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      [
{
  "title" : "時空(とき)の旅人―とらえられたスクールバス〈後編〉 (ハルキ文庫)",
  "isbn" : "4894564890",
  "date" : "2005-04-16T02:04:02.000Z",
  "publisher" : "角川春樹事務所",
  "authors" : "眉村 卓",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "スクールバスで時空を遡った中学生とその教師。とにかくはらはらどきどきしながらページをめくった、傑作ジュブナイルである。終わり方も清々しくて良い。他にどなたか、こういうはらはらどきどき荒唐無稽系ジュブナイルをものしてくれないものか…。"
},
{
  "title" : "しのぶセンセにサヨナラ (講談社文庫)",
  "isbn" : "4062634120",
  "date" : "2004-10-25T14:31:07.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "東野 圭吾",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "小学校教師しのぶセンセが活躍するシリーズ第二作。前作は高く評価したが、これはいまひとつ。一作目が快調だっただけに、少し期待値が高すぎたかもしれないが…。"
},
{
  "title" : "ひと呼んでミツコ (集英社文庫)",
  "isbn" : "4087473546",
  "date" : "2005-12-25T14:56:08.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "姫野 カオルコ",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "なんともトホホな超能力女子大生小説。"
},
{
  "title" : "卑劣 ドキュメントノベル生保",
  "isbn" : "4163225404",
  "date" : "2005-07-01T14:23:09.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "倉橋 康介",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★",
  "comment" : "生命保険業界の腐敗をテーマとしたフィクションノベル。この本で書きたかったであろうテーマも、作者の小説にかける意気込みもわからないではないのだが、勢いあまって筆力足らずの感がある。こういう特定の業界をもとにした小説は、文章が練れていないと読むのがしんどい。構成もいまいちだったので★2つ。"
},
{
  "title" : "アラミスと呼ばれた女",
  "isbn" : "4267017360",
  "date" : "2006-05-01T14:23:15.000Z",
  "publisher" : "潮出版社",
  "authors" : "宇江佐 真理",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "語学の才能に恵まれた少女・お柳が駆け抜けた、幕末・明治の物語。長崎弁が良い味を出してます。"
},
{
  "title" : "鋏の記憶 (角川ホラー文庫)",
  "isbn" : "4041962048",
  "date" : "2004-10-23T19:14:52.000Z",
  "publisher" : "角川書店",
  "authors" : "今邑 彩",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "サイコメトラーである女子高生・桐生紫が、事件を解決していく連作ミステリ。\n最近はすっかりホラー作家となってしまった感のある今邑氏だが、こういう、あまりどぎつくないミステリを書いてほしいと思うのは私だけであろうか。\n脇役の女性漫画家(紫の保護者である、いとこのお兄ちゃんの同級生)がいい味を出している。"
},
{
  "title" : "第三の時効",
  "isbn" : "4087746305",
  "date" : "2005-07-30T01:33:28.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "横山 秀夫",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "F県警を舞台とした警察小説。アクの強い刑事たちがとても魅力的な連作集である。中でも、陰で「冷血」との異名を持つ楠見刑事のキャラクターが際立っている。彼の個性が遺憾なく発揮された表題作「第三の時効」は出色の出来。とは言え、近くにこういう人がいたら結構イヤだが…。"
},
{
  "title" : "朝鮮と私 旅のノート (文春文庫)",
  "isbn" : "4167260050",
  "date" : "2005-11-24T08:37:24.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "萩原 遼",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "「朝鮮戦争—金日成とマッカーサーの陰謀」を補う位置づけにある本。この本を読んで、「朝鮮戦争」をさっさと読まねば、と思いました。第4章は、ある意味ごもっともな内容。外国語を生活レベルで知っている筆者と文書レベルでしか知らない研究者の差を実感した。"
},
{
  "title" : "蝉しぐれ (文春文庫)",
  "isbn" : "416719225X",
  "date" : "2004-10-23T17:33:52.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "藤沢 周平",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "恋愛小説として読むのではなく、牧文四郎という一人の武士−江戸時代の平均的な下級武士−の成長を描いた物語として読みたい。\n節目節目に劇的な展開があるのだが、結末は決して大どんでん返しが待っているわけではない。\nそれだけに、この小説の終着点はしみじみと心にしみるし、説得力がある。十代にこの小説を読んでいたとして、この小説の結末に納得できていただろうか。この小説の真価はわからなかったのではないだろうか。\n"
},
{
  "title" : "アジア系アメリカ人―アメリカの新しい顔 (中公新書)",
  "isbn" : "4121013689",
  "date" : "2005-10-25T04:58:38.000Z",
  "publisher" : "中央公論社",
  "authors" : "村上 由見子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "アジア系アメリカ人という、日本人にとっては死角となりやすい存在にスポットを当てた好著。"
},
{
  "title" : "カナリヤは眠れない (ノン・ポシェット)",
  "isbn" : "4396327013",
  "date" : "2004-11-02T15:25:56.000Z",
  "publisher" : "祥伝社",
  "authors" : "近藤 史恵",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "この本の魅力。それは、こてこての大阪ローカル色であろう。大阪のローカルな地名が何の前触れもなくばんばん出てくる、登場人物が真の大阪弁をぽんぽん喋る、大阪出身者にはこたえられない一冊なのである。藤井寺在住の探偵役(整体師)なんて、滅多にないじゃないですか。ミステリの出来としては、まあ普通、というレベルだと思うが、大阪こてこて度のゆえに星四つをつけてしまった。やや身びいきが過ぎるかもしれないが、いいのだ。"
},
{
  "title" : "由煕 ナビ・タリョン (講談社文芸文庫)",
  "isbn" : "4061975846",
  "date" : "2004-11-22T16:30:03.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "李 良枝",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "韓国に留学した在日韓国人女性を、韓国人女性二人の視点から語る「由煕」。ここでは韓国人女性の視点に仮託しつつも、更にその外側から在日韓国人を捉えようとする作者の苦心が見て取れる。"
},
{
  "title" : "わくらば日記",
  "isbn" : "4048736701",
  "date" : "2006-01-25T07:21:24.000Z",
  "publisher" : "角川書店",
  "authors" : "朱川 湊人",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "不思議な力を持ち、若くして亡くなった「姉さま」を、妹の「私」の視点から語った物語。超能力ものとしては意外に淡々と話が進んでいく。そこにもの足りなさを感じる読者もいるかもしれないが、ファンとしては、このゆるゆるした感じがまた良かったりするのだ。最後に一言。百合丸さん、素敵。"
},
{
  "title" : "音楽する社会",
  "isbn" : "4326650974",
  "date" : "2005-01-19T03:08:02.000Z",
  "publisher" : "勁草書房",
  "authors" : "小川 博司",
  "categories" : "音楽",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "大学時代、「世は歌につれ歌は世につれは本当か?」というお題目で、とても楽しい講座をしてくださった心の師匠の著。基礎となるのは結構難解な社会学の思考法だったりするのだが、論じられているのが日本のポップスなだけに、さくさくと読める。社会学ってこういうこともできるんだよ、ということを理解する書としても良いでしょう。\u003cbr\u003e\nそうそう、この本の中で、「今(1988年)の大学生は皆ピンクレディーを歌って踊れる」という記述があるのだが、数年前、「探偵ナイトスクープ」で実証されていた。ほんまに踊れるんや、と少々感動。我々の世代でいうとウィンクだろうか。しかし、ああも見事には踊れないしなあ。"
},
{
  "title" : "きみの友だち",
  "isbn" : "410407506X",
  "date" : "2006-01-16T01:05:23.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "重松 清",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "重松さんらしい現代友情論的小説。\n\n"
},
{
  "title" : "朝陽門外の虹-崇貞女学校の人々-",
  "isbn" : "4000238183",
  "date" : "2005-07-01T02:10:58.000Z",
  "publisher" : "岩波書店",
  "authors" : "山崎 朋子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "戦前、中国のスラム街に女子のための教育機関を作った日本人がいたとは、恥ずかしながら、この本を読むまで知らなかった。そしてその人物が、桜美林大学の創始者でもあったとは…。キリスト者でもあり、教育者でもあった清水安三の足跡を描いたノンフィクション。文革の嵐でも消しえなかった、清水安三の功績に感銘を受けた。"
},
{
  "title" : "柳生薔薇剣",
  "isbn" : "4022500557",
  "date" : "2005-11-27T03:30:36.000Z",
  "publisher" : "朝日新聞社",
  "authors" : "荒山 徹",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "伝奇時代小説。名作[[4396632142]](個人的には荒山作品ではこれがベスト)に比べるとやや話のスケールが小さいが、完成度は相変わらず高い。「十兵衛両断」(未読)の続編的な位置づけにある作品なので、そちらを先に読んだ方がベターかも。早く読まねば…。"
},
{
  "title" : "『大地の子』と私 (文春文庫)",
  "isbn" : "4167556057",
  "date" : "2004-11-03T15:02:38.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "山崎 豊子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "名作「大地の子」の制作秘話。山崎豊子氏の取材力はすごいという話は常々聞いていたが、この本を読み、改めて、その徹底ぶりに感じ入った。"
},
{
  "title" : "陰の季節 (文春文庫)",
  "isbn" : "4167659018",
  "date" : "2005-08-03T09:46:06.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "横山 秀夫",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "警察の管理部門に焦点をあてた警察小説集。横山氏の描く警察官は、適度に野心家で計算高く、そして背後に家族という重みを持っている。決してスーパーヒーローではないのである。だからこそ、そこから派生する物語にリアリティがある。短編集としては十分合格点なのだが、直前に読んだ[[4087746305]]と比べると、ちょっと物足りなく感じた。「黒い線」の婦警さんの名前に記憶があるぞと思ったら、[[4198615861]]に先行する物語だったのですね。[[4198615861]]を読む前にこの本を読んでおくべきだったなー。"
},
{
  "title" : "風の王国 (新潮文庫)",
  "isbn" : "4101147213",
  "date" : "2005-01-26T04:01:39.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "五木 寛之",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "山の漂流民・サンカをモチーフにしたミステリ小説。昭和初期の小説などの影響で、誤解されがちであったサンカの歴史にも焦点をあてた画期的な作品。重いテーマを扱いつつも、エンターテイメントとしても読めるのが見事。"
},
{
  "title" : "よもつひらさか往還",
  "isbn" : "4062110873",
  "date" : "2004-11-19T15:41:59.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "倉橋 由美子",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "古典文学のエッセンスがそこここにちりばめられた、倉橋流幻想譚。文章から喚起されるイメージの豊かさに脱帽。"
},
{
  "title" : "スキップ (新潮文庫)",
  "isbn" : "4101373213",
  "date" : "2005-07-10T16:23:10.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "北村 薫",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "17歳の女の子が、目覚めたら42歳になっていた−。\n前向きな主人公が清々しい、北村薫氏の傑作長編。\nいきなり心だけが17歳の状態に戻ってしまった母親に接する\n主人公の娘の存在が、物語に深みを与えている。\n主人公に感情移入しつつも、自分の母親の青春期にも思いを馳せてしまう一冊。"
},
{
  "title" : "時雨みち (新潮文庫)",
  "isbn" : "4101247099",
  "date" : "2005-11-11T19:29:12.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "藤沢 周平",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "士道ものから市井ものまで、藤沢周平らしさが感じられる時代小説。全体のトーンはやや暗め。隠密の暗闘を描く「帰還せず」がイチオシ。結末が爽やかな「山桜」も良い。"
},
{
  "title" : "フォー・ディア・ライフ (講談社文庫)",
  "isbn" : "4062733064",
  "date" : "2004-11-14T15:45:29.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "柴田 よしき",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "元マル暴刑事、今は新宿の無認可保育園園長という異色の主人公が、新宿の街を駆け回るミステリ。せちがらいけれど、でも、どこかほのぼのとした「救いようのあるミステリ」になっているところが良い。"
},
{
  "title" : "梅咲きぬ",
  "isbn" : "4267017131",
  "date" : "2005-09-21T06:55:42.000Z",
  "publisher" : "潮出版社",
  "authors" : "山本 一力",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★",
  "comment" : "時代小説の巧拙は、薀蓄を少なくして、いかに読者を小説の舞台にいざなえるかにかかっていると思う。その点からすると、この小説は少々薀蓄の披露が過ぎて興ざめ。江戸・深川町人の心意気を描きたいという作者の意気込みはわかるんですけどね。物語の筋は決して平板なわけではないのだが、物語の焦点が主人公ではなく、深川にあたっているせいか、どこか散漫な印象を受ける。深川に焦点を絞るなら、長編ではなく連作集にすべきと思うのだが。"
},
{
  "title" : "若き数学者のアメリカ (新潮文庫)",
  "isbn" : "410124801X",
  "date" : "2005-09-28T02:32:57.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "藤原 正彦",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "今読んでみると若干古さが感じられる内容ではある。が、若かりし日の藤原先生の、アメリカと格闘しようとする気迫が快い。ラスベガスで大金をすってしまったことや、うつ状態になってしまったことなど、研究者としては隠しておきたいであろうことも正直につづられている。アメリカ滞在時の経験が、[[4106035111]]のラマヌジャンへの共感を呼び起こしているに相違ない。"
},
{
  "title" : "極楽アジア気まぐれ旅行 (ワニ文庫)",
  "isbn" : "4584307326",
  "date" : "2006-08-12T09:04:06.000Z",
  "publisher" : "ベストセラーズ",
  "authors" : "高野 秀行",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "肩に力が入っている文章がほほえましい。それなりに面白いが、最近のものの方が圧倒的にできが良い。"
},
{
  "title" : "暗黒祭 (角川ホラー文庫)",
  "isbn" : "4041962064",
  "date" : "2005-05-05T01:44:38.000Z",
  "publisher" : "角川書店",
  "authors" : "今邑 彩",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "日の本村シリーズ最終章。前作ではりめぐらされていた様々な伏線がどのように収束するか、期待値が非常に高かったためか、結末にやや物足りなさが残った。とはいえ、作品としては十分に及第点の出来。"
},
{
  "title" : "十二人の手紙 (中公文庫)",
  "isbn" : "4122007216",
  "date" : "2005-11-08T08:12:25.000Z",
  "publisher" : "中央公論新社",
  "authors" : "井上 ひさし",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "手紙や公式文書のみで物語を構成した連作集。終章のオチも筆談という名の文書で締めくくられていて、見事というほかない。一番びっくりしたのは「玉の輿」。濫読の鬼・井上ひさし氏の真骨頂ここにあり!"
},
{
  "title" : "ロシアは今日も荒れ模様 (講談社文庫)",
  "isbn" : "4062730804",
  "date" : "2004-10-24T16:58:40.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "米原 万里",
  "categories" : "エッセイ",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "とにかくすかっと笑えるエッセイ集。\n特にウォッカにまつわる第1章、第2章は電車の中では読んではいけません。\nロシアの小咄の魅力も発見できる一冊。疲れたときにきく!"
},
{
  "title" : "花まんま",
  "isbn" : "4163238409",
  "date" : "2005-08-09T14:36:30.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "朱川 湊人",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "一昔前の大阪の下町を舞台とした、ノスタルジックな小説集。ホラー小説のエッセンスを取り込みつつも、あまり陰鬱でないのが印象的である。全編こてこての大阪弁なので好き嫌いが分かれるかもしれない。表題作の「花まんま」も良かったが、どこかユーモアのある「送りん婆」も面白かった。"
},
{
  "title" : "コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫)",
  "isbn" : "4101181039",
  "date" : "2004-11-22T17:28:51.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "塩野 七生",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "友人推薦の一冊だったにも拘らず、読むのが遅れた一冊(衰亡史というのが潜在的に苦手だったため…)。しかし、これが抜群に読ませる本であった。コンスタンティノープルを死守せんとする千年王国・ビザンツ帝国、その大国に挑みかかる東方の新興国トルコ、両者の戦いの裏で渦巻く西欧諸国の思惑。タイプは異なるが、ビザンツの君主コンスタンティヌス11世と、トルコのスルタン・マホメッドが、二人ながらに魅力的である。"
},
{
  "title" : "マラソンランナー (文春新書)",
  "isbn" : "4166603574",
  "date" : "2006-04-12T23:33:34.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "後藤 正治",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "後藤作品としては、割と軽めのスポーツノンフィクション。\u003cbr\u003e\n日本マラソン史の概要を知るには良いかも。\n"
},
{
  "title" : "ユーラシアの秋",
  "isbn" : "4087831140",
  "date" : "2005-11-07T06:55:19.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "佐々木 良江",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "日本の帝国主義の申し子として生まれ、歴史の大きなうねりの中で流転の運命をたどった一人の女性の物語。歴史に抗うでもなく、しなやかに生き抜いた彼女の姿に感銘を受ける。佐々木良江氏の真摯な筆致が、尚更心に染み入る。"
},
{
  "title" : "退屈な迷宮―「北朝鮮」とは何だったのか (新潮文庫)",
  "isbn" : "4101107130",
  "date" : "2004-11-23T03:59:44.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "関川 夏央",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "常識的な目で北朝鮮をつづったルポルタージュ。個人的にはルーマニアと北朝鮮の対比が面白かった。"
},
{
  "title" : "裏方―物言わぬ主役たち プロ野球職人伝説",
  "isbn" : "4048839055",
  "date" : "2006-08-13T12:11:57.000Z",
  "publisher" : "角川書店",
  "authors" : "木村 公一",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "職人。良い響きです。アンパイア、ブルペンキャッチャー、野球を支える縁の下の力持ちを知れば、野球が更に面白くなること請け合い。"
},
{
  "title" : "放送禁止歌",
  "isbn" : "4759254102",
  "date" : "2006-03-14T02:09:16.000Z",
  "publisher" : "解放出版社",
  "authors" : "森 達也",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "放送禁止歌はメディアの共同幻想だと指摘した点は高く評価したい。\u003cbr\u003e\n放送禁止歌という隠れ蓑を使わずに、放送人が独自のモラルで流す曲を判断すべき、とする森氏の主張には大いに首肯する。\u003cbr\u003e\nもっとも、「イムジン河(リムジンガン)」の原詩を知る者としては、国交すら樹立されていない国の国策ソングを、公の電波にのほほんと流すのはどうかと思いますが。\u003cbr\u003e\nデーブ・スペクターとの対談は、アメリカのマスメディアについて面白い指摘も多々あるものの、さまざまな「事実誤認」があるので要注意。"
},
{
  "title" : "午前三時のルースター",
  "isbn" : "4163192506",
  "date" : "2005-04-10T16:03:13.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "垣根 涼介",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "旅行代理店に勤める主人公は、ある得意客から孫息子のベトナム旅行につきあってほしいと話をもちかけられる。聞けば、少年の父親はベトナムで謎の失踪を遂げたと言う—。旅行会社からミステリ作家に転進しただけあって、旅行業界の描写のリアリティーはなかなかのもの。登場人物もそれぞれに魅力的で、物語もテンポ良い。難をあげるとすると、この題名に代表されるように、気障ったらしさが鼻につくこと。言わんとすることはわかるけど…というところでしょうか。"
},
{
  "title" : "エンド・ゲーム 常野物語 (常野物語)",
  "isbn" : "4087747913",
  "date" : "2006-01-25T06:19:11.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "恩田 陸",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "先行作「常野物語」を読んでいないと、世界観がわかりにくいかも。\u003cbr\u003e\n「常野物語」シリーズは「ツル先生」という求心力を持った1作目が一番出来が良かった。1作目が持っていた独特の不思議な雰囲気が段々目減りしていっているような気がする。"
},
{
  "title" : "ビタミンF",
  "isbn" : "4104075035",
  "date" : "2004-11-21T10:28:13.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "重松 清",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "重松清氏の家族小説のエッセンスがぎゅっと詰まった短編集。\n特に、いじめに悩む娘とその家族を描いた「せっちゃん」が白眉。\n家族の絆の深さと、切っても切れない「業」のようなものが胸に迫る。"
},
{
  "title" : "スパイの世界史",
  "isbn" : "4163654100",
  "date" : "2005-02-22T03:57:14.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "海野 弘",
  "categories" : "",
  "score" : "★★",
  "comment" : "題材としては非常に興味ある、スパイに関するノンフィクション。しかし、海野氏の単調すぎる文章で、思いっきり興が削がれてしまった。もう少し文章の巧い作家さん、是非同じテーマの本を著して下さい!"
