[ { "title" : "ほまれ", "isbn" : "4309270271", "date" : "2011-08-26T00:51:38.000Z", "publisher" : "河出書房新社", "authors" : "澤 穂希", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "W杯以来、澤選手の足跡はテレビで何度も紹介されており、食傷気味の人もいるだろう。\u003cbr\u003e\r\nが、彼女の半生をより掘り下げて知りたいファンには、この本の一読を勧めたい。" }, { "title" : "夢の上〈1〉翠輝晶・蒼輝晶 (C・NOVELSファンタジア)", "isbn" : "4125011230", "date" : "2011-03-03T11:51:58.000Z", "publisher" : "中央公論新社", "authors" : "多崎 礼", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "意味深なタイトル。この物語の行き着く先はどこなのか。続編を期待。" }, { "title" : "白虹", "isbn" : "4569794009", "date" : "2011-02-28T13:01:49.000Z", "publisher" : "PHP研究所", "authors" : "大倉 崇裕", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "丁寧に練られたミステリ。この作者のふり幅の大きさには感嘆する。" }, { "title" : "宙の詩を君と謳おう (光文社文庫)", "isbn" : "4334742122", "date" : "2008-05-04T23:59:03.000Z", "publisher" : "光文社", "authors" : "柴田 よしき", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "シリーズ完結編。ジュブナイル小説風の第1巻が好きな読者からすると、評価が分かれるだろう。今回は主人公ララが妻であり母である女性として登場する。挫折を経験した女性を描かせるとうまい作家だけに、このシリーズ中、ある意味最も柴田よしきらしい作品であるとも言える。" }, { "title" : "宇津木妙子・麗華物語―日中に架けるソフトボールの夢", "isbn" : "4087803961", "date" : "2008-05-05T15:38:23.000Z", "publisher" : "集英社", "authors" : "松瀬 学", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "指導者としての宇津木妙子さんに興味があったので手に取った本。一通りのことは押さえているのだろうが、対象への掘り下げ方が足りない印象が残る。" }, { "title" : "オルファクトグラム(上) (講談社文庫)", "isbn" : "4062749858", "date" : "2008-05-05T00:06:48.000Z", "publisher" : "講談社", "authors" : "井上 夢人", "categories" : "", "score" : "★★★★★", "comment" : "久々のミステリ5つ星。姉を殺した犯人に殴られて以来、嗅覚を視覚化して捉えられるようになった主人公。この設定が秀逸で、最後まで引っ張られるようにして読んだ。" }, { "title" : "症例A (角川文庫)", "isbn" : "4043690010", "date" : "2008-05-05T00:30:11.000Z", "publisher" : "角川書店", "authors" : "多島 斗志之", "categories" : "", "score" : "★★★★★", "comment" : "精神医療をテーマにした長編小説。この作者のことなので、精神医療とがっぷり四つに組んだ作品なのだろうと思っていたら、(問題となる精神疾患の解釈について)途中からちょっと違った方向に進んでしまった。個人的な好みの問題に過ぎないかもしれないが、その点ではかなり肩透かしをくらってしまった。\u003cbr\u003e\n国立博物館の宝物についてのサイドストーリーは文句なく面白い。精神医療と文化財という組み合わせに、筆者の力量を見た。" }, { "title" : "聖灰の暗号〈上〉", "isbn" : "4103314141", "date" : "2008-05-05T00:41:04.000Z", "publisher" : "新潮社", "authors" : "帚木 蓬生", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "中世カタリ派を題材とした歴史ミステリ。未発表の手稿の発見から始まる若き歴史学者・須貝の冒険譚である。\u003cbr\u003e\nカタリ派の末路に同情的な作者の心情はわかるが、手稿の挿入部分がややくどい。手稿の出自などに読者を引き込む味付けがないと、挿入部に付き合わされる方としては辛い。\nどちらかと言えば、現代の出来事に焦点を当てて物語を進めてほしかった。" }, { "title" : "ALWAYS 続・三丁目の夕日―もういちど、あのときへ。 (小学館文庫)", "isbn" : "4094081992", "date" : "2008-05-16T21:03:25.000Z", "publisher" : "小学館", "authors" : "山本 甲士", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "映画一作目が余りにも大ヒットしすぎたせいか、ノベライズ第一作に比べると、小説が映画のイメージに引きずられているように思えてしまう。とはいえ、十分に面白いのだが…。" }, { "title" : "サハラ", "isbn" : "4198625107", "date" : "2008-05-16T21:15:36.000Z", "publisher" : "徳間書店", "authors" : "笹本 稜平", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "記憶喪失状態の主人公がサハラで一人意識を取り戻すという、衝撃のシーンから始まる謀略小説。\u003cbr\u003e\nそれなりに面白く読んだ一冊ではある。だが、主人公が記憶喪失だったせいで、種明かしに終始せざるを得なくなった最終章がくどくて残念。\u003cbr\u003e\n何より、ヒロインがあまりにも平板で面白みがない。\u003cbr\u003e\n近年の笹本作品の中では、最も低い評価にせざるをえない。" }, { "title" : "落下する花―月読", "isbn" : "4163257500", "date" : "2008-05-16T21:23:55.000Z", "publisher" : "文藝春秋", "authors" : "太田 忠司", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "めちゃくちゃ面白いかと訊かれると、正直微妙な小説。\u003cbr\u003e\nだが、故人の今わの際の思いの結晶「月導」を読む異能の者「月読」のいる世界観がとても良い。\u003cbr\u003e\n舞台設定が良いので、続編が出るようなら大化けする可能性は十分にある。" }, { "title" : "姥捨てバス", "isbn" : "4828818537", "date" : "2008-06-02T10:10:40.000Z", "publisher" : "ベネッセコーポレーション", "authors" : "原 宏一", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "無免許観光ビジネスで糊口をしのぐ主人公と相棒。成り行きで企画した「姥捨て疑似体験ツアー」が意外にも好評を博し、ビジネスも軌道に乗るかに見えたが…。\u003cbr\u003e\nコメディかと思いきや、あまりにも悲しくて切ない結末。風刺小説らしいと言えばそうかもしれない。" }, { "title" : "夢を食った男たち―「スター誕生」と歌謡曲黄金の70年代 (文春文庫)", "isbn" : "416732105X", "date" : "2008-05-20T20:36:42.000Z", "publisher" : "文藝春秋", "authors" : "阿久 悠", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "歌謡曲が歌謡曲らしくあった時代、アイドルが高嶺の花であった時代。その時代の一つのピークが70年代後半から80年代前半であったことに、異論を挟む者は少ないだろう。その時代をリアルタイムで経験していない私にしても、そういうイメージが濃厚である。その時代を切り開いた革新者の一人、阿久悠の回想エッセイが面白くないわけがない。\u003cbr\u003e\n阿久悠自身は意識的ではなかったらしい(本人談)が、ナベプロ帝国の牙城を崩した野心家たちの同時代ルポとして読んでも面白い。 \n" }, { "title" : "腕貫探偵、残業中", "isbn" : "440853529X", "date" : "2008-05-20T19:48:37.000Z", "publisher" : "実業之日本社", "authors" : "西澤 保彦", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "実はあまり期待していなかったのだが、予想以上に楽しめたミステリ連作集。\u003cbr\u003e\n総じてきれいな結末で満足(中にはツッコミたくなる謎解きもあったが…)。\u003cbr\u003e\n高知市を髣髴とさせる地方都市、櫃洗市という舞台設定も良い。\n" }, { "title" : "暴走老人!", "isbn" : "416369370X", "date" : "2008-05-20T20:20:20.000Z", "publisher" : "文藝春秋", "authors" : "藤原 智美", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "「老人」=「分別」「良識」という図式を取り払うところから始まる、現代社会についての論考。\u003cbr\u003e\n待つことの快感(エンターテイメント化)と待たされることへの不快感、「透明なルール」の浸透など、視点の面白さが光る。" }, { "title" : "腕貫探偵 市民サーヴィス課出張所事件簿", "isbn" : "4408534773", "date" : "2008-05-24T14:50:58.000Z", "publisher" : "実業之日本社", "authors" : "西澤 保彦", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "安楽椅子探偵もの。探偵役が市役所職員というのが渋い。\u003cbr\u003e\n「恋よりほかに死するものなし」「スクランブル・カンパニィ」が気に入った。" }, { "title" : "沖縄独立を夢見た伝説の女傑 照屋敏子", "isbn" : "4093797803", "date" : "2008-05-27T10:00:57.000Z", "publisher" : "小学館", "authors" : "高木 凛", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "タイトルがちょっと仰々しいのが難だが、一人の女性の一代記として面白く読んだ。\u003cbr\u003e\nそれにしても、商売で大成する女性というのは、家庭の不幸がセットで付いてくる感じがする(家庭の不幸をばねに一念発起するというパターンも多いが)。女に商才があるというのは、果たして幸福なのか、不幸なのか。" }, { "title" : "お家さん 上巻", "isbn" : "4103737093", "date" : "2008-05-27T10:16:54.000Z", "publisher" : "新潮社", "authors" : "玉岡 かおる", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "丁寧に取材したあとも伺えるし、資料も読み込んでいる。だが、読んでいてどこか不満が残る小説。人物描写の掘り下げが足りないのかな、とも思う。\u003cbr\u003e\n鈴木商店を知る手がかりには良いかもしれないが。" }, { "title" : "デジデリオ ―前世への冒険― (集英社文庫)", "isbn" : "4087471500", "date" : "2008-06-01T23:55:59.000Z", "publisher" : "集英社", "authors" : "森下 典子", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "文庫版での再読。相変わらず面白い。\u003cbr\u003e\nルネサンス期の彫刻家・デジデリオの、知られざる人生をたどるスリリングな旅。" }, { "title" : "紅雲町ものがたり", "isbn" : "416326650X", "date" : "2008-06-02T01:07:45.000Z", "publisher" : "文藝春秋", "authors" : "吉永 南央", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "和食器の店を営むおばあちゃん探偵が、日常の謎を解き明かすミステリ。\u003cbr\u003e\n非常に地味な小説。この地味さが、味わい深さや、静かな余韻に昇華するにはもう二味ほど足りないように感じた。" }, { "title" : "その時までサヨナラ", "isbn" : "4286000109", "date" : "2008-06-02T10:12:03.000Z", "publisher" : "文芸社", "authors" : "山田 悠介, Yusuke Yamada", "categories" : "", "score" : "★★", "comment" : "シリアスな現代家族小説…と思って読んでいたら、なんとファンタジー小説だった。\n好みの問題かもしれないが、いかにも「狙った」感じがして楽しめなかった。\n" }, { "title" : "なぜ若者は「半径1m以内」で生活したがるのか? (講談社プラスアルファ新書)", "isbn" : "4062724545", "date" : "2008-06-02T10:06:13.000Z", "publisher" : "講談社", "authors" : "岸本 裕紀子", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "何年か前に伊集院光が、「今は、不登校にもならず、成績は良くなくてもコツコツ真面目に頑張るのが取り得の子供が、一番報われない」という趣旨の発言をしていたが、この本を読んでそのことを思い出した。" }, { "title" : "天山の巫女ソニン 1 金の燕", "isbn" : "4062134233", "date" : "2008-06-04T10:07:33.000Z", "publisher" : "講談社", "authors" : "菅野 雪虫", "categories" : "", "score" : "★★★★★", "comment" : "某書評で絶賛されていたので手に取った一冊。児童文学と侮るなかれ、大当たりでした。主人公は、下界に戻されたおちこぼれの巫女ソニン。友情あり、陰謀あり、の王道ファンタジーを堪能したい人は是非。" }, { "title" : "幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)", "isbn" : "433475144X", "date" : "2008-06-04T10:14:57.000Z", "publisher" : "光文社", "authors" : "クラーク", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "SF偏差値が恐ろしく低いせいで、読み通すのに思わぬ時間がかかりました。いや、とても面白いんですけどね。表面をなぞるのにいっぱいいっぱい、という自覚有り。SFの素養があればもっと深読みできるだろうに、という悔いは残りますね。結末は衝撃的。" }, { "title" : "天山の巫女ソニン 2 海の孔雀", "isbn" : "4062138336", "date" : "2008-06-04T10:18:13.000Z", "publisher" : "講談社", "authors" : "菅野 雪虫", "categories" : "", "score" : "★★★★★", "comment" : "シリーズ第2弾。シリーズ化する中でパワーダウンする作品も多いが、これは第1作以上の完成度。続編にも期待大。" }, { "title" : "夜と霧 新版", "isbn" : "4622039702", "date" : "2008-06-06T20:46:57.000Z", "publisher" : "みすず書房", "authors" : "ヴィクトール・E・フランクル", "categories" : "", "score" : "★★★★★", "comment" : "並みの体験記とは一線を画す、精神科医によるアウシュビッツ考察記。極限にあっても人間への洞察を忘れないことが、かろうじて筆者の正気を保っているようにも思われる。これが「知」の本領ではあるまいか。" }, { "title" : "聖域", "isbn" : "4488024343", "date" : "2008-06-08T06:44:03.000Z", "publisher" : "東京創元社", "authors" : "大倉 崇裕", "categories" : "", "score" : "★★★★★", "comment" : "山岳小説とミステリがうまく融合した長編。前々から注目していた作家だけに、ついに傑作が出てきたな、と嬉しい。\u003cbr\u003e\nそれにしても作者が大学時代に山岳同好会に籍を置いていたとは。てっきりオチケンに所属していたものと思い込んでいたが…。" }, { "title" : "警官の血 下巻", "isbn" : "4104555061", "date" : "2008-07-31T08:09:31.000Z", "publisher" : "新潮社", "authors" : "佐々木 譲", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "親子三代にわたる警察官の系譜。下巻は二代目、三代目の物語であるが、人間的な弱さが前面に出てきて、読んでいて痛々しい。ビターな警察小説と言えなくもないが…。謎解きの部分は、多少勘の良い読者なら半ばで気づくはず。" }, { "title" : "あたり―魚信", "isbn" : "4163266402", "date" : "2008-08-04T06:44:45.000Z", "publisher" : "文藝春秋", "authors" : "山本 甲士", "categories" : "", "score" : "★★★★★", "comment" : "三丁目の夕日や墨攻などのノベライズも悪くはないが、やはりオリジナル小説というのはわくわくの度合いが違う。よっ、待ってました!\u003cbr\u003e\n釣りを通じて起きるささやかな日常の奇跡を描いた、書き下ろし連作集。相変わらずうまい。最後の締め方がいかにもこの筆者らしい。\n" }, { "title" : "絶対弱者―孤立する若者たち", "isbn" : "4860952170", "date" : "2008-08-08T08:55:15.000Z", "publisher" : "長崎出版", "authors" : "三浦 宏文, 渋井 哲也", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "「絶対弱者」という新語を提示して議論を展開しているのだが、新語に対する筆者二人の定義がずれ過ぎている、ある意味画期的な本(しかも確信犯)。\u003cbr\u003e\n個人的には教育現場に密着した三浦さんの視点の方が面白かった。教師視点からの教育論は数あれど、膨大な数の、しかもいろいろなレベルの生徒に接している予備校教師の目から見た教育ルポは新鮮である。同じテーマについて、三浦さんに一冊書いて頂きたい。\n" }, { "title" : "ラ・パティスリー", "isbn" : "4758410577", "date" : "2008-08-08T09:00:39.000Z", "publisher" : "角川春樹事務所", "authors" : "上田 早夕里", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "ケーキが食べたくなる、洋菓子店を舞台にしたミステリ。" }, { "title" : "ショコラティエの勲章 (ミステリ・フロンティア)", "isbn" : "4488017509", "date" : "2008-08-08T09:04:20.000Z", "publisher" : "東京創元社", "authors" : "上田 早夕里", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "[[4758410577]]の続編的作品。