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…今はムカシ,懐かしい「MacLIFE」に連載を持っていた頃,サヴァン症候群の人たちのことを書いた「なぜかれらは天才的能力を示すのか」( ダロルド・A・トレッファート著)の中に「ハリモグラにはレム睡眠がない」とあるのを読み,コラムで「もしかしたら夢というのはフロイトが言うようなモンではなく,単に脳味噌が記憶をガベージ・コレクトしているのを『意識』がかいま見ちゃってるだけのもんぢゃないのか」と論じたことがある。書いてる方が「こりゃ大発見」とコーフンしたわりには読者からの反応もなく,そのうちすっかり忘れ果てていたのだが,この本を読むとオレの考えはあれで結構いいセンを行っていたんですよ,奥さん。<BR>
筆者によればフロイトの時代に比べて画期的に進歩した脳の基礎研究やさまざまな測定器具の実現により,ヒトが夢をみている時の脳の状態をリアルタイムで見られるようになった結果,夢の研究は長足の進歩を遂げ,いまや「空を飛ぶ夢をみるのは性的欲求不満があるからだ」式のフロイト的夢判断は科学的にほぼ否定されているのだそうな。では脳のどんな活動がヒトに夢をみさせるのか,そもそも夢をみるとはどんな意味があるのか。意図的に明晰夢(自分がいま夢をみていると自覚しながらみる夢)を見る方法とは……などに興味があれば是非ご一読を。今夜から眠るのが楽しみになるかも。 |