけで「ハイペリオン」は終わり。物語が実際に動き出すのは「没落」から。いやー、面白いけど、長いよ〜。
関連本棚: ☆咲耶 worit Breathe おせの本棚 syrinx Gandalf YOROKOBI von_YosukeyaN ぐちお joesaisan Tambourine られれ LARGO taizo kana lookwest 稲村慎司 minek 秘密 nethack
Fms
図書館内乱
図書館内乱
著者: 有川 浩
出版社: メディアワークス
評価:
カテゴリ:
コメント: <p>「図書館危機」の続編。この巻は、小さい話が集まっている構成で、前巻で触れただけで話が出てこなかった郁の両親にまつわる話と、小牧、柴崎、手塚、それぞれのパーソナリティにまつわる話で構成されてます。登場人物を掘り下げる回ですな。12回のドラマだと、5話目ぐらいから中盤のペースを作る話って感じですか?(笑)</p> <p>柴崎の背景については、ちょーっとそこまで盛りだくさんにしないでいいんじゃないかなという気がしましたが、まあ、サービス精神はよし。</p> <p>でも、読んでる方の期待としては、郁がどこで堂上への気持ちを自覚するか、その場面を読みたいって感じなので、強面の設定なんかはすでにダシのようになっちゃってます。査問の後、堂上に泣きべそをかいて慰められるところの録音テープをみんなに聴かれて動転する二人が微笑ましい。んー、コバルト文庫みたいになってきたぞぉ</p> <p>というわけで、可愛い郁ちゃんがどこで堂上への気持ちに気づくのかなーと思ってたら、あらら、このラストで続いちゃうのかい。すぐに続編の「図書館危機」を買って来なきゃ!</p>
関連本棚: Mieko IKeJI syousetusensyo rose 2007年・しんじ masaru Tambourine F家(ラノベ・SF・TRPG) 無教養人 midorikiseki atyks ちう nozz -2007 kimbook うらら kare
Fms
不完全性定理―数学的体系のあゆみ (ちくま学芸文庫)
Fms
夢を与える
夢を与える
著者: 綿矢 りさ
出版社: 河出書房新社
評価:
カテゴリ:
コメント: <blockquote><p> 速すぎた飛行機の空中分解を夢見てた。人々に見守られながら飛び立って、通常の軌道から外れてぶわりと上昇し、軌道の遙か上空に新たな軌道を作り飛んでいく。やがてそのスピードと高さに機体は耐えられず表面がどんどん剥がれ落ちていき空中分解するが、その瞬間のことには人は他のわくわくする飛行機に顔を向けているため、上昇し続けた機体の最期を見ることはない。</p> <p>  やけくそのフェステバル、誰か音楽を止めてほしい、でも自分で止める勇気なんかなくて(沈黙は死ぬのと同じ)踊り続けるのは苦痛だけってわけじゃなくてめくるめく楽しさもあり、止まるぐらいなら誰も届かないところまで走っていきたい、とも思う。熱に浮かされたように。夕子にとってそれは比喩ではなくほとんど毎日、夕方になると微熱が出て、皮膚は小さな子どものように熱かった。家に帰って真夜中にベッドに入っても、疲れているのに、深層に押し込んだ眠気はやっと眠れる時間になってもなかなか戻ってこない。</p></blockquote> <p> りさ節全開ですね。「声に出して読みたくない日本語」っていうか、発話しちゃうと不自然な日本語なんですが、この文章からきしみ出る、荒んだ疾走感と茫漠とした虚しさはただごとじゃない。二段落引用すればわかる非凡さ。それが、綿矢りさです。 </p> <p>「インストール」の時からそうでした。私は綿矢りさを、「広告批評」の特集で、インストールの一節が引用されていたのを読んだことで知りました。主人公が、自室のものをすべて粗大ゴミ置き場へ持って行って、そこで自失する場面でしたが、そこに吹き荒れる文章の迫力は異常でした。