個人的には前作よりもこちらの方が好み。甘いものに飢えている状態で読むのはやめましょうね。読んでいる途中からケーキ屋に走りたくなります。パティシエ長峰さんがかっこいい!" }, { "title" : "老後がこわい (講談社現代新書)", "isbn" : "4061498525", "date" : "2008-08-08T09:10:45.000Z", "publisher" : "講談社", "authors" : "香山 リカ", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "シングル女性の老後をメインに論じたもの。なので、あまり男性向きではないかも。\u003cbr\u003e\n私はエッセイスト・香山リカさんの赤裸々随筆として楽しく読んだ。両親が死ぬことへの恐怖、ペットロスの苦しみなど、ここまで率直に書ける精神科医はいないのではないだろうか。筆者への好感度が大幅にアップした一冊。" }, { "title" : "もう誘拐なんてしない", "isbn" : "4163267107", "date" : "2008-08-23T01:08:27.000Z", "publisher" : "文藝春秋", "authors" : "東川 篤哉", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "下関・門司が舞台の脱力系ミステリ。作者のユーモアセンスと、全編に漂うローカル臭がたまらない。" }, { "title" : "神の狩人 2031探偵物語", "isbn" : "4163270302", "date" : "2008-08-23T01:01:22.000Z", "publisher" : "文藝春秋", "authors" : "柴田 よしき", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "帯に踊る「ダークヒロイン」の文字にちょっと腰が引けたが、びびるほどではなかった。と言うより、普通に正義の味方であった…。\u003cbr\u003e\n柴田よしきさんの近未来ものは当たり外れがあるので、あまり期待していなかったのだが、予想以上に面白かった。終盤になるほど疾走感が増していくのは、作者がのっている証拠。失速しないうちに是非第二弾を発表してほしい。" }, { "title" : "火星ダーク・バラード", "isbn" : "4758410216", "date" : "2008-09-07T17:15:41.000Z", "publisher" : "角川春樹事務所", "authors" : "上田 早夕里", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "ストーリーテリングのうまさ、文章の巧みさが光る長編SF。この作家はヒューマンドラマを描かせたら光る個性を持っているように思う。そういう意味では、科学的薀蓄が重視されるSFというジャンル(の読者層)は、あまりこの作家にあっていないのかな、とも思う。" }, { "title" : "イスタンブールの目", "isbn" : "407214505X", "date" : "2008-08-29T11:07:02.000Z", "publisher" : "主婦の友社", "authors" : "新藤 悦子", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "高橋由佳利の『トルコで私も考えた』を読んでいたら、急にこの本を読みたくなって図書館にリクエスト。\u003cbr\u003e\n『トル考』と併読すると面白さ倍増。" }, { "title" : "邱飯店のメニュー (邱永漢ベストシリーズ)", "isbn" : "4408320048", "date" : "2008-08-29T10:47:59.000Z", "publisher" : "実業之日本社", "authors" : "邱 永漢", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "戦後50年をかけて日本人は本当にグルメになったんだな、ということがわかる。感慨深い。" }, { "title" : "ハチミツドロップス", "isbn" : "406212999X", "date" : "2008-09-07T17:30:16.000Z", "publisher" : "講談社", "authors" : "草野 たき", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "YA小説。やる気のないソフトボール部、そこに集う変わり者の女の子たちという設定が光る。主人公がけなげでいじらしい。" }, { "title" : "いのちなりけり", "isbn" : "4163272801", "date" : "2008-09-09T13:55:56.000Z", "publisher" : "文藝春秋", "authors" : "葉室 麟", "categories" : "", "score" : "★★", "comment" : "体質的にこのテの純愛ものが苦手なのもあるが、それを差し引いてもいまひとつな印象。物語の視点を主人公二人に固定化した方が良かったように思う。あと、鍋島家の家系図がほしかった。\u003cbr\u003e\nタイトルは西行の「年たけて」かしらん、と思ったら、古今集の本歌の方だった。そういえば本歌の方も好きな和歌だったなあ、と久々に懐かしかった。\n" }, { "title" : "ピンクの神様", "isbn" : "4062147882", "date" : "2008-09-11T11:06:23.000Z", "publisher" : "講談社", "authors" : "魚住 直子", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "この作者の作品は初めて読んだが、嫌味のない小説を書くなあ、という印象を持った。\u003cbr\u003e\n働く女性が主人公の「卒業」「みどりの部屋」が気に入った。" }, { "title" : "RDG レッドデータガール はじめてのお使い (カドカワ銀のさじシリーズ)", "isbn" : "4048738496", "date" : "2008-09-07T17:24:48.000Z", "publisher" : "角川グループパブリッシング", "authors" : "荻原 規子", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "和風ファンタジー。途中まで、どうも展開がもたついてしまったのが残念。物語の筋書きは結構好み(期待通り)だったので楽しめたのだが。" }, { "title" : "私は赤ちゃん (岩波新書)", "isbn" : "4004121361", "date" : "2008-09-07T17:36:09.000Z", "publisher" : "岩波書店", "authors" : "松田 道雄", "categories" : "", "score" : "★★★★★", "comment" : "さすがに時代性が感じられる記述もあるが、筆者の主張の根幹は今でも全く古びていない。岩崎ちひろさんの挿絵も素敵。" }, { "title" : "完全敵地", "isbn" : "4087804216", "date" : "2008-09-13T15:50:04.000Z", "publisher" : "集英社", "authors" : "加藤 久", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "1986年メキシコW杯。アマチュア主力の日本サッカーが、最も本選出場に近づいたと言われるW杯である。そのアジア予選での日本チームの力闘を描いたノンフィクション。\u003cbr\u003e\n当時のW杯予選に対する日本メディアの冷たさは、今日の状況を考えると隔世の感がある。また、1986年の時点では、北朝鮮が戦前からの平壌サッカーの伝統を保っていたこともわかる。\u003cbr\u003e\n筆者は代表選手であった加藤久だが、理知的に文章がつづられているのが印象に残った。特にサッカーなどのメジャースポーツのノンフィクションでは、「わかる人にしかわからない」記述が目立つ傾向があるだけに、専門用語に頼りすぎず、素人にも理解しやすい内容に仕上げている点は高く評価したい。" }, { "title" : "ふたつめの月", "isbn" : "4163259600", "date" : "2008-09-15T01:19:28.000Z", "publisher" : "文藝春秋", "authors" : "近藤 史恵", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "めちゃくちゃ面白いというわけではないけれど、本を読むのに疲れるとこの人のミステリが読みたくなります。" }, { "title" : "夢は枯れ野をかけめぐる", "isbn" : "4120039714", "date" : "2008-09-23T05:24:54.000Z", "publisher" : "中央公論新社", "authors" : "西澤 保彦", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "途中まではいつもの西澤作品(一見うだつのあがらない中年男性、何故か彼に想いを寄せる美女etc)なのだが、終章が頂けない。ある意味、読者の予想は裏切っているし、主人公の欠陥が克服されて良かったのかもしれないが…読後、どんよりとなってしまう。" }, { "title" : "僕たちのミシシッピ・リバー―季節風 夏", "isbn" : "4163271007", "date" : "2008-10-02T07:45:14.000Z", "publisher" : "文藝春秋", "authors" : "重松 清", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "安定感のある家族小説。個人的には「べっぴんさん」が良かった。「ささのは さらさら」には、男性から見た妻への願望が垣間見られて思わず苦笑してしまった。" }, { "title" : "テンペスト 下 花風の巻", "isbn" : "4048738690", "date" : "2008-10-03T08:09:01.000Z", "publisher" : "角川グループパブリッシング", "authors" : "池上 永一", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "最強お嬢様真美那登場。それにしても、こんなに周りが「寧温=真鶴」に気付かないなんてアリなんでしょうか。" }, { "title" : "テンペスト 上 若夏の巻", "isbn" : "4048738682", "date" : "2008-10-03T08:04:58.000Z", "publisher" : "角川グループパブリッシング", "authors" : "池上 永一", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "…ラノベ?『彩雲国物語』と『チャングムの誓い』を足して2で割ったような物語。あ、でも琉球王朝の美意識の高さをかぎ取れたのは収穫でした。" }, { "title" : "風の轍", "isbn" : "4334926320", "date" : "2008-10-16T16:14:24.000Z", "publisher" : "光文社", "authors" : "岡田秀文", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "戦国の世を駆け抜けた女商人。この設定に胸をときめかせながら読み始めたのだが、この主人公のどこに商才があるのか(大博打に勝つのも商才のうちである)最後までわからなかった。大長編であるだけに、同性として、終始この主人公に共感できなかったのも辛い。\u003cbr\u003e\n個人的に期待している書き手の作品だったので、何とも中途半端な出来になっているのが残念。信長の快進撃の添え物のように扱われる朝倉家滅亡を、丹念に描きたいという心意気は買うのだが…。" }, { "title" : "生還 山岳捜査官・釜谷亮二", "isbn" : "4635320022", "date" : "2009-09-01T14:48:32.000Z", "publisher" : "山と溪谷社", "authors" : "大倉 崇裕", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "山岳捜査官が主人公の、「山」風味満点のミステリ。\u003cbr\u003e\r\nいずれもこの作者らしい救いのある結末で、嫌味のない読後感。\u003cbr\u003e\r\n先行作品である[[4488024343]]が大好評となってしまったため、しばらく「山」がらみの作品が増えるのかもしれないが、私、この人のトホホ系ミステリも好きなんです(例:[[4334924700]]など)。\u003cbr\u003e\r\nできれば両刀遣いで突っ走ってほしいなあ。\r\n" }, { "title" : "虚栄の肖像", "isbn" : "4163273204", "date" : "2008-11-03T13:55:51.000Z", "publisher" : "文藝春秋", "authors" : "北森 鴻", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "天才絵画修復師・佐月恭壱が活躍するシリーズ第二弾。\u003cbr\u003e\n収録されている三篇は、いずれも筋書きは悪くない。特に最初の表題作などは、ミステリとしては秀逸な出来。だが、いかんせん文章が回りくどすぎる。もう少し焦点の定まった文章で物語を読みたい。" }, { "title" : "秘事", "isbn" : "4103078065", "date" : "2008-11-03T14:02:14.000Z", "publisher" : "新潮社", "authors" : "河野 多恵子", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "恬淡とした筆致が印象的な、一組の夫婦の物語。" }, { "title" : "嫌妻権 (ちくま文庫―田辺聖子ロマンス館)", "isbn" : "4480036962", "date" : "2008-11-16T12:15:42.000Z", "publisher" : "筑摩書房", "authors" : "田辺 聖子", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "倦怠期の大阪のおっさんのぼやきを紡いだ小説。カリカチュア的だが、女の本性を暴いているのも見事。表題作と「おすすめ気晴らし」が気に入った。" }, { "title" : "青に候", "isbn" : "4103986042", "date" : "2008-11-17T13:48:23.000Z", "publisher" : "新潮社", "authors" : "志水 辰夫", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "これまでのような小説はもう書かない、と宣言していた志水辰夫が、まさか時代小説をものするとは思わなかった。(確かにこれまでとは全く違うジャンルではあるが…)\u003cbr\u003e\r\n時代小説としては極めて凡庸な作品。ハードボイルドでもなく、青春小説でもなく、何となく中途半端な感が否めない。" }, { "title" : "駅神", "isbn" : "4152088567", "date" : "2008-11-23T07:16:50.000Z", "publisher" : "早川書房", "authors" : "図子 慧", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "易とミステリを大胆に融合させた快作。" }, { "title" : "少しだけ欠けた月―季節風 秋", "isbn" : "4163273905", "date" : "2008-11-29T06:06:51.000Z", "publisher" : "文藝春秋", "authors" : "重松 清", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "四季をモチーフにした短編集の秋編。\u003cbr\u003e\r\nそれぞれの家族の一瞬を切り取った短編は、本当にうまい。\u003cbr\u003e\r\nイチオシは太った男の子の葛藤をコミカルに描いた「ヨコヅナ大ちゃん」。私、彼の気持ちがわかります(食べ物が美味しいところとか)。" }, { "title" : "駅神ふたたび", "isbn" : "4152089660", "date" : "2008-12-07T23:18:17.000Z", "publisher" : "早川書房", "authors" : "図子 慧", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "安定感のある「易」をモチーフにしたミステリ短編集第2弾。\u003cbr\u003e\r\n易って何ですか、という私のような人は、懇切丁寧な解説が織り込まれた1作目から読むのがベター。\u003cbr\u003e\r\n舞台廻しであるヘタレ大学生の章平君がやっぱり楽しい。章平君の妹が初めて登場する「妹の家出」が今回のベスト。でも彼、実は結構ハンサムなのでは…。" }, { "title" : "黒百合", "isbn" : "4488024386", "date" : "2008-12-05T09:55:35.000Z", "publisher" : "東京創元社", "authors" : "多島 斗志之", "categories" : "", "score" : "★★★★★", "comment" : "この作家さんのファンなので、新刊が出ただけで舞い上がってしまう。\u003cbr\u003e\r\n本の中に立ち込める独特の空気がたまらない。\u003cbr\u003e\r\n戦後ほどない六甲が舞台のミステリ。ただ、今回は読者のミスリードを誘おうとする余り、蛇足な描写が目立つのが残念。\u003cbr\u003e\r\nあの描写がなくても、私などはすっかり「してやられた」のだが。" }, { "title" : "アフリカ・レポート―壊れる国、生きる人々 (岩波新書)", "isbn" : "4004311462", "date" : "2008-12-03T03:18:44.000Z", "publisher" : "岩波書店", "authors" : "松本 仁一", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "朝日の紙面で、この本の骨格になる部分は大体読んでいたので、既読感はあった。しかしそれを差し引いても、傑作『カラシニコフ』ほどの衝撃はなかった。" }, { "title" : "われに千里の思いあり〈上〉―風雲児・前田利常", "isbn" : "4163273808", "date" : "2008-12-11T19:14:41.000Z", "publisher" : "文藝春秋", "authors" : "中村 彰彦", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "どうもこの作者の女性観と私は相性が悪いのだが(お江与の方の気性が激しくて徳川秀忠が側室を置かなかったなんて、ホンマに信じているのだろうか?)、加賀百万石を磐石なものにした前田利常という人物に興味があったので読んでみた。\u003cbr\u003e\r\n利常という人物は、もちろん天稟もあるのだろうが、それ以上に、非常に運が良い人だったことがわかる。\u003cbr\u003e\r\nそれにしても、利常の家督相続によって、忘れられた側室から一転「おふくろさま」になった利常生母の人生を思うと、心中複雑である。女性とはなんと切ない生き物であるか、と。" }, { "title" : "千住家にストラディヴァリウスが来た日", "isbn" : "4103002115", "date" : "2008-12-17T15:42:20.000Z", "publisher" : "新潮社", "authors" : "千住 文子", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "千住真理子さんがストラディヴァリウスを手に入れるまでの、神がかったノンフィクション。\u003cbr\u003e\r\n著者はご母堂なのだが、ちょっと手前味噌に過ぎるかな、という部分もある。この話を筆力のあるノンフィクションライターが描いたら、もっと鮮烈なものになるのではないかと思う。