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さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる

エックハルト・トール Eckhart Tolle あさり みちこ 飯田 史彦
徳間書店
ISBN: 4198615322  紀伊國屋, Amazon, WebCat
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harunoriyukamu :

原題 The Power of NOW: A Guide to Spiritual Enlightenment

著者エックハルト・トールによれば、さとりをひらく; being enlightened いちばん肝心なステップは、「思考を『ほんとうの自分』とみなすのをやめること」だという。そして、とりとめのない思考の束縛から、自分自身を解放するためにいくつかの方法が示されている。

ひとつには、思考の「声」に耳を傾けること。すなわち、思考を注意深く客観的にながめること。これをしていると「ひとり言をする『声』があって、さらに、それを聞き、観察している『ほんとうの自分』がいる」とだんだん理解できるようになり、この感覚は思考を超えた源泉から発せられているのだとトールは言う。

もうひとつは、意識を100パーセント「いま」に集中させて、思考活動を遮断するという方法。そして、これは瞑想の極意でもあるという。

さらに福音書の喩えをユニークな観点から解釈しているのにも注目。有名な「狭き門」に関連して第三章第九節・90頁から引用する。

>>「人生にいたる狭き門」を見つけましょう。それは「いま」という名前です。あなたの人生を、「いま、この瞬間」に狭めるのです。あなたの「人生の状況」は問題だらけかもしれません(ほとんどの人の「人生の状況」がそうなのですから)。でも、「いま、この瞬間」になにか問題がありますか? 明日ではなく、十分後でもなく、たった「いま」です。なにか「いま」問題がありますか? <<

トールに拠れば、ほとんどのひとは過去や未来に自己同一化してしまうあまり、悔悟や落胆あるいは不安や憔悴に捕らわれ、人生の真実を見失う。つまり「生命; 人生; life に至る狭き門」とは「いま、この瞬間」にあると。このへんの解釈がヒジョーに独特でおもしろい。あまりにも自明であるがゆえに、逆に気がつけない「狭き門」を目指せというわけだ。

総じて言えば、エックハルト・トールの凄いところは、至って平易なことばづかいで読者を(カント的な)超越論的自由の覚知へと導くところにある。思考と身体の解放、そして人間関係への洞察などたいへん示唆に富み、得るところは多い。

他の本棚 watap, なお。

最終更新 : 2006-03-25 23:10:49 +0900
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