</p> <p> 「インストール」は、投稿作ということもあり、まだ魅力的なプロットという化粧をされていましたが、「蹴りたい背中」ではストーリーは捨ててしまって高校生の「黄ばんだ青春」が研ぎ澄まされた文章でありありと描かれ、読んだ人をどうにも困った気持ちにさせる作品でした。どう考えても100万部を売るようなメジャー作品ではないのですが、最年少芥川賞という話題性もあり、また、手に取った人を唸らせるだけの力もありました。 </p> <p>そして、芥川賞受賞後の第1作目となるのが、「夢を与える」。なんと、3年半もかかってしまっています。まあ、大学生で職業作家ではないわけだから、寡作も責められることではありませんが、ファンは正直、忘れかけるぐらい待ってましたよ(笑) </p> <p>ストーリーは、子役あがりのアイドルの栄光とスキャンダルによる挫折の物語。ぶっちゃけそれだけ。しかも、主人公の両親が結婚するところから始まります。ええっ、こんな平凡を通り越して、陳腐な題材を、それも絵日記みたいな生真面目さで書き始めてどこへ到達するの?</p> <p>もちろん、何処へも到達しません(笑)&lt;br />&lt;br />物語は予想通り、予想された破局へ一歩一歩、最後はすこし駆け足で向かうだけです。なのに、このなんともやりきれない読了感は何だろう。綿矢りさが人を感動(決していい気持ちじゃないんですが^^;)させるのに、凝ったストーリーなんて必要ない。自分の感じたこと、感じさせたいこと、読者の感情をまるでよく聞き知った曲をタクト一つで一変させて伝える指揮者のような魔法を存分に味わせてもらいました。冒頭の引用は、主人公がアイドルとしてブレイクして、忙しさの極地にある場面です。相変わらず、凄い。技巧とまで行かなくても、何が輝いているかを確実に見抜く目があって、それを自分の文章へきちっと向けられるんでしょうね。&lt;br />&lt;br />ただ、文章家としての能力は申し分ないけども、題材の平凡さが帳消しに出来ているかというと、やはりいかんともしがたいものはあります。前作の「蹴りたい背中」の世界観と登場人物は、綿矢りさの中にある闇をすっと差し出されたような、ぎょっとする迫力がありましたが、今回の話は著者にとって借り物の闇に過ぎないような印象を受けます。2006年に、あえて提示すべきテーマだったのかどうか。それは大いに疑問。&lt;br />&lt;br />まあ、でも23歳だもんね。いろいろありますし、今、抱えてるモロモロは30も過ぎてから出してくれればいいのかなという気もします。だから、今回が借り物の闇であることも、この作家の将来を暗くさせるようなものでは無いでしょう。10年先に綿矢りさを語るとき、着実なステップの一つとして数えられる作品になるんじゃないかなあ。&lt;br /> </p>
関連本棚: syousetusensyo Tambourine 2007年 タカヒロ1 監獄人 いて nozz2008 祝融朱雀 go.tekuteku
Fms
図書館戦争
図書館戦争
著者: 有川 浩
出版社: メディアワークス
評価:
カテゴリ:
コメント: <p>ラノベのくせに単行本?「やっぱ、単価上げないときついんだろうなあ」とか、いろんなことを考えさせられるし手も思わず止まるわけですが(重いしね)、あちらこちらの評判はとてもいいみたいなので、買ってみました</p> <p>うん、面白い。検閲から本を守るために図書館が武装してるってぶっとんだ設定がやはり飛び抜けて面白いんだけど、そんな世界観の中でキャラクターたちがしっかりと形作られて動いてます。あとがきで、「月9ドラマを目指した」って書いてありますけど、なるほど、ドラマにしたら面白いかもしれないですね。続編が楽しみです</p>
関連本棚: IKeJI akaoni syousetusensyo kurica 2007年・しんじ びー玉 Tambourine akvo snook. de book ma myrmecoleon kios にしむら みやのすけ tui axd_old 増井 atyks ちう かー 稲村慎司 じび うらら go.tekuteku 学芸大−i情報教育 ピロコ TeaTest