\r\n" }, { "title" : "レッド・マスカラの秋 (ミステリーYA!)", "isbn" : "465208630X", "date" : "2009-01-06T09:15:46.000Z", "publisher" : "理論社", "authors" : "永井 するみ", "categories" : "", "score" : "★★", "comment" : "女子高生・凪が探偵役のシリーズ第2弾。\u003cbr\u003e\r\nちょっとクールでハードボイルドな凪が結構好きだったのだけど、今回は割とフツーの女子高生になってしまって残念。\u003cbr\u003e\r\nそもそも、ヤングアダルト小説ということで、作者自身が作品のクオリティーを下げて、平然としてしまっているように感じる。筋書き自体は決して悪いわけじゃないのだけれど、味付けが雑すぎる。\r\n" }, { "title" : "サンタ・エクスプレス―季節風 冬", "isbn" : "416327670X", "date" : "2009-01-06T09:18:48.000Z", "publisher" : "文藝春秋", "authors" : "重松 清", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "季節風シリーズ第四弾。普通に面白いのだが、「おっ」と思う短編はなかった。ちょっと寂しい。" }, { "title" : "ブルーベリー", "isbn" : "4334926037", "date" : "2009-01-09T09:56:27.000Z", "publisher" : "光文社", "authors" : "重松 清", "categories" : "", "score" : "", "comment" : "" }, { "title" : "天使の歩廊―ある建築家をめぐる物語", "isbn" : "4103120819", "date" : "2009-03-28T04:20:20.000Z", "publisher" : "新潮社", "authors" : "中村 弦", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "異才の建築家・笠井泉二の物語なのだが、その建築物のアイディアがこじんまりしすぎていて残念。異才と引き換えに泉二が背負わされているものについてのエピソードは良かったが。" }, { "title" : "ちょいな人々", "isbn" : "4163275509", "date" : "2009-01-10T03:01:08.000Z", "publisher" : "文藝春秋", "authors" : "荻原 浩", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "思わず苦笑してしまう短編目白押しの一冊。\u003cbr\u003e\r\nイチオシは「いじめ電話相談室」。ユーモア小説ならではのいじめ撃退法、いやはや面白い。" }, { "title" : "エッジ 下", "isbn" : "4048739131", "date" : "2009-03-28T04:23:04.000Z", "publisher" : "角川グループパブリッシング", "authors" : "鈴木 光司", "categories" : "", "score" : "★★", "comment" : "どこまで読んでもヒロインに感情移入できなくて困った。\u003cbr\u003e\r\n物語も大風呂敷を広げすぎて空中分解したような印象。" }, { "title" : "エッジ 上", "isbn" : "4048739123", "date" : "2009-02-05T16:44:02.000Z", "publisher" : "角川グループパブリッシング", "authors" : "鈴木 光司", "categories" : "", "score" : "★★", "comment" : "" }, { "title" : "書物狩人 (講談社ノベルス)", "isbn" : "4061824872", "date" : "2009-01-29T05:55:59.000Z", "publisher" : "講談社", "authors" : "赤城 毅", "categories" : "", "score" : "★★", "comment" : "仰々しい文体に最後までなじめなかった。本のトリビアもあまり目新しさはなく、ミステリとしてもいまいち。" }, { "title" : "生きて、生きて、生きて―愛の極みまで", "isbn" : "4759310509", "date" : "2009-03-18T10:43:33.000Z", "publisher" : "海竜社", "authors" : "曽野 綾子, 16人の宣教者, 木村 博美", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "海外邦人宣教者に対する、曽野綾子を中心とした支援活動については、『神さま、それをお望みですか』に詳しい。こちらを読んでから、本書を読むのがおすすめ。\u003cbr\u003e\r\nこの本で取り上げられている宣教者が、いずれも高齢(中には既に召天された方もいたが)だったので驚いた。敢えてベテランの方にスポットを当てたのか、それとも後続があまり育っていないのか…。ある種異常な清潔病が蔓延する今の日本では、衛生状態の悪い土地への献身者は出てきにくいのかもしれない、という危惧を抱いた。\r\n" }, { "title" : "二人道成寺 (本格ミステリ・マスターズ)", "isbn" : "4163225803", "date" : "2009-03-06T04:52:14.000Z", "publisher" : "文藝春秋", "authors" : "近藤 史恵", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "歌舞伎の知識がなくても楽しめる梨園ミステリ。\u003cbr\u003e\r\n最近のこの人のミステリはあまりどぎつくなくて好き。\u003cbr\u003e\r\n巻末付録がすごすぎて、本編の方が思ったよりボリュームがなかったのに笑った。" }, { "title" : "桜姫 (文芸シリーズ)", "isbn" : "4048733362", "date" : "2009-03-18T10:49:05.000Z", "publisher" : "角川書店", "authors" : "近藤 史恵", "categories" : "", "score" : "★★", "comment" : "ミステリの種明かしとしては、「そりゃないよ」と言いたくなる脱力ものの結末。ミステリだけの評価だったら★1つ。\u003cbr\u003e\r\nでも、何だかこの梨園探偵シリーズの空気感が心地いいんである。\r\nがっくりしつつも、このシリーズの新作が出たら必ず読んでしまうと思う。\r\n" }, { "title" : "天山の巫女ソニン(4) 夢の白鷺", "isbn" : "4062150816", "date" : "2009-03-18T10:59:45.000Z", "publisher" : "講談社", "authors" : "菅野 雪虫", "categories" : "", "score" : "★★★★★", "comment" : "巻を重ねるごとに目が離せなくなるアジア系ファンタジーの傑作。\u003cbr\u003e\r\n登場人物がそれぞれ成長しているのが嬉しい。\u003cbr\u003e\r\n今から五巻が待ちきれません!" }, { "title" : "散りしかたみに (角川文庫)", "isbn" : "4043585012", "date" : "2009-03-28T04:38:09.000Z", "publisher" : "角川書店", "authors" : "近藤 史恵", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "梨園シリーズ第二弾。\u003cbr\u003e\r\nこのシリーズはキャラクター小説として楽しむのが正解。\u003cbr\u003e\r\nミステリ部分が多少弱かろうが(種明かしの部分のリアリティーはいかがなものか。梨園関係者から一喝されそう)、ツッコミどころ満載だろうが、気にしてはいけません。歌舞伎の薀蓄が楽しかったわ、くらいの大らかな気分で読みましょう。\u003cbr\u003e\r\nまあ、もし、本当に歌舞伎の名家でこの小説と同じことが起きたらどうなるのかな、と思わずにはいられませんが。" }, { "title" : "カミラと英国王室", "isbn" : "4766208846", "date" : "2009-04-17T05:00:15.000Z", "publisher" : "グラフ社", "authors" : "小林 章夫", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "カミラ=悪女の図式をリセットするべく読んだ本。\u003cbr\u003e\r\n著者には真面目な著作も多いので、まさかゴシップ本のような内容ではあるまいと思っていたら、女性週刊誌のようなノリでびっくり。\u003cbr\u003e\r\nまあ、それなりに得るところもありましたがね。\u003cbr\u003e\r\n日本の皇室は英国王室に比べると真面目で偉いなあ…。\u003cbr\u003e\r\nそれにしても、チャールズ皇太子が王位につくことはあるのだろうか。著者の言うとおり、王位は頭上を素通りして、息子に渡されるのではなかろうか。" }, { "title" : "アラスカ 風のような物語 (小学館文庫)", "isbn" : "4094111913", "date" : "2009-04-28T07:27:58.000Z", "publisher" : "小学館", "authors" : "星野 道夫", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "透明感のあるエッセイ。\u003cbr\u003e\r\n現代の快適さに馴染み、それを捨てることなどできそうにない私には、やはり著者の生き方は眩しく感じる。\u003cbr\u003e\r\n写真も秀逸。厳しくも美しいアラスカの自然に圧倒される" }, { "title" : "精霊の守り人 (新潮文庫)", "isbn" : "4101302723", "date" : "2009-04-28T15:31:00.000Z", "publisher" : "新潮社", "authors" : "上橋 菜穂子", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "女用心棒バルサがかっこいい、守り人シリーズ第一弾。王道をいくファンタジーですな。同じ国産ファンタジーなら、個人的には天山の巫女ソニンの方が好み。" }, { "title" : "旅をする木 (文春文庫)", "isbn" : "4167515024", "date" : "2009-05-07T07:16:31.000Z", "publisher" : "文藝春秋", "authors" : "星野 道夫", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "全てを超越するような圧倒的な自然、そこで生きる人間の卑小さ、生きることの泥臭さ。そんなことを感じさせてくれる静かなエッセイ。\u003cbr\u003e\r\nアラスカの自然が背景にあるだけに、初心者は写真が収録されている他のエッセイから入るのがおすすめ。ちなみに、私はこれが一冊目の星野道夫だった。…なので、当たり前のように登場する動物の名前がイメージにつながらず、途中で断念。ムースってどんな動物だっけ、というレベルだったしなあ…。別の写真付エッセイを読んでから読み直しました。" }, { "title" : "小説 遙かなる時空の中で〈2〉", "isbn" : "4877199489", "date" : "2009-05-03T06:09:33.000Z", "publisher" : "光栄", "authors" : "近藤 史恵, ルビーパーティー", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "ゲームの流れに沿ったラノベ。無難にまとまっていて不満を持つ読者もいるかもしれないが、この破綻のなさに作者の力量を見た。いや、うまいです。" }, { "title" : "虚空の旅人 (偕成社ワンダーランド)", "isbn" : "4035402702", "date" : "2009-05-03T16:52:54.000Z", "publisher" : "偕成社", "authors" : "上橋 菜穂子", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "物語のスケールが大きく展開する守り人シリーズ第4弾。成長したチャグム王子の活躍が眩しい。" }, { "title" : "明治のお嬢さま (角川選書)", "isbn" : "404703441X", "date" : "2009-05-06T06:36:42.000Z", "publisher" : "角川学芸出版", "authors" : "黒岩 比佐子", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "近代女性史は先行研究が豊富な分野だけに、物足りなさが残る。研究者が敢えて踏み入れないような切り口で論を進めないと、在野のノンフィクションライターには分が悪い。\u003cbr\u003e\r\n" }, { "title" : "天と地の守り人〈第1部〉 (偕成社ワンダーランド)", "isbn" : "4035403202", "date" : "2009-05-08T05:54:30.000Z", "publisher" : "偕成社", "authors" : "上橋 菜穂子", "categories" : "", "score" : "", "comment" : "" }, { "title" : "蒼路の旅人 (偕成社ワンダーランド (31))", "isbn" : "4035403105", "date" : "2009-05-08T05:54:30.000Z", "publisher" : "偕成社", "authors" : "上橋 菜穂子", "categories" : "", "score" : "", "comment" : "" }, { "title" : "神の守り人\u003c帰還編\u003e (偕成社ワンダーランド)", "isbn" : "4035402907", "date" : "2009-05-08T05:54:30.000Z", "publisher" : "偕成社", "authors" : "上橋 菜穂子", "categories" : "", "score" : "", "comment" : "" }, { "title" : "神の守り人\u003c来訪編\u003e (偕成社ワンダーランド)", "isbn" : "403540280X", "date" : "2009-05-08T05:54:31.000Z", "publisher" : "偕成社", "authors" : "上橋 菜穂子", "categories" : "", "score" : "", "comment" : "" }, { "title" : "ひろいもの", "isbn" : "409386246X", "date" : "2009-05-22T00:03:50.000Z", "publisher" : "小学館", "authors" : "山本 甲士", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "安定感のある連作小説。各話とも、偶然拾ったものによって人生が変わるというコンセプトは共通しているものの、味付けがさまざまで飽きさせない。\u003cbr\u003e\r\n山本印の小悪党が活躍する「バッヂ」は、読者の予想の斜め上をいく展開。" }, { "title" : "中国人の胃袋-日中食文化考", "isbn" : "4862380980", "date" : "2009-06-03T22:53:31.000Z", "publisher" : "バジリコ", "authors" : "張競", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "自身のありったけの食体験を動員して、未知の料理に舌鼓をうつ。これが食のエッセイの醍醐味である。\u003cbr\u003e\r\n美食の宝庫である中華料理のエッセイというのは、自ずと期待値が高くなるのだが、これは及第点以上。筆者の筆力に感服した。中国庶民料理の数々(特に粉モン系)、ああ、食べてみたい。\u003cbr\u003e\r\n欲を言えば、中華料理に焦点を絞った方が良かったかも。韓国料理への考察はやや浅い印象で残念。" }, { "title" : "トイレのポツポツ", "isbn" : "4087712796", "date" : "2009-06-11T14:03:21.000Z", "publisher" : "集英社", "authors" : "原 宏一", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "中堅どころの食品会社・鴨之木製麺を舞台にしたサラリーマン小説。\u003cbr\u003e\r\n途中まではビターな後味の話が続くので、どうなるのかしらと思いつつ、最後まで一気に読んだ。いささか戯画的ではあるものの、起伏に富んでいて面白い。食品会社勤務の方が読んだらどんな感想を持つのか、ちょっと気になる。" }, { "title" : "かーかん、はあい 子どもと本と私", "isbn" : "4022505095", "date" : "2009-06-11T14:12:43.000Z", "publisher" : "朝日新聞出版", "authors" : "俵 万智", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "俵万智さんと息子の徒然が垣間見える、母と子の読書体験記。\u003cbr\u003e\r\n筆者のおめがねにかなった絵本はさすがに良作揃い。乳児からの絵本ガイダンス本として活用するのがおすすめ。しかし、ボリュームが物足りない。\u003cbr\u003e\r\n" }, { "title" : "正直書評。", "isbn" : "4054038727", "date" : "2009-06-15T13:43:48.000Z", "publisher" : "学習研究社", "authors" : "豊崎 由美", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "雑誌に掲載された書評をまとめたもの。雑誌刊行当時の新刊が対象なので、ラインナップについては、実はそれほど新鮮さはなかった。でもまあ、倉橋由美子の『偏愛文学館』などはチェックしてなかったので、参考にはなった。\u003cbr\u003e\r\n書評は所詮は個人の感想文である、に激しく同意。\r\n" }, { "title" : "淡淡有情", "isbn" : "4093895910", "date" : "2009-06-17T02:03:39.000Z", "publisher" : "小学館", "authors" : "平野 久美子", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "激動の20世紀を生きたカンボジア人エリート、ウォンサニットを描いたノンフィクション。\r\n裕福とはいえ、農民層出身の東南アジアのエリートというのは、相当珍しいのではないかと思う。\u003cbr\u003e\r\n特別南方留学生という制度があったことは知っていたが、戦前の日本人の偏見の強さを考えると(今もか?)、積極的に知りたいという気持ちにはならなかった。\r\nしかし、この本を読んで、私が勝手に想像していたものとは異なる面もあるようだ、と気づかされた。" }, { "title" : "金色の野辺に唄う", "isbn" : "4093797528", "date" : "2009-06-21T01:36:29.000Z", "publisher" : "小学館", "authors" : "あさの あつこ", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "因習の残る山陰の町で暮らし、92歳で大往生をとげた松恵。松恵との忘れ得ない思い出を持つ、残された者たちの物語がつづられる。\u003cbr\u003e\r\nものすごく面白いわけではないのだが、この作品の根底を流れる、豊穣な田舎の秋の空気がとても心地よかった。松恵の娘である奈緒子の章だけが、何となく消化不良。最終章はむしろ、奈緒子の姉に語らせた方が良かったかも。" }, { "title" : "パラドックス13", "isbn" : "4620107395", "date" : "2009-06-28T23:56:29.000Z", "publisher" : "毎日新聞社", "authors" : "東野 圭吾", "categories" : "", "score" : "★★", "comment" : "パニック小説。