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フリーターにとって「自由」とは何か

杉田 俊介
人文書院
ISBN: 4409240722  紀伊國屋, Amazon, WebCat
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harunoriyukamu : 著者のブログにて2005年9・11衆院選投票日に発表された、すぐれた情況的断章 フリーターに関する20のテーゼも収録されている。

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【1】日本型のフリーター労働者は、ある種の「階層」である。
【2】1980年頃から、国際的に若年不安定労働層が大量に生み出され、今も増加し続けている。
【3】若年労働者は今後間違いなく、一部の「勝ち組」と大多数の「負け組」へと二極化してゆく。
【4】フリーターの一定部分は、このままでは野宿生活者化するだろう。
【5】しかし、フリーターは真の「最下層」ではない。
【6】「フリーターは諸悪の根源だ」的な悪罵と非難は、今後も世論の中で醜悪にふくれあがるだろう。
【7】フリーター問題の根もとには、女性労働者の問題がある。
【8】考えるべきなのは、賃金格差や社会保障の格差だけでなく、仕事内容の格差——そこから生じる未来の衣食住の決定的格差——である。
【9】若年層に関する限り、正職員かフリーターかという対立は、ニセの対立にすぎない。
【10】統計的に、フリーターに陥りやすい層、フリーターからなかなか抜け出せない層がある。
【11】若年層の多くは、今のところ両親に経済‐生活財的にパラサイトし続けている。このことを自己検証的にえぐり出さないフリーター論は、意味をなさない。
【12】だが「若年労働層」も「既得権益層」も共に、自分たち以外の他者が強いられた生存の問題を真剣に考えてはいない。
【13】現在の若年フリーター集団の多くは、他のマイノリティ集団(たとえば外国人労働者/障害者/野宿者/…)たちの生活と存在から遠く離れ、断絶し、孤立している。
【14】それだけではない——一つのフリーター「階層」としての自覚を、当事者達が分有することも少なく、実質的に同じ底辺労働層に属するのに、互いに曖昧に切り離され、孤立した生存を続けている(属性は共有するが課題は共有できない)。
【15】ネオリベラル(新自由主義的)な価値観のもとでは経済的な貧しさは、そのまま本人の道徳的な「悪」と見なされ、自業自得とされる。
【16】表現や消費の自由は、むしろ、生産関係(所有の次元)の不自由や抑圧を覆い隠す。
【17】高度成長型の「労働者」や「家族」は(なくなるのではなく)変質の過程にある。
【18】具体的なたたかいに際しては、想像上の「敵」(エネミー)と現実的な《敵対者》(アドバーサリー)を、完全に区別し続けねばならない。
【19】極端に言えば、フリーターの生には《何もない》——少なくとも、資本や国家が要求するようなものは。
【20】今後のたたかいの主戦場は《存在権》——生存が単に生存であり続けることを肯定する権利——をめぐるものとなるだろう。
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他の本棚 whalebone, GRA, 柴田邦臣

最終更新 : 2006-04-09 20:12:22 +0900
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