Fms
ウェブ人間論 (新潮新書)
ウェブ人間論 (新潮新書)
著者: 梅田 望夫, 平野 啓一郎
出版社: 新潮社
評価:
カテゴリ:
コメント: 「ウェブ進化論」の梅田さんと、作家の平野啓一郎さんの対談です。まあ、対談なので安く作られている感は否めませんが、その分、すっと読めます。</p> <p> この二人、とても頭がいいとは思うんですが、それぞれの著作があんまり私の趣味じゃないのでどうかと思っていたんですが、それでもなかなか示唆に富んでいました。丁度、大学に入ったころに「ネットワーク社会における仮想人格の取り扱い」なんてテーマで仲間と酒を飲んだりしたもんですが、そのころみんなで考えていたようなことが、今や日本国民全体のテーマになったんだなあという感慨があります。</p> <p>いくつか、ポイントを抜き出してみましょう。</p> <p>p48</p><blockquote><p>梅田 今後、五年ぐらいの間に、オピニオンリーダーが面白いと言ったものが自動的に浮かび上がる仕組みだけでなく、オピニオンリーダーが誰かというのが多くの人の評価によって決まって(中略)くるような仕組みが見え始めてくるはずです</p></blockquote><p>数年前の2ちゃんねるが爆発的に取り上げられだした頃、あまりにも散逸的な情報が多すぎて、ネット世界でのコンセンサス作成があまりにも絶望的な状況になって、興味を失っていた時期があったんですが、ここしばらくは落ち着いているようですね。ソーシャル・ブックマークや、いわゆる「まとめサイト」の充実などに依るんでしょうか。ただ、この梅田さんの楽観的な見方に対して、集団が大きくなって衆愚へとなっていくという心配を平野さんはしてます。うーん、10年前ぐらいによくこういうこと、話したわ(笑)</p> <p>p72</p><blockquote><p>平野 僕はネットでブログをやっている人の意識って、だいたい五種類に分けられるんじゃないかと思ってるんです。</p></blockquote><p>続けて、以下の五種類を提示します</p> <ul><li>リアル社会との断絶がない。実名で礼節あるやりとり</li> <li>リアルで発揮しづらい自分の表現の場</li> <li>公開することの意義を強く意識しない日記</li> <li>抑圧された本音を語る独白</li> <li>ネット上に切り離された別の人格</li></ul> <p>後ろの2つのネガティブな側面に作家としての平野さんは興味を持ってるみたいです。わかる気もするし、この分類自体、語る価値のあるものですな。ちなみにこのブログは真ん中ですな。また、匿名というものにも興味を持っていて、ブログを実名で書きづらい日本人の感覚に対して分析的です。</p> <p>他に、非常に面白いと思ったのは「検索空間を制御する」という梅田さんの考え方。</p> <p>p105</p><blockquote><p>梅田 毎日毎日ブログに何でもいいから書いていれば、(検索結果は)案外コントロール可能なんですよ。検索結果の百件目以降は、ほとんど誰も見ないもの</p></blockquote><p>企業が企業価値を高めるために、自分のサイトの「サーチエンジン最適化」をすることは今では珍しくもなんともないですが、個人の名前に対しても悪質な情報やイメージダウンに繋がる罵詈雑言が検索の上位に来ないようにするために、こちらが見せたい情報を絶えず発信して自分が必要とする検索空間を埋めておくということです。もっとすごーく有名になってしまったら難しいかもしれませんが、なるほど、面白い考え方です。</p> <p>他にも、紙に出版する意義や、著作物の何処までを公開とすべきかの考え方など、なかなか参考になる意見が多く含まれています。二人の意見どちらにも、同意できるものもできないものがありますけど、まず、こういう論点があるというのを押さえるという意味で、現代のメディア論をする上で最低限読んでおくべき1冊だと思います</p>