},
{
  "title" : "大仏破壊 バーミアン遺跡はなぜ破壊されたか",
  "isbn" : "4163666001",
  "date" : "2006-05-20T01:48:43.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "高木 徹",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "タイトルに惹かれて手に取った本。そういえばこの作者、[[4062750961]]を書いた人でした。\u003cbr\u003e\nタリバン政権成立の背景、タリバン政権に接近・侵食したビンラディンが、ついにはタリバンを全く別物の組織にしてしまった過程など、アフガニスタンの現代史がコンパクトにまとめられている。\u003cbr\u003e\nイスラム教=偶像禁止というイメージが強いせいか、イスラム教徒が大仏を破壊するという行為自体に、違和感を感じなかった日本人も多いのではないだろうか。しかし、そもそも、イスラム化して千年以上も経過したアフガニスタンで、なぜ、これまで大仏が破壊されなかったのか、それを何故タリバンが強行したのか。この問題を整理し、アルカイダがイスラムの教義を逸脱したテロ組織だと暴き出した点は、高く評価できると思う。"
},
{
  "title" : "ダ・ヴィンチ・コード〈下〉",
  "isbn" : "4047914754",
  "date" : "2004-12-25T16:29:41.000Z",
  "publisher" : "角川書店",
  "authors" : "ダン・ブラウン, 越前 敏弥",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "最後の黒幕には納得がいかないものの、思ったよりきれいな結末で一安心。\nこういう歴史ミステリものは落としどころが難しいので。"
},
{
  "title" : "鬼哭啾啾―「楽園」に帰還した私の家族",
  "isbn" : "4759262172",
  "date" : "2005-03-04T15:52:24.000Z",
  "publisher" : "解放出版社",
  "authors" : "辛 淑玉",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "筆者と同年代の在日朝鮮人であれば、親戚に必ず一人は、帰国船に乗った者がいるという。中には、筆者の母方の祖父のように、大日本帝国の臣民として生きることを自らに課し、日本式の生活を営み、全く朝鮮語も話せなかった者も少なくなかったと言う。何故、ルーツを朝鮮半島南部に持つ者が多い在日社会で、北朝鮮への熱狂的な帰還運動が起こったのか。一つの家族の足跡をたどりつつ、マクロの視点を交えながら帰還運動を描き出した力作。どうしても主観的な記述が多く、ゆえに鼻につくところがあるのだが、熱狂的な帰還運動が、当時の日本社会の過酷な差別と表裏一体の現象であることを忘れてはならない。"
},
{
  "title" : "R.P.G. (集英社文庫)",
  "isbn" : "408747349X",
  "date" : "2004-11-22T17:07:45.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "宮部 みゆき",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "珍しくこの本は新刊で買った。最後のどんでん返しも十分インパクトがあるし、さすが宮部みゆき氏である。惜しむらくは、物語の中で登場する刑事二人が、他の作品でも活躍していたことに気付けなかったことである。両方とも読んでいるはずなんだけどなあ。不覚!"
},
{
  "title" : "家守綺譚",
  "isbn" : "4104299030",
  "date" : "2004-11-04T14:41:57.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "梨木 香歩",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "死んだ友の家の家守となった小説家と、彼岸とこの世を行き来する友や、友とゆかりのある不思議な生き物たちとの交流譚。しっとりとした風景描写と幻想世界の融合が味わい深い。\nどことなく物語の雰囲気が、波津彬子さんの「雨柳堂夢咄」と似通っているような気がするが、気のせいかなあ。\n"
},
{
  "title" : "ひなのころ",
  "isbn" : "4120037193",
  "date" : "2006-07-20T15:45:16.000Z",
  "publisher" : "中央公論新社",
  "authors" : "粕谷 知世",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "そこはかとなく漂う田舎くささが心地いい、少女の成長物語。"
},
{
  "title" : "ミャンマーの柳生一族 (集英社文庫)",
  "isbn" : "4087460231",
  "date" : "2006-06-26T15:02:03.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "高野 秀行",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "現代のミャンマー政府を無理やり徳川幕府に置き換える強引さに拍手。しかも、この強引な見立てのおかげで、ミャンマー現代史がスラスラと頭に入る。さすが、「世界でも屈指のミャンマー通」と自称する作者だけのことはある。今回の旅は船戸与一先生が同行者なので、船戸ファンも一読の価値あり。"
},
{
  "title" : "かたみ歌",
  "isbn" : "4104779016",
  "date" : "2005-11-07T06:31:02.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "朱川 湊人",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "昭和40年代の東京の下町を舞台にした、ノスタルジックな連作集。日常の生活の中でおこる不思議な出来事がいずれも印象的である。粒揃いだが、しいて言うなら「栞の恋」と「ひかりの猫」(猫好き必読!)がおすすめ。押し付けがましさのない「郷愁」を描ける作家はなかなかいないので、今後の活躍に期待。"
},
{
  "title" : "夜の橋 (中公文庫)",
  "isbn" : "4122022665",
  "date" : "2005-07-03T13:15:15.000Z",
  "publisher" : "中央公論社",
  "authors" : "藤沢 周平",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "藤沢周平の短編小説集。士道小説あり、江戸の市井小説あり、とバラエティー豊かな布陣である。藤沢氏の市井小説は、賭場漬けの人間が必ず出てくるので好みではなかったのだが、士道小説と並べて読んでみると、独特の味わいと良さがあることに気づく。読んでいて楽しかったのは、武家の父と娘を軸とした、滑稽味のある家族小説「梅薫る」。「冬の足音」は市井小説だが、現代の30代独身OL小説に通じる現代性がある。"
},
{
  "title" : "蛇 上 (トクマ・ノベルズ)",
  "isbn" : "4198506159",
  "date" : "2005-01-14T04:11:51.000Z",
  "publisher" : "徳間書店",
  "authors" : "柴田 よしき",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "京都新聞掲載の新聞小説の単行本化。\n既に「炎都」などでファンタジースペクタクル小説に定評がある柴田よしき氏なので、結構期待して読み始めたのだが、なんとなく冗長な感じで、話の盛り上がりもいまひとつ。"
},
{
  "title" : "となり町戦争",
  "isbn" : "4087747409",
  "date" : "2005-10-21T04:26:29.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "三崎 亜記",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "お役所主導の「戦争」という発想が卓抜。"
},
{
  "title" : "深淵のガランス",
  "isbn" : "4163247203",
  "date" : "2006-05-03T23:57:01.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "北森 鴻",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "銀座の花師と絵画修復師という、二つの顔を持つ男が主人公。北森鴻は、うさん臭い主人公を書かせたら上手いですな。\n"
},
{
  "title" : "甲子園の異邦人―「在日」朝鮮人高校野球選手の青春 (講談社文庫)",
  "isbn" : "4061842439",
  "date" : "2005-11-07T06:29:58.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "金 賛汀",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "1981年夏の全国高校野球大会、報徳学園と京都商業の決勝戦には、\n両チームあわせて7名の「在日」の選手がいた。\nしかも、そのうちの2人は通名ではなく民族名を名乗っていた—。\u003cbr\u003e\n\n1981年の「画期的」事件を丹念に描いたノンフィクション。\u003cbr\u003e\n[[4575710962]]から、韓国・野球つながりで読了。\u003cbr\u003e\n\n「在日」ならば本名を名乗るべしという筆者の論調には\n少し偏りを感じるが、それにしても、\n本名を名乗ることがためらわれる社会というのは、\n課題の多い社会ではないかと思う。\u003cbr\u003e\nただ、7人の選手のうち、1人だけ生粋の朝鮮・韓国人でない選手がいるのだが(父親が韓国人、母親が日本人)、彼の記述については、かなりトーンダウンしているのが気になった。\nその他の6選手の記述にあふれる筆者の共感や、やや過度の感情移入を考えると、温度差がありすぎるように思う。ちなみに、一番「同胞的共感度」が高いのは、7人の中で唯一朝鮮語を理解するという金村である。"
},
{
  "title" : "不思議島 (TOKUMA冒険\u0026推理特別書下し)",
  "isbn" : "4191246062",
  "date" : "2004-12-04T04:27:23.000Z",
  "publisher" : "徳間書店",
  "authors" : "多島 斗志之",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "多島斗志之氏の”瀬戸内ミステリ”ものの起点となる長編ミステリ(多分)。多島氏の瀬戸内ミステリもののファンなので、もちろん、この長編ミステリも面白く読めた。しかし、あとに出版された「海上タクシー『ガル3号』備忘録」、「二島縁起」と比べると、完成度の差は歴然。年々うまくなっているんじゃないでしょうか。今後も目が離せない作家の一人。"
},
{
  "title" : "聖母の道化師 (中公文庫―エッセイ集)",
  "isbn" : "4122011124",
  "date" : "2004-11-01T15:42:39.000Z",
  "publisher" : "中央公論社",
  "authors" : "井上 ひさし",
  "categories" : "エッセイ",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "井上ひさし流、「吾如何にしてキリスト教徒となりしや」の表題作はじめ、ユーモアあふれるエッセイ集。「モッキンポット」シリーズは、この本のあとに読むべし。"
},
{
  "title" : "物語イタリアの歴史―解体から統一まで (中公新書)",
  "isbn" : "4121010450",
  "date" : "2004-12-24T16:51:59.000Z",
  "publisher" : "中央公論社",
  "authors" : "藤沢 道郎",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "イタリアでは、「歴史=物語」である。あとがきの言葉が胸に響く書物である。皇女ガラ・プラキディア、女伯マティルデなど、なかなかスポットがあたらない人物を主人公にした歴史の切り口が新鮮。カノッサの屈辱と女伯マティルデが結びついたときは思わず膝をたたいてしまった。ただ、後半で少し失速したように感じたこと、また、文章にやたら体言止めが多用されていて少し単調に思われたことなどで、星は四つ。"
},
{
  "title" : "蛇神 (角川ホラー文庫)",
  "isbn" : "4041962021",
  "date" : "2005-04-17T05:56:45.000Z",
  "publisher" : "角川書店",
  "authors" : "今邑 彩",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "「蛇神」シリーズ第一弾。もともと今邑彩氏の小説のファンだったのだが、ホラー小説が苦手だったので、これまで手に取ることがなかった本である。しかしまあ今邑彩氏だし、読んで損はしないだろうと思い、勇気を出して読み始めたのだが…読み始めて早速後悔した。これ、伝奇ミステリじゃん!もっと早く読めば良かった…。\u003cbr\u003e\n物語の始まりは昭和52年。つつましくも幸せな日々を送る蕎麦屋の若女将・倉橋日登美は、突如惨劇に見舞われる。父と夫、5歳になる息子が、住み込みの青年に惨殺されたのだ。突然の出来事に呆然とする日登美の前に、若くして亡くなった母・緋紗子の親戚だと名乗る男性が現れる。その男は、緋紗子が長野県の人里離れた日の本村の出身であること、そこで「日女(ひるめ)」と呼ばれる巫女であったことを語る。\n物語は前半と後半で大きく分かれる構成となっており、それが非常に効果をあげている。\u003cbr\u003e\nちなみに、私は先にシリーズ第三作である[[4041962056]]を読んでしまったクチである。それでも充分に楽しめるのだが、やはりこの第一作から読むことを強力にお薦めする。"
},
{
  "title" : "図南の翼 十二国記 (講談社文庫)",
  "isbn" : "4062730529",
  "date" : "2006-07-01T01:58:03.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "小野 不由美",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "[[4062649985]]・[[4062649993]]で、出番は少ないながらも、なかなかの存在感を誇った恭王・珠晶の登極秘話。"
},
{
  "title" : "田辺聖子の源氏がたり〈1〉桐壷から松風まで",
  "isbn" : "4103134267",
  "date" : "2005-04-16T15:56:32.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "田辺 聖子",
  "categories" : "古典",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "源氏物語の入門書に、これほどわかりやすく、かつ、読み物として面白い本があったであろうか。大阪リーガロイヤルホテルで催された講座をもとに編集されたということで、文体も平易ですらすら読める。大阪が誇る作家・田辺聖子先生の、古典に対する造詣の深さ、また、源氏物語に対しての思い入れの強さが実感できる一冊でもある。やっぱり古典を読むときは、そのときの時代背景だとか、文化的嗜好だとかを大家に解説してもらうのが一番良い。"
},
{
  "title" : "汚名",
  "isbn" : "4104576018",
  "date" : "2004-10-25T05:16:10.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "多島 斗志之",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "亡くなった叔母の過去を追う過程で明かされる、意外な家族の肖像。派手さはないが、何故かしみじみとした味わいがあるミステリ小説である。"
},
{
  "title" : "風雪の檻―獄医立花登手控え 2 (講談社文庫)",
  "isbn" : "4061831305",
  "date" : "2004-11-02T16:08:13.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "藤沢 周平",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "藤沢周平の小説には優れた市井小説が多いが、中でも、完成度の高い連作集。主人公が青年のためか、全編、どこかみずみずしい感じがする。\n"
},
{
  "title" : "オレたちバブル入行組",
  "isbn" : "4163236007",
  "date" : "2005-05-02T12:32:47.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "池井戸 潤",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "おそらく著者本人の体験談もふんだんに盛り込まれているであろう、銀行員サラリーマン小説。バブル華やかなりし頃の就職戦線から、一転、悲哀に満ちた現在へと切り替わる導入部が見事である(就職戦線時と現在で入行した銀行名が変わっていることに苦笑)。すかっとするサラリーマン小説なのだが、後半の展開は少しやりすぎのような気が…。"
},
{
  "title" : "異色中国短篇傑作大全 (講談社文庫)",
  "isbn" : "4062649705",
  "date" : "2006-05-12T04:13:46.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "宮城谷 昌光",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "作品の粒が荒いのが難ですが、アンソロジーは各作家の持ち味の違いがわかって面白いですね。個人的に好みだったのは、田中芳樹さん、伴野朗さんでしょうか。もっと唐末、宋代、明代を描ける作家が出てきてほしいですな。"
},
{
  "title" : "蒲公英草紙 常野物語 (常野物語)",
  "isbn" : "4087747700",
  "date" : "2005-08-09T10:49:19.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "恩田 陸",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "名作「光の帝国」の続編ということで一気に読んだ。期待値が高すぎるかしらんと不安だったのだが、なんのなんの、常野一族は相変わらず魅力的であった。今回は明治末期の東北の農村が舞台。物語を締めくくる語り部の「現在」が取ってつけたようだったので、評価は星4つとしたが、更なる続編が待たれるシリーズの一つである。次作(あるのか?)では、常野一族の全体的な輪郭をもう少し明らかにしてほしいぞ。"
},
{
  "title" : "ソウルは今日も快晴―日韓結婚物語 (講談社文庫)",
  "isbn" : "4062638045",
  "date" : "2005-08-24T03:28:15.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "戸田 郁子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "90年代はじめに渡韓し、韓国人男性と結婚した著者のソウル嫁物語。著者は、語学堂(韓国の大学付設の語学学校)→大学留学→韓国で就職という、ある意味「正統」なルートで韓国と接した女性。最近は韓流ブームのあおりでこの手の本にも事欠かなくなったが、それだけに、真摯に異文化と向き合う著者の文章に好感が持てる。茨木のり子さんの[[4022605448]]などもそうだが、超マイナー言語(失礼!)だった頃の韓国語を学んだ人の本は読み応えがある。"
},
{
  "title" : "黄金のローマ―法王庁殺人事件 (朝日文芸文庫)",
  "isbn" : "4022640553",
  "date" : "2004-11-13T15:01:35.000Z",
  "publisher" : "朝日新聞社",
  "authors" : "塩野 七生",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "緋色のヴェネツィア、銀色のフィレンツェに続くシリーズ三部作の最終章。\n枢機卿や教皇庁といったカトリック中世の世界は必ずしも馴染み深くはないが、塩野七海氏の筆が描き出すローマは限りなく魅力的である。当時の風俗にも通じる塩野氏のこと、読者はまるで16世紀のローマに迷い込んだような気分を味わえる。\n謎の遊女オリンピアの素性が今作でようやく明らかになる。"
},
{
  "title" : "ハーレムの女たち",
  "isbn" : "4087831426",
  "date" : "2005-09-09T03:12:52.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "澁澤 幸子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "謎のベールに包まれている、オスマントルコのハーレムの物語。オスマントルコと言えば、世界史の中でも屈指の版図を持った大帝国。その権力に密着するハーレムの人間模様、面白くないわけがありません。\nそれにしても、オスマントルコ史って、知っているようで知らないなあと反省。どなたか、文化や風俗を織り交ぜて、オスマントルコ史をわかりやすく書いてくれないものでしょうか。"
},
{
  "title" : "バルト海のほとりにて―武官の妻の大東亜戦争",
  "isbn" : "4764101785",
  "date" : "2005-09-28T02:39:19.000Z",
  "publisher" : "共同通信社",
  "authors" : "小野寺 百合子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "ムーミンシリーズの翻訳者として著名な小野寺氏の、自身の体験をつづった書。海外に赴任した高級将校の生活を妻の立場から描いたという意味で、相当に貴重なノンフィクションでもある。バルト三国の豊かな文化と誇り高さ、同時に、大国の狭間で生きざるを得なかった弱小国家としての悲哀が感じられる。小国ゆえにソビエトに蹂躙される、バルト三国の悲しい運命は、読んでいて切ない。"
},
{
  "title" : "彷徨える帝 (新潮文庫)",
  "isbn" : "4101305137",
  "date" : "2006-01-11T05:58:27.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "安部 龍太郎",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "後醍醐天皇の残した3つの面をめぐる、室町幕府と南朝方の争いを描いた伝奇小説。実はこの本、面白いのだが、何故か図書館の貸出期限内に読めず、中途半端なまま返却する、ということを2度ほど繰り返していた本であった。もしやこれは後醍醐帝の呪いではないかと真剣に考えたものだが、このほどようやく読了。長年の宿題を終えたような気分である。ちょっとお色気シーンが多いような気がするのだが、まあ、伝奇小説なので良しとする。"
},
{
  "title" : "蛇 下 (トクマ・ノベルズ)",
  "isbn" : "4198506167",
  "date" : "2005-01-14T08:18:58.000Z",
  "publisher" : "徳間書店",
  "authors" : "柴田 よしき",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "京都新聞朝刊に連載された小説の単行本化。\n柴田よしき氏の他の小説に比べると、やや盛り上がりと緊張感に欠ける。新聞小説ということで、幅広い年齢層を意識したためであろうか…。どうせだったら、やはり、柴田氏には大人の読みうるファンタジーを目指して頂きたいもの。"
},
{
  "title" : "伽倻子のために (新潮文庫 り 1-1)",
  "isbn" : "4101172013",
  "date" : "2004-11-22T16:55:55.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "李 恢成",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "帰国船運動の結果が明らかとなった今となっては、この小説が発表された当時とは、読み方が違ってくることは否めない。私は帰国船運動を歴史上のできごととして知る世代であるが、北朝鮮に希望を見た在日朝鮮人・韓国人というのが相当数いたのだ、ということを改めて認識した一冊である。しかし、北朝鮮を信じ、かの地に渡った青年たち、特にインテリ青年たちが払った代償はあまりにも大きかった。そのことを思うにつけ、やるせない気持ちになる。"
},
{
  "title" : "シンガポールから学んだこと",
  "isbn" : "4750318965",
  "date" : "2005-10-20T13:24:48.000Z",
  "publisher" : "明石書店",
  "authors" : "小竹 裕一",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "筆者は、今はなきシンガポールの南洋大学の留学経験者。ちなみに、南洋大学とは、シンガポール政府から冷遇されたあげく、半ば強引にシンガポール大学に吸収された華語大学である。シンガポール大学留学経験者によるシンガポール読本はそれなりにあるのだが、南洋大学留学を起点とするものはなかなか貴重である。シンガポールと日本の公教育をめぐる対談は、論点が全くかみあっておらず、ある意味面白かった。"
},
{
  "title" : "GO",
  "isbn" : "4062100541",
  "date" : "2004-11-22T16:08:19.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "金城 一紀",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "最初の書き出しにガツンとやられてしまった。アロハ(笑)。\u003cbr\u003e\n文章が軽妙でさくさく読めるので見過ごしそうになるが、さまざまな問題が随所で提示されている。\n在日朝鮮人と在日韓国人の違いとは何か、総連とは、民族とは…。\nたとえば李良枝氏の[[4061975846]]や、李 恢成氏の[[4101172013]]と比較するとわかりやすいが、読み手を緊張させずに在日問題を扱える手腕に脱帽。\n勿論、青春小説としても一級品である。"
},
{
  "title" : "「赤毛のアン」の秘密",
  "isbn" : "4000220217",
  "date" : "2006-03-12T04:20:25.000Z",
  "publisher" : "岩波書店",
  "authors" : "小倉 千加子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "筆者は「赤毛のアン」をかなり突き放して見ているので、「赤毛のアン」ファンがこの本を読むと違和感を感じるかもしれない。\n個人的には、こういう本を書く人には、「赤毛のアン」にある程度の愛着を持っていてほしい気もするが…。\u003cbr\u003e\n全体の印象としては、論の展開がやや強引。が、日本での「赤毛のアン」人気についての分析(アンの生き方は、アメリカやカナダでは時代遅れとなっているが、日本では今尚現実味を帯びているという指摘)にはうなずける。"
},
{
  "title" : "クリヴィツキー症候群 (講談社文庫)",
  "isbn" : "4062737892",
  "date" : "2006-08-25T00:37:25.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "逢坂 剛",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "岡坂神策シリーズ第一弾。ハードボイルド風味のミステリ。表題作のオチには「そんなアホな!」とツッコミを入れたくなったが、他はなかなかの出来。"
},
{
  "title" : "考えないヒト - ケータイ依存で退化した日本人 (中公新書 (1805))",
  "isbn" : "4121018052",