…の割には、展開に意外性がなくて残念。" }, { "title" : "薄闇シルエット", "isbn" : "4048737384", "date" : "2009-06-29T00:19:25.000Z", "publisher" : "角川書店", "authors" : "角田 光代", "categories" : "", "score" : "★★", "comment" : "友人と古着屋を共同経営している37歳のハナ。世間一般の価値観を受容しきれず、さりとて孤高に生きる決意もあるわけでもない、37歳女性の生活を描いた長編小説。\u003cbr\u003e\r\n主人公の性格もまあわかるし(共感できるほどでもないが)、「手作り教」に毒された母親や、姉に反発している妹、同志である友人、腐れ縁の恋人と、脇の人物造形も達者なのに、小説としてはなぜかさほど面白くない。「ええっ、これからどうなるの?」といった引力が欠けている感じがする。予定調和的な感じがするからかな…。" }, { "title" : "八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)", "isbn" : "4758434034", "date" : "2009-07-04T15:39:24.000Z", "publisher" : "角川春樹事務所", "authors" : "高田 郁", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "ほんわかした時代小説。上方で修行した女料理人、しかもかつての女主人と長屋暮らしという主人公の設定が良い。脇役も人情味たっぷりで嫌味がない。\u003cbr\u003e\r\n伏線が張られているものの、謎のままで終わっている事柄が幾つかあるので、これは次巻まで持ち越しか。続きを期待したい。" }, { "title" : "予定日はジミー・ペイジ", "isbn" : "4560091005", "date" : "2009-09-01T14:39:55.000Z", "publisher" : "白水社", "authors" : "角田 光代", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "妊娠小説。発表後、作者のもとには、関係各所から「いつのまに妊娠したんですか?」との質問が相次いだのだとか。自身が妊娠していなくても、これだけ書けるのはすごい。" }, { "title" : "実さえ花さえ", "isbn" : "4062150425", "date" : "2009-07-03T09:58:01.000Z", "publisher" : "講談社", "authors" : "朝井 まかて", "categories" : "", "score" : "★★★★★", "comment" : "種苗屋を営む若夫婦を軸にした人情もの。心から花を愛でる人、投機目的で珍奇な花を得ようとする人、そして美しい草木を育てることに命をかける花師。花師の目を通して見る江戸の暮らしというのがとにかく新鮮で面白い。\u003cbr\u003e\r\n時代小説初心者はもちろん、一通り基本は押さえた中級者にも推薦できる佳作。" }, { "title" : "秋月記", "isbn" : "4048739212", "date" : "2009-07-25T05:28:23.000Z", "publisher" : "角川グループパブリッシング", "authors" : "葉室 麟", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "史実もの。歴史上の人物を主人公に据えたことで、帳尻をあわせるための急ぎ足の展開、ややこじつけくさい心理描写が目についたのが残念。孤立無援となった主人公を、友人たちが助太刀するシーンなどは、結構な見せ場だと思うのだが、その割には全体的に友人たちの存在感が薄いなど、なんとなくちぐはぐな印象が残る。\u003cbr\u003e\r\n間小四郎という人物に材をとりつつ、全くのノンフィクションとして書いた方が良かったか。\r\n" }, { "title" : "警官の紋章", "isbn" : "4758411204", "date" : "2009-08-05T13:48:57.000Z", "publisher" : "角川春樹事務所", "authors" : "佐々木 譲", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "前作、前々作に比べると物足りない。" }, { "title" : "民族化する創価学会 ユダヤ人の来た道をたどる人々", "isbn" : "4062151073", "date" : "2010-05-23T12:17:09.000Z", "publisher" : "講談社", "authors" : "島田 裕巳", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "毀誉褒貶の激しい新興宗教・創価学会。\u003cbr\u003e\r\n多少色はついているものの、比較的冷静に創価学会の来し方行く末を考察した一冊。\u003cbr\u003e\r\n" }, { "title" : "ドント・ストップ・ザ・ダンス", "isbn" : "4408535524", "date" : "2009-10-06T03:48:32.000Z", "publisher" : "実業之日本社", "authors" : "柴田 よしき", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "最近不調が続いた(と個人的には見ている)「無認可保育園園長兼探偵ハナちゃん」シリーズの最新作。物語に引力があって、長編ながらすいすい読める。満足。" }, { "title" : "アフリカにょろり旅", "isbn" : "4062138689", "date" : "2009-11-01T07:02:29.000Z", "publisher" : "講談社", "authors" : "青山 潤", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "日本が世界に誇るパイオニア分野、ウナギ学に勤しむ研究者の珍道中記。\u003cbr\u003e\r\n数多のアフリカ・エッセイがあるが(曽野綾子、松本仁一、高野秀行…)、これほど明確な研究目的を持った、身体的にストイックなアフリカ探索のエッセイというのは、他にちょっと思いつかない。\u003cbr\u003e\r\nしかし、ウナギって未知の部分が多い生き物なんですな。それも意外。" }, { "title" : "コールドケース (集英社文庫)", "isbn" : "4087464288", "date" : "2009-10-06T03:44:18.000Z", "publisher" : "集英社", "authors" : "吉村 達也", "categories" : "", "score" : "★★", "comment" : "訴えられる透視捜査官という設定に惹かれて手に取った本だが、完全に肩透かしをくらった…。こんなに都合よく関係者が集合するのはいかがなものか。" }, { "title" : "RDG2 レッドデータガール はじめてのお化粧 (カドカワ銀のさじシリーズ)", "isbn" : "4048739522", "date" : "2009-08-19T16:59:59.000Z", "publisher" : "角川書店(角川グループパブリッシング)", "authors" : "荻原 規子", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "故郷・和歌山を離れて、心機一転、東京で高校生活を送ることになった泉水子。しかし、入学した鳳城学園は謎の多い学校だった。\u003cbr\u003e\r\n次巻への伏線か、ちょっと気を持たせるようなまだるっこしい描写が目に付くのが残念。でも3巻が出たら読んでしまうんだろうなあ。\r\n" }, { "title" : "英雄の書 上", "isbn" : "4620107336", "date" : "2009-08-19T16:50:55.000Z", "publisher" : "毎日新聞社", "authors" : "宮部 みゆき", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "最初の出だしはスピード感があって良いのだが、全体としては可も無く不可も無いファンタジー小説という印象。\u003cbr\u003e\r\nこの作者とファンタジーの相性が悪いと思うのは私だけではないはずだ。" }, { "title" : "脇役スタンド・バイ・ミー", "isbn" : "4103841052", "date" : "2010-03-24T15:39:34.000Z", "publisher" : "新潮社", "authors" : "沢村 凜", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "楽しい作品。\r\nたくらみが上手くいってる。" }, { "title" : "セカンド・ワイフ (集英社文庫)", "isbn" : "4087477517", "date" : "2009-09-03T23:42:48.000Z", "publisher" : "集英社", "authors" : "吉村 達也", "categories" : "", "score" : "★★", "comment" : "離婚歴のある夫は、まじめで家事も完璧。しかし、そこに言いようのない不安を覚える妻の奈緒美。なぜ、彼は前妻と離婚したのか?\u003cbr\u003e\r\n遅読な私でもあっという間に読めました。二時間サスペンスを小説にした感じ。種明かしの部分が弱いかな。" }, { "title" : "森に眠る魚", "isbn" : "4575236497", "date" : "2009-09-14T04:28:39.000Z", "publisher" : "双葉社", "authors" : "角田 光代", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "「子どもはのびのび育てたい」「小学校受験なんて子どもがかわいそう」と言っていた母親たちが、次第にお受験に駆り立てられ、翻弄されていくさまを描いた長編小説。\u003cbr\u003e\r\nテーマ設定も着眼点も良いのだけれど、味付けの部分で、ちょっと詰め込みすぎかなとも思う。登場人物も多すぎてごちゃごちゃしている感じ。純粋に小説の完成度を評価すると、やや低めの評価になる。心理ホラーとしてはそれなりに面白いのだが。" }, { "title" : "恋細工", "isbn" : "4103003138", "date" : "2009-10-15T00:42:41.000Z", "publisher" : "新潮社", "authors" : "西條 奈加", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "錺職人の世界を舞台にした時代小説。女ながら天賦のセンスを持つ錺工房の娘・お凛と、一匹狼で天才肌の職人・時蔵を軸にして物語は進む。\u003cbr\u003e\r\n錺職の世界が、女人禁制だったとは知らなかった。簪の知識がそれなりにあったので、面白く、ためになる一冊だった。" }, { "title" : "楠の実が熟すまで", "isbn" : "4048739646", "date" : "2009-10-15T00:54:23.000Z", "publisher" : "角川書店(角川グループパブリッシング)", "authors" : "諸田 玲子", "categories" : "", "score" : "★★★★★", "comment" : "良質のエンタメ時代小説。題材は面白そうなのに、どうも肌が合わない小説が多かった諸田作品だが、これは素直に面白かった。\u003cbr\u003e\r\n女隠密と帯にあったので、てっきり職業的隠密の話かと思っていたら、俄仕立ての郷士の娘が主人公。良い意味で初っ端から裏切られた。" }, { "title" : "世界遺産の町クスコで暮らす", "isbn" : "4884924223", "date" : "2009-10-20T13:07:45.000Z", "publisher" : "千早書房", "authors" : "すずき ともこ", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "テレビ番組「グッと地球便」に登場した筆者ご本人を見て、手に取った一冊。クスコで暮らす雑感をあれこれ綴ったライト・エッセイ。\u003cbr\u003e\r\n海外移住歴がない人間としては、「ははあ」とか「へへえ」とか感じる部分はあったが、「海外もの」エッセイという点からすればごくごく平凡。文章にオリジナリティが感じられないのもマイナス。読み手を揺さぶるな強烈な個性の煌きを期待していたので、ちょっと残念。" }, { "title" : "人物ノンフィクション〈3〉孤高の戦い人―後藤正治ノンフィクション集 (岩波現代文庫)", "isbn" : "4006031882", "date" : "2009-10-20T13:33:15.000Z", "publisher" : "岩波書店", "authors" : "後藤 正治", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "新刊が出たら必ず読む作家の一人(あとは多島斗志之、今邑彩)。\u003cbr\u003e\r\n次の新刊が出るまでまた間があくんだろうな、ちびちび味わって読まなきゃ…と思いつつも、本をめくる手が止まらない。\u003cbr\u003e\r\n今回は「勝負師」に取材したルポルタージュ。白眉はやはり故・仰木彬の章だろう。筆者の目を通して語られる野球人の軌跡、野球とともに人生を歩み続けた仰木氏の静かな熱が、読み手の胸を打つ。\u003cbr\u003e\r\n高校女子バレーの指導者・小川良樹の章も良かった。\u003cbr\u003e\r\nただ、筆者が趣味的に親しい競馬界をつづった福永祐一・北橋修二の章は不満。競馬に詳しくない読者には不親切な記述が目立った。" }, { "title" : "ヨコハマB-side", "isbn" : "4334926568", "date" : "2009-11-25T15:04:14.000Z", "publisher" : "光文社", "authors" : "加藤 実秋", "categories" : "", "score" : "", "comment" : "" }, { "title" : "訪問者", "isbn" : "4396633173", "date" : "2010-10-07T20:28:50.000Z", "publisher" : "祥伝社", "authors" : "恩田 陸", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "" }, { "title" : "用もないのに", "isbn" : "4163713905", "date" : "2009-11-25T15:04:18.000Z", "publisher" : "文藝春秋", "authors" : "奥田 英朗", "categories" : "", "score" : "", "comment" : "" }, { "title" : "ともしびマーケット (100周年書き下ろし)", "isbn" : "4062156288", "date" : "2009-12-20T23:25:24.000Z", "publisher" : "講談社", "authors" : "朝倉 かすみ", "categories" : "", "score" : "★★", "comment" : "習作じみた連作集。一応最後まで読んだが、時間を費やしたのが惜しまれる。" }, { "title" : "ステップ", "isbn" : "4120040178", "date" : "2009-12-18T04:56:02.000Z", "publisher" : "中央公論新社", "authors" : "重松 清", "categories" : "", "score" : "", "comment" : "" }, { "title" : "砂の器〈下〉 (新潮文庫)", "isbn" : "4101109257", "date" : "2009-12-18T04:56:00.000Z", "publisher" : "新潮社", "authors" : "松本 清張", "categories" : "", "score" : "", "comment" : "" }, { "title" : "銀二貫", "isbn" : "4344016831", "date" : "2009-12-18T04:59:13.000Z", "publisher" : "幻冬舎", "authors" : "高田 郁", "categories" : "", "score" : "★★★★★", "comment" : "寒天問屋に拾われた少年の成長を描く、ハートウォーム時代小説。\u003cbr\u003e\r\nヒロインの真帆、主人公の無二の友となる梅吉など、脇を固める人物の肉付けも良い。\u003cbr\u003e\r\n寒天の薀蓄も盛りだくさんで、その点でも十二分に楽しめた。" }, { "title" : "子どもはぜんぜん、悪くない。", "isbn" : "4062129019", "date" : "2009-12-20T23:39:20.000Z", "publisher" : "講談社", "authors" : "佐藤 弘道", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "体操のお兄さんを務めた12年間に接した子供の数、およそ15万人。この数字に驚かない人はいないと思う。\u003cbr\u003e\r\n非常にラフな育児論だったけれど、膨大な数の子供に接した人ならではの雑感という感じで面白かった。\u003cbr\u003e\r\nただ、寄稿が身内の手前味噌に過ぎるのは残念(3人中身内が2人)。「おかあさんといっしょ」のスタッフの方の文章のように、彼を知る身近な他人に「客観的に見た佐藤弘道」を書いてもらった方が深みも出たと思う。" }, { "title" : "シュガーな俺", "isbn" : "4418065326", "date" : "2010-01-19T09:46:35.000Z", "publisher" : "世界文化社", "authors" : "平山 瑞穂", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "本邦初(と思われる)アラサー糖尿病闘病小説。\u003cbr\u003e\r\n実体験に基づいた小説だけに、リアリティは十分。\u003cbr\u003e\r\n30歳前後で発症する糖尿病は、中高年とは異なる悲哀があることを痛感する。\u003cbr\u003e\r\n規則正しい食事時間と言われても、残業が当たり前の働き盛り。飲んだり食べたりする楽しみだって、まだまだこれからだと思っている年齢での発症である。これはしんどい。\u003cbr\u003e\r\n主人公の家庭は典型的DINKSなのだが、私は女性なので、つい主人公の奥さんの気持ちが気になる。仕事は激務、帰宅すれば精神的に不安定な糖尿病の夫。\u003cbr\u003e\r\n更にこの主人公はなんと浮気までしているのだが、もし現実にこんなことがあったら、女性側から離婚の話が出ると思う。\r\n" }, { "title" : "よろこびの歌", "isbn" : "4408535605", "date" : "2010-01-08T15:58:07.000Z", "publisher" : "実業之日本社", "authors" : "宮下 奈都", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "読んでじんわりとする歌の青春小説。\u003cbr\u003e\r\n舞台は新設の中堅女子高。\u003cbr\u003e\r\n2Bの生徒たちが歌を通して成長していく物語なのだが、歌の発表の場である校内合唱コンクールが山場にならないところがミソ。\u003cbr\u003e\r\nそれにしても、この女子高に通っている少女たちの進学理由が、(約1名を除き)どれもこれも消去法的選択で、そうそう、みんながみんな熱烈に希望して高校に入るわけじゃないよねえ、と妙に共感してしまった。" }, { "title" : "そんなはずない", "isbn" : "4048737643", "date" : "2010-01-08T01:01:03.000Z", "publisher" : "角川書店", "authors" : "朝倉 かすみ", "categories" : "", "score" : "★★", "comment" : "あらすじを読んだ限りでは面白そうだと思ったのだが、どうも肌に合わなかった。\u003cbr\u003e" }, { "title" : "氷の華", "isbn" : "4344013018", "date" : "2010-01-08T15:25:08.000Z", "publisher" : "幻冬舎", "authors" : "天野 節子", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "最後までハラハラさせられた長編ミステリ。