関連本棚: 玲司 tkmr おおいしさん nikkoro シゴタノ! kakuda miya yashihara otto mishin 岸リトル コータ hirosea 一無 池田紀行 Tambourine yujiorama imash k05ke takathy pants03a ようじ nagataka duck okuryu えんど sizenkagakusensyo KZh goto.hiroshi Marathon daisukebe lazyknight shinya_nakamura afrac eggman ほえ〜 kw+hg nsega nakanaka hiro_y UEI 番長の新書 matznaga アサノ axd あれあれ kunishi lookwest keimai kiku_hashi ogijun
Fms
神は沈黙せず〈上〉 (角川文庫)
神は沈黙せず〈上〉 (角川文庫)
著者: 山本 弘
出版社: 角川書店
評価:
カテゴリ:
コメント: と学会の山本会長の長編SF。ネタの風呂敷のでかさは近年希にみるほどで、日本人の作家でこんなにデカい話をやってるのを見たことないので単純に感動しました。 ちびっとネタばれになりますが、話は主人公の兄がこの世界は実は神(というより、何か他の高度な知性体)が行っているコンピュータ・シミュレーションなのではないかとある証拠をもって突きとめたことを主軸に動きます。 このネタ自体はそれほど新しいものじゃないんですが、このことを知った悪役(?)が何を企むかとか、天変地異・超常現象などに関する解釈などが面白いし、何より超常現象やUFOやカルト教団に関する山本さんの並々ならぬ知識と造形が、これでもかっとばかりに詰め込まれて、それが物語と絶妙な絡み合いをしているところが素晴らしい。山本会長以外には書けない小説ですわ。量的にもお腹いっぱいにしてもらえマスヨ 文庫上巻の最後の場面が、読んでる途中にあっけにとられるほどのインパクトのある場面で、しかも後々意外な形で繋がっていきます。この驚きを共有してもらうだけでも価値がある。オススメです。
関連本棚: 増井 minek Tambourine F家(ラノベ・SF・TRPG) とむの棚 かー
Fms
ポーション・スクランブル―スレイヤーズすぺしゃる〈28〉 (富士見ファンタジア文庫)
ポーション・スクランブル―スレイヤーズすぺしゃる〈28〉 (富士見ファンタジア文庫)
著者: 神坂 一
出版社: 富士見書房
評価:
カテゴリ:
コメント:
関連本棚: Tambourine
Fms
社内ブログ革命 営業・販売・開発を変えるコミュニケーション術
社内ブログ革命 営業・販売・開発を変えるコミュニケーション術
著者:
出版社: 日経BP社
評価:
カテゴリ:
コメント:
関連本棚: Tambourine
Fms
ファイナルファンタジーXI~アトルガンの娘たち3~ (ファミ通文庫)
ファイナルファンタジーXI~アトルガンの娘たち3~ (ファミ通文庫)
著者: はせがわ みやび
出版社: エンターブレイン
評価:
カテゴリ:
コメント:
関連本棚: Tambourine
Fms
重力ピエロ (新潮文庫)
重力ピエロ (新潮文庫)
著者: 伊坂 幸太郎
出版社: 新潮社
評価:
カテゴリ:
コメント: <p> ぶつ切りのエピソードが一つのストーリーを展開していく様子はなかなか感じがよくて、序盤は村上春樹の「風の歌を聴け」みたいだなーと思いながら気持ちよく読んでいたんですけど、途中からミステリー風になってきます。</p> <p>とはいうものの、これはミステリーではないですね。ミステリーというにはあまりにも謎解き部分がお粗末です。作者の書きたいものはどうもそこにはないようです。心の闇を抱えた家族の物語が、主眼ですな。</p> <p>軽妙な語り口で、かつ読ませるだけの筆力はあるので楽しく読了しました・・・が、結局、最後まで読んでみると、どうもテーマとこのスタイルがうまくかみ合ってないような機がします。ちぐはぐな印象が・・・結局、小さな話を積み重ねる形を取りながら、話が最後はまっすぐに真っ当な、臭わされてたものがモロにそのまま突き進むようなところへ行き着いちゃいます。</p> <p>うーん、筆力は評価だけど、この設定でこの結論へ行って、それで何が現れるのか。75点というところですかね。</p>