  "date" : "2006-04-21T00:45:44.000Z",
  "publisher" : "中央公論新社",
  "authors" : "正高 信男",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "中学・高校時代からケータイを持っている世代からは、かなり反発を買う内容だと推察する。\nしかし、学校生活の大半をケータイなしでつつがなく過ごした者(大学4年次にケータイ導入)からすると、著者の主張には、大筋、なるほど、とうなずいてしまうのである。\u003cbr\u003e\nこの本について、科学者のくせに実証的ではない、という批判もあるようだが、半分エッセイと思って読めば腹もたたない。それよりも、科学者の直感的な「カン」というものが存外馬鹿にできないことを(それはこの本の中でも述べられている)、読者は重く見るべきではないだろうか。"
},
{
  "title" : "ソウルの練習問題―異文化への透視ノート (新潮文庫)",
  "isbn" : "4101107114",
  "date" : "2005-11-08T08:16:17.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "関川 夏央",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "もともとは1984年に出版された本で、さすがに時代を感じる。関川さんも若かったんですな。私はこの本の持つ「青くささ」がちょっとダメでした。"
},
{
  "title" : "Q\u0026A",
  "isbn" : "4344006232",
  "date" : "2005-03-12T15:22:57.000Z",
  "publisher" : "幻冬舎",
  "authors" : "恩田 陸",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "いつものことながら、恩田陸氏の小説は仕掛けが楽しい。今回も、大型ショッピングセンターで起こったパニック騒動の謎を、さまざまな角度から照射してみせてくれる。しかし、このパニックってありうる話ですよ。読んでいてちょっと背筋が寒くなりました。"
},
{
  "title" : "細川ガラシャ夫人〈上巻〉 (新潮文庫)",
  "isbn" : "410116214X",
  "date" : "2004-11-23T04:23:53.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "三浦 綾子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "美貌と才気を兼ね備えた明智光秀の娘、玉子。掌中の珠としていつくしまれた彼女は、織田信長の命により、父の旧友であり、同じく教養人でもあった細川幽斎の長男、細川忠興に嫁ぐ。しかし、父の蜂起によって、彼女の運命は大きくかわっていく…。戦国の世にあって、自分の生き方を求めた女性の物語である。ともすると残酷な面が強調されがちな忠興だが、妻のために百人一首の歌留多札を作るなど、優しい一面もあったことがきちんと描かれている。"
},
{
  "title" : "さよならの空",
  "isbn" : "4048735918",
  "date" : "2006-04-21T00:46:52.000Z",
  "publisher" : "角川書店",
  "authors" : "朱川 湊人",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "夕焼けが愛おしくなります。"
},
{
  "title" : "シェルター",
  "isbn" : "4396632363",
  "date" : "2004-11-02T15:42:25.000Z",
  "publisher" : "祥伝社",
  "authors" : "近藤 史恵",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "整体師・合田力シリーズの第三作。いきなり主要キャラが失踪してしまうと言う衝撃的な始まりの割には、最後は普通に大団円になって、ファンとしては一安心。"
},
{
  "title" : "鳩笛草 (カッパ・ノベルス)",
  "isbn" : "4334071538",
  "date" : "2004-11-19T15:58:27.000Z",
  "publisher" : "光文社",
  "authors" : "宮部 みゆき",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "中篇ミステリ三篇をおさめた一冊。\nこの中の「朽ちてゆくまで」は、読んでいて背中がぞくぞくした。\nサイコミステリ好きにはオススメ。"
},
{
  "title" : "夢のカルテ",
  "isbn" : "4048736493",
  "date" : "2006-05-04T00:09:30.000Z",
  "publisher" : "角川書店",
  "authors" : "高野 和明, 阪上 仁志",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "他人の夢にシンクロできるという特殊能力を持った心理カウンセラー・来生夢衣と、不眠症で彼女のもとを訪れた若手刑事・麻生。\u003cbr\u003e\nその二人が互いに協力し合って事件を解決していく、ハートウォームなミステリ。まあまあ及第点のできでしょうが、来生夢衣の人物造詣に、男性作者の願望が投影されている気がして、ちょっと違和感が…。ということで★3つ。"
},
{
  "title" : "20世紀スポーツ列伝―世界に挑んだ日本人",
  "isbn" : "4120030466",
  "date" : "2006-08-12T11:55:06.000Z",
  "publisher" : "中央公論新社",
  "authors" : "読売新聞社運動部",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "新聞連載記事の単行本化。コンパクトにまとまっているので、スポーツの歴史入門書としてはよろしいかと。"
},
{
  "title" : "後宮小説",
  "isbn" : "4103751010",
  "date" : "2007-10-01T11:09:45.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "酒見 賢一",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "読みすすめるうちに、一瞬史実かと錯覚してしまいそうになる、一級のファンタジー小説。銀河という名の田舎の少女が後宮にあがり、ついには正妃になってしまうという少女小説のような筋書きなのだが、作者の中国古典に対する博覧強記ぶりが、それを奥深いものに仕上げている。作者の出身は...愛知大学か。あの大学は中国研究では定評あるからなあ。納得。それにしても、何故この本の表紙が表示されないのか...。装丁が結構好きだったのに。無念なり。"
},
{
  "title" : "火車 (新潮文庫)",
  "isbn" : "4101369186",
  "date" : "2004-11-21T10:44:38.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "宮部 みゆき",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "カード破産を扱ったミステリらしいと聞き、\nどろどろした闇金融の話だと一人合点していたため、手に取るのが遅れた本。\n読まず嫌いは良くない。\n巻置くあたわざる傑作推理小説である。"
},
{
  "title" : "不屈者",
  "isbn" : "410300651X",
  "date" : "2006-03-12T03:52:03.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "後藤 正治",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "取材対象にぴたりと寄り添いつつも、その一方でその対象を俯瞰的に眺めることのできる能力。そして、確かな文章力、構成力。後藤正治さんはこの全てを兼ね備えた稀有のノンフィクションライターであろう。\u003cbr\u003e\nこれまでに何冊も優れたスポーツノンフィクションを出している方なので、\nラガーマンの村田亙、元プロ野球選手の森安敏明の章は安心して読めた。異色ながら、予想以上に面白かったのは棋士・谷川浩司の章。後藤さん、昭和の将棋界について、もっと書いてください!\n\n"
},
{
  "title" : "かげろう飛脚―鬼悠市・風信帖 (鬼悠市風信帖)",
  "isbn" : "4163216006",
  "date" : "2004-10-23T18:40:36.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "高橋 義夫",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "分別盛りの年齢の人物を主人公に据えているためか、全体に、いぶし銀のような渋い趣がある。\n藩の陰謀と剣戟という、時代小説の王道的楽しみを味わえる好編。\n\n"
},
{
  "title" : "百年目の帰郷",
  "isbn" : "4093792186",
  "date" : "2005-05-31T13:33:13.000Z",
  "publisher" : "小学館",
  "authors" : "鈴木 洋史",
  "categories" : "",
  "score" : "★★",
  "comment" : "王貞治の父・仕福の意外なルーツを探る、という内容なのだが、筆者の「自分こそが王家のルーツを見つけ出したんだ」という自負と功名心が空回りしているように思える。独りよがりな記述が目立ち、ノンフィクションとしてはいまいち。物心ついた頃には冷戦が終結していた世代としては、王貞治という一大スターを通しての中台対立分析の方がよっぽど面白かった。"
},
{
  "title" : "彩雲国物語―黄金の約束 (角川ビーンズ文庫)",
  "isbn" : "4044499020",
  "date" : "2006-09-10T08:11:56.000Z",
  "publisher" : "角川書店",
  "authors" : "雪乃 紗衣",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "1巻よりもキャラクターが生き生きと動いているのが○。そしてまた変な美形キャラが増えてます。黄奇人、素敵過ぎます。"
},
{
  "title" : "北朝鮮1960―総連幹部・最初の告発",
  "isbn" : "4309242847",
  "date" : "2005-04-16T15:47:50.000Z",
  "publisher" : "河出書房新社",
  "authors" : "関 貴星",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "北朝鮮への帰国船運動のさなか、北朝鮮が「地上の楽園」などではないことを看破、帰国者がいずれ国家によって迫害される運命をたどることを正しく予測し、告発の声をあげた総連幹部がいた。1962年出版の「楽園の夢破れて」、63年出版の「真っ二つの祖国」を一冊にまとめての再刊とのことだが、当時、このような内容の本を刊行するには、並々ならぬ勇気が必要であったことと思う。著者の正しさは、その後、30年のときを経て証明された。それにしても、帰国船運動の土壌となった日本の差別の苛烈さもさることながら、朝鮮総連の組織ぐるみの詐欺行為は、糾弾されてしかるべきであろう。"
},
{
  "title" : "天を越える旅人 (ハヤカワ文庫JA)",
  "isbn" : "4150305781",
  "date" : "2004-10-27T14:58:33.000Z",
  "publisher" : "早川書房",
  "authors" : "谷 甲州",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "この作家はこの作品を書くために作家になったのではないか、と読み手に感じさせる本がある。谷甲州氏の場合、この一冊がまさにそう。チベット仏教の世界と迫真の山岳シーンがあいまって、幻想的な世界観が構築されている。"
},
{
  "title" : "斜影はるかな国 (講談社文庫)",
  "isbn" : "4061857150",
  "date" : "2006-09-10T08:05:05.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "逢坂 剛",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "再読。それなりに面白いのだが、ところどころ設定に無理があるのと、主人公が独善的で共感できないのが瑕。一女性読者としては、主人公がヒロインにした仕打ちの方がひどいと思うのだが…。女性観の限界は、作者の世代的限界かもしれない。"
},
{
  "title" : "闇の傀儡師",
  "isbn" : "4163060405",
  "date" : "2005-09-28T02:48:15.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "藤沢 周平",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "舞台は徳川十代将軍家治の治世。幕府に恨みを抱く謎の徒党・八嶽党と、それを利用せんとする幕閣重鎮の思惑。しっとりとした士道小説も良いが、こういう伝奇小説も面白い。"
},
{
  "title" : "在日韓国人の終焉 (文春新書)",
  "isbn" : "4166601687",
  "date" : "2005-08-09T12:20:30.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "鄭 大均",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "在日韓国人の世界史的位置付けと法的位置付けを概観したうえで、在日韓国人が「外国人」である意義はあるのか、と鋭い問いを発しているのが本書である。\u003cbr\u003e\nもはや韓国人とは同質ではない在日韓国人は、日本国籍を取得し、韓国系日本人として生きることを選択すべき時期を迎えているのではないか。著者の論拠とするところも、非常にクリアに述べられている。著者は在日2世(父は在日1世、母は日本人)とのことだが、正直、在日韓国人の中に、こういった視点を持っている人がいるのかと、少し衝撃を受けた。個人的には、著者の主張を支持したい。"
},
{
  "title" : "移動図書館ひまわり号",
  "isbn" : "4480854312",
  "date" : "2005-06-19T13:04:56.000Z",
  "publisher" : "筑摩書房",
  "authors" : "前川 恒雄",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "かつて、図書館が学生と学者のみの所有物であった時代があった。そんな中、貸出をメインとした市民ありきの図書館をめざし、驚異的な実績を叩き出したのが東京の日野市立図書館である。その初代館長である前川氏が、草創期の日野市立図書館の歩みをつづったノンフィクションが本書。前川氏の見解には賛否両論はあろうが、その後の日本の図書館史の流れを変えたと言う意味で、非常に興味深い本である。日ごろ、図書館でお世話になっている人間は必読の書であろう。"
},
{
  "title" : "残響 (新潮エンターテインメント倶楽部)",
  "isbn" : "4106026538",
  "date" : "2005-01-14T04:21:33.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "柴田 よしき",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "かつてのドメスティック・バイオレンスがきっかけで、その場に残留する過去の「声」を聴くことができるようになった杏子。彼女が再生するまでを描いた連作集である。設定は魅力的で、物語の展開も良いのだが、会話が間延びしていて、テンポが悪いのが残念。"
},
{
  "title" : "ダ・ヴィンチ・コード〈上〉",
  "isbn" : "4047914746",
  "date" : "2004-12-25T16:26:24.000Z",
  "publisher" : "角川書店",
  "authors" : "ダン・ブラウン, 越前 敏弥",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "ついに読んでしまいました。ええ、もちろん図書館で借りて(笑)。\n賛否両論あるでしょうが、こういう歴史雑学系ミステリが少ないのも事実。現代人が歴史上の謎に挑む小説で、こちらも知識を仕入れることができて、かつ読んでいてわくわくするものというと、今ぱっと思い浮かぶのは五木寛之氏の[[4101147213]]、高野史緒氏の[[4120027252]]、ちと毛色は異なるけれども、加門七海氏の[[4309473369]]くらいか。このテの小説が好きな者としては楽しめました。しかし、黒幕については全然納得できん。"
},
{
  "title" : "よもつひらさか (集英社文庫)",
  "isbn" : "4087474909",
  "date" : "2004-10-23T17:06:06.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "今邑 彩",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "ホラーファンタジーの短編集。"
},
{
  "title" : "夜のピクニック",
  "isbn" : "4103971053",
  "date" : "2005-01-30T15:20:28.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "恩田 陸",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "恩田陸氏の母校の伝統であるらしい「歩行祭」(24時間ひたすら歩き通すという行事)を題材にした長編小説。この歩行祭、在校中は憂鬱の種だが、卒業してみれば懐かしくなる摩訶不思議な行事とのこと。おそらくこれは恩田氏本人の感慨なのではあるまいか。ご本人が経験しただけあって、ディテールの細やかさはただごとではない(1時間ごとの小休憩には、靴下を脱いで足を乾かしておかないと、後半歩けなくなってしまうらしい。なるほどぉ)。今更青春小説を読むのはきついかな、と思いながら読み始めたのだが、しょっぱなから登場人物の「事情」にぐいっと引き込まれた。"
},
{
  "title" : "風の万里 黎明の空(上)十二国記 (講談社文庫)",
  "isbn" : "4062649985",
  "date" : "2006-06-16T00:05:20.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "小野 不由美",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "シリーズの順番どおりに「東の海神 西の滄海」を読もうと企てたものの、図書館になかったので、先にこちらを読むことに。\n今回は三人の主人公がいて、それが慶国に集約されていくという趣向ですね。それにしても、陽子ちゃん、たくましくなりました。"
},
{
  "title" : "先崎学の浮いたり沈んだり (文春文庫)",
  "isbn" : "4167688018",
  "date" : "2006-03-23T00:35:27.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "先崎 学",
  "categories" : "エッセイ",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "註という名の編集者のツッコミが楽しいエッセイ。\u003cbr\u003e\n[[4062117002]]と併せてどうぞ。"
},
{
  "title" : "編集者T君の謎―将棋業界のゆかいな人びと",
  "isbn" : "4062117002",
  "date" : "2006-03-20T06:17:25.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "大崎 善生",
  "categories" : "エッセイ",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "[[4062107155]]、[[4062100088]]に続いて、大崎善生将棋関連本第三弾である。\u003cbr\u003e\n主に将棋に関するエッセイだが、なかなかオモロイ。これを読んで以来、我が家での佐藤棋聖の愛称が「モテミツ君」になりました。早く先崎さんのエッセイも読まねば。"
},
{
  "title" : "密約幻書 (講談社文庫)",
  "isbn" : "4061851926",
  "date" : "2005-11-08T08:11:48.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "多島 斗志之",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "神戸に住む若い女性のもとに突如舞い込んだ、祖母の形見の鞄を買い取りたいという申し出。申し出の主は英国の富豪、しかも亡命ロシア人でもあった祖母の鞄に対して示された金額は法外なものだった…。絶妙にからむ現在と過去、二重三重のどんでん返しと、歴史ミステリ好きならば、読んで損はない一冊。"
},
{
  "title" : "ワセダ三畳青春記 (集英社文庫)",
  "isbn" : "4087476324",
  "date" : "2006-09-10T07:49:39.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "高野 秀行",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "一般人が行かないような辺境に行っているからこそ、この人のエッセイやルポは珍妙で面白いのだと思っていた。が、これを読んで、それが全くの誤解であることがわかった。この人の生き方が変なのである(←誉め言葉)。だから、日本が舞台のはずの本エッセイもぶっとぶほど面白い。あとがきでちらりと書いていた「割愛部分」も、いつか上梓されることを期待したい。"
},
{
  "title" : "嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)",
  "isbn" : "4043756011",
  "date" : "2005-07-31T15:25:35.000Z",
  "publisher" : "角川書店",
  "authors" : "米原 万里",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "プラハソビエト学校時代の同級生の足跡をたどった、\nロシア語通訳にして名エッセイスト米原万里氏の渾身の傑作。\n冷戦時代のソビエト、その衛星国に興味のある人は必読の書。\nこの物語はNHKの企画番組がもとになっており、そちらの方は読了後再放送で見ることができた。\n番組を見て、アーニャが一番苦労を経験した面持ちであったことに衝撃を受けた。"
},
{
  "title" : "ユージニア",
  "isbn" : "404873573X",
  "date" : "2005-08-10T10:01:09.000Z",
  "publisher" : "角川書店",
  "authors" : "恩田 陸",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "改めて、恩田陸は神秘的な少女を描くのがうまい作家だなあと思った。謎についても、それなりに最後で解決するので、今回は読後感も悪くない。ただ、細かいところで、少し釈然としない部分があったのが残念。"
},
{
  "title" : "ウズベキスタンの桜",
  "isbn" : "4877583548",
  "date" : "2006-08-29T14:53:40.000Z",
  "publisher" : "KTC中央出版",
  "authors" : "中山 恭子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "非常に素直な文章。もちろん大人が読んでも面白いのだが、中学生・高校生向けに、国際関係学の入門書として書かれたのではないかという気もする。というわけで、我こそはと思う意識の高い中学生、高校生は読むように。それにしても、日本人捕虜の真面目な仕事ぶりを、いまだに記憶している国もあるんですね。読んでいて身が引き締まる思いがしました。"
},
{
  "title" : "どこか古典派(クラシック)",
  "isbn" : "4120029514",
  "date" : "2004-11-14T15:39:18.000Z",
  "publisher" : "中央公論新社",
  "authors" : "中村 紘子",
  "categories" : "エッセイ",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "中村紘子氏の文章を初めて読んだのは、文庫版[[4122008735]]の解説だった。ご主人の庄司薫氏の援護射撃の解説文だったが、あまりの文章の巧みさに、「世界的ピアニストで、美人で、しかも文章がうまいなんて、神様は不公平だ〜!」と叫んだものだった。\u003cbr\u003e\nその彼女のエッセイを集めたのが本書。新聞で読んで、もう一度読みたいと思っていた、ダックスフントのゴマちゃん、ウルちゃん(本名:ウルメイワシちゃん)のエピソードがいい。そういえば、この前見た「題名のない音楽会」でウルちゃんが出てきていたが、ご丁寧にもテロップで「ウルメイワシさん」と表示されていたのには笑った。"
},
{
  "title" : "必笑小咄のテクニック (集英社新書)",
  "isbn" : "4087203239",
  "date" : "2006-03-09T15:51:18.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "米原 万里",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "「笑いのツボ」の分析本というところでしょうか。\u003cbr\u003e\n個人的には「悲劇喜劇も紙一重」の章がイチオシ。でも他は…どうでしょう。日常会話がボケとツッコミという地方の人には自明のことかも。\u003cbr\u003e\n例題の小咄が玉石混交なのも残念。\u003cbr\u003e\n"
},
{
  "title" : "バルト海のほとりにて―武官の妻の大東亜戦争",
  "isbn" : "4764105578",
  "date" : "2005-09-28T07:56:15.000Z",
  "publisher" : "共同通信社",
  "authors" : "小野寺 百合子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "最近復刊したようで、書影が出るようになりました。万歳!\u003cbr\u003e\nムーミンシリーズの翻訳者として著名な小野寺氏の、自身の体験をつづった書。海外に赴任した高級将校の生活を妻の立場から描いたという意味で、相当に貴重なノンフィクションでもある。バルト三国の豊かな文化と誇り高さ、同時に、大国の狭間で生きざるを得なかった弱小国家としての悲哀が感じられる。小国ゆえにソビエトに蹂躙される、バルト三国の悲しい運命は、読んでいて切ない。"
},
{
  "title" : "狐罠",
  "isbn" : "4062086263",
  "date" : "2006-01-27T12:12:55.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "北森 鴻",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "一匹狼の女性骨董師(旗師)が主人公のサスペンス。\n緊迫感のある展開で、最後まで一気に読める。\n骨董や美術に興味のある人なら楽しめること請け合い。"
},
{
  "title" : "コバルト風雲録",
  "isbn" : "4860110382",
  "date" : "2006-03-06T02:44:52.000Z",
  "publisher" : "本の雑誌社",
  "authors" : "久美 沙織",