\u003cbr\u003e\r\n物語の軸となる、ある女性事務員の殺人事件については、犯人もその動機も、早い段階で読者の前に開示されているのだが、その裏に仕組まれた「仕掛け」が一筋縄ではいかなかった。\u003cbr\u003e\r\n殺人に手を染めた女性と、殺人をするように仕向けた仕掛け人の頭脳戦が思わぬ展開になった後半に、このミステリの本領がある。\u003cbr\u003e" }, { "title" : "マノロブラニクには早すぎる", "isbn" : "4591112063", "date" : "2010-01-19T09:45:37.000Z", "publisher" : "ポプラ社", "authors" : "永井 するみ", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "ミステリとして読むと、意外性がなくて中途半端。\u003cbr\u003e\r\n最近の永井するみ作品には昔のようなきらめきがない。どうしちゃったのかな…。\u003cbr\u003e\r\n" }, { "title" : "ルポ資源大陸アフリカ―暴力が結ぶ貧困と繁栄", "isbn" : "4492211829", "date" : "2010-01-08T15:09:01.000Z", "publisher" : "東洋経済新報社", "authors" : "白戸 圭一", "categories" : "", "score" : "★★★★★", "comment" : "学生時代にアフリカに魅せられ、特派員としてアフリカ駐在を経験した新聞記者による、良質のノンフィクション。誤字脱字が目立ったのが惜しまれる。\u003cbr\u003e\r\n資源が豊富だからこそ生じる貧困と格差、暴力の負の連鎖が、アフリカで長らく暮らした筆者ならではの言葉で描き出されている。\u003cbr\u003e\r\n経済成長著しいアフリカだが、国全体が豊かになり、生活水準が大幅に向上するという状態からは程遠い。アフリカの現状は極端かもしれないが、反面教師として、日本が学ぶべき点は少なくない。\u003cbr\u003e\r\n何より、アフリカの混乱が、日本の治安を直に脅かす可能性もある。\u003cbr\u003e\r\nそれにしても、中国がアフリカ諸国に接近しているのは知っていたが、無政府状態と言われるソマリアに技術者を派遣している中国企業があるとは思わなかった。\u003cbr\u003e\r\nアフリカと東アジアの距離は、確実に縮まってきているのだろう。" }, { "title" : "オチケン、ピンチ!! (ミステリーYA!)", "isbn" : "4652086334", "date" : "2010-10-07T20:26:07.000Z", "publisher" : "理論社", "authors" : "大倉 崇裕", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "大学の落語研究会メンバーが活躍するドタバタミステリ。\u003cbr\u003e\r\nシリーズ2作目なのだが、1作目よりこなれてきている感じがする。\u003cbr\u003e\r\n同じ作者の『季刊落語』シリーズを読んでいれば、随所でニヤリとできます。\u003cbr\u003e\r\nそれにしても、典型的な「巻き込まれ型探偵」越智健一君、摩訶不思議な先輩二人の下でちょっとずつ成長しているのが頼もしい。しかも実は落語の才能もありそうな…。\u003cbr\u003e\r\nシリーズ第3弾を熱烈希望。\r\n" }, { "title" : "雀のお宿 (時代小説文庫)", "isbn" : "4758432236", "date" : "2010-01-30T13:41:51.000Z", "publisher" : "角川春樹事務所", "authors" : "今井 絵美子", "categories" : "", "score" : "★★", "comment" : "中国地方の小藩を舞台にした、シリーズ二冊目の短編集。\u003cbr\u003e\r\n全体としては悪くない。が、一作目の続編のような短編が一篇あり、前作の舞台設定の説明に終始したのは残念。\u003cbr\u003e\r\nただ、もっと上手くなる作家のような気がする。" }, { "title" : "ロスト・トレイン", "isbn" : "4103120827", "date" : "2010-02-01T00:21:09.000Z", "publisher" : "新潮社", "authors" : "中村 弦", "categories" : "", "score" : "★★★★★", "comment" : "謎解きの部分も秀逸な、大人の冒険小説。ファンタジー+ミステリ+鉄道が融合するとこんな小説ができるのね、と驚いた。\u003cbr\u003e\r\n私はこの作家のデビュー作も読んでいるが、格段にうまくなったと感じる。次作も期待!" }, { "title" : "田村はまだか", "isbn" : "4334925987", "date" : "2010-02-02T23:24:21.000Z", "publisher" : "光文社", "authors" : "朝倉 かすみ", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "おそらくこの作家さんの本の中で最も話題になった一冊。\u003cbr\u003e\r\nなのだが、どうも個人的に波長があわなかった。\u003cbr\u003e\r\n著者は普通の常識的な女性とお見受けする。毎回、貞操観念のユルい人物を無理やり登場させる必要はないと思うのだが…。" }, { "title" : "メモリークエスト", "isbn" : "4344016556", "date" : "2010-12-06T08:12:09.000Z", "publisher" : "幻冬舎", "authors" : "高野 秀行", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "一般公募で募った「旅先で出会った忘れ得ないあの人」を探し出そうと言う、作者発案の企画の顛末をまとめた一冊。\r\n相変わらず変なことを考える人である。\r\n5人の「思い出の人」を追うエピソードはそれぞれに面白いが、作者個人のクエストである第4章がやはり一番面白かった。リンガラ語をとっかかりに南アフリカを旅するなんてビックリである。作者が真面目に辺境を探索してきた集大成と言う感じがする。" }, { "title" : "ヒロインの日本史―時代を彩った女性100人 (ベスト新書)", "isbn" : "4584121079", "date" : "2010-02-07T23:09:46.000Z", "publisher" : "ベストセラーズ", "authors" : "梓澤 要", "categories" : "", "score" : "★★", "comment" : "日本史上に名をはせた女性100人の略歴集。\u003cbr\u003e\r\n突っ込んだ人物評はないので、100人のラインナップに目新しさを感じない場合は、あまり読む価値がない。\u003cbr\u003e\r\n歴史初心者向け。" }, { "title" : "赤めだか", "isbn" : "4594056156", "date" : "2010-02-09T01:54:33.000Z", "publisher" : "扶桑社", "authors" : "立川 談春", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "落語家の世界に興味がある人には良い一冊。後半になればなるほど雑な文章になっているのは残念。とは言え、それも落語的砕け方なのだが。\u003cbr\u003e\r\n立川談志という人がなかなかに合理主義だったこともわかる。\u003cbr\u003e\r\n除夜の雪にまつわる米朝師匠との交流、談春の真打昇進をめぐる小さんと談志のエピソードが心に残った。" }, { "title" : "ひなた弁当", "isbn" : "4120040798", "date" : "2010-02-14T15:51:32.000Z", "publisher" : "中央公論新社", "authors" : "山本 甲士", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "読めばほっこり元気が出る長編小説。\u003cbr\u003e\r\nしかし、そこそこの住宅地周辺(ペットの多い場所)で自生しているものって、衛生的にどうなんでしょうね。" }, { "title" : "シングルベル", "isbn" : "4022504382", "date" : "2010-02-24T02:04:52.000Z", "publisher" : "朝日新聞出版", "authors" : "山本 幸久", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "三婆軍団がパワフルな婚活小説。\u003cbr\u003e\r\nこの作家さんの本を初めて読んだのだが、コミカルで軽い文章に好感が持てた。\u003cbr\u003e\r\nもっと伸びる作家さんだと思う。" }, { "title" : "ママの友達", "isbn" : "4334925391", "date" : "2010-03-01T06:11:50.000Z", "publisher" : "光文社", "authors" : "新津 きよみ", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "さくっと読めてすっとする、娯楽小説のお手本。\u003cbr\u003e\r\n女の子のねっとりした友情が底辺にあるので、男性にはあまり面白くないかも。今は大人になってしまった「かつての女子」におススメ。" }, { "title" : "ヤッさん", "isbn" : "4575236756", "date" : "2010-03-01T06:09:58.000Z", "publisher" : "双葉社", "authors" : "原 宏一", "categories" : "", "score" : "", "comment" : "" }, { "title" : "風の邦、星の渚―レーズスフェント興亡記", "isbn" : "4758411166", "date" : "2010-03-05T03:51:17.000Z", "publisher" : "角川春樹事務所", "authors" : "小川 一水", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "中世ドイツ、とある寒村に一人の騎士が訪れたことから物語は始まる。\u003cbr\u003e\r\nこれが2X世紀の宇宙と繋がってSF的展開をしていくのか、SF作家さんだもんなあ…とわくわくしながら読んでいたら、なんと、舞台はずっと中世ドイツのままでした。これには久々にびっくりした!確かにちょびっとSF的香りは盛り込まれていましたが。\u003cbr\u003e\r\nいや、でも恋あり、友情あり、兄弟愛あり、の王道の冒険活劇で面白かったです。" }, { "title" : "うさぎ幻化行 (創元クライム・クラブ)", "isbn" : "448802534X", "date" : "2010-03-18T09:29:37.000Z", "publisher" : "東京創元社", "authors" : "北森 鴻", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "2010年1月に急逝した北森鴻の、遺作となった長編ミステリ。\u003cbr\u003e\r\n音のミステリという着眼は良いのだが、その終着点がいまひとつ。全盛期の北森作品なら、もう一ひねりか二ひねりはしていたはず。\u003cbr\u003e\r\nここ数年来のくどい文体にも、ついに馴染めなかった。\u003cbr\u003e\r\nそれでも、この作家の紡ぎ出す世界観は好きだった。これで最後と思うと本当に残念。\u003cbr\u003e\r\n作者の死を悼み、評価は★4つ。甘いかな。" }, { "title" : "暴走育児―夫の知らない妻と子のスウィートホーム (ちくま新書)", "isbn" : "4480065180", "date" : "2010-03-23T23:00:53.000Z", "publisher" : "筑摩書房", "authors" : "石川 結貴", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "暴走する育児現場のエピソードを、これでもか、これでもかと重ねていくどぎつい内容。\u003cbr\u003e\r\nこの作者のこれまでの育児本は、解決方法も含め、バランス感覚が取れた考察があった。それが殆ど見られない本作は、新書という形態を考慮するとしても、やや期待はずれ。\u003cbr\u003e\r\n挙げられているエピソードに使い古したものが多いのも残念。\u003cbr\u003e\r\n面白いと思ったのは、「育児に頑張らなくても批判されない母親」に対して、「育児に頑張りが足りないと常に叱咤される父親」の構図が形成されつつあるという指摘。世のお父さん方は概ね頑張っていると思うのだが、これでは報われないだろう。\u003cbr\u003e\r\n母子手帳の記述の変遷は、厚労省などに取材して深化できれば面白かったと思う。" }, { "title" : "家族の勝手でしょ!写真274枚で見る食卓の喜劇", "isbn" : "4103058528", "date" : "2010-03-24T00:16:01.000Z", "publisher" : "新潮社", "authors" : "岩村 暢子", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "写真提出を伴う食卓調査から浮かび上がる現代の食の問題点の数々。それを列挙したのが本書である。\u003cbr\u003e\r\n章立てについては、「いくらなんでもこれは良くない」というものと、「これは許容範囲なのでは」というものが混在している印象。平日の朝ご飯が家族バラバラ(遠距離通勤の父親と小学生の子供が6時に食卓を囲むのは無理がある)、赤ちゃんの一人食べ(今はお役所が虫歯菌感染予防のために親とは食事を分けるよう指導)は、後者かと思う。\u003cbr\u003e\r\n前作を読んでも思ったことだが、現代の食卓を調査・分析する以上、何が異常なのかを指摘する覚悟が筆者に欲しい。\u003cbr\u003e\r\n調査対象(1960年代以降生まれ、子育て中)に合致する料理研究家数名に、1週間総額7000円相当の食事を作ってもらい、比較サンプルとしてはいかがかと思う。\u003cbr\u003e\r\nそれにしても調査1日目と最終日の落差はひどい。調査期間1週間、最終日平日という調査は、方法論として正しいと言わざるを得ない。" }, { "title" : "ゲゲゲの女房", "isbn" : "4408107271", "date" : "2010-04-08T23:11:08.000Z", "publisher" : "実業之日本社", "authors" : "武良 布枝", "categories" : "", "score" : "★★★★★", "comment" : "水木しげるの妻の自伝。夫の才能を信じ続け、支え続けた女性の半生記である。\u003cbr\u003e\r\n一見古風な大和撫子なのだが、不遇時代の水木しげるを見て「夫は今に大物になる」と看破した感覚は尋常ではない。この布枝さんの人を見る目が、水木しげるの人生に相当プラスに働いたのではないかと思う。\u003cbr\u003e\r\n何より、この布枝さんがいなければ、水木しげるは陽の目を見る前に死んでいたであろう。死後、幻の天才漫画家として発掘されることはあったかもしれないが…。\u003cbr\u003e\r\n夫妻の写真も何枚か掲載されているが、年々味わい深くなっていく二人の姿が素敵である。\u003cbr\u003e\r\n読みやすく、それでいて平板でない文章も素晴らしい。" }, { "title" : "お父ちゃんと私―父・水木しげるとのゲゲゲな日常", "isbn" : "4903548112", "date" : "2010-04-08T22:58:22.000Z", "publisher" : "やのまん", "authors" : "水木 悦子", "categories" : "", "score" : "★★", "comment" : "これを読むと、改めて[[4408107271]]の素晴らしさがわかる。\u003cbr\u003e\r\n向こうは本職のライターさんの添削が入っているので、比べるのも酷だとは思うが、それにしても、文章の質って大事だなと思う。" }, { "title" : "ひとり誰にも看取られず 激増する孤独死とその防止策", "isbn" : "448407219X", "date" : "2010-04-08T23:08:42.000Z", "publisher" : "阪急コミュニケーションズ", "authors" : "NHKスペシャル取材班\u0026佐々木とく子", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "孤独死の実態とその防止策を、実践例を含めて紹介したノンフィクション。\u003cbr\u003e\r\n現代の社会において、ひっそりと死にたいなんておこがましい。このことが強く心に迫った。\u003cbr\u003e" }, { "title" : "ピョートル大帝の妃―洗濯女から女帝エカチェリーナ一世へ", "isbn" : "4794211643", "date" : "2010-04-08T23:02:57.000Z", "publisher" : "草思社", "authors" : "河島 みどり", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "再読。" }, { "title" : "暁と黄昏の狭間〈3〉角獣の書 (トクマ・ノベルズEdge)", "isbn" : "4198507848", "date" : "2010-04-17T00:07:30.000Z", "publisher" : "徳間書店", "authors" : "西魚 リツコ", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "" }, { "title" : "暁と黄昏の狭間〈2〉薬王樹の書 (トクマ・ノベルズEdge)", "isbn" : "4198507791", "date" : "2010-04-17T00:08:31.000Z", "publisher" : "徳間書店", "authors" : "西魚 リツコ", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "骨太ファンタジーのシリーズ第2弾。\u003cbr\u003e\r\n謎のリヴォ人・ケリードがかっこよすぎます。" }, { "title" : "暁と黄昏の狭間〈1〉竜魚の書 (トクマ・ノベルズedge)", "isbn" : "4198507740", "date" : "2010-04-17T00:06:11.000Z", "publisher" : "徳間書店", "authors" : "西魚 リツコ", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "予想以上に骨太で大人仕様のファンタジー。\u003cbr\u003e\r\n作者はもとは漫画家らしいのだが、人物造詣と会話のうまさに唸らされる。" }, { "title" : "暁と黄昏の狭間〈4〉甲蛇の書 (トクマ・ノベルズEdge)", "isbn" : "4198508046", "date" : "2010-05-17T23:47:54.000Z", "publisher" : "徳間書店", "authors" : "西魚 リツコ", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "" }, { "title" : "竜の涙 ばんざい屋の夜", "isbn" : "4396633327", "date" : "2010-05-18T23:36:25.000Z", "publisher" : "祥伝社", "authors" : "柴田 よしき", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "" }, { "title":null,"isbn" : "4103227214", "date" : "2010-05-26T06:24:15.000Z", "publisher":null,"authors" : "", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "アラフォー女性が主役の短編集。\u003cbr\u003e\r\nどれも平均以上の安定した短編でハズレがなかった。\u003cbr\u003e\r\n女性作家の作品に見られがちな、粘っこい心理描写がなく、さらっとしているのもある意味貴重。