関連本棚: tkmr monma kodokusyo2 らいさん ヌマシタ ちょもすけ SKZ crystal ヨシノカナ hana* Tambourine yoru bugbug otsuyuの本棚 メガネ 長門 みみすけ 桂の人 amo よね makie yasudall こゆ unbobo 権太の既読 まこちゃんファイヤー scaile 新潮文庫の100冊 2008 Mi 読んだ本 nozz -2007 fumiya Machic 進吾 依倉アサ 稲村慎司 生電話 やーみん pixy kobara Lorelei taku kojiad. ちゃん 121g oi読書倶楽部 ふかふか narunaru 桂の人2 今まで
Fms
神曲奏界ポリフォニカ ウェイワード・クリムゾン (GA文庫)
神曲奏界ポリフォニカ ウェイワード・クリムゾン (GA文庫)
著者: 榊 一郎
出版社: ソフトバンク クリエイティブ
評価:
カテゴリ:
コメント:
関連本棚: HT Tambourine yoshy Zefard さかな てんてす F家(ラノベ・SF・TRPG) 竜胆
Fms
ひとりっ子 (ハヤカワ文庫SF)
ひとりっ子 (ハヤカワ文庫SF)
著者: グレッグ イーガン
出版社: 早川書房
評価:
カテゴリ:
コメント: <p> 今現在、SF作家の最高峰にいる奇才グレッグ・イーガンの新刊を他のSFファンと一緒に手にすることができるというのは幸せなことです。名前は聞いていたんですけど、一昨年に「万物理論」を読んで以来、初めてイーガンの本を新刊として手にすることが出来ました。うれしいです。</p> <p>さて、この本は短編集で、邦訳されたイーガンの短編集としては3冊目になります。ところが、私は今までイーガンは長編しか読んだことがありませんでした。ネットの方々では「イーガンは面白いんだけど、長編は読むのが大変過ぎて、短編集しか読んでない」なんて意見をちらほらと見かけます。確かに、長編を読んでると、「こ、ここに短編が何本書けるだけのネタが・・・・」と圧倒されちゃうわけで、私も短編を読むのを楽しみにしてました。</p> <p>ところが、意外なことに私にとっては短編の方が読みづらかったんです。長編だと、話の世界観や前提となるテクノロジーなどを一度飲み込んでしまえば、めくるめくSF的アイデア・ガジェットのオンパレードを楽しむことが出来ます。でも、短編は一編一編ごとにその前提の世界に馴染むのに時間がかかり、また、長編のような全体を貫く縦軸のストーリーがないためにどうしても先を読もうとするモチベーションが弱まってしまうのです。</p> <p>だからといって、短編が面白くないかというとそんなことはないですけどね。「ディアスポラ」が全体を大きく見れば、外宇宙へ人類以外の高次元知的生命体を求めて旅をするという冒険譚だったので、それと比較してしまうと物語を読んでいるときのドキワク感が薄いことは確かです。ですが、その分、一つ一つのアイデアを純粋に味わえるとも言えます。</p> <p>イーガンの短編を読んでいるとSFの純粋さについても考えてしまいます。よくSFでは、「もしも、○○だったら」という仮定をして、そこから科学的な推量をしてドキドキワクワクの世界を作り上げ、その中での物語を描くという手法が取られます。例えば、「光速を超える速度で移動出来たら」とか、「撒くと電波が遮られる粒子があったら」とかですね。基本的にどんな仮定を置いたとしても、そこから科学を使って組み立てれば一応、SFの範疇かな。「エルフや鬼の住む異世界と地球がつながったら」は、さすがにそのあとどれだけSF的ガジェットを積み上げてもちょっと厳しかったけど(ええ。「ティンカー」のことです^^;;)。</p> <p>イーガンの古くて新しいところは、この「仮定」も最新の科学のセンス・オブ・ワンダーの中から取りだしてくるところ。