  "categories" : "エッセイ",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "実は学生の頃、いわゆる「少女小説」から縁遠い読書生活を送っていたクチである。なんとなく、「少女小説」イコール普通の小説の亜流、という偏見がぬぐえなかったからだ。最近、遅まきながら「少女小説」を亜流と見なすこと自体ナンセンスかもしれない、と思い始め、本書を手に取った次第である。さすがにコバルトの草創期から活躍している久美先生、小説業界の裏事情も含め、内容は非常に面白い。しかし。もともとHPに掲載されていた文章だからだろうか、あまりにも文章がフランクかつハイテンション過ぎて、読むのはちとしんどかった…。それにしても少女小説のファン心理というのは恐ろしいですな。"
},
{
  "title" : "夢にも思わない (角川文庫)",
  "isbn" : "4043611021",
  "date" : "2004-11-01T15:30:07.000Z",
  "publisher" : "角川書店",
  "authors" : "宮部 みゆき",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "中学生が主人公の、青春ミステリ(といっておこう)。\n結構ハードな題材なのに、暗くなりすぎないのはさすが宮部氏。\n最後の結末がほろりと切ない。"
},
{
  "title" : "カラシニコフ",
  "isbn" : "4022579293",
  "date" : "2005-12-08T07:35:25.000Z",
  "publisher" : "朝日新聞社",
  "authors" : "松本 仁一",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "「子供でも扱える銃」カラシニコフが与えたインパクトについて考察した一冊。カラシニコフの開発秘話も興味深いが、それにもまして、カラシニコフによって無政府状態に拍車がかかっているアフリカ諸国の報告には目の覚める思いがする。アフリカ特派員経験のある筆者ならではの報告と言えようか。「カラシニコフのない社会」を目指す「ソマリランド共和国」を描いた最終章が胸をうつ。"
},
{
  "title" : "欲望する女たち―女性誌最前線を行く",
  "isbn" : "416354450X",
  "date" : "2005-04-16T02:22:30.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "久田 恵",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "女性誌で頻出するトピックについての考察エッセイ。もう少し突っ込んだ考察があるものと期待していたのだが、その点はやや期待はずれ。よって星は3つだが、それでも、一つのトピックの取り上げられ方について、時代による変化を追うという観点は面白かった。それにしても、「我が子をかわいいと思えなくなる瞬間がある」と母親が言うことは、少なくとも1980年代まではタブーだったんですね。そういう風潮だと、育児も大変だっただろうなあ。"
},
{
  "title" : "風の海 迷宮の岸 十二国記 (講談社文庫)",
  "isbn" : "4062648334",
  "date" : "2006-06-16T00:05:54.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "小野 不由美",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "少女小説とは思えないほど色気のない物語(←注・褒め言葉)。でも面白くて一気読みしちゃいました。"
},
{
  "title" : "英国ユダヤ人 (講談社選書メチエ)",
  "isbn" : "4062580462",
  "date" : "2005-07-05T01:06:22.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "佐藤 唯行",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "英国史の中でもスポットがあたりにくいであろう、イギリスのユダヤ人史について、丁寧にまとめられた好著。イギリス通史がある程度頭に入っているという向きには特にお勧めしたい。ユダヤ人というフィルターを通して見ると、また違ったイギリスの歴史が浮かび上がってくる。"
},
{
  "title" : "ドキュメント 戦争広告代理店〜情報操作とボスニア紛争 (講談社文庫)",
  "isbn" : "4062750961",
  "date" : "2005-07-11T13:52:15.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "高木 徹",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "ボスニア紛争はマスコミ操作の戦争でもあったと言う意味で、極めて現代的な戦争であった。セルビアが如何にして「国際世論」から見放され、孤立していったのか、本書はその過程を丁寧に追ったノンフィクションである。「国際世論」とは何なのか、考えさせられる一冊。"
},
{
  "title" : "好きよ",
  "isbn" : "4575234443",
  "date" : "2005-01-14T04:38:56.000Z",
  "publisher" : "双葉社",
  "authors" : "柴田 よしき",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "ジャンルとしては伝奇ミステリになるんでしょうか。何から何まで好みだったので、ケチのつけようがありません。特に、失踪した同僚・愛果の残したメッセージを、主人公菫子と愛果の母親が解き明かすシーンには、読んでいてゾクゾクしてしまった。"
},
{
  "title" : "ぼくが猫語を話せるわけ (中公文庫 し 18-6)",
  "isbn" : "4122008735",
  "date" : "2004-11-14T15:37:35.000Z",
  "publisher" : "中央公論新社",
  "authors" : "庄司 薫",
  "categories" : "エッセイ",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "自称犬派の庄司薫氏と、庄司氏の家に居座ることになった居候猫タンク(本名:ピッツィカート)の、徒然エッセイ。自称猫派は必読の書である。もちろん、タンクの本来の飼い猫であり、庄司氏の奥様でもあられる中村紘子氏の解説(名文!)も必読である。"
},
{
  "title" : "雨の檻 (ハヤカワ文庫JA)",
  "isbn" : "4150303894",
  "date" : "2004-11-03T14:45:36.000Z",
  "publisher" : "早川書房",
  "authors" : "菅 浩江",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "SF短編集ではあるが、イチオシはファンタジー色の強い「そばかすのフィギア」。こういう物語をもっと読みたい。"
},
{
  "title" : "木枯し紋次郎 (一) 赦免花は散った (光文社文庫)",
  "isbn" : "4334723403",
  "date" : "2004-10-23T18:09:28.000Z",
  "publisher" : "光文社",
  "authors" : "笹沢 左保",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "笹沢左保のストーリーテリングの巧みさがあますところなく実感できる。全ての短編に、いちいち大どんでん返しが待っているのには脱帽。あの短さでどうしてここまで読者を煙にまけるのか不思議だ…。"
},
{
  "title" : "黒と茶の幻想 (下) (講談社文庫)",
  "isbn" : "4062753618",
  "date" : "2006-07-20T15:50:55.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "恩田 陸",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : ""
},
{
  "title" : "太平洋の薔薇 (上) (光文社文庫)",
  "isbn" : "4334740294",
  "date" : "2006-10-03T14:25:28.000Z",
  "publisher" : "光文社",
  "authors" : "笹本 稜平",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "熱い海の男が読みたい方は是非一読を。船長の父親と海上保安監の娘の、家族の絆もアツイですぞ。"
},
{
  "title" : "今夜は心だけ抱いて",
  "isbn" : "4022501707",
  "date" : "2006-07-01T01:49:32.000Z",
  "publisher" : "朝日新聞社",
  "authors" : "唯川 恵",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "女性が年をとるのは悪いことではない、若さを失う代わりに得るものだってある。そんな作者のメッセージが感じられる小説。ラスト2ページではぶっとびました。うーん、そうきたか。"
},
{
  "title" : "地獄を二度も見た天皇 光厳院 (歴史文化ライブラリー)",
  "isbn" : "4642055479",
  "date" : "2006-03-06T02:39:36.000Z",
  "publisher" : "吉川弘文館",
  "authors" : "飯倉 晴武",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "日本史の中でも、混乱と動乱、策謀が渦巻く南北朝時代は興味の尽きない時代である。本書は、光厳院を軸に南北朝前期の時代を描いたもの。光厳院は鎌倉時代末期に生を受け、天皇位を継ぐ正当な後継者として帝王学を授けられ、一旦は皇位に上った人物である。しかし、政治的混乱の中、外部勢力に運命を弄ばれる。平時であれば、学問を修めた理知的な君主として善政をなしえた人物であろう。それだけに、その流転の生涯は哀れに思われる。"
},
{
  "title" : "魔岩伝説",
  "isbn" : "4396632142",
  "date" : "2005-04-19T14:46:04.000Z",
  "publisher" : "祥伝社",
  "authors" : "荒山 徹",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "朝鮮通信使に秘められた真の目的をめぐる暗闘を描いた、血沸き肉踊る歴史伝奇小説。こういうはらはらどきどきの歴史小説がもっと量産されないものか。"
},
{
  "title" : "震度0",
  "isbn" : "4022500417",
  "date" : "2006-01-06T07:59:40.000Z",
  "publisher" : "朝日新聞社",
  "authors" : "横山 秀夫",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "横山秀夫お得意の警察小説。\u003cbr\u003e\nなので期待していたのだが、思いっきり肩透かしをくらってしまった。\u003cbr\u003e\n阪神大震災を大胆にモチーフとしたことは評価しても良いが、いかんせん、本筋の展開があざとすぎる。\u003cbr\u003e\n結末もあまりにもちんまりとしていて、読んでいてこけそうになった。\u003cbr\u003e"
},
{
  "title" : "海東青―摂政王ドルゴン",
  "isbn" : "4120029778",
  "date" : "2006-05-01T14:33:47.000Z",
  "publisher" : "中央公論新社",
  "authors" : "井上 祐美子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "派手さはないが、手堅い印象の中国歴史小説。井上祐美子さんの小説はほとんど初めてみたいなもんだが(以前一冊読んでいるはずだがさっぱり記憶なし)、中国史の中でもマイナーな時代を描ける作家さんだと確信。他の作品も読んでみたい作家の一人である。"
},
{
  "title" : "新装版 市塵(上) (講談社文庫)",
  "isbn" : "4062750759",
  "date" : "2006-06-26T15:04:52.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "藤沢 周平",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "新井白石の後半生を、熟練の筆でとらえた歴史小説。"
},
{
  "title" : "バイオリニストは肩が凝る―鶴我裕子のN響日記",
  "isbn" : "4901213520",
  "date" : "2006-03-16T00:40:51.000Z",
  "publisher" : "アルク出版企画",
  "authors" : "鶴我 裕子",
  "categories" : "エッセイ",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "エッセイ・ノンフィクションは、その業界の門外漢でも楽しめるものと、ある程度の予備知識を読者に要求するものとに大別できる。\u003cbr\u003e\nこれは完全に後者。「コンマス」って何する人?という読者は読むのがシンドイのでは。日本はクラシックに明るい教養人が多いからこれでいいのかしらん。\u003cbr\u003e\nせめて指揮者の顔写真を載せてくれればなあ…簡略でも良いから、その指揮者の経歴について言及されていればなあ…と、クラシック音痴の一読者は思うのである。中村紘子さんはその点が抜かりなかった。名エッセイストと呼ばれる所以である。"
},
{
  "title" : "原発を見に行こう―アジア八ヵ国の現場を訪ねて",
  "isbn" : "4062084422",
  "date" : "2005-10-19T02:10:24.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "上坂 冬子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "日本の原子力発電の重鎮とめぐるアジア各国の原発レポート。技術面から原発に迫ることを放棄し、政治・経済面に絞って原発に迫るという潔さを大いに評価したい。日本の原発事業のウェイトの重さを客観的に確認できる、絶好の書である。\u003cbr\u003e\n上坂氏もさることながら、同行の重鎮たちがそれぞれ個性的で、どたばた珍道中記という趣。それにしても、この原発ツアー、恐るべき強行軍ですな…。"
},
{
  "title" : "よいこの文化大革命―紅小兵の世界 (広済堂ライブラリー)",
  "isbn" : "4331850188",
  "date" : "2005-08-19T12:09:52.000Z",
  "publisher" : "廣済堂出版",
  "authors" : "武田 雅哉",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "文革期に刊行された学童向け雑誌「紅小兵」を中心に、文化大革命を考察した本。学術書としては内容が薄いかもしれないが、視点が面白いことと、ここまで「紅小兵」を収集した筆者の熱意を大いに評価したい。雑誌・アニメ・映画などの子どもの娯楽の世界で、文化大革命の性質はデフォルメ化され、純粋化されていたのだなあと感じ入ってしまった。必ずしも政権に守られた雑誌ではないので、執筆陣も、政府の神経を逆なでしないよう苦心した\nことでしょう。"
},
{
  "title" : "クォーター・ムーン (新潮文庫)",
  "isbn" : "4101296146",
  "date" : "2006-03-22T03:28:54.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "玉岡 かおる",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★",
  "comment" : "七年越しの恋愛に破れ、故郷大阪に戻ったさつき。女友達との友情、新しい職場、そして恋…という話なのだが、\nううむ、主人公が恋愛自己中心主義すぎて、感情移入できないまま読み終わってしまったぞ。\u003cbr\u003e\nそれから、会話の中で出てくる「〜しとう?」(神戸の人はよく使いますね)、大阪の人はあまり使わない気がするんですが…。"
},
{
  "title" : "スタジアム 虹の事件簿 (創元推理文庫)",
  "isbn" : "4488431011",
  "date" : "2004-10-23T18:01:57.000Z",
  "publisher" : "東京創元社",
  "authors" : "青井 夏海",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "野球オンチの野球オーナーという、異色の安楽椅子探偵が活躍する連作ミステリ。\n最後がきれいにまとまりすぎているので、★の数を減らしたが、野球オーナーの女性がなかなか魅力的で、全体をまとめる要としては申し分ない。その他の登場人物も個性的。文章も達者なので安心して読める。"
},
{
  "title" : "監督 (文春文庫)",
  "isbn" : "4167414066",
  "date" : "2005-10-29T05:06:59.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "海老沢 泰久",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "限りなくノンフィクションをベースにした野球フィクション(何ていったって主人公が広岡達朗という「架空の人物」ですから)。川原泉の\n「メイプル戦記」の元ネタの一つはこれかも、と感じる箇所が結構あります。"
},
{
  "title" : "クラブ・ポワブリエール",
  "isbn" : "4198615985",
  "date" : "2004-11-19T04:00:40.000Z",
  "publisher" : "徳間書店",
  "authors" : "森福 都",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "妻が失踪、残されたヒントは、妻が大学時代の仲間に配信していた自作のショートストーリーだった…。切迫感はあるものの、どこかのんびりした雰囲気のミステリ。最後の落としどころが見事。"
},
{
  "title" : "上と外〈1〉素晴らしき休日 (幻冬舎文庫)",
  "isbn" : "4344400046",
  "date" : "2004-11-14T16:03:19.000Z",
  "publisher" : "幻冬舎",
  "authors" : "恩田 陸",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "この本の広告を初めて見たときには、恩田陸氏ともあろう人が何故小学生向けのような小説を書くのか…と訝しく思ったものだった。\nしかし、まあ一巻だけでも、と思って読んでみたら、これがぶっとぶくらい面白い。\n最終巻などは、図書館に入るのが待ちきれず、自分で買おうかと思ったくらいである(でも結局図書館で借りました・笑)。\n小学生向け小説のような風体だが、大人も楽しめる小説としてイチオシ。"
},
{
  "title" : "ストロベリー・ロード〈上〉 (文春文庫)",
  "isbn" : "4167530023",
  "date" : "2006-08-09T00:14:19.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "石川 好",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "1960年代半ば、アメリカで農業に従事している兄を頼って渡米した作者の自伝的小説。アメリカでの高校生活、兄とともに働いた農場での体験など、作者が肌で感じ取った生々しいアメリカの現実を感じ取れる。ベトナム戦争、公民権運動など、一大転換期を迎えていたアメリカの、時代の空気に触れることもできる好著。"
},
{
  "title" : "本の運命 (文春文庫)",
  "isbn" : "4167111209",
  "date" : "2005-09-28T07:57:06.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "井上 ひさし",
  "categories" : "エッセイ",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "井上ひさしさんと本との関わり方は、徹底的で清濁併せ呑むという印象がある。それでもどこか粋なのだ。本を置きすぎて床が抜けたとか、凡人には実践できそうもないエピソードが素敵。"
},
{
  "title" : "中国の大盗賊・完全版 (講談社現代新書)",
  "isbn" : "4061497464",
  "date" : "2006-12-19T12:34:46.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "高島 俊男",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "毛沢東はマルクス主義者ではない、中国の大親分の後継者だ、と明言したところにこの本の意義がある。"
},
{
  "title" : "海の都の物語―ヴェネツィア共和国の一千年〈上〉 (塩野七生ルネサンス著作集)",
  "isbn" : "4106465043",
  "date" : "2004-11-07T06:37:56.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "塩野 七生",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "ヴェネツィアといえば、第四回十字軍のがめつい商人というイメージが先行しているような気がしてならないのだが、智謀と戦略に長けた共和国だけあって、その歴史は波乱万丈である。元首をはじめとする、物語を彩る登場人物も多彩。地中海に栄華を誇った海洋国家の歴史はやはり奥深いのだ。"
},
{
  "title" : "インディゴの夜 チョコレートビースト (ミステリ・フロンティア)",
  "isbn" : "448801724X",
  "date" : "2006-05-12T04:19:05.000Z",
  "publisher" : "東京創元社",
  "authors" : "加藤 実秋",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "あの三枚目ホスト探偵団が帰ってきた!!首を長くして待ち続けた甲斐がありました。それにしても、これだけ筆力のある作家が寡作というのは如何にも惜しい。次作も期待してまっせ。"
},
{
  "title" : "サウス・バウンド",
  "isbn" : "4048736116",
  "date" : "2006-01-21T03:23:15.000Z",
  "publisher" : "角川書店",
  "authors" : "奥田 英朗",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "こんなお父さんがいたらはた迷惑だなあ、主人公の少年よ、ぐれずに頑張れよ、と思いながら読み進めていたのだが、最後まで読むと、一本芯の通った父親の姿に好ましいものを感じてしまう。不思議。"
},
{
  "title" : "アパルトヘイトの白人たち",
  "isbn" : "479540531X",
  "date" : "2006-03-16T00:46:17.000Z",
  "publisher" : "すずさわ書店",
  "authors" : "松本 仁一",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "[[4022579293]]の著者の本をもっと読みたくて手に取った。\u003cbr\u003e\nアパルトヘイトの特殊性をわかりやすく抽出したノンフィクション。\u003cbr\u003e\n黒人側からアパルトヘイトを描いたルポは数あれど、白人サイドに焦点をあてたものは貴重である。南アの白人には2種類あるという視点に新鮮さを感じた。\u003cbr\u003e"
},
{
  "title" : "いつもの朝に",
  "isbn" : "4087753565",
  "date" : "2006-06-24T00:04:09.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "今邑 彩",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "読みごたえのある家族小説。結構重いテーマを扱っているのだが、ところどころに散りばめられたユーモアのためか、それほど重苦しい感じはしない。特に、弟・優太と、そのガールフレンド・千夏ちゃんの掛け合いが良い。エピローグにはほろりときました。"
},
{
  "title" : "殺意をえがく子どもたち―大人への警告",
  "isbn" : "4313630368",
  "date" : "2005-10-24T12:01:30.000Z",
  "publisher" : "学陽書房",
  "authors" : "三沢 直子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "描画テストをベースにした児童精神分析の書。テレビゲームやチャットを初めとした疑似的世界について、再考を迫る一冊。"
},
{
  "title" : "聖の青春",
  "isbn" : "4062100088",
  "date" : "2006-03-18T02:02:54.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "大崎 善生",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "難病に冒されながら、プロ棋士として孤高の輝きを放った村山聖の物語。\u003cbr\u003e\nぬぐいがたい死への親近感、将棋への情熱、森信雄との師弟愛。短くも凝縮した人生と言えよう。\u003cbr\u003e\nしかし、将棋界のしがらみから、奨励会入会を一年棒に振らざるを得なくなったとき、村山の悔しさはいかばかりであったか。"
},
{
  "title" : "螢坂",
  "isbn" : "406212579X",
  "date" : "2004-11-23T03:50:34.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "北森 鴻",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "ビアバー香菜里屋の主人・工藤が謎を解き明かすシリーズ第3作。「猫に恩返し」、「双貌」、「孤拳」など、ほんわかとした後味の短編が心地よい。相変わらず美味しそうな料理が登場するが、第1作、第2作の方が、食べたいと思う料理が多かったかも。"
},
{
  "title" : "ハングルへの旅 (朝日文庫)",
  "isbn" : "4022605448",
  "date" : "2005-08-24T03:27:48.000Z",
  "publisher" : "朝日新聞社",
  "authors" : "茨木 のり子",
  "categories" : "エッセイ",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "詩人として著名な茨木のり子氏が、韓国語に触れ、韓国語を通して韓国文化に触れた体験をつづったエッセイ集。鋭い言語感覚を持つ人のエッセイだけに、韓国語に対する洞察の深さも並大抵ではない。ちなみに、筆者が韓国語を学び始めたのは、なんと50代になってからだとか。\u003cbr\u003e\n実はこの本、大学時代の私の朝鮮語学習座右の書でもあります。この中で出てくる韓国の諺「はじまりが半分だ(シージャニ パニダ:さあ始めようと思い立ったときからもう、ことの半分は成就している)」には、随分励まされた記憶あり。"
},
{
  "title" : "北朝鮮に消えた友と私の物語 (文春文庫)",
  "isbn" : "4167260069",
  "date" : "2005-11-07T07:21:57.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "萩原 遼",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "赤旗特派員として平壌に滞在した著者の、朝鮮との関わりを描いた半生記。天王寺高校夜間部で出会った尹元一との友情、初めての朝鮮語との出会い、朝鮮人青年たちとの交流、実際に見た北朝鮮への幻滅などが、丁寧につづられている。"
},
{
  "title" : "非花(はなにあらず)",
  "isbn" : "4120027643",
