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岸信介証言録
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原 彬久
毎日新聞社
ISBN: 4620316229
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svnseeds :
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http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070421#p2
激しくおすすめ。岸信介について知りたい向きには必読です。
編者序説+全7章+編者補遺という構成。オーラルヒストリー(要は対談)という形式なので大変読みやすい。各章冒頭や章中必要に応じて編者による背景等の解説があるのもありがたいです。
全7章のうち、1から6章では戦前の商工省時代から安保改定・退陣までが時系列に語られます。ここの内容はかなりの部分が他の岸信介の伝記、特に本書編者による「岸信介—権勢の政治家」(ASIN:4004303680)(参照)と重複しているのですが、当時の心境等を岸本人が語っているのでまた別の面白さがあります。
しかしなんといっても本書で面白いのは第7章の「思想、政治、そして政治家」で、政治、大衆、自身の思想の来歴、当時の政治家などについて歯に衣着せず語っています。
特に面白いと思ったのは、自由であることの重要性の強調とその裏返しとしての反共や安全保障の強調、小選挙区制と二大政党制へのこだわりとその裏返しとしての社会党(当時)への期待と幻滅、そして宮沢喜一への評価でした。
岸信介が宮沢喜一を評して曰く、頭が良くて見識もあり総理に適任、ただし「他人がみんな馬鹿にみえる」ので人の世話をしないから総裁には不適任、との由(pp. 374-375)。岸が「頭が良い」と評しているのは他には彼の兄くらいで、派閥が違う宮沢をここまで褒めるということはよっぽど宮沢が群を抜いていたということでしょう。「世界デフレは三度来る」(ASIN:4062820064)での宮沢の低い評価とあわせて考えるとこの評は大変興味深いものがあります。いずれ彼のことも詳しく調べてみるつもり。
しかしそれにしても岸という人は面白い。これは他の岸信介関連の本を読んでいても思ったことですが、この人は、毀誉褒貶が激しいけれども、ちょっと現在では見当たらないような相当な人物であり、個人的にはすごく惹かれるものがあります。彼の思想や戦前の行いを表層的に扱って断罪している評価が多いようですが、そういうのを見聞きするとちょっとゲンナリするようになってきました。
最後に、政治は何を目指すべきか、に関する岸信介の見解を引用しておきます。後継者を自認するお孫さんはこれを大書して額に入れて飾って毎日100遍唱えるべきですなあ(笑)。
やはり政治家の世界では、真・善・美のうち美を追求する世界ではないと思う。政治家は善を追及し実現するけれども、美を追求し真理を探究するという世界ではない。
p. 360
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hector, ヴィヴァアチェ
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最終更新 : 2007-06-29 11:17:17 +0900
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