量子論の先っぽや脳科学の最先端の知見は、我々の生活となかなか結びつきにくいワケで、昔は、「もしタイムマシンがあったら」とか「恐竜が滅びずに生き残っていたら」なんてのがそのままSFのネタになったわけですが、それに比べれば今、そういう書き方をするのはなかなか難しい。そういう時代に、「感情は所詮、脳内の化学物質のやりとりに過ぎないのだから、それをナノマシンで制御できるようになったら」なんてど真ん中の「仮定」を持ってきて、それを描ききってしまうところが、イーガンが高く評価されているところなんでしょう。</p> <p>この短編集の「仮定」、つまり「ネタ」の部分を並べてみます</p> <dl> <dt>「行動原理」「真心」「決断者」</dt> <dd><p> 「感情を制御するインプラントが存在したら」 </p> <p>このネタで全然違う3本が書けてしまうってのも凄い</p> </dd> <dt>「ルミナス」</dt> <dd><p> 「数学が内部で無矛盾でなかったとしたら」 </p> <p>この発想から、なぜ人類の存亡が描かれるのか、完全に脱帽(笑)</p></dd> <dt>「ふたりの距離」</dt> <dd><p> 「心が自由に身体を取り替えることができるなら」</p> <p>これは割と想像しやすいから楽しく読めるけど、オチがそこにいくとは・・・</p> </dd><dt>「オラクル」「ひとりっ子」</dt> <dd><p>「この世が量子論的な不確定性が重なった多世界宇宙で、刻々と無数の分岐を繰り返しているのなら、それを止めることは出来るか」</p> <p>この二編はある程度の長さがあり、このネタだけじゃなくて複数のネタが入ってます。 いやー、このネタは正直、ドラマまで持っていくのが大変だと思う(笑)</p></dd> </dl> <p> こんな風に並べてみるとちょっとは興味をそそられる人もいるでしょ? SFにドラマやロマンだけを求めてるとちょっとキツイけど、「SFに一番必要なのは、Sence of Wonderだ!」と思ってる人達に、絶大な支持を集めてるのもわかる気がしません?</p> <p>・・・いや、私は誰を説得しはじめているのか(笑)</p>
関連本棚: N_A Gandalf takatoh blackbird ちょもすけ siro gch SFbeginner Tambourine sigma9 minami ksky tui ystt qw km シャッチ 秘密
Fms
狼と香辛料〈2〉 (電撃文庫)
Fms
時をかける少女 絵コンテ 細田守
時をかける少女 絵コンテ 細田守
著者: アニメスタイル編集部
出版社: スタイル
評価:
カテゴリ:
コメント:
関連本棚: yosk Tambourine hidesuke dorayakitaro
Fms
狼と香辛料 (電撃文庫)
狼と香辛料 (電撃文庫)
著者: 支倉 凍砂
出版社: メディアワークス
評価:
カテゴリ:
コメント: <p> ラノベって過度にマーケティングされ過ぎているきらいもあって、例えば可愛い女の子が出てこないような話は電撃文庫では出せないわけです。そーゆーのは、編集者が許しません。10年前ならいざ知らず、ラノベがここまで認知されてしまった後では、かえって難しくなってしまっているでしょう。</p> <p>そんな世の中には二通りの作家さんがいます。「可愛い女の子が書けるのは素晴らしいじゃないか」というタイプと「じゃあ、可愛い女の子が出ても成立するように書いてやろうじゃないか」というタイプですね。どちらも一長一短がありますし、続けていくためにはどちらのタイプもやはり壁にぶつかるんじゃないでしょうか。</p> <p>さて、「このラノ2007」で1位を獲った「狼と香辛料」はどうかというと、猫耳の女の子を作品中に登場させるやり方としては、相当クールだと思います。冒険譚のようにみせて、実体は経済小説だというのも面白い。