  "date" : "2006-07-29T01:09:37.000Z",
  "publisher" : "中央公論社",
  "authors" : "井上 祐美子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "その昔読んだことがあるはずなのに、さっぱり印象に残っていない。なので再読したのだが、どれも可もなく不可もなくという出来。強いて言えば表題作は及第点か。題材は悪くないのだがなあ。"
},
{
  "title" : "神様からひと言",
  "isbn" : "4334923739",
  "date" : "2004-10-25T05:52:23.000Z",
  "publisher" : "光文社",
  "authors" : "荻原 浩",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "クレーム処理部門に左遷された若手サラリーマンの悲喜こもごもコメディ。脇を固める役者も一癖どころか、二癖、三癖ある人物ばかりでふるっている。個人的には「御前」が好きである。"
},
{
  "title" : "動機 (文春文庫)",
  "isbn" : "4167659026",
  "date" : "2005-08-05T14:36:10.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "横山 秀夫",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "横山氏お得意の警察ものから、女性新聞記者が主人公のマスコミものまで、それぞれ持ち味の違う短編が4作収められている。物語の起伏が乏しく、全体的に地味な印象が否めない。横山秀夫氏の短編としてはいまいち。"
},
{
  "title" : "時空(とき)の旅人―とらえられたスクールバス〈前編〉 (ハルキ文庫)",
  "isbn" : "4894564874",
  "date" : "2005-04-10T15:42:37.000Z",
  "publisher" : "角川春樹事務所",
  "authors" : "眉村 卓",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "ジュブナイルの傑作長編。実は私がこの本を読んだのは結構いいトシになってからだったのだが、面白くて一気に読んでしまった。登場人物が全員前向きでうだうだうじうじと悩まないところが良い。ちなみに私の読んだ文庫本では、萩尾望都先生の原画と思しきアニメのイラストが表紙でした。現在のような(普通の)表紙だったら、もう少しジュブナイルの似合う年齢のときに本を手に取っていたかもしれないなあ。"
},
{
  "title" : "山河寂寥―ある女官の生涯 (下)",
  "isbn" : "4000009060",
  "date" : "2005-08-23T12:24:24.000Z",
  "publisher" : "岩波書店",
  "authors" : "杉本 苑子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "藤原氏の権勢を磐石のものとした藤原良房、その養嗣子基経、そして基経の異母妹にあたる藤原淑子。類まれなる才覚を持つ女性・藤原淑子の生涯を丁寧に描いた、良質の歴史小説。男性のイメージが強い藤原氏だが、個性豊かで聡明な女性も多数存在していたことが再認識できる。若くして死んでしまったため、小説の中での扱いは大きくなかったが、淑子の同母姉もまた、優れた政治バランスを持った人物だったのではないかと思う。\n良房と基経も、老獪でありながらどこか人間くさい権力者として描かれていて、嫌味がない。淑子の最期の描写は無常観漂うものだったが、これだけ自分の意志を通した生き方ができたのであれば、人生に悔いはないと思うのだが、如何だろうか。"
},
{
  "title" : "吃逆 (講談社文庫)",
  "isbn" : "4062735075",
  "date" : "2004-11-21T09:46:42.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "森福 都",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "北宋の都・開封を舞台としたミステリ。科挙に末席で合格した陸文挙。吃逆(しゃっくり)すると幻視できるという特技を持つ彼は、美貌のゴシップ新聞社主幹(ちょっと違うか…)にスカウトされる。\u003cbr\u003e\n登場人物がそれぞれ個性豊かで楽しめる。なにより、北宋という時代設定、商業都市・開封という舞台が魅力的である。唐や清に比べると北宋はどうも地味なイメージがあるが、どうしてなかなか、なんである。"
},
{
  "title" : "テレビの嘘を見破る (新潮新書)",
  "isbn" : "4106100886",
  "date" : "2005-07-13T11:15:18.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "今野 勉",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "平易な文体だが、ドキュメンタリー映像とは何かということを考えさせられる一冊。取り上げられている事例も興味深い。欲を言えば、もう少し内容にボリュームが欲しかった。ところで、とある事例にちらりと登場した岩崎昶さん、彼は李香蘭の自伝でも出てきた方ですね。全く別のジャンルのノンフィクションで、共通の人物が登場すると、何だか旧友に会ったような気持ちになるのは私だけでしょうか…。"
},
{
  "title" : "オリガ・モリソヴナの反語法",
  "isbn" : "4087745724",
  "date" : "2005-11-11T18:21:07.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "米原 万里",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "米原万里氏の半自伝的小説。舞台芸術家である主人公は、自らに踊りの魅力を教えてくれた、ソビエト・プラハ学校時代の女教師の過去を調べ始める。調査から浮かび上がる、天才女性ダンサーの数奇な運命…。\nおそらく物語の80%くらいはノンフィクションでしょう。米原氏の気迫が感じられる一冊。"
},
{
  "title" : "星は、昴 (ハヤカワ文庫JA)",
  "isbn" : "4150305862",
  "date" : "2004-10-24T16:24:18.000Z",
  "publisher" : "早川書房",
  "authors" : "谷 甲州",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "どうもSFにのめりこめない(と言ったらSF愛好家の方にしばかれそうですが)初心者でも、描かれる世界にすっと入り込むことができる、稀有なSF短編集。どこか叙情的な香りがする表題作は特に印象深い。"
},
{
  "title" : "少年たちのおだやかな日々 (双葉文庫)",
  "isbn" : "4575506893",
  "date" : "2005-06-28T14:43:05.000Z",
  "publisher" : "双葉社",
  "authors" : "多島 斗志之",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★",
  "comment" : "多島氏の小説としては不満が残る一冊。まあ、ライトなホラー小説というところなのだろうが、リアリティーが薄くて中途半端。なまじ多島氏の力量をかっているだけに、非常に残念。強いて言うなら「嘘だろ」が良いか。"
},
{
  "title" : "私の家は山の向こう―テレサ・テン十年目の真実",
  "isbn" : "4163668403",
  "date" : "2007-05-29T23:23:54.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "有田 芳生",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "私が中華ポップスに初めて触れた約十年前、中華圏において、テレサは既に伝説の歌姫であり、あまりに崇高な存在であった。香港、台湾、シンガポール、華人社会のある国で、彼女の歌のカヴァーに出会わないことはなかった。本書は等身大のテレサを描き出そうとした労作である。特に、スパイ説が事実無根であることを証明したのは高く評価したい。"
},
{
  "title" : "冤罪 (新潮文庫)",
  "isbn" : "4101247048",
  "date" : "2006-06-15T23:51:44.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "藤沢 周平",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "藤沢周平の武家もの好きにはたまらない一冊。"
},
{
  "title" : "山河寂寥―ある女官の生涯 (上)",
  "isbn" : "4000009052",
  "date" : "2005-05-05T15:10:47.000Z",
  "publisher" : "岩波書店",
  "authors" : "杉本 苑子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "平安時代前期、その才覚で藤原氏の栄華の基盤固めに貢献した女官、藤原淑子の一生をたどった歴史小説。"
},
{
  "title" : "リターンマッチ (文春文庫)",
  "isbn" : "4167656159",
  "date" : "2005-08-17T11:12:15.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "後藤 正治",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "定時制高校のボクシング部に取材したノンフィクション。"
},
{
  "title" : "森のなかの海〈下〉",
  "isbn" : "4334923364",
  "date" : "2006-04-16T10:14:47.000Z",
  "publisher" : "光文社",
  "authors" : "宮本 輝",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "人が心の傷を癒やすというのは、一体どういうことなのか。\u003cbr\u003e\n「癒し」という言葉が氾濫する昨今、真正面から心の再生というテーマに取り組んだ小説。個人的には、もう少し主人公の女性の内面に踏み込んでほしかった気もするが…。\u003cbr\u003e\nジージがかっこよくて素敵。\n"
},
{
  "title" : "海嘯 (中公文庫)",
  "isbn" : "4122040825",
  "date" : "2006-08-12T11:52:51.000Z",
  "publisher" : "中央公論新社",
  "authors" : "田中 芳樹",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "宋の亡国史。南宋滅亡のシーンは壇ノ浦を髣髴とさせる。とはいえ、18万人を擁する海上朝廷なんて、スケールが違いすぎてくらくらしますね。"
},
{
  "title" : "君たちに明日はない",
  "isbn" : "4104750018",
  "date" : "2006-03-20T09:28:13.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "垣根 涼介",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "リストラ請負人が主人公の、変化球的な会社小説。リストラに関わる悲喜こもごもを描きながらも、全体のトーンは決して暗くはない。娯楽小説としては及第点だが、もう少し文章全体に丁寧さがほしいかな。個人的には、第3章の「旧友」が一番好き。主人公と主人公の恋人以外に、全体を支える骨のある脇役がいれば、物語にもっと奥行きがでたかもしれない。"
},
{
  "title" : "野球の国",
  "isbn" : "4334973868",
  "date" : "2004-10-25T05:48:03.000Z",
  "publisher" : "光文社",
  "authors" : "奥田 英朗",
  "categories" : "エッセイ",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "野球を追って、四国、九州、果ては台湾まで遠征しちゃう股旅エッセイ。同じスポーツエッセイだったら爆笑度は「延長戦に入りました」の方が断然上だと思うが、これはこれで面白い。"
},
{
  "title" : "とげ",
  "isbn" : "4093875510",
  "date" : "2005-05-31T07:43:52.000Z",
  "publisher" : "小学館",
  "authors" : "山本 甲士",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "久しぶりに、あっ、この本面白そうというアンテナが働いた本。主人公は市役所の市民相談室主査。お役所が舞台の悲喜こもごも小市民的サラリーマン小説かと検討をつけて読み始めたのだが、後半に進むにつれて、あれよあれよと違う方向へ話が急転していく。読後の爽快感抜群の「闘う小市民小説」である。途中で、いささか唐突に差し挟まれるエピソードが一つあるのだが、これが最後にとんでもない伏線として生きてくる。見事。"
},
{
  "title" : "金春屋ゴメス",
  "isbn" : "4103003111",
  "date" : "2006-05-19T00:28:22.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "西條 奈加",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "江戸時代の日本そっくりの独立国=「江戸国」という設定が面白い。"
},
{
  "title" : "ヨーロッパの舌はどう変わったか―十九世紀食卓革命 (講談社選書メチエ)",
  "isbn" : "406258123X",
  "date" : "2004-10-24T16:01:19.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "南 直人",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "ヨーロッパの歴史を食生活という観点から活写した力作。一般に西洋料理としてイメージするものが、実は産業化以降の産物だということがわかる。牛乳の一般普及と細菌学の密接な関係など、目からウロコが落ちるエピソードが満載で面白い。\n"
},
{
  "title" : "月の影 影の海(上) (講談社文庫)",
  "isbn" : "4062647737",
  "date" : "2006-06-16T00:06:40.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "小野 不由美",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "ある意味とっても少女小説らしい物語。"
},
{
  "title" : "熱球 (徳間文庫)",
  "isbn" : "4198921687",
  "date" : "2005-04-16T14:28:37.000Z",
  "publisher" : "徳間書店",
  "authors" : "重松 清",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "退職を機に、娘を連れて故郷に戻ってきた主人公。かつて高校球児だった主人公にとって、故郷は栄光と悔恨の入り混じった場所であった。\n家族という重みも持った30代後半の男性を描くと、やっぱり重松氏はうまい。とはいえ、娘のいじめなど、少し展開があざといような気もする。\n"
},
{
  "title" : "ちいろば先生物語 (三浦綾子小説選集)",
  "isbn" : "4072301191",
  "date" : "2007-10-31T07:04:43.000Z",
  "publisher" : "主婦の友社",
  "authors" : "三浦 綾子, 三浦 光世",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "生涯を伝道に捧げた、「ちいろば先生」こと榎本保郎牧師の物語。世間一般からすると、彼の生き方は無茶で無謀な生き方であろう。しかし、クリスチャンの視点で見ると、それが「御心にかなった」生き方であったことが了解されるのである。"
},
{
  "title" : "魔風海峡―死闘!真田忍法団対高麗七忍衆",
  "isbn" : "4396631839",
  "date" : "2005-12-10T05:58:27.000Z",
  "publisher" : "祥伝社",
  "authors" : "荒山 徹",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "面白いんだが、やっぱり[[4396632142]]の方が好きかなあ。"
},
{
  "title" : "江戸の娘 (角川文庫)",
  "isbn" : "4041630061",
  "date" : "2004-11-14T15:19:56.000Z",
  "publisher" : "角川書店",
  "authors" : "平岩 弓枝",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "表題作は、気が強くて情に厚い、江戸の町娘の物語。幕末の激動期を舞台にした町娘と侍の恋愛模様が、瑞々しい筆で描かれる。そのほか、出島のオランダ人に囲われる遊女と、オランダ人の下僕として働くインドネシア人の恋を題材とした「出島阿蘭陀屋敷」も印象に残る。なお、「出島阿蘭陀屋敷」のモチーフは、その後、御宿かわせみにも用いられている。"
},
{
  "title" : "仮想の騎士",
  "isbn" : "4104424013",
  "date" : "2004-11-19T16:04:17.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "斉藤 直子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "18世紀のフランスを舞台にした、歴史とフィクションの境界が混じりあう冒険小説。歴史上の人物が総出演する、はちゃめちゃさが面白い。"
},
{
  "title" : "激流",
  "isbn" : "4198620792",
  "date" : "2006-01-11T07:47:31.000Z",
  "publisher" : "徳間書店",
  "authors" : "柴田 よしき",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "修学旅行中の女子中学生がふっつりと消息を絶った。それから20年。失踪した彼女の名前で、かつての同級生に「わたしを憶えていますか」というメッセージが届く…。\u003cbr\u003e\n中学卒業後、別々の道に進んだかつての同級生が集まり、力を合わせて謎解きをしていく過程が面白い。筆力のある作家さんなので、読者を引き込む技量はさすが。ただ、会話部分をここまで冗長にする必要があるんかいな、という疑問は残る。内容からすると500頁超は多すぎる気がする。文章全体も随分軽くなっている(メールやブログの文章のようだ…)のが、個人的には残念。"
},
{
  "title" : "彩雲国物語―はじまりの風は紅く (角川ビーンズ文庫)",
  "isbn" : "4044499012",
  "date" : "2006-09-01T15:06:58.000Z",
  "publisher" : "角川書店",
  "authors" : "雪乃 紗衣",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "十二国記と比べるのはナンセンス。少女マンガ的キラキラ+中華風世界を満喫しましょう"
},
{
  "title" : "スポーツノンフィクション 咬ませ犬 (同時代ライブラリー (296))",
  "isbn" : "4002602966",
  "date" : "2006-03-14T02:54:01.000Z",
  "publisher" : "岩波書店",
  "authors" : "後藤 正治",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "最近後藤さんの本が次々と岩波現代文庫で新装復刊されている。嬉しい。\u003cbr\u003e\n後藤さんが取材対象とする人は、ある種の円熟味を持った人たちである。この「咬ませ犬」では、特に、野球に真摯に向き合い、「壁」と呼ばれるブルペンキャッチャーを経て、中日の二軍監督となった福田功(現・横浜ベイスターズ)の章が良かった。"
},
{
  "title" : "ジャンキー・ジャンクション (ハヤカワ文庫 JA)",
  "isbn" : "4150308144",
  "date" : "2006-08-12T09:20:47.000Z",
  "publisher" : "早川書房",
  "authors" : "谷 甲州",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "ヒマラヤと幻想的要素が絡み合った山岳小説。"
},
{
  "title" : "光の帝国 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)",
  "isbn" : "4087472426",
  "date" : "2004-10-25T05:43:34.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "恩田 陸",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "常野一族と言う、不思議な能力を持った一族を題材にした連作集。これを読んで「おっ、恩田陸、一皮むけたな」と感じた人も多かったのでは。それまでの恩田氏の小説は、アイディアは面白いが着地点がいまいち…というものが多かったが、これは申し分なし。私にも本を「しまう」能力がほしい。"
},
{
  "title" : "泳いで帰れ",
  "isbn" : "4334974708",
  "date" : "2005-04-19T14:45:16.000Z",
  "publisher" : "光文社",
  "authors" : "奥田 英朗",
  "categories" : "エッセイ",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "「野球の国」の続編にあたる、直木賞授賞式をぶっちぎってのアテネオリンピック観戦記。少しねじけた風味の奥田節も相変わらず。ふーん、エーゲ海クルージングは面白くないわけね。「泳いで帰れ」の意味は後半で明らかになるが、奥田氏の言うことは一理も二理もあると思うぞ。"
},
{
  "title" : "竹田の子守唄―名曲に隠された真実",
  "isbn" : "4759200231",
  "date" : "2006-03-14T01:01:56.000Z",
  "publisher" : "解放出版社",
  "authors" : "藤田 正",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "「竹田の子守唄」=部落の歌=放送禁止曲、と漠然と捉えている人も多いと思う(私もその一人であったが)。その漠然とした部分を丹念に解きほぐしたのが本書。\u003cbr\u003e\n一般に流布している「竹田の子守唄」が、伝承の「竹田の子守唄」と全く別物なんて知りませんでした。付属CDは一聴の価値あり。"
},
{
  "title" : "ささらさや",
  "isbn" : "4344001168",
  "date" : "2006-02-13T11:35:00.000Z",
  "publisher" : "幻冬舎",
  "authors" : "加納 朋子",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "乳飲み子を抱えて夫と死別してしまった女性、サヤが主人公の物語。幽霊となってサヤを見守る夫など、加納朋子氏ならではのファンタジー色の濃い世界観と、優しい語り口にほのぼの。ただ、サヤのような自主性のない主人公には、少し歯がゆさをおぼえてしまう(私がひねくれてるだけか…)。"
},
{
  "title" : "風の万里 黎明の空(下)十二国記 (講談社文庫)",
  "isbn" : "4062649993",
  "date" : "2006-06-16T00:04:19.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "小野 不由美",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "たくましい女の子三人衆の物語。景麒、思いのほか良いキャラです。彼にはもっと前面で活躍してほしいなあ。"
},
{
  "title" : "世界のシワに夢を見ろ!",
  "isbn" : "4093875812",
  "date" : "2006-08-29T14:50:00.000Z",
  "publisher" : "小学館",
  "authors" : "高野 秀行",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : ""
},
{
  "title" : "マイナス・ゼロ (集英社文庫 141-A)",
  "isbn" : "4087504913",
  "date" : "2006-05-21T02:45:21.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "広瀬 正",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "戦前の銀座の街並みの描写だけでも十二分に読む価値があるSF長編。\u003cbr\u003e\n第2章から第3章、あんなふうに転換するとは思わなかった。"
},
{
  "title" : "甘露梅―お針子おとせ吉原春秋",
  "isbn" : "4334923461",
  "date" : "2006-05-13T08:55:26.000Z",
  "publisher" : "光文社",
  "authors" : "宇江佐 真理",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "新吉原を舞台とした時代小説。主人公がぴちぴちの女郎でなく、年増のお針というのが新鮮。"
},
{
  "title" : "「在日コリアン」ってなんでんねん? (講談社プラスアルフア新書)",
  "isbn" : "4062723468",
  "date" : "2006-08-29T14:51:05.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "朴 一",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : ""
},
{
  "title" : "さよならの代わりに",
  "isbn" : "4344004906",
  "date" : "2004-12-04T04:44:46.000Z",
  "publisher" : "幻冬舎",
  "authors" : "貫井 徳郎",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "劇団の看板女優が殺害された。殺人事件の謎を執拗に追う不思議な美少女と、劇団の下っ端役者の主人公。最後で解き明かされる美少女の謎は、ある意味斬新。"
},
{
  "title" : "ママの狙撃銃",
  "isbn" : "457523544X",
  "date" : "2006-04-16T10:00:38.000Z",
  "publisher" : "双葉社",
  "authors" : "荻原 浩",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "意外にシリアスな展開でちょっと拍子抜け。このタイトルを見て、荻原印のドタバタ小説を勝手に期待した私が悪かったのかもしれませんが。しかし、中盤の、娘をいじめた同級生を懲らしめにいく場面が、文句なく一番面白かった。"
},
{
  "title" : "禁じられた楽園",
  "isbn" : "4198618461",
  "date" : "2005-05-05T14:40:10.000Z",
  "publisher" : "徳間書店",
