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話の後始末

立川 志の輔 天野 祐吉
マドラ出版
ISBN: 4944079281  紀伊國屋, Amazon, WebCat
カテゴリ 対談
評  価 ★★★★
コメント
べ_deleted000 :  立川志の輔・天野祐吉の……なんというかまず志の輔師匠の落語があって,そのあとでその落語についてだったりそうぢゃなかったりする四方山話を天野さんとする,というライブ数本を収録した変わり種の対談集 (つうコトになるんだろうな,これも) 。……オレ,経験があるから言うけどテープ起こししたヒトは大変だったろうなぁ。
 落語は「だくだく」,「粗忽長屋」,「バールのようなもの」,「文七元結」,「井戸の茶碗」の5本。「バールのようなもの」だけが新作であとは古典,なのでまぁ「バールのようなもの」以外はオレも実際に寄席やテレビやラジオで聞いたり興津要先生の本とかで読んで知ってる話なんである。が,なにを隠そう志の輔師匠の落語は聞いたことがないのでなかなかにこういう口述本は興味深い。ああ寄席に行きたくなるなぁ。
 それはさておき,「だくだく」(知らないヒトのために解説するとこれは,貧乏なので壁に家財道具の絵を描いてモノがあるつもりになって暮らしているオトコのところに洒落の分かる泥棒が入ってたがいに「つもり合戦」をやるという話である) のあとの対談。天野さんの「東京の水不足の時にコメンテータとしてテレビに出て,『東京の人間はみんなわがままで,水なんてあって当たり前だと思ってる。だから懲らしめるためにしばらく雨は降らなくていい』と発言したら抗議の電話がいっぱい来た」という話が身につまされた。
 天野さんによれば「病院はどーするんだ!」とか,そういう怒りの電話が来たんだそうで,そーゆー話をしてるんではないっちゅうのね。オレも以前ほぼそっくりの目にあったことがあるけど,いちいち病院のことまで考えて冗談言えない,冗談と言って悪ければ違った視点は提示できない。テレビにしたって「一刻も早く雨が降るといいですねぇ」みたいな思考停止のコメントを言わせるために天野さんにギャラ払ってんぢゃないだろうに,こういう抗議にウロタエるなよな,と思うのだがねぇ。
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最終更新 : 2006-08-05 20:05:27 +0900
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