1巻は背景説明と賞狙いということもあって、いろんな要素がちりばめられてますけど、なんとなくこの後はより経済小説として渋く練り上がって行きそうな予感。楽しみです。</p> <p>とはいうものの・・・やはり、ホロ可愛い!ホロ、最高。花魁言葉も可愛いし、すべてを見透かしているような知性と、時々みせる無防備さと甘えが素敵。もちろん、ホロが猫耳(いや、狼だけどな)の女の子である必然性はない(例えば、おじいちゃんとかでもメインの筋はまったく成立するはず)んだけど、それでもホロの魅力なしにこの作品の成功が有り得たかというと、それはもう断じて否(笑)。ラノベであるということも、悪いことばかりじゃないんです。それに、作者も楽しそうにロレンスとホロの会話を書いてる感じですしね。</p> <p>・・・しかし、「ホロがおじいちゃんでも」と書いたところで思ったんですが、外見は女の子ですが、別にホロが雌であるとは限らないよね。確かにホロは自分ではそう言ったけど。それに、年齢を考えればどっちかというと、おばあちゃんかな(笑)</p>
関連本棚: かー これから takatoh Jhonny西郷 beel ぐちお Tambourine 翠星石 ゆきぐも it-paperback F家の本棚(ラノべ) medihen Ruri 眼薬。 kios hidesuke zetamatta Mの保管 羽尻 F家(ラノベ・SF・TRPG) axd_oldhome 竜胆 いろきゅう atsushifx 稲村慎司 Czmode kotaro
Fms
ヘルメットをかぶった君に会いたい
ヘルメットをかぶった君に会いたい
著者: 鴻上 尚史
出版社: 集英社
評価:
カテゴリ:
コメント:
関連本棚: Tambourine
Fms
評伝シャア・アズナブル 《赤い彗星》の軌跡 上巻 (KCピ-ス)
評伝シャア・アズナブル 《赤い彗星》の軌跡 上巻 (KCピ-ス)
著者: 皆川 ゆか
出版社: 講談社
評価:
カテゴリ:
コメント: 言わずとしれた「ガンダム」の魅力ある悪役、シャア・アズナブルを歴史上の人物に見立てた伝記です。皆川さんはガンダムの設定辞典をまとめたりと、宇宙世紀(という架空世界)の歴史を語らせたら、右に出る物はいないという人物。その皆川さんが、厳密なルール(例えば、TV版の出来事を正とし、映画とTV版が異なる場合は、映画を異説として取り扱う等)の元に、シャアの人生を宇宙世紀の歴史を紐解く、戦記物です</p> <p>ま、元ネタを知らないと面白くもないという意味で明らかにマニア向けですが、ただのマニアが書いてもここまで面白い物にはならないと思います。皆川さんの物書きとしての能力と、「オタクの見立て」とでもいうべき能力が卓越していてこその出来。はっきり言ってシャレで買ったんですが、思いの外、面白かったです。</p> <p>私と同年代の男であれば、「機動戦士ガンダム」のストーリーはだいたいわかってますよね。ところが、Z、ZZ、逆襲のシャアと出てくるMSはなんとなく知っていても、ストーリーはなんだかよくわからないんだよねという人も多いと思います。この本を読めば、入り組んだZの物語をシャアを軸に理解することで、宇宙世紀の0079〜0093までの歴史の流れが整理できて、またもう一度、Zガンダムを見てみようという気になるんじゃないでしょうか。あ、映画版みてもわかんないと思うので、見なおすならTV版をどうぞ(笑)</p> <p>それにしても、Z以降のシャアって、一年戦争時代に比べるとパッとしません。本放送当時は、そんなシャアを見て「つまんねー」と思っていた10歳の子供だったんですけど、今、改めてシャアのことを考えると、自分の才能に限界を感じた男の生き様にちょっと哀しいものを見てしまいます。うーん、でも、そんなシャアも格好いい・・・つか、富野さんは、こんな話を子供に見せようとしていたのかと、いささか茫然としてしまうわけですが(笑)</p>
関連本棚: ytnk re_guzy Tambourine yutayuta ak2 みやのすけ ちう k_murakami Google Booksになかった本 ogijun
Fms