  "authors" : "恩田 陸",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "和歌山県・熊野を舞台にしたホラー小説。一人のカリスマ青年が構想した、奇怪なテーマパークに招待された男女。掴みどころのないカリスマ青年・烏山響一が、最後まで物語の緊張感を持続させてくれる。また、クライマックスの描写が映像的で見事。\n\u003cli\u003e[[増井:4394301025]]に似てるのでしょうかね? ([[増井: 増井]])\n"
},
{
  "title" : "海の都の物語―ヴェネツィア共和国の一千年〈下〉 (塩野七生ルネサンス著作集)",
  "isbn" : "4106465051",
  "date" : "2004-11-07T06:39:51.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "塩野 七生",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "ヴェネツィアの最盛期から、衰亡期までを一気に描ききったヴェネツィア史の後編。"
},
{
  "title" : "てるてるあした",
  "isbn" : "4344007840",
  "date" : "2005-07-17T09:22:54.000Z",
  "publisher" : "幻冬舎",
  "authors" : "加納 朋子",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "[[4344001168]]の続編。今回の主人公は、東京から佐々良にやってきた、頭でっかちで頑固な女の子。今作の主人公のかわいげのなさと素直になれない性格が、何とも愛おしい。"
},
{
  "title" : "名探偵の掟",
  "isbn" : "4062074001",
  "date" : "2004-10-25T14:34:34.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "東野 圭吾",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "ミステリの掟を逆手にとって、パロディ化した短編がぎっしり。とにかく心の底から笑いたいときにうってつけの一冊である。"
},
{
  "title" : "冴子の東京物語 (集英社文庫)",
  "isbn" : "4087496392",
  "date" : "2004-11-01T15:37:33.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "氷室 冴子",
  "categories" : "エッセイ",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "少女小説の大御所、冴子センセのエッセイ。「桐壺返り」、「一子相伝の美学」は電車の中では読んではいけません。私はこらえきれませんでした。\nところで、冴子センセは断筆宣言中なのでしょうか?最近新作をお見かけしないのが、個人的にはとても残念。"
},
{
  "title" : "愛するスケートに何が起こったのか?―女子フィギュア・トリノ選考の真実",
  "isbn" : "4861133017",
  "date" : "2006-03-09T16:02:56.000Z",
  "publisher" : "デジほん",
  "authors" : "渡部 絵美",
  "categories" : "",
  "score" : "★★",
  "comment" : "スケートは大の苦手だが、フィギュアスケート観戦(テレビ専門ですが)は好きである。なので、もっと硬派な密度の濃い本が読みたい。せめて文章がもう少し練られていればなあ…。"
},
{
  "title" : "テレビアニメ魂",
  "isbn" : "4061497898",
  "date" : "2005-10-26T04:02:38.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "山崎 敬之",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "アニメ草創期から製作に携わった筆者の回顧録的著作。長年アニメに携わってきた人ならではの俯瞰的な考察は一読の価値あり。"
},
{
  "title" : "大江戸魔方陣―徳川三百年を護った風水の謎 (河出文庫―文芸COLLECTION)",
  "isbn" : "4309473369",
  "date" : "2004-12-25T16:46:35.000Z",
  "publisher" : "河出書房新社",
  "authors" : "加門 七海",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "少しトンデモ本の匂いも漂ってくるのだが、実際、徳川幕府が、支配基盤構築の手段の一つとして、風水の手法を利用したのは事実だろう。歴史上の風水というと、平安時代・晴明の独壇場という印象があるが、政治の手段として、為政者がいかにして風水を取り込んでいったかということにこそ非常に興味がそそられる。その意味で貴重な本。"
},
{
  "title" : "蛍火",
  "isbn" : "406212436X",
  "date" : "2004-12-18T02:00:40.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "蜂谷 涼",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "着物の汚れや染みを取り除く、染み抜き屋の女主人公を軸とした時代連作集。北海道に生まれ、小樽を舞台にした時代小説を書き続けてきた著者らしく、今回も往時の小樽の街並みが生き生きと描かれる。ただ、もう少し後味がさわやかな小説を読みたいと思うのは私だけだろうか。次作に期待したい。\nちなみに、この本の装丁は小説にぴったり。(なんと、着物に醤油のしみがついたように見えるのだ!)頑張った裏方さんに拍手。"
},
{
  "title" : "七瀬ふたたび (新潮文庫)",
  "isbn" : "4101171076",
  "date" : "2004-11-19T15:35:16.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "筒井 康隆",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "三部作の中でも、最も衝撃的なストーリーだと思われる七瀬シリーズ第二作。\n後味は良くはないが、これほどはらはらする小説も珍しいと思うのだが…。"
},
{
  "title" : "暁の密使",
  "isbn" : "4093797153",
  "date" : "2009-05-26T13:54:39.000Z",
  "publisher" : "小学館",
  "authors" : "北森 鴻",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "明治期にチベットを目指した仏教者・能見寛が主人公の歴史ミステリ。著者は好きだし、もともとチベット潜入ものにも興味があったし、で読み始めたものの、何となく不完全燃焼。やはり主人公が能見寛だと、こういう結末にならざるをえないでしょうか。「瑠璃の契り」あたりから顕著な、地の文に会話文を埋め込む表現も、読んでいて少し違和感が残る。"
},
{
  "title" : "チャイコフスキー・コンクール―ピアニストが聴く時代",
  "isbn" : "4120017427",
  "date" : "2004-11-13T15:45:56.000Z",
  "publisher" : "中央公論社",
  "authors" : "中村 紘子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "チャイコフスキー・コンクール。クラシック音楽に興味のない者でも、名前くらいは聞いたことがあるのではないだろうか。その国際的コンクールの審査員であり、かつ世界の第一線で活躍しているピアニストでもある中村紘子氏が見た、コンクールにまつわるノンフィクションである。コンクールについての洞察はさすがに示唆に富む。プロは違う、と唸る一冊である。"
},
{
  "title" : "雲、西南に流る",
  "isbn" : "4062126605",
  "date" : "2005-06-21T09:50:41.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "平山 寿三郎",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "待望の平山寿三郎さんの時代小説。今回も、幕末から明治へ、時代の流れに翻弄される男女が物語の主軸となっている。作品から言うと、[[4062100495]]の方が好きだが、こちらもさらりとした味わいのある小説である。今回の教訓は、芸は身を助く、であろうか。"
},
{
  "title" : "コンクールでお会いしましょう―名演に飽きた時代の原点",
  "isbn" : "4120034593",
  "date" : "2004-11-17T16:46:56.000Z",
  "publisher" : "中央公論新社",
  "authors" : "中村 紘子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "著名なピアニストである中村紘子氏が、ピアノとコンクールの歴史をわかりやすく解説したもの。音楽初心者の入門書としてうってつけ。ピアニストのエピソードもバランスよく盛り込まれているが、いやあ、天才って面白い!それにしても、ソビエト時代のクラシックの英才教育ってどんな感じだったんでしょう。興味はつきません。"
},
{
  "title" : "双頭の蛇 (角川ホラー文庫)",
  "isbn" : "4041962056",
  "date" : "2005-04-16T14:59:16.000Z",
  "publisher" : "角川書店",
  "authors" : "今邑 彩",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "「蛇神」シリーズ第三弾。長野県の人里離れた日の本村では、七年に一度の大祭に向けて着々と準備が進められていた。日の本村へ出かけて以来行方不明となった元恋人の消息を探るべく、喜屋武蛍子は日の本村について調べ始める。一方、日の本村の宮司・神聖二は、古文書のある記述が成就されつつあることに気付く。\n相変わらずスピーディーな展開で読者を飽きさせない。次巻で完結するとのことだが、どのように着地するのか、最後まで目が離せない。\n\n"
},
{
  "title" : "魔将軍―室町の改革児、足利義教の生涯",
  "isbn" : "4575235431",
  "date" : "2006-07-30T02:54:58.000Z",
  "publisher" : "双葉社",
  "authors" : "岡田 秀文",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "[[4575234230]]を読んで以来、無理のない文章で歴史小説を書ける作家として密かに注目していた岡田秀文の最新作。個人的には待望の長編、期待を裏切らない一冊であった。足利六代将軍義教の一代記なのだが、狂言まわしの設定も良く、歴史小説としては完成度の高い作品と言えよう。二十代で天台座主、ついで将軍襲名、足利幕府中興の祖となった足利義教。\n日本史には面白い人物がたくさんいることを実感する。"
},
{
  "title" : "子どもよりも親が怖い―カウンセラーが聞いた教師の本音  プレイブックス・インテリジェンス",
  "isbn" : "4413040368",
  "date" : "2005-09-26T07:08:45.000Z",
  "publisher" : "青春出版社",
  "authors" : "諸富 祥彦",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "学力低下問題については昨今マスコミも喧しいが、その前段にある教師・保護者・生徒(児童)の質的変化も負けず劣らず深刻な問題だと思う。中でも、保護者の意識の変化と言うのが気になったため、本書を手に取った。生徒の質の変化を、その親の世代の問題とも絡めて考察した序章及び一章は、大変示唆に富む。「悩む力」が減退しているという指摘には、どきりとする。\u003cbr\u003e\n惜しいのは、紙数の制限があるため(新書だからしょうがないのだが)、各論がエッセンスの抽出となってしまっていること。できれば、この3倍くらいのページ数で、より詳しく筆者の考察を読みたい。"
},
{
  "title" : "モップの精は深夜に現れる (ジョイ・ノベルス)",
  "isbn" : "4408504483",
  "date" : "2005-07-19T13:05:51.000Z",
  "publisher" : "実業之日本社",
  "authors" : "近藤 史恵",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "掃除の達人にして名探偵のキリコが帰ってきた!前作の終わり方が終わり方だっただけに、もう続編は出ないと思っていたので、嬉しい驚きである。どれも手堅く読ませる短編だが、前作からのファンとしては、最後の物語ににやり。"
},
{
  "title" : "逆転―アメリカ支配下・沖縄の陪審裁判 (岩波現代文庫)",
  "isbn" : "4006030452",
  "date" : "2005-06-28T14:27:33.000Z",
  "publisher" : "岩波書店",
  "authors" : "伊佐 千尋",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "アメリカ支配下の沖縄については全く無知だったので、非常にショッキングな内容であった。米軍統治下の沖縄については、もっと勉強しないとだめだと実感する一冊。"
},
{
  "title" : "ぼんくら(上) (講談社文庫)",
  "isbn" : "4062747510",
  "date" : "2006-07-20T15:46:57.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "宮部 みゆき",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★",
  "comment" : ""
},
{
  "title" : "黒と茶の幻想 (上) (講談社文庫)",
  "isbn" : "4062749459",
  "date" : "2006-07-20T15:49:41.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "恩田 陸",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★",
  "comment" : ""
},
{
  "title" : "海峡を越えたホームラン―祖国という名の異文化 (双葉文庫―POCHE FUTABA)",
  "isbn" : "4575710962",
  "date" : "2005-11-01T03:55:17.000Z",
  "publisher" : "双葉社",
  "authors" : "関川 夏央",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "韓国プロ野球草創期に日本から韓国へ渡った、在日のプロ野球選手たちに取材したノンフィクション。関川さんの韓国本はいつもながら註が楽しい。\u003cbr\u003e\n選手たちが抱える韓国文化への親近感と違和感、それにも勝るプロ野球人としての矜持が、余すところなく描かれている。選手たちは全員在日2世なのだが、息子たちを正真正銘の祖国に送り出したご両親の心中はどのようであったのか、興味は尽きない。"
},
{
  "title" : "街道をゆく (40) (朝日文芸文庫)",
  "isbn" : "4022641487",
  "date" : "2005-11-01T04:02:26.000Z",
  "publisher" : "朝日新聞社",
  "authors" : "司馬 遼太郎",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "簡潔な文章で台湾の現在と過去をうつしとった、良質の紀行文。台湾旅行後に手に取ったのだが、むしろ一度台湾を体験してから読んだ方が腑に落ちるのではないかと思う。"
},
{
  "title" : "明日は明日のカキクケコ",
  "isbn" : "4838710747",
  "date" : "2005-10-19T02:09:10.000Z",
  "publisher" : "マガジンハウス",
  "authors" : "敷村 良子",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★",
  "comment" : "背水の陣の大学受験に失敗し、一転、東京でコピーライターを目指すことになった女の子の物語。私小説的な香りが濃厚である。主人公がうじうじした性格なので歯がゆいのだが、このうじうじしたところが青春小説という気がしないでもない。"
},
{
  "title" : "声に恋して―洋画とアニメと私自身と",
  "isbn" : "457528534X",
  "date" : "2004-11-26T17:46:29.000Z",
  "publisher" : "双葉社",
  "authors" : "小原 乃梨子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "のびたくんの声といえば、誰しも記憶にあるのではないだろうか。吹き替え草創期から活躍している女優兼声優さんの自伝なだけに、日本の洋画史とアニメ史のおさらいができるお得な一冊。文章がいまいちなのはご愛嬌。仕事と家庭の両立に苦心するくだりなど、小原乃梨子さんにも働く女性としての葛藤があったんだなあと気づかされる。最近のアニメの声優さんに違和感があるのはなぜかと思っていたら、私が子どもの頃の声優さんは「体を使って演技する」ことが基本の俳優さんが多かったんですね。うーむ。声優業も奥が深いなあ。"
},
{
  "title" : "四日間の奇蹟 (宝島社文庫)",
  "isbn" : "4796638431",
  "date" : "2004-12-24T17:04:17.000Z",
  "publisher" : "宝島社",
  "authors" : "浅倉 卓弥",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "ピアニストの道をあきらめざるを得なかった青年と、ピアノを弾くことについては天賦の才能を備える知的障害のある少女。この二人を軸とした奇跡の再生の物語、ということで、普通に話が展開するのかと思っていたら、どっこいそうは問屋がおろさなかった。中盤の展開に、えええっ、そういう話だったの、と驚いてしまったのは私だけではないだろう。しかし、どうも全体に会話が間延びしているように感じてしまう。もう少しすっきりまとめてほしかった…。"
},
{
  "title" : "長門守の陰謀 (文春文庫 (192‐5))",
  "isbn" : "4167192055",
  "date" : "2006-06-15T23:57:30.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "藤沢 周平",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "佳編4作収録の短編集。"
},
{
  "title" : "メイプル戦記 (第1巻) (白泉社文庫)",
  "isbn" : "4592883195",
  "date" : "2005-10-27T11:32:12.000Z",
  "publisher" : "白泉社",
  "authors" : "川原 泉",
  "categories" : "",
  "score" : "",
  "comment" : ""
},
{
  "title" : "明日の記憶",
  "isbn" : "4334924468",
  "date" : "2004-12-09T14:55:24.000Z",
  "publisher" : "光文社",
  "authors" : "荻原 浩",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "コードが断線するように、記憶が抜け落ちていく。まだまだ働き盛りと信じる主人公に下された診断は、若年性アルツハイマーという、容赦のないものだった。\u003cbr\u003e\nあらすじだけを追うと、シリアスな内容なので、敬遠する向きもあるのではないかと思う。確かに深刻な部分もあるのだが、全体のトーンはそれほど沈んでいない。何より、主人公と彼を取り巻く家族に、かたい絆が感じられるのが良い。流石荻原浩氏と言うべきか。それにしても、アルツハイマーがこんなに過酷な病気だとは、思ってもいなかった。"
},
{
  "title" : "銀色のフィレンツェ―メディチ家殺人事件 (朝日文芸文庫)",
  "isbn" : "4022640251",
  "date" : "2004-11-13T14:39:08.000Z",
  "publisher" : "朝日新聞",
  "authors" : "塩野 七生",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "ヴェネツィア貴族マルコ・ダンドロが活躍する歴史小説第二弾。\n名門メディチ家に渦巻く陰謀が、虚々実々のミステリとして描き出されている。\n前作でも登場した謎の遊女オリンピアを始め、今回も多彩な役者が脇をかためている。\n"
},
{
  "title" : "海上タクシー「ガル3号」備忘録",
  "isbn" : "4575232572",
  "date" : "2004-10-25T05:11:24.000Z",
  "publisher" : "双葉社",
  "authors" : "多島 斗志之",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "瀬戸内海の海上タクシー運転手が主人公のミステリ。派手さはないが手堅く読ませる、職人芸的短編集。"
},
{
  "title" : "終りに見た街 (中公文庫 (や11-2))",
  "isbn" : "4122011205",
  "date" : "2005-12-27T15:26:43.000Z",
  "publisher" : "中央公論新社",
  "authors" : "山田 太一",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "結末の部分には納得できないが、いろいろと身につまされる寓話である。それにしてもこの会話の言葉のセンスの良さはどうでしょう。脚本家畑の方は一味違いますね。"
},
{
  "title" : "新装版 市塵(下) (講談社文庫)",
  "isbn" : "4062750767",
  "date" : "2006-06-30T00:13:50.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "藤沢 周平",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : ""
},
{
  "title" : "謎解き 少年少女世界の名作 (新潮新書)",
  "isbn" : "4106100223",
  "date" : "2005-06-24T13:07:27.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "長山 靖生",
  "categories" : "エッセイ",
  "score" : "★★",
  "comment" : "世界の名作にまつわるエッセイといったところでしょうか。もう少し深い洞察がほしいと思ったので、★2つ。まあ、さくさく読めるので、暇つぶしにはいいかも。"
},
{
  "title" : "半落ち",
  "isbn" : "4062114399",
  "date" : "2005-08-21T05:41:46.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "横山 秀夫",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "種明かしの部分が弱いかな。途中までは巧みな展開だっただけに、終盤は肩透かしの感が否めない。"
},
{
  "title" : "風の果て〈下〉 (文春文庫)",
  "isbn" : "4167192217",
  "date" : "2005-08-19T07:09:38.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "藤沢 周平",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "かつて道場の剣友であった仲間たちは、五人五様の人生をたどった。部屋住みの次男坊であった隼太は、岐路で選択を重ねながら異例の出世を遂げ、今、主席家老の地位にいる。ある日、部屋住み時代からの友・野瀬市之丞からの果たし状が届く。徐々に歩む道を違えていった幼馴染、その間に流れた歳月とは…。人生の深みを映し出した、味わい深い長編時代小説である。"
},
{
  "title" : "恋せども、愛せども",
  "isbn" : "4104469033",
  "date" : "2006-05-30T00:23:57.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "唯川 恵",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "血のつながらない祖母、母、娘の、家族の絆の確かさが心地いい。等身大の女性のたくましさ・弱さを書かせたら、唯川さんは本当にうまい。"
},
{
  "title" : "春秋の檻―獄医立花登手控え (講談社文庫)",
  "isbn" : "4061317636",
  "date" : "2004-11-02T15:55:42.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "藤沢 周平",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "獄医にして柔の達人である立花登の連作集。居候で肩身が狭い思いをしつつ、名探偵振りを発揮する主人公が面白い。主人公が居候している叔父一家が、俗物揃いで、物語をコミカルに彩っている。"
},
{
  "title" : "なんにもうまくいかないわ",
  "isbn" : "4198619417",
  "date" : "2005-03-04T16:02:42.000Z",
  "publisher" : "徳間書店",
  "authors" : "平 安寿子",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "他人の都合なんてお構いナシ、自分の私生活をなんでもかんでもしゃべる、究極の自己中心女、志津子を中心としたコメディー小説。でもこの志津子さん、人を陥れようとか、そういうこせこせしたところがないので、どの話も読み終わると結構爽やかになれたりする。仕事に疲れたときのビタミン剤として一服どうぞ。"
},
{
  "title" : "牙―江夏豊とその時代",
  "isbn" : "4062108623",
  "date" : "2004-11-03T14:55:36.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "後藤 正治",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "後藤氏の思い入れがひしひしと感じられる、プロ野球ノンフィクション。私は江夏豊の生のピッチングを知らない世代だが、そのことで人生を損しているんじゃないかという気にすらなった。"
},
{
  "title" : "異国トーキョー漂流記 (集英社文庫)",
  "isbn" : "4087477924",
  "date" : "2006-11-02T14:52:47.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "高野 秀行",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "孤高の辺境作家ともあろう方が、何故今更東京なのだ…と思った私が浅はかでした。\u003cbr\u003e\n凡人とは違う角度から日本社会を捉えた名ノンフィクション。"
},
{
  "title" : "M1(エム・ワン)",
  "isbn" : "4062096854",
  "date" : "2005-04-10T16:17:34.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "池井戸 潤",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "文庫本では「架空通貨」と改題されたミステリ。元銀行員の作家だけあって、決算書などが説得力のある小道具となっている。経済小説はあまり読んだことのないジャンルだったのだが、ミステリと融合するとこんなに面白くなるんだなあ、と遅まきながら実感できたのが大収穫。元商社マン、現在高校教師の辛島と、その教え子の黒澤麻紀が物語の主軸を担うが、麻紀の人物造詣の詰めが甘いのは疵。よって星は四つだが、物語の大筋は文句なく面白い。"