\u003cbr\u003e\r\n女二人の屈折した友情とゲイの恋愛話が絡む表題作が好み。" }, { "title" : "アネモネ探偵団 香港式ミルクティーの謎", "isbn" : "4840132615", "date" : "2010-06-02T00:17:32.000Z", "publisher" : "メディアファクトリー", "authors" : "近藤 史恵", "categories" : "", "score" : "★★", "comment" : "" }, { "title" : "モラトリアムな季節", "isbn" : "4334927009", "date" : "2010-05-30T22:57:31.000Z", "publisher" : "光文社", "authors" : "熊谷 達也", "categories" : "", "score" : "★★", "comment" : "名作『七夕しぐれ』の続編。…なのだが、これは続編がない方が良かった。当時を俯瞰的に見ている現在の主人公の述懐がうだうだと入って、全体にだらだらした感じ。\u003cbr\u003e\r\n残念。" }, { "title" : "インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日", "isbn" : "4087814343", "date" : "2010-06-13T03:25:28.000Z", "publisher" : "集英社", "authors" : "中村 安希", "categories" : "", "score" : "★★", "comment" : "著者の行動力には感服するが、はっとするような著者独自の感性を感じられない。考えることが、どこかで読んだような内容なのである。\u003cbr\u003e\r\nアフリカの援助慣れについてなら、曽野綾子のルポを読む方がよほど鮮烈で刺激的。\u003cbr\u003e\r\n思索をつらつら綴るよりも、旅行記録に力点を置いた方が面白かったのではないかと思う。" }, { "title" : "エデン", "isbn" : "410305252X", "date" : "2010-06-13T03:28:11.000Z", "publisher" : "新潮社", "authors" : "近藤 史恵", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "サクリファイスほどではないにしても、及第点の自転車ロードレース小説。\u003cbr\u003e\r\n第九章魔物のシーンが印象に残る。" }, { "title" : "闇の奥", "isbn" : "4163288805", "date" : "2010-06-18T21:20:04.000Z", "publisher" : "文藝春秋", "authors" : "辻原 登", "categories" : "", "score" : "", "comment" : "" }, { "title" : "七人の敵がいる", "isbn" : "4087713563", "date" : "2010-10-07T20:30:03.000Z", "publisher" : "集英社", "authors" : "加納 朋子", "categories" : "", "score" : "★★★★★", "comment" : "加納朋子がPTA小説を書く日が来ようとは…!\u003cbr\u003e\r\n" }, { "title" : "想い雲―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)", "isbn" : "4758434646", "date" : "2010-07-28T00:38:58.000Z", "publisher" : "角川春樹事務所", "authors" : "高田 郁", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "" }, { "title" : "おれのおばさん", "isbn" : "4087713482", "date" : "2010-08-02T13:41:59.000Z", "publisher" : "集英社", "authors" : "佐川 光晴", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "" }, { "title" : "白戸修の狼狽", "isbn" : "4575236896", "date" : "2010-08-12T12:10:12.000Z", "publisher" : "双葉社", "authors" : "大倉 崇裕", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "お人好しの草食系男子、白戸修が帰ってきた!" }, { "title" : "Dカラーバケーション(インディゴの夜)", "isbn" : "4488024572", "date" : "2010-10-12T09:03:12.000Z", "publisher" : "東京創元社", "authors" : "加藤 実秋", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "あの個性派ホストたちにもついに後輩ができてしまった。ちょっと大人になった彼らが頼もしくもあり、反面寂しくもある。" }, { "title" : "結婚失格", "isbn" : "4062137062", "date" : "2010-10-06T13:47:30.000Z", "publisher" : "講談社", "authors" : "枡野 浩一", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "離婚に至る経緯を小説に仕立てた、限りなくノンフィクションに近い(であろう)フィクション。\u003cbr\u003e\r\n書評小説という形態は、この本のほかには寡聞にして知らない。その試み自体は面白かった。ただ、離婚に至る物語については話半分に読んだ(男女の別を問わず、相手に不利なことを公に書き綴る人間は好きではない。相手に反論の機会がきちんと与えられていたら別だが)。\u003cbr\u003e\r\nこれを読んで南Q太という漫画家に興味が湧いた。" }, { "title" : "ひそやかな花園", "isbn" : "4620107565", "date" : "2010-10-16T02:33:03.000Z", "publisher" : "毎日新聞社", "authors" : "角田 光代", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "筆者の生命観はよくわかるが、それだけで小説を成立させるにはちょっと弱いかも。\u003cbr\u003e\r\nそれにしても、角田さんほど上手く「女をイライラさせる女」を書く作家を私は他に知らない。\r\n" }, { "title" : "ルームメイト (C・NOVELS)", "isbn" : "4125004870", "date" : "2010-10-20T23:11:09.000Z", "publisher" : "中央公論社", "authors" : "今邑 彩", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "久々に再読。ミステリの種明かし的部分は今となっては古い感じもするが、読み手を惹きつけて離さない文章はさすが!\u003cbr\u003e\r\n最近文庫本で再注目されているようで、昔からのファンとしては本当に嬉しい。もっともっとメジャーになって良い作家だと思う。\u003cbr\u003e\r\n『蛇神』シリーズも読み直したくなってきた。" }, { "title" : "千年の時をこえて (エンタティーン倶楽部)", "isbn" : "4052028856", "date" : "2011-02-11T09:01:12.000Z", "publisher" : "学習研究社", "authors" : "沢村 凜, 竹岡 美穂", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "もとは小学生向けの雑誌で連載されていたミステリ。\u003cbr\u003e\r\n万葉集で解き明かされる日常の謎。なかなか斬新。" }, { "title" : "つばさものがたり", "isbn" : "4093862842", "date" : "2010-11-02T01:12:40.000Z", "publisher" : "小学館", "authors" : "雫井 脩介", "categories" : "", "score" : "★★", "comment" : "飲食業界で成功するためには、鋭敏な味覚は命だと思う。私は、味覚の鋭さ=心身の健康さの証だと思っているので、主人公のパティシエールの設定に無理がありすぎるように感じた。\u003cbr\u003e\r\nそして、この主人公に一つの枷をはめてしまったがために、ラストは完全に予測できてしまう。これが泣かせる物語だとしたら、あまりにも安直。" }, { "title" : "あんじゅう―三島屋変調百物語事続", "isbn" : "4120041379", "date" : "2010-10-31T11:44:17.000Z", "publisher" : "中央公論新社", "authors" : "宮部 みゆき", "categories" : "", "score" : "", "comment" : "" }, { "title" : "小鳥を愛した容疑者", "isbn" : "4062163497", "date" : "2011-02-21T12:15:32.000Z", "publisher" : "講談社", "authors" : "大倉 崇裕", "categories" : "", "score" : "★★★★★", "comment" : "文句なしの★5つ本。\u003cbr\u003e\r\n怪我で第一線を退かざるを得なくなった熟年敏腕刑事・須藤と、動物の知識については右に出るものがいない新米女性警官・薄の異色コンビが織り成す、コメディー要素たっぷりのミステリ。\u003cbr\u003e\r\n警察官としては規格外のキャラ、薄圭子が良い味を出している。須藤との会話はもうコントである。\u003cbr\u003e\r\n須藤の悪友である石松も素敵。\u003cbr\u003e\r\nこの作者はこういう軽いミステリを書かせると本当に上手い。\u003cbr\u003e\r\nシリーズ化を熱烈希望!" }, { "title" : "ちゃんちゃら", "isbn" : "4062164205", "date" : "2010-11-23T01:25:56.000Z", "publisher" : "講談社", "authors" : "朝井 まかて", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "庭師一家「植辰」の江戸っ子気質が眩しい時代ミステリ。\u003cbr\u003e\r\n江戸時代の作庭は知らないことだらけで新鮮。\u003cbr\u003e\r\nただ、ミステリの謎解きにも相当の重心があったためか、主人公2人の感情描写が少し雑だったのが残念。\u003cbr\u003e\r\nともあれ、最後がハッピーエンドで本当に良かった!\r\n" }, { "title" : "トロイメライ", "isbn" : "4048741004", "date" : "2010-12-01T23:44:50.000Z", "publisher" : "角川書店(角川グループパブリッシング)", "authors" : "池上 永一", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "『テンペスト』の続編(外伝?)的小説。前作が武家小説だとすると、こちらは市井もの。\u003cbr\u003e\r\n主人公の、お調子者の駆け出し筑佐事(岡っ引き)・武太のキャラクターが良い。最初は、こんな主人公に共感できるのか不安だったが、段々出来の悪い弟を見守るような気分になってくるから不思議。三線に天才的な才能を持っているという裏設定も美味しい。\u003cbr\u003e\r\nそれにしてもこの小説で描かれる那覇の、エネルギッシュで美しいこと!" }, { "title" : "柚子の花咲く", "isbn" : "4022507535", "date" : "2010-12-01T23:51:32.000Z", "publisher" : "朝日新聞出版", "authors" : "葉室 麟", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "藩同士の領土争いを縦糸に、身分によって報われぬ恋を横糸に織り込んだ時代小説。\u003cbr\u003e\r\n『銀漢の賦』のような小説をもっと読みたいと思っていたので、個人的には満足。\r\n何より、ハッピーエンドで良かった。最後で安易なお涙頂戴ものにしなかったのは作者の英断。" }, { "title" : "御師(おんし) 弥五郎―お伊勢参り道中記", "isbn" : "4396633475", "date" : "2010-12-07T05:15:27.000Z", "publisher" : "祥伝社", "authors" : "西條 奈加", "categories" : "", "score" : "★★★★★", "comment" : "江戸時代の旅行コーディネーター兼添乗員”御師(おんし)”が主人公の、異色のロードノベル時代小説。\u003cbr\u003e\r\n恋あり、友情あり、裏切りあり。しかもあとあとまで利いている伏線も見事。巧みな時代小説だった。満足。" }, { "title" : "キング&クイーン (100周年書き下ろし)", "isbn" : "4062162237", "date" : "2010-12-28T04:38:56.000Z", "publisher" : "講談社", "authors" : "柳 広司", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "チェスとミステリの融合。この発想は良いと思うのだが、ミステリの謎の部分が弱い。人物も魅力的で嫌味がないだけに、本当に惜しい。" }, { "title" : "すごい弁当力!―子どもが変わる、家族が変わる、社会が変わる", "isbn" : "4772704809", "date" : "2011-02-04T08:08:51.000Z", "publisher" : "五月書房", "authors" : "佐藤 剛史", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "弁当作りを通して食と向き合う、その試みのレポートである。\u003cbr\u003e\r\n作者の言わんとしていることはわかるのだが、根本的なところで違和感が残った。\u003cbr\u003e\r\n男も女も食にもっと関心を払うべしと言いながら、どこかで「食事=(男性より暇な)女性が作るもの」「家庭の味=おふくろの味」と筆者が考えている節がある(実際、筆者は講演会で受講者の女性から男尊女卑的思想ではないかと詰め寄られた際、満足な回答を返していない)。女性もこき使われる現代、このような前提では結論の説得力も目減りするというものだ。\u003cbr\u003e\r\nそれよりも心に残ったのは、本書で引用された内田美智子の育児論である。子供の食事が何故「親の手作り」である必要があるのか、一つの答えが提示されており、非常に興味深かった。" }, { "title" : "禁じられた歌―朝鮮半島音楽百年史 (中公新書ラクレ)", "isbn" : "4121502698", "date" : "2010-12-28T04:37:25.000Z", "publisher" : "中央公論新社", "authors" : "田 月仙", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "朝鮮半島の大衆歌謡の概説書として見れば、及第点の一冊。\u003cbr\u003e\r\n半ばまで読んだ印象は、著者の交友関係の範囲で無理のない取材をしたのかな、というものだった。が、現在のK-POPの源流である”ソテジ・ワ・アイドゥル”にきっちり言及しているくだりがあり、考えを改めた。\u003cbr\u003e\r\n著者は意外にもバランスの良い歌謡史観の持ち主なのかもしれない。\u003cbr\u003e\r\n著者の強烈な(ややもすると排他的な)愛国意識がときどき鼻をつくが、それは我慢。" }, { "title" : "美月の残香 (光文社文庫)", "isbn" : "4334744079", "date" : "2010-12-28T04:43:26.000Z", "publisher" : "光文社", "authors" : "上田早夕里", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "ミステリ部分にもっと捻りが欲しい。\u003cbr\u003e\r\nただ、香りに惑わされ、翻弄される心理には説得力がある。もっと作りこめば名作になりそうな材料が揃っていただけに、残念。\u003cbr\u003e" }, { "title" : "今朝の春―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-4 時代小説文庫)", "isbn" : "4758435022", "date" : "2011-01-28T00:18:16.000Z", "publisher" : "角川春樹事務所", "authors" : "高田 郁", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "" }, { "title" : "善人長屋", "isbn" : "4103003146", "date" : "2011-01-15T01:20:37.000Z", "publisher" : "新潮社", "authors" : "西條 奈加", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "期待を裏切らないエンターテインメント時代小説。\u003cbr\u003e\r\n大家も店子も善人揃いなことから「善人長屋」とあだ名される千七長屋。しかし実は全員が、裏稼業で名を鳴らす小悪党の集まりだった。そこへ根っからのお人よし、加助がひょんなことから棲むことになり、小悪党たちは右往左往。\u003cbr\u003e\r\n小悪党たちが個性的で憎めないのが良い。\u003cbr\u003e\r\nそれにしても、主人公格のお縫ちゃんと文吉のほのかな恋模様はどうなるのか…。" }, { "title" : "蜜姫村", "isbn" : "4758411654", "date" : "2011-01-19T19:40:48.000Z", "publisher" : "角川春樹事務所", "authors" : "乾 ルカ", "categories" : "", "score" : "★★", "comment" : "ストーリーの起伏がなく、意外性に乏しい伝奇もの。\u003cbr\u003e\r\n伝奇ものの肝は現実を反転させるような恐ろしさだと思っているのだが、それが感じられないのが致命的。" }, { "title" : "漂流するトルコ―続「トルコのもう一つの顔」", "isbn" : "4947702680", "date" : "2011-01-22T18:57:47.000Z", "publisher" : "旅行人", "authors" : "小島 剛一", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "カルチャーショックの詰まったノンフィクション。言論の自由とは、自分の発言に対する責任の示し方とは何であるのか、考えさせられる。\u003cbr\u003e\r\nただ、前作の方が内容が濃く、しかも抑制のきいた文章で面白かった。\u003cbr\u003e\r\nどうやら前作は相当文章を直されたようで、下書きを読んだ方などは「下書きの方がエネルギーがあった」と嘆いたそうだが、今作と比較すると、やはり添削した中央公論社の編集者は偉かったと思う。\u003cbr\u003e\r\nこの人の理屈っぽくて反骨精神の塊のような文章、どこかで読んだことがあるなあと思ったら、萩原遼に似ているのだった。知的であるが、どこかメインストリームにいない人の文章であるように思う。" }, { "title" : "幻視時代", "isbn" : "412004159X", "date" : "2011-01-23T14:24:51.000Z", "publisher" : "中央公論新社", "authors" : "西澤 保彦", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "根幹となるストーリーはなるほど納得の展開。味付けがちょっとごちゃごちゃしているのが惜しい。" }, { "title" : "無縁社会", "isbn" : "4163733809", "date" : "2011-02-02T06:54:11.000Z", "publisher" : "文藝春秋", "authors" : "NHK「無縁社会プロジェクト」取材班", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "「無縁社会」という言葉の持つインパクト。