},
{
  "title" : "国マニア―世界の珍国、奇妙な地域へ!",
  "isbn" : "4330839059",
  "date" : "2007-01-28T11:49:49.000Z",
  "publisher" : "交通新聞社",
  "authors" : "吉田 一郎",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "面白い国が世界にたくさんあるのはわかった。わかったのだが、しかし、記述が高校地理の概説のようで寂しい。多少偏見が入っても構わないので、もっとはじけた文章が読みたかった。"
},
{
  "title" : "武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)",
  "isbn" : "4106100053",
  "date" : "2006-07-29T01:25:39.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "磯田 道史",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "あまり格式ばっていない新書での刊行が功を奏した一冊。江戸時代の武士の暮らしがするすると頭に入ってくる。ユーモア漂う語り口も良い。それにしても、借金整理のために家財道具一切を売り払うとか、お祝いの鯛が買えないので絵の鯛を描いて代用するとか…なかなか発想が斬新な武士一家ではある(誰が絵を書いたのかも気になるが)。"
},
{
  "title" : "魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章 (新潮文庫)",
  "isbn" : "4101465223",
  "date" : "2004-10-25T14:37:33.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "米原 万里",
  "categories" : "エッセイ",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "ロシア語通訳にしてエッセイストの米原女史の痛快エッセイ。鋭い洞察力と、それを的確かつ簡潔に表現する文章力が見事。"
},
{
  "title" : "定年ゴジラ (講談社文庫)",
  "isbn" : "4062731096",
  "date" : "2004-11-02T16:35:24.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "重松 清",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "どことなくほのぼのとした読後感のある小説。新興住宅地で定年を迎えたお父さんの第一世代というのが、まさに現代生まれつつあるのだなあと感じ入った作品でもある。新興住宅地に育った者の一人として、他人事とは思えない部分もある。最近とみにせちがらい作品の多い重松清氏だが、こういう、あまり嫌味のない小説をもっと書いてほしい。"
},
{
  "title" : "デジデリオラビリンス―1464・フィレンツェの遺言",
  "isbn" : "4087751910",
  "date" : "2005-04-19T14:55:33.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "森下 典子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "自分の前世が、ルネサンス期のフィレンツェの彫刻家デジデリオだと告げられた筆者。デジデリオとは何者なのか…それをたどる筆者の旅は、下手な推理小説よりも面白い。最後まで明らかにされなかったが、現在の日本に転生している、デジデリオの恋人(男性)で、非常に著名な人物というのが誰なのか、とっても気になる。"
},
{
  "title" : "王国への道―山田長政 (新潮文庫)",
  "isbn" : "4101123195",
  "date" : "2005-05-31T01:41:57.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "遠藤 周作",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "山田長政という人物に興味があったため、手に取った本。そこにペドロ岐部という希代のキリスト者を組み合わせるところが遠藤周作らしい。「天上の王国」を目指した者と、「地上の王国」を築こうとした者の対比というテーマを推し量ると、着地点はおのずと見えてしまうのだが、歴史小説としての面白さは最後まで損なわれない。この本最大の収穫は、タイ王室史の面白さを認識できたこと。タイ王室の歴史について、初心者にもわかりやすく書いた本はないものか…。"
},
{
  "title" : "イエロー・フェイス―ハリウッド映画にみるアジア人の肖像 (朝日選書)",
  "isbn" : "4022595698",
  "date" : "2006-05-01T14:31:26.000Z",
  "publisher" : "朝日新聞",
  "authors" : "村上 由見子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "ハリウッド映画に見られる「東洋観」を整理した労作。政治と映画の力学については、興味が尽きません。"
},
{
  "title" : "田辺聖子の源氏がたり〈2〉薄雲から幻まで",
  "isbn" : "4103134275",
  "date" : "2005-01-27T12:53:39.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "田辺 聖子",
  "categories" : "古典",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "古典に造詣の深いことで知られる田辺聖子先生の源氏物語講義録である。講義録といっても、ホテルのサロン講座のものなので、全体的におっとりした雰囲気である。昔宮中で女房たちが源氏物語を読みあったり、評しあったりしたときもこんな雰囲気だったのかしらん。この巻では源氏の壮年期から晩年までをカバー。古典の読み方を学ぶ入門書としても最適。"
},
{
  "title" : "スタートレック ネクストジェネレーション―オフィシャルガイドブック",
  "isbn" : "4821107503",
  "date" : "2011-02-21T23:13:35.000Z",
  "publisher" : "ぶんか社",
  "authors" : "ダルマックス",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "最近ケーブルテレビでスタートレックDS9を見て、スタトレへの愛が再燃しました。やっぱり個人的に思い入れの強いのは、最初の遭遇シリーズである「ぴっかり」ピカード艦長の活躍するTNG。入門者の心強い一冊として購入、いまだに座右の書として愛読しています。"
},
{
  "title" : "終業式 (新潮文庫)",
  "isbn" : "4101321213",
  "date" : "2005-12-15T11:09:35.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "姫野 カオルコ",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "センセーショナルな題材が多い作家さんだったので敬遠していたのだが、手紙で構成された小説を読みたくておそるおそるチャレンジ。なかなか面白い恋愛小説であった。20代半ば以上の方なら、こういうことってあるよね、とうなずくのでは。\nスタートは高校2年生なのだが、10代の女の子の自意識過剰さにものすごいリアリティーを感じてしまった。"
},
{
  "title" : "クリスマス黙示録 (新潮文庫)",
  "isbn" : "4101479119",
  "date" : "2004-11-19T15:25:02.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "多島 斗志之",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "ジャパンバッシングが吹き荒れる中、一人の日本人女性が自動車事故を起こした。被害者の少年の母親は警察官の身分を捨てて、復讐の殺人鬼となる。日本人少女を守る日系人FBI捜査官と、復讐者の息詰まる攻防劇。構成がシンプルな分だけ、緊迫感のある物語が際立つ。"
},
{
  "title" : "黒いスイス (新潮新書)",
  "isbn" : "4106100592",
  "date" : "2008-02-06T05:13:33.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "福原 直樹",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "スイスで特派員生活を送った筆者が、スイスの近代史の裏をえぐったのが本書。永世中立国というと、なんとなく平和なイメージを持っている人は多いと思うが、筆者はその「幻想」に検証のメスを入れる。国際社会を泳ぐためには、相当のしたたかさと外交戦略が必要だということが改めて実感される一冊。しかし、スイスにおける外国人排斥のメカニズムなどは、日本にとっても決して他人事ではないような気がするが…。"
},
{
  "title" : "下山事件―最後の証言",
  "isbn" : "4396632525",
  "date" : "2006-03-16T00:44:40.000Z",
  "publisher" : "祥伝社",
  "authors" : "柴田 哲孝",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "昭和史に残る謎「下山事件」を追った、読み応え十分の力作。\u003cbr\u003e\nなぜ国鉄総裁・下山定則は謎の失踪を遂げ、轢死体となったのか。戦後日本における下山事件の意味とは何か。最後まで持続する緊迫感が快い。"
},
{
  "title" : "そして今はだれも",
  "isbn" : "4575235342",
  "date" : "2005-12-31T14:34:56.000Z",
  "publisher" : "双葉社",
  "authors" : "青井 夏海",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "新米教師と知恵者高校生が、学園に潜む卑劣犯をつきとめるまでを描いたミステリ。"
},
{
  "title" : "イギリス名宰相物語 (講談社現代新書 (1452))",
  "isbn" : "406149452X",
  "date" : "2006-05-23T11:31:54.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "小林 章夫",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "やわらかめのイギリス首相列伝。ある程度イギリス史が頭に入っている方がより楽しめるかと。"
},
{
  "title" : "狐闇",
  "isbn" : "4062112507",
  "date" : "2004-10-23T16:43:43.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "北森 鴻",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "「狐罠」の続編。女一匹骨董屋(旗氏)、宇佐見陶子の活躍に今回もはらはらどきどきさせられる(とか言って、私は「狐罠」より「狐闇」を先に読んでしまったクチですけどね)。\n北森作品の別のシリーズの主人公である蓮丈那智もゲスト出演。ピンでも楽しめるが、そちらを先に読んでいた方がベターかも。"
},
{
  "title" : "紀ノ川 (新潮文庫 (あ-5-1))",
  "isbn" : "4101132011",
  "date" : "2005-09-29T06:52:38.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "有吉 佐和子",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "和歌山県出身者なら一度は読むであろう、紀州の女三代記。少しくせのある和歌山弁が独特の情緒を醸している。どうでもよいが、一代目の花が嫁いだ土地・六十谷は結構近所だったりする。"
},
{
  "title" : "いっしょに暮らす。 (ちくま新書)",
  "isbn" : "4480062319",
  "date" : "2005-07-17T13:17:53.000Z",
  "publisher" : "筑摩書房",
  "authors" : "長山 靖生",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "現在の若者が他人と暮らすことが出来なくなった原因について、近代の家族制度を概観しつつ考察した本。どちらかというとエッセイなので、気楽に読める。かつて、曽野綾子氏が「登校拒否が起こるのは子どもにとって家が居心地が良いからだ。」というようなことを書いていたことを思い出した。他人と暮らすことに対するメリットの低下が結婚率の低下につながっている、という指摘は、本質を突いていると思う。\u003cbr\u003e\n思わぬ収穫は、夏目漱石の「こころ」の文学研究が紹介されていたこと。あの物語がこういう風に読めるのかと、研究者の視点にただ脱帽。"
},
{
  "title" : "深追い",
  "isbn" : "4408534307",
  "date" : "2005-08-22T11:26:26.000Z",
  "publisher" : "実業之日本社",
  "authors" : "横山 秀夫",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "ややビターな風味の、三ツ鐘署を舞台とした警察小説集。全体的に、もう一捻りほしいかな、という気がする。"
},
{
  "title" : "カーマロカ―将門異聞",
  "isbn" : "457523513X",
  "date" : "2005-11-11T18:36:21.000Z",
  "publisher" : "双葉社",
  "authors" : "三雲 岳斗",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "作者の三雲氏はライトノベル出身らしいのだが、どうしてどうして、なかなか読みごたえのある伝奇小説である。今回の主軸は平将門だったが、もう少しマイナーな素材(時代)を選んでも、十分読者を惹きつけられる作家だと思う。鎌倉時代の比叡山とかどうでしょうかねえ。今後に期待大。"
},
{
  "title" : "怪しいシンドバッド―愛と野望のアジア・アフリカ・南米",
  "isbn" : "4255970246",
  "date" : "2006-08-12T09:13:24.000Z",
  "publisher" : "朝日出版社",
  "authors" : "高野 秀行",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "辺境マニアの著者のエッセンスがつまった本。文章が固いのはご愛嬌。"
},
{
  "title" : "夜夢",
  "isbn" : "4396632495",
  "date" : "2005-09-28T02:18:43.000Z",
  "publisher" : "祥伝社",
  "authors" : "柴田 よしき",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★",
  "comment" : "ホラー短編集。どの話も作者が「作りこんだ」感触があって、どれもいま一つ印象に残らなかった。「ゆび」のような話を書ける人なので、ホラーに向かない作家というわけではないと思うのだが…。"
},
{
  "title" : "長崎ぶらぶら節 (文春文庫)",
  "isbn" : "416715207X",
  "date" : "2006-06-18T02:25:32.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "なかにし 礼",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "長崎情緒が心地よい大人の恋愛小説。田辺聖子さんの解説も素敵。"
},
{
  "title" : "彩雲国物語 朱にまじわれば紅 (角川ビーンズ文庫)",
  "isbn" : "4044499063",
  "date" : "2006-09-26T04:21:10.000Z",
  "publisher" : "角川書店",
  "authors" : "雪乃 紗衣",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "ドタバタ喜劇の3編目がイチオシ。叔父さんの壊れっぷりに惚れるなよ!(私は惚れた)"
},
{
  "title" : "ワーキングガール・ウォーズ",
  "isbn" : "4104711012",
  "date" : "2005-01-14T05:10:20.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "柴田 よしき",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "最近の柴田よしき氏の作品は、冗長でテンポが悪いと思うものが多く(「[[4198506159]]」「[[4198506167]]」とか……その傾向は既に「[[4106026538]]」あたりから感じられたが)、いまひとつ評価できないものが多かったが、これは久々の大当たりだった。\u003cbr\u003e\n一流企業の係長である37歳の独身女性・翔子と、海外留学の後オーストラリアの旅行会社で契約社員として働く愛美。等身大の女性二人の生活が、それぞれの視点で交互に語られるのだが、リアリティーがあり、大いに共感できる。何より、悩みながらも前に進もうとする主人公たちの姿がいさぎよくて、読んでいて爽快感がある。一応会社勤めをしている身としては、翔子の物語にぐいぐい引き込まれた。"
},
{
  "title" : "タカラジェンヌの太平洋戦争 (新潮新書)",
  "isbn" : "4106100754",
  "date" : "2006-06-30T00:15:49.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "玉岡 かおる",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "ヅカファンによる、ヅカファンのための教養本。"
},
{
  "title" : "李香蘭 私の半生",
  "isbn" : "410366701X",
  "date" : "2005-03-04T15:34:33.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "山口 淑子, 藤原 作弥",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "あまりにも波乱に満ちた一女性の半生記。\n藤原作弥氏とは共著という形をとっており、文章も流石に読みやすい。いたずらに過去の栄光を美化せず、あえて辛い部分とも向き合おうとする真摯さに感動。華やかな銀幕の世界の裏で、中国=故国と、日本=祖国の間で葛藤する姿が胸を打つ。また、昭和前期の歴史を彩った政治家、軍人、文人が、いろいろな形で登場するのも興味深い。"
},
{
  "title" : "マッカーサー伝説",
  "isbn" : "4770410581",
  "date" : "2005-12-09T15:10:24.000Z",
  "publisher" : "恒文社21",
  "authors" : "工藤 美代子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "日経掲載時に全て目を通せなかったのでとりあえず読んでみた。\n非常にオーソドックスなマッカーサー伝と言えようか。\nそれにしてもマザコンな軍人さんですねえ。\n"
},
{
  "title" : "花の下にて春死なむ",
  "isbn" : "4062094029",
  "date" : "2004-10-23T16:53:43.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "北森 鴻",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "ビアバー「香菜里屋」のマスターが謎を解き明かしていく連作ミステリー。\nとにかく北森氏の描く「香菜里屋」の雰囲気と料理が絶品!うちの近くにもこんなお店があれば毎日でも通うのに…。あ、お腹がすいているときには読まないように。"
},
{
  "title" : "おれは非情勤 (集英社文庫)",
  "isbn" : "4087475751",
  "date" : "2004-11-13T11:39:52.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "東野 圭吾",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "手堅く読ませる東野圭吾のミステリ。\nもとは学習雑誌掲載作品なので、当然小学校が舞台なのだが、\nいまいちやる気のない非常勤講師が主人公というところが面白い。\n大人が読むとやる気のない非常勤講師にも好感が持てるのだが、\nしかし、これをリアルタイムで読んだ小学生たちはどう思ったのか…気になる。\n"
},
{
  "title" : "ライオンハート (新潮文庫)",
  "isbn" : "4101234159",
  "date" : "2004-11-21T16:00:15.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "恩田 陸",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "時を越え、時空を越えて何度もめぐりあう男女の物語である。既にこの時点で個人的にツボな設定なので、評価は甘目かも。でも、いいんです。好みなんだから。しかし、この一組の男女が、さかのぼるとあの二人に行き着くのにはちょっとずっこけてしまった(途中からいやーな予感はしていたのだ)。"
},
{
  "title" : "レインレイン・ボウ",
  "isbn" : "4087746755",
  "date" : "2004-11-21T10:29:40.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "加納 朋子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "高校時代、弱小ソフトボール部員の仲間の一人が死んだ。その葬儀で集まった、かつてのメンバーたちの20代の「今」をつづった連作小説。加納朋子氏の最大の持ち味である後味の爽やかさは、この作品でも健在。なんとなく元気になる。"
},
{
  "title" : "リピート",
  "isbn" : "4163233504",
  "date" : "2005-01-14T04:50:40.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "乾 くるみ",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "精神だけの時間遡行を持ちかけられた、年齢も背景もばらばらの9人。それぞれの思惑を胸に、時間を遡ることに成功した9人だったが、しかし、過去の世界で一人、また一人と、不慮の死を遂げていく…。種明かしの部分では、作者にしてやられた!と思うこと請け合い。これで文章がもう少し上手かったら文句なしなんですけどね。ということで、評価は星4つ。"
},
{
  "title" : "パーネ・アモーレ―イタリア語通訳奮闘記",
  "isbn" : "4163575901",
  "date" : "2005-01-26T03:49:29.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "田丸 公美子",
  "categories" : "エッセイ",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "イタリア語通訳者である筆者の体験がベースとなっているエッセイ集。本書を読むと、とりあえず、イタリア人が色恋沙汰を「粋」の次元にまで昇華していることが理解できる。\n通訳の視点からイタリア人の国民性に言及した本は貴重なのだが、同業者の米原万里氏のエッセイと比べると、かなり見劣りしてしまう。そこしうらめし。"
},
{
  "title" : "帝国の娘〈前編〉―流血女神伝 (コバルト文庫)",
  "isbn" : "408614607X",
  "date" : "2005-04-17T06:00:52.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "須賀 しのぶ",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "病弱な王子の替え玉として、王位継承の争いに駆り出される少女カリエの、波乱万丈の物語。とにかくカリエが前向きでめげなくてよい。しかし、こんなロングランシリーズになるとは思いませんでしたよ、私は。最新作ではカリエちゃんもお母さんになっちゃいましたし。"
},
{
  "title" : "裂けて海峡 (講談社文庫)",
  "isbn" : "4061836781",
  "date" : "2005-07-20T13:40:34.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "志水 辰夫",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "大隈海峡で輸送船が忽然と消えた。乗組員の生存は絶望的だという。輸送船を保有する海運会社社長であり、輸送船船長の兄である主人公は、海難事件の真相を探ろうと奔走する。しかし、彼の行く手は謎の集団に阻まれる…。一気読み間違いなしの冒険小説。後半の主人公の行動にやや説得力がなかったので★4つとしたが、文章のテンポの良さやセンスは抜群。"
},
{
  "title" : "旅が仕事―通訳ガイドの異文化ウォッチング",
  "isbn" : "4582824188",
  "date" : "2004-11-26T18:14:21.000Z",
  "publisher" : "平凡社",
  "authors" : "志緒野 マリ",
  "categories" : "エッセイ",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "某HPの通訳者持ち回りエッセイで、楽しい文章を書く人だなあと感心したのが志緒野マリ氏。その志緒野氏の現時点では唯一のエッセイがこちら。装丁がしょぼいのでトホホな内容かと思いきや、日本に旅行に来る外国人観光客のガイド体験記あり、南米留学経験談ありで、予想以上に面白かった(っつーか、もう少しまともな装丁をつけてくださいよ、平凡社さん)。疲れたときにさくっと読むのにうってつけ。"
},
{
  "title" : "帝国の娘(後編) 流血女神伝  (流血女神伝シリーズ) (コバルト文庫)",
  "isbn" : "4086146304",
  "date" : "2004-11-03T14:35:53.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "須賀 しのぶ",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "皇位継承者争いが決着する後編。話もテンポ良く、一気に読める。"
},
{
  "title" : "細川ガラシャ夫人〈下巻〉 (新潮文庫)",
  "isbn" : "4101162158",
  "date" : "2004-11-23T04:41:48.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "三浦 綾子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "父・明智光秀は短い天下の後、秀吉に討ち取られ、謀反人の烙印をおされた。玉子もまた、逆臣の娘として苦難の道を歩むこととなる。彼女はキリスト教の中に一条の光を見出し、キリシタン弾圧の嵐の中、洗礼を受ける決意をする。\u003cbr\u003e\n宣教師も舌をまき、秀吉をもひやりとさせたという聡明さを備え、信念を持って自分の生き方を模索した、稀有な女性の物語。ちなみにこの人は独学でラテン語をすらすら読めたらしいです。すごい!"