茫漠とした語感には、やはり寒々しいものを感じる。\u003cbr\u003e\r\nとはいえ、田舎の濃密な人間関係や、情報筒抜け社会に、今更日本が戻れるとは思わない。中庸とは何処にあるのか考えさせられる。" }, { "title" : "桃色東京塔", "isbn" : "416329130X", "date" : "2011-02-04T08:04:32.000Z", "publisher" : "文藝春秋", "authors" : "柴田 よしき", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "警察官同士の遠距離恋愛という設定が新鮮。\u003cbr\u003e\r\n男性主人公である黒田の成長物語として見れば、十二分に楽しめる。\u003cbr\u003e\r\nただ、過疎地域についての描写は、読むほどに、「ああ、この作者は過疎地域で暮らしたことがないんだろうなあ。」と感じてしまう。妙に説教くさい割りにリアリティが薄いと言おうか…。\u003cbr\u003e\r\n" }, { "title" : "千年の時の彼方に (エンタティーン倶楽部)", "isbn" : "4052031571", "date" : "2011-02-11T09:01:29.000Z", "publisher" : "学習研究社", "authors" : "沢村 凜", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "ジュブナイル風万葉集ミステリの完結編。\u003cbr\u003e\r\n最終章、マコマの呪いを解く方法も納得。何より、主人公ちゃんがけなげで可愛い。\u003cbr\u003e\r\n" }, { "title" : "暗き夢に閉ざされた街 (ポプラ文庫ピュアフル)", "isbn" : "4591118290", "date" : "2011-03-10T23:41:44.000Z", "publisher" : "ポプラ社", "authors" : "あさの あつこ", "categories" : "", "score" : "", "comment" : "" }, { "title" : "墓標なき草原(上) 内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録", "isbn" : "4000247719", "date" : "2011-03-15T10:27:19.000Z", "publisher" : "岩波書店", "authors" : "楊 海英", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "このような告発の書が日本語で出版されるとは。日本の出版界の矜持を見る思いがする\u003cbr\u003e\r\n文革中、モンゴル族の知識人たちが受けた艱難辛苦、連座して迫害を受けた家族たちの呻吟は察するに余りある。\u003cbr\u003e\r\nそして、そのようなモンゴル人の知識層の誕生に、日本人が大いに関わっていることを、今一度思い起こしたい。\u003cbr\u003e\r\n" }, { "title" : "烏金", "isbn" : "4334925634", "date" : "2011-03-15T10:15:11.000Z", "publisher" : "光文社", "authors" : "西條 奈加", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "作者にとっては初の本格時代小説(多分)。\u003cbr\u003e\r\nそれなりに面白いのだが、ある参考文献のエッセンス(その参考文献の中でも肝の部分)をそのまま流用しているところがあり、頂けない。\u003cbr\u003e\r\nこの続編にあたる『はむ・はたる』が滅法面白かったので遡って読んでみたのだが、個人的には微妙な評価にならざるを得ない。" }, { "title" : "泥棒猫ヒナコの事件簿 あなたの恋人、強奪します。 (徳間文庫)", "isbn" : "419893259X", "date" : "2011-04-13T01:04:45.000Z", "publisher" : "徳間書店", "authors" : "永嶋 恵美", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "なかなか面白かった。モラハラ彼氏を撃退する第1話なんて、思わず「お見事!」と叫んでしまった。" }, { "title" : "無花果の実のなるころに", "isbn" : "4488024718", "date" : "2011-04-13T01:11:43.000Z", "publisher" : "東京創元社", "authors" : "西條 奈加", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "爽やかな青春小説" }, { "title" : "マイノリティーの拳", "isbn" : "4103019719", "date" : "2011-04-28T21:35:01.000Z", "publisher" : "新潮社", "authors" : "林 壮一", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "見た目殴り合いであるところのボクシングを、好んで観戦することはない私だが、このノンフィクションは良かった。\u003cbr\u003e\r\nフォアマンの章が特に良い。" }, { "title" : "リビング", "isbn" : "4120030857", "date" : "2011-04-21T02:14:09.000Z", "publisher" : "中央公論新社", "authors" : "重松 清", "categories" : "", "score" : "", "comment" : "" }, { "title" : "宇津木魂 女子ソフトはなぜ金メダルが獲れたのか (文春新書)", "isbn" : "4166606662", "date" : "2011-04-25T21:02:22.000Z", "publisher" : "文藝春秋", "authors" : "宇津木 妙子", "categories" : "", "score" : "★★★★★", "comment" : "宇津木妙子とはいかなる人物か、興味がある人には是非一読をお勧めしたい。\u003cbr\u003e\r\n指導者哲学もさることながら、シンプルで素直な文章に好感を持った。筆者本人のお人柄であろう。\u003cbr\u003e\r\n指導者哲学については、シンクロの井村雅代さんと非常に共通点が多いのが印象的だった。\u003cbr\u003e\r\n女性のスポーツでも、女性が指導者となるには、高くて険しい壁があることを、改めて感じる。" }, { "title" : "贖罪 (ミステリ・フロンティア)", "isbn" : "4488017568", "date" : "2011-04-24T13:45:52.000Z", "publisher" : "東京創元社", "authors" : "湊 かなえ", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "この作者の本を初めて読んだが、リーダビリティの高い書き手だというのが第一印象。" }, { "title" : "NO.6〔ナンバーシックス〕#2 (YA!ENTERTAINMENT)", "isbn" : "4062122294", "date" : "2011-04-27T00:43:53.000Z", "publisher" : "講談社", "authors" : "あさの あつこ", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "" }, { "title" : "漢方医・有安 ちぎれ雲 (朝日文庫)", "isbn" : "4022645741", "date" : "2011-05-29T08:08:10.000Z", "publisher" : "朝日新聞出版", "authors" : "秋山香乃", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "元武士(でも過去は結構謎)の漢方医、有安先生が活躍する人情時代物。\u003cbr\u003e\r\nほのぼのしたまま話が進んでいたので油断した。一番最後にまさかの急展開。そのあとの本編とは無縁の番外編が、心底恨めしい。\u003cbr\u003e\r\n続き、続きを早く…!" }, { "title" : "漢方医・有安 波紋 (朝日文庫)", "isbn" : "4022645415", "date" : "2011-05-14T15:46:21.000Z", "publisher" : "朝日新聞出版", "authors" : "秋山 香乃", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "もともとは単発だったものが、別出版社の編集者の目に留まり、シリーズ化となった人情時代小説。\u003cbr\u003e\r\n第2弾であるこの巻には、もともとの単行本の最後の一章と、続編が収められている。\u003cbr\u003e\r\n文庫本第1作でいろいろと張られていた伏線が、どのように回収されるのだろうと思っていたら、意外やあまり回収されていなかった。単行本バージョンは綺麗に収束しているのか?ちょっと気になる。\u003cbr\u003e\r\nとは言え、物語は確実に前進している。家事総撃沈状態の有安の娘(実は養女)、お雪ちゃんに幸せな縁組は望めるのか?有安が自分の過去と向き合う日はくるのか?今後に期待。" }, { "title" : "名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)", "isbn" : "4334034691", "date" : "2011-05-15T12:03:56.000Z", "publisher" : "光文社", "authors" : "中野 京子", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "" }, { "title" : "烙印", "isbn" : "434401927X", "date" : "2011-05-25T14:59:01.000Z", "publisher" : "幻冬舎", "authors" : "天野 節子", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "それなりに面白かったのだが、このミステリには本歌がある。しかも本歌は松本清張の超有名作である。\u003cbr\u003e\r\n換骨奪胎という見方もできるが、本歌を知っている読者には、中盤あたりで犯人の動機がわかってしまうのが瑕。" }, { "title" : "夢の上〈2〉紅輝晶・黄輝晶 (C・NOVELSファンタジア)", "isbn" : "4125011389", "date" : "2011-05-17T13:50:08.000Z", "publisher" : "中央公論新社", "authors" : "多崎 礼", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "幕間に出てくる「王」が誰かようやくわかった第2巻。\u003cbr\u003e\r\nそれにしても、「夢の上」というタイトルは何を表すのか?早く第3巻が読みたい。" }, { "title" : "輝跡 (100周年書き下ろし)", "isbn" : "406216101X", "date" : "2011-05-29T08:00:57.000Z", "publisher" : "講談社", "authors" : "柴田 よしき", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "野球に打ち込んだ一人の青年の足跡を、彼に関わった女たちの目線から追った長編小説。\u003cbr\u003e\r\n朝から晩まで野球漬けの少年が、甲子園あたりでお茶の間に顔見世しつつプロ野球界に入り、何千万という莫大な年俸を手に入れる。その途上で、豪遊することを覚えたり、美人の妻をステータスのように娶る。しかし遅くとも40歳頃にはユニフォームを脱ぎ、高額年俸とは無縁の「引退選手」としてその後の人生を歩まなくてはならない。プロ野球に関わる仕事などは、ほんの一握りの人だけだ。\u003cbr\u003e\r\n常々、プロ野球選手の人生って不思議だなあ、と思っていただけに、楽しく読んだ。\u003cbr\u003e\r\n何より、軸となる青年が、根が純粋な野球少年というキャラクターだったのが良かった。最後の「恋の相手」は、唐突過ぎてずっこけそうになったけど。" }, { "title" : "江青に妬まれた女―ファーストレディ王光美の人生", "isbn" : "4140811110", "date" : "2011-07-07T09:28:58.000Z", "publisher" : "日本放送出版協会", "authors" : "譚 〓美", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "NHKの某特集を見て、俄然王光美に興味がわいた。\u003cbr\u003e\r\n読んでわかったのは、王光美が生まれも育ちも恵まれた生粋のお嬢様だということ。\u003cbr\u003e\r\nもともと身分意識の厳しい中国のこと、江青なんて「女乞食」あがり(中国では役者の身分が途方もなく低い)くらいの認識で、同じ女性だなんて考えてもいなかったのではないかと思う。そういうところが、江青の癇に障ったのだろう。\u003cbr\u003e\r\nしかし、サブタイトルに「王光美の人生」とある割りに、文革後の足跡についての記述が薄いのは残念。\u003cbr\u003e\r\n江青失脚後、名誉回復が行われた後はどのように暮らしていたのか、是非その部分にも踏み込んで欲しかった。\u003cbr\u003e\r\n筆者が直接王光美にインタビューできたことで、逆に視界が曇った印象がある。\u003cbr\u003e\r\n写真が少ないのも惜しい。" }, { "title" : "名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語 (光文社新書)", "isbn" : "4334035663", "date" : "2011-06-03T16:43:38.000Z", "publisher" : "光文社", "authors" : "中野京子", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "筆者の歴史に対するぼやき的コメントが楽しい。\u003cbr\u003e\r\nこの本で一番びっくりしたのは、チャールズ一世のこと。\r\nヘンリエッタ・マリア(ブルボン本家出身)の夫としてチャールズ一世が登場するのだが、彼が側室を一人も置かない愛妻家とは知らなかった。\u003cbr\u003e\r\nスチュアート朝以降のイギリス国王って誰も彼もイマイチなイメージがあるのだが(ジョージ6世、エリザベス2世を除く)、ちょっとだけ見直した。\u003cbr\u003e\r\n次点は、マリー・ド・メディシスが、自らを神格化した絵を天下のルーベンスに依頼したこと。あれって、自分で発注してたのか…!ルーベンスもよく依頼を受けたなあ。" }, { "title" : "漢方医・有安 夕凪 (朝日文庫)", "isbn" : "4022646047", "date" : "2011-06-10T08:06:10.000Z", "publisher" : "朝日新聞出版", "authors" : "秋山香乃", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "シリーズ第4弾。\u003cbr\u003e\r\nいつものことながら、安心の高クオリティ。" }, { "title" : "腰痛探検家 (集英社文庫)", "isbn" : "4087466353", "date" : "2011-06-10T08:07:27.000Z", "publisher" : "集英社", "authors" : "高野 秀行", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "夏樹静子の名著『椅子が怖い』に勝るとも劣らぬ、腰痛ものの傑作。" }, { "title" : "四色(よしき)の藍(あい)", "isbn" : "4569796753", "date" : "2011-06-16T14:26:38.000Z", "publisher" : "PHP研究所", "authors" : "西條 奈加", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "藍染に興味があったので、江戸時代の藍染に関わる事柄が面白かった。推理小説としては、途中で話の筋が見えてしまったのが残念。" }, { "title" : "ツナグ", "isbn" : "4103283211", "date" : "2011-06-20T15:27:20.000Z", "publisher" : "新潮社", "authors" : "辻村 深月", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "" }, { "title" : "統ばる島", "isbn" : "4591123928", "date" : "2011-07-01T03:49:43.000Z", "publisher" : "ポプラ社", "authors" : "池上永一", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "いろいろな味が詰め込まれた連作小説。\u003cbr\u003e\r\n竹富島と小浜島のような、漫画的でからっとしてどこか神秘的な物語に、作者の長所が発揮されるように思う。\u003cbr\u003e\r\nそういう意味で、西表島は正直微妙。\r\n\r\n" }, { "title" : "サムライブルーの料理人 ─ サッカー日本代表専属シェフの戦い", "isbn" : "4560081115", "date" : "2011-07-07T09:27:10.000Z", "publisher" : "白水社", "authors" : "西 芳照", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "今までありそうでなかった、スポーツ選手を支える料理人のノンフィクション。舞台裏ノンフィクション好きには堪らない一冊。\u003cbr\u003e\r\n著者の故郷である福島県の復興を願ってやまない。" }, { "title" : "高校生レストラン、本日も満席。", "isbn" : "4903816028", "date" : "2011-07-05T15:33:31.000Z", "publisher" : "伊勢新聞社", "authors" : "村林 新吾", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "熱意を持って指導する教師も偉いし、頑張る高校生もかっこいい。\u003cbr\u003e\r\n何より、県立高校の生徒をめいっぱい支えた多気町の人々がすばらしい。財政も厳しいであろう町が、高校生のレストラン(しかも平日は休み)のために立派な建物を用意したのである。\u003cbr\u003e\r\n支えた行政側の本も近々刊行予定だとか。そちらも読んでみたい。" }, { "title" : "白河法皇―中世をひらいた帝王 (NHKブックス)", "isbn" : "4140019735", "date" : "2011-07-26T08:24:04.000Z", "publisher" : "日本放送出版協会", "authors" : "美川 圭", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "先行研究にも程よく目配りした、院政期の入門書として最適な一冊。\u003cbr\u003e\r\n白河法皇という人物が生み出された血統と時代背景がまず面白い。これでドラマが生まれなかったら嘘である。\u003cbr\u003e\r\n宮廷文化が絶頂を迎える道長・頼通親子の時代と平家全盛期に挟まれ、地味な印象のある院政期だが、個人的には、平安時代の中で最も惹かれる時代である。時代の持つ得体の知れない雰囲気というか、時代が変わる予感を孕んだうねりのある空気感というか。もっと院政期の人物伝を読んでみたい。" }, { "title" : "無理", "isbn" : "4163285806", "date" : "2011-07-26T08:27:49.000Z", "publisher" : "文藝春秋", "authors" : "奥田 英朗", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "群像劇を書くと上手い作家だと思うが、読むのが辛かった。