},
{
  "title" : "サラン 哀しみを越えて",
  "isbn" : "4163239405",
  "date" : "2006-03-06T04:23:42.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "荒山 徹",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "荒山徹氏の短編小説集。しかも題名が「サラン」…「愛」?韓流ブーム書籍のようなべたなタイトルに一瞬のけぞりかけるが、読後に「サラン=愛」という単純な図式ではないことが判明。さすが韓国語に堪能な荒山氏である。タイトルから誤解した己を深く反省。\u003cbr\u003e\n収録されているのは、いずれも日韓関係史の隠れた断面を切り出した作品ばかりだが、中でも「匠の風、翔ける」、「巾車録」が心に残った。首をかしげたのは表題作。たあという名の朝鮮女性が日本に連れてこられ、のち、キリスト教を信仰するのだが、その後の行動の解釈が斬新すぎる気がする。たあの一連の行動は、キリスト者ゆえと理解した方がすっきりすると思うのだが、いかがであろうか。"
},
{
  "title" : "楽園のつくりかた",
  "isbn" : "4062113880",
  "date" : "2005-10-25T04:59:43.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "笹生 陽子",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "こまっしゃくれた都会の少年が、ド田舎の中学校に転校したところから物語は始まる。ヤングアダルト小説だが、一癖も二癖もある同級生たちが個性的で、大人でも楽しめる。"
},
{
  "title" : "黒笑小説",
  "isbn" : "4087747549",
  "date" : "2005-12-08T07:37:36.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "東野 圭吾",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "シニカルな笑い満載の短編集。編集者と作家の、手に汗握る駆け引き(笑)を描いた連作が一押し。お子さんがいるお宅では、「臨界家族」は心穏やかに読めないかも。"
},
{
  "title" : "翼ある蛇 (角川ホラー文庫)",
  "isbn" : "404196203X",
  "date" : "2005-04-19T14:41:30.000Z",
  "publisher" : "角川書店",
  "authors" : "今邑 彩",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "[[4041962021]]の続きにあたる「蛇神」シリーズ第二弾。連続して起こる猟奇殺人事件が一応のメインなのだが、日の本村がらみの話とのバランスがやや悪いような気がする。それでも十分面白いんですけどね。後半は加速度的に話のテンポが増し、緊迫したまま第三弾[[4041962056]]へとなだれ込む。"
},
{
  "title" : "風の果て〈上〉 (文春文庫)",
  "isbn" : "4167192209",
  "date" : "2006-04-04T08:19:43.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "藤沢 周平",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "もと部屋住みの次男坊、今は藩の主席家老である桑山又左衛門のもとに、果たし状が届いた。差出人は野瀬市之丞。かつての部屋住み仲間で、いまだに部屋住みのままの「厄介叔父」である。なぜかつての友が果たし状を投げ込んだのか、又左衛門は過去の日々を回想する。\u003cbr\u003e\n通常であれば、部屋住みの身分から異例の出世を遂げた桑山又左衛門のサクセスストーリーとなるところだが、藤沢周平は、そのような描き方をしない。老境に差し掛かりつつある家老の回想を散りばめつつ、一人の男の生涯を丹念に描くという方法をとるのである。人生の苦楽を適度におりまぜた、渋い味わいの小説である。"
},
{
  "title" : "明治おんな橋",
  "isbn" : "4062100495",
  "date" : "2004-10-23T17:14:41.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "平山 寿三郎",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "江戸から明治へ、三人の女がそれぞれに新しい時代に生きようとする姿が清々しい長編時代小説。\n女の三様の生き様が、温かい筆致で描きとられているのが印象的。物語を通して、作者の人間を見る眼の温かさが感じ取れる。"
},
{
  "title" : "チョコレートコスモス",
  "isbn" : "462010700X",
  "date" : "2006-05-20T01:07:29.000Z",
  "publisher" : "毎日新聞社",
  "authors" : "恩田 陸",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "作品としては及第点。が、題材といい、ヒロイン二人のポジションといい、どうしても某有名演劇少女マンガを想起してしまう。先行作品の鮮烈さを越えられないのは大きなマイナスだろう。後半のオーディションのシーンは、非常に恩田陸らしさが感じられて良いと思うのだが。"
},
{
  "title" : "臨場",
  "isbn" : "4334924298",
  "date" : "2005-06-26T13:53:07.000Z",
  "publisher" : "光文社",
  "authors" : "横山 秀夫",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "「終身検視官」の異名をもつ無頼漢・倉石をめぐる警察小説集。個人的には「餞」がベスト。シリーズとして何作でも続けることが出来そうな素材なのに、作者が最後でそれを断ち切っている。一読者としては残念だが、潔い選択とも言えるか。"
},
{
  "title" : "さくら草 (創元クライム・クラブ)",
  "isbn" : "4488012124",
  "date" : "2006-09-10T08:07:23.000Z",
  "publisher" : "東京創元社",
  "authors" : "永井 するみ",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "女性作家による、女性のためのミステリ。働く女性(特に事務方)におすすめしたい。"
},
{
  "title" : "正倉院の秘宝",
  "isbn" : "4331058026",
  "date" : "2004-10-24T17:44:08.000Z",
  "publisher" : "廣済堂出版",
  "authors" : "梓沢 要",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "「百枚の定家」でセンセーションを巻き起こした筆者の、古代美術を題材にしたミステリ。傑作の誉れ高い「百枚の定家」が未読だったため、さほど先入観もなく読んだのだが、非常にできのいいミステリだと思う。ただこのタイトルはいかがなものか…。この陳腐なタイトルのせいで損をしているような気がする。"
},
{
  "title" : "陳真―戦争と平和の旅路",
  "isbn" : "4000238280",
  "date" : "2006-03-19T15:53:18.000Z",
  "publisher" : "岩波書店",
  "authors" : "野田 正彰",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "この伝記の出発点は、筆者が、陳真という一人の女性の生き方に感銘を受けたことにあるのだろう。\u003cbr\u003e\nそれはよくわかるのだが、伝記としては致命的な欠点を幾つも抱えている。\u003cbr\u003e\n一つは客観性の不足である。この伝記そのものが本人の述懐に頼っているようなので、致し方ない気もするが、周辺の人へのアプローチ、もしくは関連する文書・資料の検討がもっとあって然るべきであろう。\u003cbr\u003e\nさらに致命的なのは、記述内容の散漫さである。調べてわかったことを書きたいという欲求が見え隠れしているのだ。そして、その「調べてわかったこと」は、彼女の人生の十代まで(すなわち、命がけの逃避行を経て北京に到達するまで)のできごとにほとんど関連しているため、前半生に比べて後半生の内容が極端に薄っぺらいのである。\u003cbr\u003e\n私はNHK中国語講座の陳真女史も、ましてや北京放送の陳真女史も知らない世代である。戦後も日本と第一線で関わり続けた稀有な中国人の伝記として、後半生の記述が等閑にされているのは、いかにも惜しい。\u003cbr\u003e"
},
{
  "title" : "最終退行",
  "isbn" : "4093796289",
  "date" : "2005-07-01T18:01:23.000Z",
  "publisher" : "小学館",
  "authors" : "池井戸 潤",
  "categories" : "",
  "score" : "★★",
  "comment" : "著者お得意の銀行小説。陰謀あり、恋愛ありなのだが、後者について、あまりにも男性本位な(願望じみたと言っても良い)恋愛描写が多く、最後まで批判的に読んでしまった。何より、主人公を取り巻く女性の人物造詣が薄っぺらくて興ざめ。\u003cbr\u003e\n池井戸氏の小説を読んでいると、ときおり、女性を見下しているような印象を受けるのだが、今回はそれが悪い形で前面に出てしまっている。まあ、大手都銀のような男尊女卑社会で長らく働いていると、女性を下に見る習慣がついてしまうんでしょうが、もう少し何とかならないかしら。"
},
{
  "title" : "百鬼夢幻―河鍋暁斎妖怪日誌",
  "isbn" : "4877192700",
  "date" : "2004-10-27T15:24:03.000Z",
  "publisher" : "光栄",
  "authors" : "橋本 純",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "あまり知られていないが、とにかく面白かった一冊。希代の日本画家・河鍋暁斎と、妖怪たちの交流を描いた史実ないまぜのファンタジー小説。文庫本になったら買おうと思っていたが、10年たってもいまだに出る気配がない…。"
},
{
  "title" : "帝国ホテル厨房物語―私の履歴書",
  "isbn" : "4532164141",
  "date" : "2006-03-31T08:00:43.000Z",
  "publisher" : "日本経済新聞社",
  "authors" : "村上 信夫",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "帝国ホテルの名シェフにして、日本の一般の食卓を豊かにするという視点を失わなかった希代の料理人、村上信夫氏の自伝。困難にぶつかってもポジティブな姿勢を失わなかった生き様が快い。出征直前に、先輩シェフたちが「生きて帰って来いよ」という思いをこめて秘伝のレシピを伝授してくれる場面には、ほろりとしてしまう。"
},
{
  "title" : "黄泉がえり (新潮文庫)",
  "isbn" : "410149004X",
  "date" : "2005-12-25T04:18:52.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "梶尾 真治",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "熊本日日新聞掲載の新聞小説。良くも悪くも、ローカルなところがこの小説の持ち味と言えましょう。"
},
{
  "title" : "日本(イルボン)のイメージ―韓国人の日本観 (中公新書)",
  "isbn" : "4121014391",
  "date" : "2005-08-19T06:22:30.000Z",
  "publisher" : "中央公論社",
  "authors" : "鄭 大均",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "韓国にとって日本とは何なのか、という視点を原点とした日韓文化論。韓国における日本のイメージと言うと、すわ反日感情の話かと身構える向きも多いかもしれないが、その背景となるファクターはさまざまである。若干引用が多すぎるような気もするが、各国の歴史教科書の傾向比較、日本の植民地支配がもたらしたメンタル的な影響、韓国における反日論の推移など、新鮮な指摘も多かった。"
},
{
  "title" : "葵の帝 明正天皇",
  "isbn" : "4878933593",
  "date" : "2005-04-16T01:37:25.000Z",
  "publisher" : "作品社",
  "authors" : "小石 房子",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "孝謙天皇(重祚して称徳天皇)以来、実に860年ぶりの女帝となった明正天皇の物語。生母は二代将軍秀忠の娘・和子。和子が産んだ男子はいずれも夭折したため、徳川の強い要請により幼くして天皇位につくことになったのが女一宮(諡号・明正天皇)であった。江戸時代の女帝についてはあまり知らなかったので、手にとった本である。しかし、である。もしかしたらこの小説のとおりなのかもしれないが、女一宮にあまり主体性が感じられず、結果、物語の密度が薄くなってしまっているように思う。父・後水尾天皇と母・和子の確執も何となく描写がステレオタイプ。若くして譲位を余儀なくされ、その後74歳まで生き長らえた女性なので、他の描き方があったように思うのだが。"
},
{
  "title" : "中国料理の迷宮 (講談社現代新書)",
  "isbn" : "406149502X",
  "date" : "2004-11-09T04:00:40.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "勝見 洋一",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "サントリー学芸賞を獲得した、斬新な中国料理史。\n特に文化大革命時代の食文化など、実際に体験した人ならではの描写が大変興味深かった。\n"
},
{
  "title" : "彩雲国物語―花は紫宮に咲く (角川ビーンズ文庫)",
  "isbn" : "4044499039",
  "date" : "2006-09-10T08:19:58.000Z",
  "publisher" : "角川書店",
  "authors" : "雪乃 紗衣",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "初の女性官吏となった秀麗の奮闘記。周囲の男性陣の、厳しくも温かい態度がよろし。"
},
{
  "title" : "ナンギやけれど…… わたしの震災記 (集英社文庫)",
  "isbn" : "4087470067",
  "date" : "2005-04-23T15:06:57.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "田辺 聖子",
  "categories" : "エッセイ",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "震災の義捐金を募った講演会の記録と、震災についての随想が併せて収められている。震災に耐えてたちあがろうとする人々を温かな目でとらえた、田辺聖子らしさが光る一冊である。"
},
{
  "title" : "盗作(下)",
  "isbn" : "4062132931",
  "date" : "2006-06-11T03:06:13.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "飯田 譲治",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "最後は大団円でひとまずヤレヤレ。\nでも大団円に至るまでの過程は、この小説の中でも最も過酷ではないかしらん。最後の事件でも、主人公を取り巻く人の温かさや家族の絆が読みたかった。"
},
{
  "title" : "煙波",
  "isbn" : "4062119072",
  "date" : "2007-09-03T20:45:23.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "蜂谷 涼",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "明治・大正期の小樽を舞台にした作品を発表している筆者の長編小説。主人公は粋できっぷのいい売れっ子芸者五郎駒。港町小樽の情緒と芸者の心意気が、読む者を魅了する佳編。"
},
{
  "title" : "炎立つ 壱 北の埋み火 (講談社文庫)",
  "isbn" : "4061857630",
  "date" : "2006-09-26T07:40:36.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "高橋 克彦",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "日本史ではなかなか表舞台に出てこない、平安後期の東北地方を題材にした作品。「俘囚」と侮られていた東北の豪族たちが、どのようにして、自分たちの楽土を築き上げていくのか。今後の展開に大いに期待。井沢元彦さんの解説も面白い。"
},
{
  "title" : "結婚なんてしたくない",
  "isbn" : "4344010698",
  "date" : "2006-10-03T14:16:46.000Z",
  "publisher" : "幻冬舎",
  "authors" : "黒田 研二",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "いろんな理由で「結婚しない(できない)」男5人が主人公。立場も職業も全く異なる5人が、徐々にある一つの事件に集約されていく。その過程は鮮やかで、作者の手腕が窺える。"
},
{
  "title" : "大地の子〈4〉 (文春文庫)",
  "isbn" : "4167556049",
  "date" : "2005-06-19T13:08:11.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "山崎 豊子",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : ""
},
{
  "title" : "なかよし小鳩組 (集英社文庫)",
  "isbn" : "4087475573",
  "date" : "2006-03-04T14:10:16.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "荻原 浩",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "弱小代理店・ユニバーサル広告社に舞い込んだ依頼。それは、こともあろうに、ヤクザ小鳩組のPRだった。相変わらずトホホな展開で読者の泣き笑いを誘う、荻原印のトホホコメディー。"
},
{
  "title" : "「頭脳国家」シンガポール―超管理の彼方に (講談社現代新書)",
  "isbn" : "4061491350",
  "date" : "2004-10-27T15:42:45.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "田村 慶子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "貧弱な国土、雑多な民族、しかし東南アジア一の経済力を誇る国・シンガポール。シンガポールは何故アジアの優等生たりえたのか、なんとなく興味がそそられたので読んでみた本だが、思いのほか面白かった。それにしても開発独裁ってすごい。"
},
{
  "title" : "龍あらわる 中華怪有篇",
  "isbn" : "4163524606",
  "date" : "2005-08-22T11:58:12.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "西村 康彦",
  "categories" : "エッセイ",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "中国美術史の専門家であり、中国「筆記」の博学である西村康彦氏のエッセイ。十年ぶりの再読。「いか墨奇聞」や「龍あらわる」は、硬軟問わず、古今の中国の書物を渉猟した筆者ならではのエッセイと言えるだろう。再読して実感するのは、漢文に親しんだ人ならではの語彙の豊かさ。やっぱり漢文の素養は大事ですな。"
},
{
  "title" : "ベラ・チャスラフスカ 最も美しく",
  "isbn" : "4163660208",
  "date" : "2006-07-11T01:14:17.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "後藤 正治",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "東京オリンピックの女子体操の覇者、ベラ・チャスラフスカに焦点をあてつつ、スポーツと冷戦、個人と政治の複雑な絡み合いを描いた力作。後藤正治氏の文章も巧く、読みやすい。\nコマネチ以降の女子体操しか知らない者としては、女子体操の歴史を整理することができたのが大収穫。また、チャスラフスカの故郷チェコ(かつてのチェコスロバキア)と、その同盟国でもあり、支配者でもあったソビエトとの複雑な関係が、一流の女子体操選手たちとのインタビューから浮き彫りにされている。"
},
{
  "title" : "窓際の死神(アンクー)",
  "isbn" : "4575235113",
  "date" : "2005-07-13T11:01:55.000Z",
  "publisher" : "双葉社",
  "authors" : "柴田 よしき",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "窓際族サラリーマンを装う死神とOLをからめた中編小説2編。柴田よしきの描く「フツーのOL」の気持ちに共感する人も多いのでは。2編だけで終わってしまうのはもったいないほど死神氏がいい味を出しています。続編希望。"
},
{
  "title" : "その日のまえに",
  "isbn" : "4163242104",
  "date" : "2006-01-25T07:06:19.000Z",
  "publisher" : "文藝春秋",
  "authors" : "重松 清",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "家族や友人の死を扱った連作小説集。重松さんの家族ものは安定しているので、ある意味安心して読める。\u003cbr\u003e\n作者が最も力を入れたのは「その日」三部作だろう。が、読者として一番ぐっときたのは、母子家庭の息子が母親の死と対面する「ヒア・カムズ・ザ・サン」。現実逃避癖のあるへなちょこな高校生の息子とお母さんの絆が心に残った。"
},
{
  "title" : "大英帝国 (講談社現代新書)",
  "isbn" : "4061489348",
  "date" : "2004-11-03T14:15:41.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "長島 伸一",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "イギリスの社会史の入門書として最適の一冊。世紀転換期のイギリス大衆史が非常にコンパクトにまとめられている。"
},
{
  "title" : "時空(とき)の旅人―とらえられたスクールバス〈中編〉 (ハルキ文庫)",
  "isbn" : "4894564882",
  "date" : "2005-04-10T15:51:12.000Z",
  "publisher" : "角川春樹事務所",
  "authors" : "眉村 卓",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "乗っていたバスごとタイムスリップに巻き込まれた中学生とその教師。終戦直後の日本をふりだしに、中編では、ついに本能寺の変直前まで時空を遡ってしまう。少年向け雑誌に連載されていたのか、とにかく無駄がなく、テンポ良く物語が進む。"
},
{
  "title" : "追憶列車 (角川文庫)",
  "isbn" : "4043690029",
  "date" : "2005-01-26T03:56:12.000Z",
  "publisher" : "角川書店",
  "authors" : "多島 斗志之",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "現代小説あり、時代小説ありで、多島氏の作風の幅広さを実感できる短編集。多島氏の良いところは、「地味だけどこういう題材って面白いなあ」というポイントを的確にすくいとってくれるところで、その傾向はこの初期短編集からも読み取れる。しかし、やっぱり初期短編。作品の完成度としては、若干物足りないものも多い。できれば、もう少しあとに書かれた短編を読みたいところである。ところでAmazon.comのHPでは、「瀬戸内海の島々を繋ぐ海上タクシー。船長・寺田が運んだ客から聞かされたな謎めいた話。」などと書かれていたのだけれど、これはガセでした。海上タクシーガル3号の船長が活躍するシリーズのファンとしては、ちょっとがっかり。"
},
{
  "title" : "公主帰還 (講談社文庫)",
  "isbn" : "4062733811",
  "date" : "2006-05-13T03:41:14.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "井上 祐美子",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "中国は宋代を舞台にした短編集。短編の出来としては悪くないものの、個人的にはもう少し幸せな結末の短編が読みたい。"
},
{
  "title" : "マドンナ",
  "isbn" : "4062114852",
  "date" : "2004-11-14T15:00:18.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "奥田 英朗",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "くすっと笑えて、少しほろ苦い、サラリーマン小説集。題材は重松清氏と重なる部分があるが、重松氏に比べると、あまり毒が感じられない。そこがよい。"
},
{
  "title" : "ぼんくら(下) (講談社文庫)",
  "isbn" : "4062747529",
  "date" : "2006-07-20T15:48:24.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "宮部 みゆき",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : ""
},
{
  "title" : "漢方小説",
  "isbn" : "4087747433",
  "date" : "2005-07-05T11:41:52.000Z",
  "publisher" : "集英社",
  "authors" : "中島 たい子",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "女独身三十一、友達以上恋人未満の男友達から結婚報告を聞いて以来、何故か体調が絶不調に。そんな彼女が最後にすがったのは、東洋の神秘・漢方診療所だった…。\n東洋医学ものに滅法弱い人間にはこたえられない一冊。漢方に関しての薀蓄は思ったより「濃く」なかったものの、人間ドラマでお釣りがくるほど楽しめた。\n中島氏は既に何本か脚本を書いておられるとのことで、軽いタッチの語り口といい、適度にデフォルメされた登場人物といい、なるほど、脚本畑出身らしいセンスが光る。\n南伸坊先生の装丁も素敵。"
},
{
  "title" : "東京城残影",
  "isbn" : "4062095637",
  "date" : "2004-10-23T17:22:59.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "平山 寿三郎",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "江戸から明治へと転換する混乱期、そこに生きる市井の男女の生き様が描かれている。\n後半がややまとまりすぎの感があるので、個人的には次の「明治おんな橋」の方が完成度が高いと思うのだが、読後感の爽やかさは高く評価したい。\n"
},
{
  "title" : "紅の袖",
  "isbn" : "4104235075",
  "date" : "2005-04-19T06:57:33.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "諸田 玲子",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★",
  "comment" : "黒船が到来した直後の、幕末の江戸を舞台とした物語。主人公は川越藩士の妻、沙代である。真綿でじわじわと首をしめられるような不気味さが漂う前半に比べると、後半の大団円はやや拍子抜け。後半部分で明らかになる、とある真実にはおどろかされたが。"
},
{
  "title" : "召使いたちの大英帝国 (新書y)",
  "isbn" : "4896919351",
  "date" : "2006-05-20T01:56:42.000Z",
  "publisher" : "洋泉社",
  "authors" : "小林 章夫",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "イギリス社会史の入門書として楽しく読める一冊。文章の端々に作者のユーモアが感じられるのも好ましい。でも、統計の出典に「ちなみに」はいらないでしょう(笑)。"
},
{
  "title" : "もっと、わたしを",
  "isbn" : "4344004663",
  "date" : "2004-10-23T18:17:57.000Z",
  "publisher" : "幻冬舎",
  "authors" : "平 安寿子",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "一癖も二癖もある登場人物たちによる連作短編集。\nこの小説を読むと、人間が無性に愛しくなること請け合い。\n最初の話が、いきなり脱力するような場面から始まるので出鼻をくじかれるが(私だけか?)、そこで臆してはいけない。登場人物が各話で綿密にクロスしているので、連作小説の醍醐味も十二分に味わえる。"
},
{
  "title" : "ミッキーマウスの憂鬱",
  "isbn" : "4104751014",
  "date" : "2005-11-28T07:45:07.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "松岡 圭祐",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "ちょっと変り種の企業娯楽小説。いや、面白かったんですけど、この小説の舞台になっている某遊園地、匿名でなくて良いんでしょうか…。"
},
{
  "title" : "延長戦に入りました",
  "isbn" : "4344002164",
  "date" : "2007-01-19T15:00:53.000Z",
  "publisher" : "幻冬舎",
  "authors" : "奥田 英朗",
  "categories" : "エッセイ",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "抱腹絶倒のスポーツエッセイ。抱腹絶倒本というジャンルでは、東野圭吾の「あの頃ぼくらはアホでした」と双璧をなすと睨んでいる。\n直木賞を受賞したので、奥田英朗の小説を読まれている方は多いと思うが、個人的には、奥田さんのエッセイストとしての非凡な才能をこそ評価したい。\n損はしないので、是非読むべし!"
},
{
  "title" : "ローマ帝国愚帝列伝 (講談社選書メチエ)",
  "isbn" : "4062581817",
  "date" : "2004-12-03T15:30:49.000Z",
  "publisher" : "講談社",
  "authors" : "新保 良明",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "ローマ帝国の中でも悪名高い皇帝6名をピックアップし、その放埓・放蕩のエピソードを詰め込んだもの。同じ愚帝でも、史上屈指の大国の愚帝となると、そのはちゃめちゃぶりもスケールが違う。ただ、あまりにも刺激的なトピックを盛り込みすぎているため、途中からはやや食傷気味に。まあ、ローマ皇帝の即位システム自体は面白かったので良いのだが。"
},
{
  "title" : "森のなかの海〈上〉",
  "isbn" : "4334923356",
  "date" : "2006-08-16T07:05:18.000Z",
  "publisher" : "光文社",
  "authors" : "宮本 輝",
  "categories" : "現代小説",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "阪神大震災を機に、それまでの平穏な生活の一切を失った希美子。\n心身に受けた傷を抱え、彼女は二人の息子とともに奥飛騨に向かう。\u003cbr\u003e\n主人公を支える家族の温かさが心地いい、長編小説。"
},
{
  "title" : "驟(はし)り雨 (新潮文庫)",
  "isbn" : "4101247110",
  "date" : "2006-06-11T03:00:51.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "藤沢 周平",
  "categories" : "時代小説",
  "score" : "★★★★",
  "comment" : "明暗とりまぜた市井小説集。表題作も良いが、ユーモラスな「運の尽き」がイチオシ。"
},
{
  "title" : "エディプスの恋人 (新潮文庫)",
  "isbn" : "4101171130",
  "date" : "2004-11-23T04:56:48.000Z",
  "publisher" : "新潮社",
  "authors" : "筒井 康隆",
  "categories" : "",
  "score" : "★★★★★",
  "comment" : "七瀬シリーズ最終章。2作目までを読んでいた人には、この冒頭に、おや?と思うはず。最後はどこに着地するかと思っていたら、おお、そうきたか!の納得の結末であった。第3作になってもペースはおちず、最後まで一気読み。さすが筒井氏、名人芸である。"
}
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