特に女子高生のストーリー。" }, { "title" : "小夜しぐれ (みをつくし料理帖)", "isbn" : "4758435286", "date" : "2011-12-27T23:53:18.000Z", "publisher" : "角川春樹事務所", "authors" : "高田 郁", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "まったりと進む時代小説。" }, { "title" : "トロイメライ 唄う都は雨のち晴れ", "isbn" : "4048742027", "date" : "2011-08-13T05:54:25.000Z", "publisher" : "角川書店(角川グループパブリッシング)", "authors" : "池上 永一", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "単発の話としてはそこそこ面白いのだが、一冊の本として読むとイマイチな印象。\u003cbr\u003e\r\n武太の成長だけでは、物語を貫く軸としては弱い。" }, { "title" : "お家相続―大名家の苦闘 (角川選書)", "isbn" : "4047033685", "date" : "2011-10-31T00:31:21.000Z", "publisher" : "角川書店", "authors" : "大森 映子", "categories" : "", "score" : "★★★★★", "comment" : "読み応えのある歴史教養書。「17歳の壁」に翻弄される大名家の悲喜こもごもが浮き彫りになった労作である。\u003cbr\u003e\r\n記述も非常に丁寧で、江戸時代初心者にもわかりやすい。もっとこの著者の本が読みたい!" }, { "title" : "サヴァイヴ", "isbn" : "4103052538", "date" : "2011-08-12T18:00:14.000Z", "publisher" : "新潮社", "authors" : "近藤 史恵", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "赤城さんがかっこいいんだぜ…!" }, { "title" : "シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と黒の妖精 (角川ビーンズ文庫)", "isbn" : "4044550077", "date" : "2011-08-12T17:56:51.000Z", "publisher" : "角川書店(角川グループパブリッシング)", "authors" : "三川 みり", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "古きよき時代の少女漫画的小説。\u003cbr\u003e\r\n世界観がしっかりしているのが良い。" }, { "title" : "NO.6〔ナンバーシックス〕#9 (YA!ENTERTAINMENT)", "isbn" : "4062694433", "date" : "2011-08-12T17:59:38.000Z", "publisher" : "講談社", "authors" : "あさの あつこ, 影山 徹", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "それなりに大団円。最後まで疾走感があって面白かった。\u003cbr\u003e\r\nただ、細かい謎はいろいろと残っているので、もしかしたら外伝が出るかも。" }, { "title" : "この女", "isbn" : "4480804315", "date" : "2011-09-15T05:43:57.000Z", "publisher" : "筑摩書房", "authors" : "森 絵都", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "プロローグが巧みな小説。" }, { "title" : "済南(チーナン)賓館物語", "isbn" : "4393751205", "date" : "2011-09-12T14:19:34.000Z", "publisher" : "春秋社", "authors" : "佐藤 孟江, 佐藤 浩六", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "戦前、済南で正調の山東料理を学んだ女性による自伝。\u003cbr\u003e\r\n文化大革命で破壊される前の山東料理の記述が興味深い。\u003cbr\u003e\r\n孟江さん本人の料理にかける熱意もさることながら、彼女に引き揚げぎりぎりまで料理を教え続けた老板には、戦乱の世を生きた料理人としての嗅覚を感じる。\u003cbr\u003e\r\nもし中国本土で山東料理が損なわれることがあっても、中国外に逃れた料理人が正式な山東料理を伝えていれば、山東料理の命脈を保つことができる。そのような考えも老板にあったのではないかと思う。\u003cbr\u003e\r\n事実、その後の中国は、食文化が徹底的に破壊される文化大革命を経験する。\u003cbr\u003e\r\n一点難を挙げるとすれば、ところどころ、筆者の知識が「山東料理」止まりになっていること。チャーハンは余りもの料理で客に出すものではない、とあるが、確か乾隆帝の宮廷料理にも組み込まれていたはず。砂糖・ラードも、食材としての魅力を考えると、他の地方の料理などでは積極的に使われているのではないだろうか。\u003cbr\u003e\r\nしかし、文化大革命で、どれほどの伝統料理が失われたことだろう。改めて、文化大革命の愚かしさを思う。" }, { "title" : "闇の喇叭 (ミステリーYA!)", "isbn" : "4652086350", "date" : "2011-10-31T00:30:33.000Z", "publisher" : "理論社", "authors" : "有栖川 有栖", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "最近著者の講演を聴いたので(非常に面白かった)、手に取った一冊。\u003cbr\u003e\r\nものすごーく昔にこの著者の本を一冊だけ読んだことがあったのだが、その後ご無沙汰になっていた理由を、読後改めて思い出した。\u003cbr\u003e\r\nこの作者の文章のリズム感がどうにも合わないのだ。\u003cbr\u003e\r\n設定も魅力的だし、内容だって面白いと思うのだが…。\u003cbr\u003e\r\nとはいえ、続編があるので、そこまでは読んでみたい。" }, { "title" : "寿フォーエバー", "isbn" : "4309020569", "date" : "2011-12-04T20:21:21.000Z", "publisher" : "河出書房新社", "authors" : "山本 幸久", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "話の筋だけなら、可もなく不可もなくという評価。\u003cbr\u003e\r\nただ、途中からスポ根青春ものみたいになったのが、ある意味新鮮だった。\u003cbr\u003e\r\n味付けが上手な作家だけに、物語の根幹が覚束ず不完全燃焼気味だったのが残念。" }, { "title" : "九月が永遠に続けば", "isbn" : "4104734012", "date" : "2011-12-04T20:34:47.000Z", "publisher" : "新潮社", "authors" : "沼田 まほかる", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "沼田まほかるのデビュー作。\u003cbr\u003e\r\n読者をミスリードさせようという意図があからさまなのはともかく、心理描写の上手い作家だなあというのが第一印象。\u003cbr\u003e\r\nしかしホラーサスペンス大賞受賞と言う割りに、ホラーの要素はあまりなかったような気がする(私はホラーが苦手なので構わないが)。\u003cbr\u003e\r\n心理サスペンスの分野で大化けしそうな予感がするのだけど、どうでしょうか。\r\n" }, { "title" : "ジェノサイド", "isbn" : "4048741837", "date" : "2011-12-11T20:06:36.000Z", "publisher" : "角川書店(角川グループパブリッシング)", "authors" : "高野 和明", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "アフリカの紛争の描写に既資感があるのがまずマイナス。\u003cbr\u003e\r\n作者が参考としたであろう資料を私が既に読んでいたせいもあるが、「ああ、これはあの本とあの本を読んだんだな」と思わせる描写が多いのは頂けない。\u003cbr\u003e\r\n資料を読み込むしかない分野ではあるが、そうであれば尚更作家として想像力を使って書いて欲しい。\u003cbr\u003e\r\n物語そのものは最初から最後まで破綻がなく見事。" }, { "title" : "凛と咲く なでしこジャパン30年目の歓喜と挑戦", "isbn" : "4584133379", "date" : "2011-12-11T20:14:26.000Z", "publisher" : "ベストセラーズ", "authors" : "日々野 真理", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "なでしこジャパンに惚れこんだ女性ジャーナリストの、ワールドカップ帯同記。\u003cbr\u003e\r\n個人的にはもう少し硬派なノンフィクションを期待していたので、著者ご本人の日記のような内容だったのが残念。期待値が高すぎたのかも…。\u003cbr\u003e\r\nただ、マスコミの目から見たワールドカップ観戦記として読めば、それなりに面白い。\u003cbr\u003e\r\n女子サッカーのこれまでの歴史を総括するような、骨太なノンフィクションが一冊読みたい!\r\n" }, { "title" : "ポニーテール", "isbn" : "4104075116", "date" : "2012-02-29T20:58:00.000Z", "publisher" : "新潮社", "authors" : "重松 清", "categories" : "", "score" : "★★", "comment" : "重松清の家族小説は巧みなものが多いが、少女が主人公になると、どうにも凡作が多いような気がする。\u003cbr\u003e\r\n主人公二人の心情にしても、どうも表面的で上滑りしている感じがする。\u003cbr\u003e\r\n無理せず男の子を主人公にした方が良いように思うのだが。" }, { "title" : "真夜中の探偵 (特別書き下ろし)", "isbn" : "4062172259", "date" : "2011-12-28T19:18:50.000Z", "publisher" : "講談社", "authors" : "有栖川 有栖", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "主人公ちゃんにイマイチ感情移入できなくて困った。\u003cbr\u003e\r\n主人公の父の方がよっぽどかっこ良く思えるのは気のせいか。" }, { "title" : "心星ひとつ―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-7)", "isbn" : "4758435847", "date" : "2011-12-27T23:56:16.000Z", "publisher" : "角川春樹事務所", "authors" : "高田 郁", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "予想以上に話が進んだシリーズ第6巻。\u003cbr\u003e\r\n心星ひとつ、のタイトルにぐっときた。\r\n" }, { "title" : "ローマ教皇とナチス (文春新書)", "isbn" : "4166603647", "date" : "2012-02-29T20:52:11.000Z", "publisher" : "文藝春秋", "authors" : "大澤 武男", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "参考文献に偏りがあるので、この本を鵜呑みにするのは危険かもしれない。\u003cbr\u003e\r\nただ、ユダヤ人迫害と言う点において、ナチスが西洋史における突然変異ではないということ、即ち、西洋史の流れの中では「生まれるべくして生まれた」側面を持っていることを、改めて考えさせられた。\u003cbr\u003e\r\n個人的には、戦後のナチスの戦犯処理と教皇の対応にまで踏み込んで欲しかった。\u003cbr\u003e\r\n" }, { "title" : "世界一のあきらめない心: なでしこジャパン栄光への軌跡", "isbn" : "4093882096", "date" : "2012-02-20T21:37:28.000Z", "publisher" : "小学館", "authors" : "江橋 よしのり", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "2011年女子サッカーW杯のノンフィクションとしては、おそらく傑作の部類に入る一冊。佐々木監督の『なでしこ力』との併読を強力推薦。佐々木監督が『できる』組織人であることを実感。\u003cbr\u003e\r\n" }, { "title" : "食べる西洋美術史 「最後の晩餐」から読む (光文社新書)", "isbn" : "4334033873", "date" : "2012-02-29T20:48:59.000Z", "publisher" : "光文社", "authors" : "宮下 規久朗", "categories" : "", "score" : "★★★", "comment" : "キリスト教が、非常に「食」に関するトピックが多い宗教であることを実感する。" }, { "title" : "本当は危ない『論語』 (NHK出版新書)", "isbn" : "4140883413", "date" : "2012-02-29T20:52:27.000Z", "publisher" : "NHK出版", "authors" : "加藤 徹", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "論語入門書として、素人にもとっつきやすい一冊。" }, { "title" : "峠うどん物語(下)", "isbn" : "4062171449", "date" : "2012-03-22T21:27:04.000Z", "publisher" : "講談社", "authors" : "重松 清", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "" }, { "title" : "峠うどん物語(上)", "isbn" : "4062169975", "date" : "2012-03-22T21:28:34.000Z", "publisher" : "講談社", "authors" : "重松 清", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "久々の重松小説のヒット。\u003cbr\u003e\r\n主人公がちょっと優等生タイプの普通の女の子なのが良い。\u003cbr\u003e\r\n" }, { "title" : "中国古典からの発想―漢文・京劇・中国人", "isbn" : "4120041484", "date" : "2012-05-02T19:57:34.000Z", "publisher" : "中央公論新社", "authors" : "加藤 徹", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "これまでの著者の本のエッセンスがダイジェストで詰まった一冊。\u003cbr\u003e" }, { "title" : "夏天の虹―みをつくし料理帖 (角川春樹事務所 (時代小説文庫))", "isbn" : "4758436452", "date" : "2012-09-19T21:57:51.000Z", "publisher" : "角川春樹事務所", "authors" : "高田 郁", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "これまで優等生的な道を歩んできた女料理人・みおが、初めて人間的な弱さやずるさを見せるシリーズ最新刊。\u003cbr\u003e\r\nあまりにも「いい子」な主人公に多少食傷気味だっただけに、こういう変化はむしろ歓迎。続きを待ちたい。" }, { "title" : "公主帰還 (講談社文庫)", "isbn" : "4062733811", "date" : "2012-06-05T23:29:18.000Z", "publisher" : "講談社", "authors" : "井上 祐美子", "categories" : "", "score" : "", "comment" : "" }, { "title" : "傍聞き", "isbn" : "4575236365", "date" : "2012-06-18T16:50:25.000Z", "publisher" : "双葉社", "authors" : "長岡 弘樹", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "昔の横山秀夫を思い出す王道の推理小説。\u003cbr\u003e\r\n短編ながらいずれも捻りがきいていて良い。" }, { "title" : "オンドル夜話―現代両班考 (中公新書 682)", "isbn" : "4121006828", "date" : "2012-09-19T21:57:20.000Z", "publisher" : "中央公論新社", "authors" : "尹 学準", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "両班というテーマから朝鮮を眺めた朝鮮文化考。\u003cbr\u003e\r\n肩肘はらずに読める文章ながら、作者は本物の「両班」を知る最後の世代であり、記録されている証言には、今となっては貴重なものが多い。\u003cbr\u003e\r\n朝鮮史に馴染みのない読者にも読みやすいように、という作者の苦心が見え隠れする内容だが(事実、この本が刊行された1983年当時、朝鮮史を知っているのは相当の通だけだったはずだ)、韓国歴史ドラマが気軽に見られる現在においては、更に面白く、興味深く読めること請け合いである。\u003cbr\u003e\r\nちなみに、作者は坡平尹氏の血統であるらしい。これに反応できる人も結構いるのではなかろうか。" }, { "title" : "ワルシャワの日本人形―戦争を記憶し,伝える (岩波ジュニア新書 636)", "isbn" : "4005006361", "date" : "2012-10-31T23:14:28.000Z", "publisher" : "岩波書店", "authors" : "田村 和子", "categories" : "", "score" : "", "comment" : "" }, { "title" : "涅槃の雪", "isbn" : "4334927785", "date" : "2012-11-01T15:32:55.000Z", "publisher" : "光文社", "authors" : "西條奈加", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "天保の改革と庶民の暮らしをリンクさせた長編時代小説。\u003cbr\u003e\r\n相変わらず人物造詣も巧みで、話のテンポも良い。\u003cbr\u003e\r\nなかでも、ちょっとお調子者のお奉行さま、遠山金四郎が素敵。" }, { "title" : "平安時代―日本の歴史〈3〉 (岩波ジュニア新書)", "isbn" : "4005003338", "date" : "2012-10-31T23:26:42.000Z", "publisher" : "岩波書店", "authors" : "保立 道久", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "実はなかなかありそうでない、天皇家中心の平安時代の概説書。" }, { "title" : "英仏百年戦争 (集英社新書)", "isbn" : "408720216X", "date" : "2012-10-31T23:25:22.000Z", "publisher" : "集英社", "authors" : "佐藤 賢一", "categories" : "", "score" : "★★★★", "comment" : "「英仏百年戦争」の取っ掛かりとしてお勧めできる一冊。\u003cbr\u003e\r\nしかし「英仏百年戦争」が実は「英仏」間の戦争ではなかったということを理解するためには、高校世界史レベルの素養が必要かもしれない。" } ]